TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2025084654
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-03
出願番号2024016931,2023198145
出願日2024-02-07,2023-11-22
発明の名称水性インクジェットインキ及び印刷物
出願人artience株式会社
代理人
主分類C09D 11/322 20140101AFI20250527BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】低吸収性印刷基材に対して印刷した場合であっても、ビーディングがなく、耐ブロッキング性及び耐マイグレーション性にも優れる印刷物を、安定的に得ることができ、連続吐出性も良好である、水性インクジェットインキを提供する。
【解決手段】顔料、バインダー樹脂、水溶性有機溶剤、無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)、及び、HLB値が4~10であるアルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)を含み、前記無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)、及び、前記アルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)の含有量を規定するとともに、前記無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)の含有量と、前記アルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)の含有量との比が、10~5000である、水性インクジェットインキ。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
顔料、バインダー樹脂、水溶性有機溶剤、及び、アセチレンジオール系界面活性剤(A)を含有する水性インクジェットインキであって、
前記アセチレンジオール系界面活性剤(A)が、無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)と、HLB値が4~10であるアルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)とを含み
前記無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)の含有量が、前記水性インクジェットインキ全量に対し10~2000ppmであり、
前記アルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)の含有量が、前記水性インクジェットインキ全量に対し0.2~5質量%であり、かつ、
前記無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)の含有量と、前記アルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)の含有量との比[界面活性剤(A2)/界面活性剤(A1)]が、10~5000の範囲である、水性インクジェットインキ。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
更に、アセチレンジオール系界面活性剤以外のノニオン性界面活性剤(B)を含む、請求項1記載の水性インクジェットインキ。
【請求項3】
下記式(1)によって算出される、質量因子加算HLB値が0.3~2.0である、請求項2記載の水性インクジェットインキ。
式(1):
TIFF
2025084654000014.tif
20
170
(式(1)中、iは、前記無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)として使用される、界面活性剤の種類を表し、lは、前記無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)として使用される、界面活性剤の種類の数を表す。また、jは、前記アルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)として使用される、界面活性剤の種類を表し、mは、前記アルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)として使用される、界面活性剤の種類の数を表す。また、kは、前記ノニオン系界面活性剤(B)として使用される、界面活性剤の種類を表し、nは、前記ノニオン系界面活性剤(B)として使用される、界面活性剤の種類の数を表す。また、HLB
i
は、界面活性剤iのHLB値を表し、WT
i
は、前記水性インクジェットインキの全質量に対する、前記界面活性剤iの含有量(質量%)を表し、HLB
j
は、界面活性剤jのHLB値を表し、WT
j
は、前記水性インクジェットインキ中の全質量に対する、前記界面活性剤jの含有量(質量%)を表し、HLB
k
は、界面活性剤kのHLB値を表し、WT
k
は、前記水性インクジェットインキ中の全質量に対する、前記界面活性剤kの含有量(質量%)を表す。)
【請求項4】
前記ノニオン性界面活性剤(B)が、シリコン系界面活性剤を含む、請求項2または3記載の水性インクジェットインキ。
【請求項5】
前記水溶性有機溶剤が、1,2-プロパンジオールを含み、かつ、前記1,2-プロパンジオールの含有量が、前記水性インクジェットインキ全量に対し5~30質量%である、請求項1~3のいずれかに記載の水性インクジェットインキ。
【請求項6】
請求項1~3のいずれかに記載の水性インクジェットインキを、印刷基材に印刷してなる印刷物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水性インクジェットインキ、及び、当該水性インクジェットインキを用いて製造される印刷物に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
印刷の小ロット化及び市場ニーズの多様化に伴い、デジタル印刷方式の普及が急速に進んでいる。デジタル印刷方式は、版を必要としないことから、小ロット印刷に対応可能であるうえ、印刷に関するコストの削減、及び、印刷装置の小型化が実現可能である。
【0003】
デジタル印刷方式の一種であるインクジェット印刷方式とは、印刷基材(本願では、単に「基材」とも称する)に対して、インクジェットヘッドからインキの微小液滴を飛翔及び着弾させ、当該印刷基材上に画像や文字(以下総称して「印刷物」ともいう。なお上記「画像」には、ベタ画像及び市松模様画像等のシームレス画像も含まれる)を印刷する方式である。他のデジタル印刷方式と比べて、印刷装置のサイズ及びコスト、フルカラー化の容易性等の面で優れており、近年では産業印刷用途においても利用が進んでいる。
【0004】
インクジェット印刷方式で使用されるインキは、油系、溶剤系、活性エネルギー線硬化系、水系など多岐に渡る。これまで、産業印刷用途では、溶剤系や活性エネルギー線硬化系のインキが使用されてきた。しかし近年の、環境や人に対する有害性への配慮及び対応等の点から、水系のインキの需要が高まっている。
【0005】
また近年では、インクジェット印刷方式に使用される水系のインキ(本願では、「水性インクジェットインキ」と称する。また以下では、単に「インキ」とも記載する)の展開先として、パッケージ(包装)市場を要望する声が高まっている。当該パッケージ市場では、紙器、ラベル、包装フィルムといった印刷基材に対して印刷が行われる。またこれらの印刷基材の材質としては、コート紙及びアート紙のような低吸収性のもの、ならびに、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、及び、ナイロンフィルムのような、非吸収性のものも存在する。従って、パッケージ市場に対して水性インクジェットインキの展開を進めるにあたっては、低吸収性の基材、及び、非吸収性の基材に対しても、色再現性及び印刷画質に優れ、更には実使用に耐えられる特性を有する印刷物が作製できることが求められる。
【0006】
それに対し、これまでに存在した水性インクジェットインキは、普通紙及び専用紙のような吸収性の高い基材に対して印刷を行うためのものがほとんどであった。そのような水性インクジェットインキを、特に非吸収性の基材に用いた場合、当該水性インクジェットインキが基材内部に浸透吸収されることがないため、基材上に着弾した、上記水性インクジェットインキの液滴の乾燥が不十分となり、当該液滴同士が引き合い合一する現象(ビーディング)が発生する。ビーディングが発生すると、ベタ埋まりの悪化(印字率100%の印刷物における、インキが乗らない箇所の発生)、濃度のムラ、混色滲み等が起こるため、印刷画質が著しく低下する。
【0007】
上記ビーディングを抑制する方法として、水性インクジェットインキの表面張力を低下させる方法が知られている。また、上記表面張力を低下させる材料として、界面活性剤が使用されることが多い。特に、印刷基材上に着弾した直後の水性インクジェットインキの表面張力を、十分に低下した状態にするためには、上記界面活性剤として、分子量が小さく、かつ、液滴表面(気液界面)への配向速度が大きい化合物を選択することが好適である。しかしながら、一般に、このような界面活性剤は水と相溶し難いため、例えば、インクジェットヘッドのノズル近傍に存在する水性インクジェットインキにおいて、上記界面活性剤が気液界面に集中的に配向する恐れがある。そうなると、上記ノズル近傍に存在する水性インクジェットインキの表面張力が局所的に低下し、水性インクジェットインキがノズルから外部に溢れ出てしまう現象が発生してしまう。特に、連続吐出時に、このようなノズルからのインキの溢れが発生及び進行してしまうと、ノズル抜けや飛翔偏向といった吐出不良(連続吐出性の悪化)の要因になる。
【0008】
また、低分子量かつ配向速度が大きい界面活性剤は、液滴表面、すなわち、印刷されたインキが乾燥してなる層(インキ層)の表面に多く存在することになる。そのため、例えば印刷物を巻き取って保管する際、ブロッキング(インキ層に貼り付いた印刷基材をはがす際等に、当該インキ層の一部が印刷基材に取られる現象)が発生する恐れもある。
【0009】
更に、層内部にインキ層が含まれる積層体を製造し、パウチ(袋)等のパッケージとして使用した際、上記インキ層の表面に存在する、及び/または、当該インキ層の表面にブリード(ある成分が、時間経過とともに層表面に滲み出す現象)してきた、低分子量かつ配向速度が大きい界面活性剤が、上記積層体を構成する各層を通過し、当該積層体の表面にまで到達してしまう(マイグレーション)恐れがある。特に、内容物と接触する面に上記界面活性剤がマイグレーションしてしまうと、当該内容物の安全性に悪影響を与え恐れがあるため、例えば、食品包装用途あるいは化粧品包装用途で上記積層体を使用する場合、致命的な問題となる恐れがある。
【0010】
以上のように、従来は、印刷画質の向上、連続吐出性、耐ブロッキング性、耐マイグレーション性の全てを同時に解消することは、極めて困難な状況であった。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

個人
消火塗料
1か月前
個人
粘着テープ
1か月前
ベック株式会社
被覆材
1か月前
ぺんてる株式会社
固形描画材
1か月前
日榮新化株式会社
粘着テープ
2か月前
アイカ工業株式会社
パテ組成物
1か月前
三商株式会社
屋外用塗料組成物
1か月前
ぺんてる株式会社
水性インキ組成物
17日前
日榮新化株式会社
掲示パネルセット
2か月前
株式会社エフコンサルタント
被覆材
1か月前
アイカ工業株式会社
塗材仕上げ工法
2か月前
東ソー株式会社
ホットメルト接着剤
2か月前
日本特殊塗料株式会社
塗り床材組成物
2か月前
アイカ工業株式会社
光硬化型圧着組成物
2か月前
JNC株式会社
光硬化型導電性ペースト
6日前
コニシ株式会社
プライマー組成物
1か月前
デンカ株式会社
蛍光体
2か月前
デンカ株式会社
蛍光体
2か月前
株式会社大阪ソーダ
撥水撥油性表面処理剤
2か月前
花王株式会社
レオロジー改質剤
1か月前
デンカ株式会社
蛍光体粉末
1か月前
個人
レンズ用防曇剤
20日前
アイカ工業株式会社
バランスウエイト用組成物
2か月前
大日本印刷株式会社
塗工液及び容器
2か月前
TOTO株式会社
部材
2か月前
花王株式会社
液状レオロジー改質剤
1か月前
TOTO株式会社
設備
2か月前
日東電工株式会社
粘着シート
9日前
旭化成株式会社
包装材
24日前
エスケー化研株式会社
吸熱性組成物及び吸熱ボード
2か月前
日東電工株式会社
表面保護シート
1か月前
artience株式会社
コーティング剤及び包装材
2か月前
積水化学工業株式会社
再剥離粘着テープ
25日前
ダイキン工業株式会社
表面処理剤
2か月前
artience株式会社
水性粘着剤及び粘着シート
3日前
御国色素株式会社
黒色顔料及び黒色顔料分散液
1か月前
続きを見る