TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2025084978
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-03
出願番号2025034500,2021567164
出願日2025-03-05,2020-12-07
発明の名称脱アルコール飲料の製造方法、アルコール飲料の製造方法及びアルコール含有飲料由来のアロマ成分の製造方法
出願人サントリーホールディングス株式会社
代理人弁理士法人WisePlus
主分類C12H 3/02 20190101AFI20250527BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】アルコール含有飲料の香味を有し、かつ、エタノール濃度が低減された脱アルコール飲料を効率よく製造することができる方法、及び、飲料等に混合することにより、エタノール濃度の増加を抑えつつアルコール含有飲料の香味を付与することができる、アルコール含有飲料由来のアロマ成分を効率よく製造することができる方法を提供する。
【解決手段】アルコール含有飲料からエタノール及びアロマ成分を分離し、エタノール及びアロマ成分を含む混合物とアルコール含有飲料からエタノール及びアロマ成分が分離された残留液とを得る工程、樹脂とエタノール及びアロマ成分を含む混合物とを接触させて、樹脂にアロマ成分を吸着させる工程、アロマ成分を吸着した樹脂からエタノールを除去する工程、エタノールを除去した樹脂からアロマ成分を回収する工程、残留液とアロマ成分とを混合し、脱アルコール飲料を得る工程を含む、脱アルコール飲料の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
アルコール含有飲料からエタノール及びアロマ成分を分離し、前記エタノール及びアロマ成分を含む混合物と、前記アルコール含有飲料からエタノール及びアロマ成分が分離された残留液とを得る工程(A);
樹脂と、前記エタノール及びアロマ成分を含む混合物とを接触させて、前記樹脂に前記アロマ成分を吸着させる工程(B);
前記アロマ成分を吸着した樹脂からエタノールを除去する工程(C);
前記工程(C)でエタノールを除去した樹脂からアロマ成分を回収する工程(D);及び、
前記工程(A)で得られる残留液と、前記工程(D)で得られるアロマ成分とを混合し、脱アルコール飲料を得る工程(E)を含む、
脱アルコール飲料の製造方法。
続きを表示(約 770 文字)【請求項2】
前記アルコール含有飲料は、エタノール濃度が0.1~60v/v%である請求項1に記載の脱アルコール飲料の製造方法。
【請求項3】
前記アルコール含有飲料は、果実及び/又は穀類を原料とする醸造酒及び/又は蒸留酒である請求項1又は2に記載の脱アルコール飲料の製造方法。
【請求項4】
前記アルコール含有飲料は、ビール、果実酒又は清酒である請求項1~3のいずれか一項に記載の脱アルコール飲料の製造方法。
【請求項5】
前記アルコール含有飲料は、ビールである請求項1~4のいずれか一項に記載の脱アルコール飲料の製造方法。
【請求項6】
前記工程(E)で得られる脱アルコール飲料のエタノール濃度が0.005v/v%未満である請求項1~5のいずれか一項に記載の脱アルコール飲料の製造方法。
【請求項7】
前記樹脂は、スチレン系樹脂である請求項1~6のいずれか一項に記載の脱アルコール飲料の製造方法。
【請求項8】
前記工程(C)において、前記アロマ成分を吸着した樹脂を水で洗浄してエタノールを除去する請求項1~7のいずれか一項に記載の脱アルコール飲料の製造方法。
【請求項9】
前記工程(D)において、水蒸気により前記樹脂からアロマ成分を溶出させてアロマ成分を回収する請求項1~8のいずれか一項に記載の脱アルコール飲料の製造方法。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の製造方法により製造される脱アルコール飲料を用いるアルコール飲料の製造方法であって、前記脱アルコール飲料とエタノールとを混合してエタノール濃度を調整する工程を含む、アルコール飲料の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、アルコール含有飲料から、エタノール濃度が低減された脱アルコール飲料を製造する方法に関する。本発明はまた、アルコール飲料の製造方法に関する。本発明はさらに、アルコール含有飲料由来のアロマ成分の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年、実質的にアルコールを含有しないアルコールテイストの飲料(ノンアルコール飲料)の需要が高まっており、ノンアルコール飲料として、ノンアルコールビールテイスト飲料、ノンアルコールワイン等が販売されている。
【0003】
ノンアルコール飲料には、エタノール濃度だけが低減され、アルコール飲料が有する香味を有することが求められている。例えば、ノンアルコールビールの製造方法として、ビールを水蒸気蒸留してエタノール及びアロマ成分を分離してエタノール濃度を低減させた処理液を得て、分離したエタノール及びアロマ成分を含む蒸留液を該処理液に添加する方法がある。しかしながら、蒸留液にはアロマ成分と共にエタノールが含まれることから、蒸留液の添加によりエタノール濃度が増加する。
【0004】
特許文献1には、ワインから香り成分を分離する香り成分分離工程と、前記工程で香り成分が分離されたワインからエタノールを分離するエタノール分離工程と、前記エタノール分離工程を経たワインに、前記香り成分分離工程で分離された前記香り成分を添加して該ワインに香気を付与する香り成分添加工程を含む脱エタノールワインの製造方法が記載されている。特許文献1の方法では、香り成分添加工程の前に、香り成分分離工程において分離された香り成分に同伴するエタノールを逆浸透膜(RO膜)等の膜により分離する膜処理工程が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2014-176367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の方法では、RO膜等を使用して香り成分に同伴するエタノールを香り成分から分離している。しかしながらRO膜処理によるエタノールの分離には時間がかかるため、効率の点で改善の余地があった。また特許文献1の方法は、アロマ成分の回収率を向上させる改善の余地があった。
【0007】
本発明は、アルコール含有飲料の香味を有し、かつ、エタノール濃度が低減された脱アルコール飲料を効率よく製造することができる方法を提供することを目的とする。また、本発明は、飲料等に混合することにより、エタノール濃度の増加を抑えつつアルコール含有飲料の香味を付与することができる、アルコール含有飲料由来のアロマ成分を効率よく製造することができる方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、アルコール含有飲料から分離したエタノール及びアロマ成分を含む混合物を、アロマ成分を吸着する樹脂で処理すると、アロマ成分とエタノールとを良好に分離することができ、アルコール含有飲料由来のアロマ成分を効率よく、高い回収率で得ることができることを見出した。アルコール含有飲料からエタノールを分離した残留液に上記のように分離されたアロマ成分を混合すると、エタノール濃度の増加を抑えつつ、該アルコール含有飲料が有する香味を付与することができることから、該香味を有し、かつ、エタノール濃度が低減された脱アルコール飲料を製造することができる。
【0009】
すなわち、本発明は、以下の脱アルコール飲料の製造方法、アルコール飲料の製造方法、アルコール含有飲料由来のアロマ成分の製造方法等に関する。
〔1〕アルコール含有飲料からエタノール及びアロマ成分を分離し、上記エタノール及びアロマ成分を含む混合物と、上記アルコール含有飲料からエタノール及びアロマ成分が分離された残留液とを得る工程(A);樹脂と、上記エタノール及びアロマ成分を含む混合物とを接触させて、上記樹脂に上記アロマ成分を吸着させる工程(B);上記アロマ成分を吸着した樹脂からエタノールを除去する工程(C);上記工程(C)でエタノールを除去した樹脂からアロマ成分を回収する工程(D);及び、上記工程(A)で得られる残留液と、上記工程(D)で得られるアロマ成分とを混合し、脱アルコール飲料を得る工程(E)を含む、脱アルコール飲料の製造方法。
〔2〕上記アルコール含有飲料は、エタノール濃度が0.1~60v/v%である上記〔1〕に記載の脱アルコール飲料の製造方法。
〔3〕上記アルコール含有飲料は、果実及び/又は穀類を原料とする醸造酒及び/又は蒸留酒である上記〔1〕又は〔2〕に記載の脱アルコール飲料の製造方法。
〔4〕上記アルコール含有飲料は、ビール、果実酒又は清酒である上記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の脱アルコール飲料の製造方法。
〔5〕上記アルコール含有飲料は、ビールである上記〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の脱アルコール飲料の製造方法。
〔6〕上記工程(E)で得られる脱アルコール飲料のエタノール濃度が0.005v/v%未満である上記〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の脱アルコール飲料の製造方法。
〔7〕上記樹脂は、スチレン系樹脂である上記〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の脱アルコール飲料の製造方法。
〔8〕上記工程(C)において、上記アロマ成分を吸着した樹脂を水で洗浄してエタノールを除去する上記〔1〕~〔7〕のいずれかに記載の脱アルコール飲料の製造方法。
〔9〕上記工程(D)において、水蒸気により上記樹脂からアロマ成分を溶出させてアロマ成分を回収する上記〔1〕~〔8〕のいずれかに記載の脱アルコール飲料の製造方法。
〔10〕上記〔1〕~〔9〕のいずれかに記載の製造方法により製造される脱アルコール飲料を用いるアルコール飲料の製造方法であって、上記脱アルコール飲料とエタノールとを混合してエタノール濃度を調整する工程を含む、アルコール飲料の製造方法。
〔11〕アルコール含有飲料からエタノール及びアロマ成分を分離し、上記エタノール及びアロマ成分を含む混合物と、上記アルコール含有飲料からエタノール及びアロマ成分が分離された残留液とを得る工程(A);樹脂と、上記エタノール及びアロマ成分を含む混合物とを接触させて、上記樹脂に上記アロマ成分を吸着させる工程(B);上記アロマ成分を吸着した樹脂からエタノールを除去する工程(C);及び、上記工程(C)でエタノールを除去した樹脂からアロマ成分を回収する工程(D)を含む、アルコール含有飲料由来のアロマ成分の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、アルコール含有飲料の香味を有し、かつ、エタノール濃度が低減された脱アルコール飲料を効率よく製造することができる方法を提供することができる。また、本発明によれば、飲料等に混合することにより、エタノール濃度の増加を抑えつつアルコール含有飲料の香味を付与することができる、アルコール含有飲料由来のアロマ成分を効率よく製造することができる方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

合同酒精株式会社
麦汁の製造方法
1か月前
池田食研株式会社
RNAの合成方法
2か月前
マグネデザイン株式会社
磁気顕微鏡
3か月前
東洋紡株式会社
細菌からの核酸抽出法
2か月前
杏林製薬株式会社
核酸検出用PCR溶液
2日前
熊本県
低褐変レタスとその作製方法
2か月前
東洋紡株式会社
ウイルスからの核酸抽出法
2か月前
学校法人近畿大学
培養肉の製造方法
18日前
JNC株式会社
アデノ随伴ウイルスの精製方法
25日前
朝日酒造 株式会社
発泡性清酒の製造方法
2か月前
国立大学法人山梨大学
受精胚の選別方法及び装置
2か月前
テルモ株式会社
液体除去器具
3か月前
セージ セラピューティクス, インコーポレイテッド
C7、C12、およびC16置換神経刺激性ステロイドおよびそれらの使用方法
1か月前
大和ハウス工業株式会社
藻類培養システム
2か月前
日本特殊陶業株式会社
メタン発生抑制装置
1か月前
ヤマト科学株式会社
インキュベータ
18日前
個人
超音波機能着きウィスキー熟成ボトル用のキャップ
13日前
株式会社アテクト
培養シート
1か月前
東洋紡株式会社
緩衝剤によるヘムタンパク質の安定化方法
13日前
テルモ株式会社
移植用デバイス
3か月前
テルモ株式会社
積層体および移植片の輸送方法
3か月前
株式会社ユーグレナ
観察用遠隔制御装置
3か月前
日本臓器製薬株式会社
髄核細胞の培養方法
2か月前
国立大学法人愛媛大学
ASC欠損非ヒト哺乳動物
3か月前
三井化学株式会社
作業用装置
2か月前
住友化学株式会社
細胞チップ
1か月前
住友化学株式会社
細胞用基材
2か月前
学校法人慈恵大学
培養皿用の定規
2か月前
TOA株式会社
化粧品の保存効力試験方法
3か月前
株式会社関電工
藻類培養装置および藻類培養方法
3か月前
住友化学株式会社
細胞用基材
2か月前
株式会社アステック
培養装置及び培養方法
3か月前
花王株式会社
肌タイプの分類方法
1か月前
キヤノン株式会社
細胞剥離装置
1か月前
ニプロ株式会社
コネクタ及びバッグ
1か月前
宝酒造株式会社
蒸留酒類、及び蒸留酒類の製造方法
3か月前
続きを見る