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公開番号2025084902
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-03
出願番号2025031607,2021547827
出願日2025-02-28,2020-02-18
発明の名称熱及び圧力を使用しない生物学的焼結
出願人バイオメゾン・インコーポレイテッド
代理人弁理士法人川口國際特許事務所
主分類C12P 3/00 20060101AFI20250527BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】建築材料の製造のための新しいツール、組成物及び方法を提供する。
【解決手段】本発明は、炭酸カルシウムの酵素的分解及び再形成を含む生物学的焼結の組成物、ツール及び方法を対象とする。特に、本発明は、炭酸カルシウムを沈殿及び/又は溶解させる1種類以上の酵素を使用する、煉瓦、石材及び他の固体構造物の製造、防塵、並びに、道路、小道及び他の固体表面の構築に関する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
炭酸カルシウムを溶解する酵素を発現する微生物を含む第1の水性媒体を提供すること;
炭酸カルシウムを溶解する酵素の活性を促進する条件下で前記第1の水性媒体を炭酸カルシウムと合わせること;及び、
カルシウムイオン及び/又は遊離炭素を収集すること;
を含む、方法。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記水性媒体が、塩類、アミノ酸、タンパク質、ペプチド、炭水化物、糖類、多糖類、脂肪酸、油、ビタミン及びミネラルのうちの1種類以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記微生物が、アルファプロテオバクテリア(Alphaproteobacteria)、ベータプロバクテリア(Betaprobacteria)、ガンマプロバクテリア(Gammaprobactreia)、ファーミキューテス(Firmicutes)又はアクチノバクテリア(Actinobacteria)のうちの1種類以上の種、亜種、株又は血清型を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記微生物が、バリオボラックス(Variovorax)、クレブシエラ(Klebsiella)、シュードモナス(Pseudomonas)、バシルス(Bacillus)、エクシグオバクテリウム(Exiguobacterium)、ミクロバクテリウム(Microbacterium)、クルトバクテリウム(Curtobacterium)、ラタイバクター(Rathayibacter)、セルフィミ2(CellFimi2)、ストレプトミセス(Streptomyces)及び/又はラオウルテラ(Raoultella)のうちの1種類以上の種、亜種、株又は血清型を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
炭酸カルシウムを形成する方法であって、
炭酸カルシウムを形成する酵素を発現する微生物を含む第2の水性媒体を提供すること;
炭酸カルシウムを形成する酵素の活性を促進する条件下で前記第2の水性媒体を請求項1に記載の方法に従って収集された前記収集されたカルシウムイオン及び/又は遊離炭素並びに窒素源と合わせること;及び、
炭酸カルシウムを形成すること;
を含む、前記方法。
【請求項6】
前記微生物が、スポロサルシナ・パステウリイ(Sporosarcina pasteurii)、スポロサルシナ・ウレアエ(Sporosarcina ureae)、プロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)、バシルス・スファエリクス(Bacillus sphaericus)、ミクソコックス・キサンタス(Myxococcus xanthus)、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)、バシルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)並びに/又はウレアーゼ及び/若しくは炭酸脱水酵素を産生する微生物のうちの1種類以上の種、亜種、株又は血清型を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記合わせることが、結合剤を添加することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記結合剤が、ポリマー、糖類、多糖類、炭水化物、脂肪酸、油、アミノ酸又はそれらの組み合わせを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の水性媒体を合わせることが、実質的に、前記第2の水性媒体を合わせることで実施される、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
資材を製造する方法であって、
炭酸カルシウムを溶解する酵素を発現する微生物を含む第1の水性媒体を提供すること;
炭酸カルシウムを溶解する酵素の活性を促進する条件下で前記第1の水性媒体を炭酸カルシウムと合わせて、ルシウムイオン及び/又は遊離炭素を形成すること;
前記カルシウムイオン及び/又は遊離炭素を、炭酸カルシウムを形成する酵素を発現する微生物を含む第2の水性媒体と合わせること;及び、
炭酸カルシウムを形成すること;
を含む、前記方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
関連出願への参照
本出願は、2019年2月15日に出願された米国仮特許出願第62/806,346号の優先権を主張するものであり、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
続きを表示(約 3,000 文字)【0002】
本発明は、炭酸カルシウムの酵素的分解及び再形成を含む生物学的焼結の組成物、ツール及び方法を対象とする。特に、本発明は、炭酸カルシウムを沈殿及び/又は溶解させる1種類以上の酵素を使用する、煉瓦、石材(masonry)及び他の固体構造物の製造、防塵、並びに、道路、小道及び他の固体表面の構築に関する。
【背景技術】
【0003】
従来の煉瓦及びコンクリートの構造物は、石炭や木材などの天然資源の燃焼に大きく依存する。この依存により、大量のエネルギー資源が消費され、同様に大量の二酸化炭素が放出され、したがって、限られたエネルギー源に大きく依存する。これらの従来のプロセスの代替には、微生物によって誘発される方解石沈殿(MICP)として知られるプロセスが包含される。MICPは、エネルギー源としてのウレアーゼと尿素を、例えば、砂などの骨材と混合させることを含む。この酵素は、アンモニアと二酸化炭素の生成を触媒し、組成物のpHレベルを上昇させる。2番目の酵素である炭酸脱水酵素は、二酸化炭素の炭酸アニオンへの遷移を促進する。pHの上昇によって、カルシウムカチオンと炭酸アニオンを組み合わせたミネラル「沈殿物」が形成される。その混合物中に存在する粒子は、核形成場所として機能し、方解石結晶を形成するカルシウムからミネラルイオンを引き付ける。ミネラルの成長は、バイオセメント化又は互いに結合する砂粒子間のギャップを埋める。好ましくは、該粒子は、幅が少なくとも5ミクロンのギャップを含むが、その幅は必要に応じてより大きいことも又はより小さいことも可能である。得られた材料は、自然に形成された石材、煉瓦又は他の固体構造物と同様の組成及び物理的特性を示す。硬度は、少なくとも初期成分の構造物及び所望の細孔サイズに基づいて事前に決定することができる。
【0004】
炭酸カルシウムを溶解することができる酵素産生細菌としては、アルファプロテオバクテリア(Alphaproteobacteria)、ベータプロバクテリア(Betaprobacteria)、ガンマプロバクテリア(Gammaprobactreia)、ファーミキューテス(Firmicutes)又はアクチノバクテリア(Actinobacteria)などがある。バイオセメンテーションが可能な酵素産生細菌としては、スポロサルシナ・ウレアエ(Sporosarcina ureae)、プロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)、バシルス・スファエリクス(Bacillus sphaericus)、ミクソコックス・キサンタス(Myxococcus xanthus)、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)又はヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)などがあるが、病原性菌株には適切な懸念を払う必要がある。これらの菌株のいずれかの組み合わせ、並びに、機能的変異株、突然変異及び遺伝子組換え株も同様に使用することができる。細菌組成物は、細胞がよく成長し及び増殖することを維持する及び/又は可能にするための栄養培地を含む。細胞のための、特に、本発明の細菌細胞のための様々なタイプの栄養培地は、既知であり及び市販されており、そして、増殖することなく生存能力を維持するために輸送に通常使用される最少培地(又は、輸送培地)、及び、酵母エキス及び糖蜜(これは、通常、成長及び増殖に使用される)を少なくとも含む。
【0005】
誘発されたセメンテーションによって建設資材を製造するこの方法は、低い内包エネルギーを示し、そして、大気圧及び広範囲の温度で生じ得る。周囲の温度と条件及び利用可能な骨材の含有量によって、出発成分として純粋な酵素、凍結乾燥酵素又は生細胞が利用されるかどうかが決まり得る。一般に、生細胞は、穏やかな気象条件が存在する比較的暖かい温度で使用されるが、純粋な酵素は、寒さや暑さの比較的極端な条件下で有利であり得る。砂の骨材と自然に誘発されたセメンテーションを使用する生物工学で作られた建築ユニットの導入は、地元で製造することが可能で環境に優しい可能性のある自然な代替手段を提供する。加熱することはほとんど又は全く必要ないため、費用と効率の両方でエネルギーを大幅に節約できる。
【0006】
MICPのもう1つの利点は、そのプロセスが小規模及び大規模の両方で利用することが可能であること、並びに、容易に自動化できることである。本発明の石材製造プロセスのバルク内容物は、岩石、砂、砂利及びほとんど全ての種類の石を含む、現地で入手可能なほとんど全ての材料であり得る。圧壊又は破壊して破片とすることなどの石の加工も現地で行うことができる。したがって、輸送コスト及び費用は最小限に抑えられる。本発明の組成物(現場で凍結乾燥及び水和されて提供され得る)、煉瓦のフレーム(別のやり方では利用できない場合)及び必要に応じて取扱説明書が、提供される必要がある全てである。輸送が必要な場合、これは、特に従来のコンクリートの配送に関連する現在の費用と比較して、配送費用のほんの一部に相当する。
【0007】
MICPプロセスのもう1つの利点は、主に鉱物、MICP及び緩い骨材(例えば、砂)を利用して、煉瓦などの「成長した」建設資材を製造することである。煉瓦及び別の建設資材を製造することが可能であるのみではなく、煉瓦自体を目的の場所にセメントで固定して、煉瓦を相互に及び/又は他の材料に「セメントで固定」し、それによって、建造物、支持構造物又は部材、壁、道路及び別の構造物を形成することができる。
【0008】
生物学的に成長した煉瓦や石材は、ポルトランドセメントモルタルの従来の使用を必要とせず、これにより、内包エネルギーが高い従来製造された建設資材に代わるものを提供することで、大気中の二酸化炭素を低減させることができる。細胞を使用して鉱物の沈殿を自然に誘発し、地元の骨材と迅速な製造方法を組み合わせることで、世界の建設業界全体で使用される地元の生態学的で経済的な建築材料の生産が可能になる。
【0009】
MICPは、建設に使用されるほぼ全ての形態の煉瓦、ブロック又は固体構造物を製造するために利用することができるが、大規模製造のための効率的な方法はまだ開発されていない。したがって、経済的でありかつ環境的に安全な石材の製造に一貫性を提供する迅速で便利なプロセスの必要性が存在する。さらに、MICPに必要な最初の成分が常に容易に利用できるとは限らない。カルシウム源は、多くの場合、固体炭酸カルシウムの形態でのみ入手可能である。したがって、カルシウムを入手する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、現在の戦略及び設計に関連する問題及び不利な点を克服し、建築材料の製造のための新しいツール、組成物及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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