TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025085551
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-05
出願番号2023199512
出願日2023-11-25
発明の名称変速装置のシフトバレル
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人個人,個人
主分類F16H 63/18 20060101AFI20250529BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】 車両等の変速装置に用いられるシフトバレル1に於いて、シフトバレルの回動のためのリンク機構6に係合していない端部4を、シフトフォークに係合した溝3の形成された本体部分2と別体にて形成し、本体部分と接続する構成とする場合に、別体の端部を支持する軸受が回転不能となっても本体部分が回動され、変速段切換機能が保持できるようにする。
【解決手段】 変速装置のシフトバレルは、表面にシフトフォークに係合する溝が形成された本体部分と、本体部分の両端にてそれぞれ軸受に回転可能に支持される第一及び第二の端部とを含み、第一の端部5がシフトバレルを回動するためのリンク機構に係合し、本体部分と一体的に形成されており、第二の端部4が本体部分とは別体に形成され、本体部分の、第一の端部とは反対側の端にて本体部分に対して回転方向に摺動可能に接続されている。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
変速装置のシフトバレルであって、表面にシフトフォークに係合する溝が形成された本体部分と、前記本体部分の両端にてそれぞれ軸受に回転可能に支持される第一及び第二の端部とを含み、前記第一の端部が前記シフトバレルを回動するためのリンク機構に係合し、前記本体部分と一体的に形成されており、前記第二の端部が前記本体部分とは別体に形成され、前記本体部分の、前記第一の端部とは反対側の端にて前記本体部分に対して回転方向に摺動可能に接続されているシフトバレル。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、変速装置のシフトバレルの構造に係る。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
自動車等の車両の変速装置に於いて、シフトバレル(又はシフトドラム)が用いられる形式の場合、変速段の切換えに際して、アクチュエータによって、円筒形状のシフトバレルが回転され、その表面に形成された溝に沿ってシフトフォークが、歯車列の軸線方向に変位して、歯車の位置が変更される。かかるシフトバレルの構造として、種々のものが提案されている。例えば、特許文献1では、シフトドラムの、回転力が入力される側の端部がシフトドラムの外径に略等しい内径の軸受部材に支持されると共に、その端部にシフトドラムと同軸上にシフトドラムより縮径した軸部が設けられ、その軸部の端部にシフトドラムを回動するための機構を連結して、変速装置を小型化することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-178753
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の如き変速装置に於けるシフトバレルに関して、その軽量化を図るために種々の構成が検討されている。そのような構成の一つとして、シフトバレルの肉厚をできるだけ薄くする一方で、その径を大きくし、断面積が過小にならないようにして、軽量化による強度低下を抑制するといった構成が考えられる。そのようにシフトバレルの径を大きくすることは、シフトバレルの工作に於いて、丸棒材からその表面を削って溝を形成する際に、切削量が低減できる点でも有利である。なお、シフトバレルを円筒状にする加工は、丸棒材の一方の端からのドリルを用いた穴あけ加工による丸棒材の内部のくり貫きにより成されるので、肉厚の調整は、ドリルの外径を適当に選択することにより達成される。
【0005】
上記の如くシフトバレルの径を大きくした構成を採用する場合でも、シフトバレルの両端を回転可能に支持する軸受の寸法は、できるだけ小さいことが好ましい。従って、シフトバレルの径を大きくする設計に於いても、軸受に支持される端部については、それらの間の部分よりも径を小さくすることが考えられる。その際、丸棒材の内部のくり貫きは、上記の如く、一方の端からドリルを挿通することにより成されるので、シフトバレルの両端部のうち、少なくとも一方は、別体として小径に工作したものを用意し、大径に工作された方(シフトバレル本体部分)に接続するといった構成が必要となる。即ち、シフトバレルの端部を支持する軸受の寸法を大きくせずに、シフトバレルの径を大きくする場合には、少なくとも一方の小径に形成される端部だけ、分割して作成し、大径に形成されたシフトバレル本体部分に接続される手法が取られることとなる。この点に関し、シフトバレルは、上記の如く表面にシフトフォークに係合する溝が形成され、変速段切換動作のためには、一端にて、アクチュエータにより回動されて、シフトフォークを変位するよう作動する。従って、シフトバレルの軸受で支持される両端のうちの一方は、アクチュエータに連結したリンク機構と係合し、アクチュエータからの変位力をシフトバレルの回転に変換する機能を有するので、リンク機構に係合した端部は、シフトフォークに係合した溝の形成されたシフトバレル本体と一体的に形成されていることが好ましい(リンク機構に係合した端部が別体として形成され、シフトバレル本体に接続される構成の場合、接続部分が滑ると、アクチュエータからの変位がシフトバレルの回転へ伝達されないこととなる。)。従って、シフトバレル本体と別体に形成される端部は、リンク機構に係合していない側の端部とすることが好ましい。
【0006】
ところで、上記の如く、シフトバレル本体とリンク機構に係合していない側の端部とを別体に形成して連結する場合、その端部は、軸受で支持されることで、シフトバレル本体を回転可能に支持できればよいので、その角度位置を精密に調整する必要はなく、シフトバレル本体に対して回転方向に摺動可能であってもよい。そして、そのように、別体の端部がシフトバレル本体に対して回転方向に摺動可能である場合、その端部を支持する軸受が損傷して回転不能となっても、リンク機構に追従して、シフトバレル本体は回転可能であり、変速段切換機能は維持されるので、有利である。本発明に於いては、この知見が利用される。
【0007】
かくして、本発明の主な課題は、車両等の変速装置に用いられるシフトバレルに於いて、シフトバレルを回動するためのリンク機構に係合していない側の端部を、シフトフォークに係合した溝の形成されたシフトバレル本体部分と別体にて形成して、シフトバレル本体部分と接続する構成とする場合に、シフトバレル本体部分と別体の端部とをその軸線方向周りに回転方向に摺動可能に接続することにより、別体の端部を支持する軸受が回転不能となってもシフトバレル本体部分が回動され、変速段切換機能が保持できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、上記の課題は、変速装置のシフトバレルであって、表面にシフトフォークに係合する溝が形成された本体部分と、前記本体部分の両端にてそれぞれ軸受に回転可能に支持される第一及び第二の端部とを含み、前記第一の端部が前記シフトバレルを回動するためのリンク機構に係合し、前記本体部分と一体的に形成されており、前記第二の端部が前記本体部分とは別体に形成され、前記本体部分の、前記第一の端部とは反対側の端にて前記本体部分に対して回転方向に摺動可能に接続されているシフトバレルによって達成される。
【0009】
上記の構成に於いて、「変速装置」は、自動車等の車両に搭載されるシフトバレルを採用した形式の任意の変速装置であってよい。「シフトバレル」は、通常の態様にて、円筒状の部材であって、表面にシフトフォークに係合する溝が形成され、一方の端(第一の端部)が、変速段の切換時にシフトバレルを回動する力を発生するアクチュエータに連結したリンク機構と係合している構成のものであってよい。第一及び第二の端部を回転可能に支持する軸受は、この分野で通常利用されている任意の軸受であってよい。本体部分と第二の端部との回転方向に摺動可能な接続は、任意の態様であってよいところ、典型的には、本体部分の開口端の内側に第二の端部の外側が嵌入した状態であってよい。
【0010】
上記の構成によれば、リンク機構に係合していない第二の端部が、シフトバレルの本体部分及び第一の端部と別体に形成され、回転方向に摺動可能に接続されることにより、第二の端部を回転可能に支持する軸受が回転不能となっても、シフトフォークに係合する溝が形成された本体部分は回動可能であるので、第二の端部を回転可能に支持する軸受の故障時に於いても変速段の切換が可能であり、車両の走行が可能な状態が維持できることとなる。また、シフトバレルの変速装置への組み込みの際に、第二の端部については精密な角度位置合わせが不要であり、そのための治具も不要となる点で有利である。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

個人
流路体
4か月前
個人
クラッチ装置
4か月前
個人
ホース保持具
1か月前
個人
免震留具
6か月前
個人
トーションバー
2か月前
株式会社不二工機
電磁弁
22日前
個人
ボルトナットセット
2か月前
個人
固着具と成形品部材
4か月前
個人
回転式配管用支持具
3か月前
株式会社アイシン
駆動装置
4か月前
株式会社オンダ製作所
継手
3か月前
カヤバ株式会社
緩衝器
4か月前
株式会社ミクニ
弁装置
4か月前
カヤバ株式会社
緩衝器
2か月前
カヤバ株式会社
緩衝器
4か月前
株式会社三協丸筒
枠体
2か月前
カヤバ株式会社
緩衝器
6か月前
株式会社ミクニ
弁装置
4か月前
個人
ベルトテンショナ
3か月前
株式会社不二工機
電動弁
2か月前
個人
角型菅の連結構造及び工法
3か月前
個人
固着具と固着具の固定方法
1か月前
株式会社不二工機
逆止弁
4か月前
株式会社ナベル
直動機構
6か月前
未来工業株式会社
固定体
6か月前
個人
固着具と固着具の固定方法
15日前
矢崎化工株式会社
連結具
4か月前
個人
固着具と固着具の固定方法
3か月前
日東精工株式会社
樹脂被覆ねじ
2か月前
個人
固着具と固着具の固定方法
18日前
カヤバ株式会社
緩衝装置
4か月前
株式会社ノーリツ
分配弁
29日前
株式会社ノーリツ
分配弁
29日前
株式会社ノーリツ
分配弁
29日前
株式会社不二工機
電動弁
4か月前
個人
固着具と固着具の固定方法
17日前
続きを見る