特許ウォッチ

公開番号2025084153
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-03
出願番号2023197800
出願日2023-11-22
発明の名称焼菓子の食感改良剤
出願人株式会社ADEKA
代理人個人,個人,個人,個人
主分類A23C 9/00 20060101AFI20250527BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】本発明の課題は、通常の焼菓子や、特定の栄養素を強化した焼菓子の、口溶けを改良することにある。
【解決手段】本発明は、固形分が35質量%以上の脱脂濃縮乳を50～90質量%含有する焼菓子の食感改良剤であって、該改良剤をレーザー回折式粒度分布測定に供した際に、粒径が0.2～1.0μmの範囲に属する粒子が全粒子の70%以上である、焼菓子の食感改良剤を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
固形分が３５質量％以上の脱脂濃縮乳を５０～９０質量％含有する、焼菓子の食感改良剤であって、該改良剤をレーザー回折式粒度分布測定に供した際に、粒径が０．２～１．０μｍの範囲に属する粒子が全粒子の７０％以上である、焼菓子の食感改良剤。
続きを表示（約 470 文字）【請求項２】
脂質量が１～７質量％、蛋白質量が５～１５質量％、炭水化物量が１０～２０質量％であり、固形分が１５～３５質量％である、請求項１記載の焼菓子の食感改良剤。
【請求項３】
含有される脂質の８５質量％以上が、脱脂濃縮乳由来である、請求項１又は２記載の焼菓子の食感改良剤。
【請求項４】
請求項１記載の焼菓子の食感改良剤を含む、焼菓子。
【請求項５】
以下の工程（ａ）～（ｄ）をこの順に含む、請求項１記載の焼菓子の食感改良剤の製造方法。
（ａ）固形分が３５質量％以上の脱脂濃縮乳を冷凍し、冷凍脱脂濃縮乳を得る工程
（ｂ）冷凍脱脂濃縮乳を解凍し、解凍脱脂濃縮乳を得る工程
（ｃ）解凍脱脂濃縮乳を５０～９０質量％含有する分散液を調製し、該分散液に対し、１００℃以上で１～６０秒間加熱処理する工程
（ｄ）工程（ｃ）で得られた分散液に対し、レーザー回折式粒度分布測定に供した際に０．２～１．０μｍの範囲に属する粒子が全粒子の７０％以上となる圧力で均質化処理する工程

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、焼菓子の食感改良剤に関する。
続きを表示（約 1,600 文字）【背景技術】
【０００２】
近年、消費者の健康志向の高まりに伴い、焼菓子においても、特定の栄養素を強化した栄養強化食品への需要が高まっている。例えば、大豆蛋白質や乳蛋白質等の蛋白質分を多く含有させることにより蛋白質を強化した焼菓子や、小麦胚芽やオートミール等の食物繊維を多く含む原料を用いることにより食物繊維を強化した焼菓子等がある。
【０００３】
特定の栄養素を強化した焼菓子の生地は、小麦粉を主体とする通常の焼菓子の生地と比較して、生地の繋がりが悪く、これに起因して歩留まりが低いことが知られている。また、特定の栄養素を強化した焼菓子は、相対的に口溶けが悪いことも知られている。
なお、焼菓子の口溶けは、特定の栄養素を強化したものであるか否かに関わらず、焼菓子において重視されるものであり、小麦粉を主体とする通常の焼菓子においても、口溶けが良好であることが求められる。
【０００４】
この口溶けの改良に関し、ポリグリセリンの平均重合度が２～５のポリグリセリン不飽和脂肪酸エステル、ソルビタン不飽和脂肪酸エステルレシチンから選ばれる１種以上が添加されている、焼き菓子の製造方法が提案されている（特許文献１参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
特開２０２３－１０４７７５号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
本発明の課題は、焼菓子、とくに特定の栄養素を強化した焼菓子の、口溶けを改良することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明者らの検討により、固形分が３５質量％以上の脱脂濃縮乳を特定量含有する、焼菓子の食感改良剤（以下、単に本発明の改良剤とも記載する）であって、レーザー回折式粒度分布測定に供した際に特定範囲の粒径を有する粒子が、特定の割合となるように含まれている本発明の改良剤を、焼菓子の製造時に用いることにより、上記課題が解決されることを知見した。
【０００８】
本発明はこの知見に基づくものであり、具体的には以下の発明を開示するものである。
［１］固形分が３５質量％以上の脱脂濃縮乳を５０～９０質量％含有する、焼菓子の食感改良剤であって、該改良剤をレーザー回折式粒度分布測定に供した際に、粒径が０．２～１．０μｍの範囲に属する粒子が全粒子の７０％以上である、焼菓子の食感改良剤。
［２］脂質量が１～７質量％、蛋白質量が５～１５質量％、炭水化物量が１０～２０質量％であり、固形分が１５～３５質量％である、［１］記載の焼菓子の食感改良剤。
［３］含有される脂質の８５質量％以上が、脱脂濃縮乳由来である、［１］又は［２］記載の焼菓子の食感改良剤。
［４］［１］～［３］のいずれかに記載の焼菓子の食感改良剤を含む、焼菓子。
［５］以下の工程（ａ）～（ｄ）をこの順に含む、［１］～［３］のいずれかに記載の焼菓子の食感改良剤の製造方法。
（ａ）固形分が３５質量％以上の脱脂濃縮乳を冷凍し、冷凍脱脂濃縮乳を得る工程
（ｂ）冷凍脱脂濃縮乳を解凍し、解凍脱脂濃縮乳を得る工程
（ｃ）解凍脱脂濃縮乳を５０～９０質量％含有する分散液を調製し、該分散液に対し、１００℃以上で１～６０秒間加熱処理する工程
（ｄ）工程（ｃ）で得られた分散液に対し、レーザー回折式粒度分布測定に供した際に０．２～１．０μｍの範囲に属する粒子が全粒子の７０％以上となる圧力で均質化処理する工程
【発明の効果】
【０００９】
本発明によれば、通常の焼菓子や、特定の栄養素を強化した焼菓子の、口溶けを改良することができる。
【発明を実施するための形態】
【００１０】
以下、本発明について詳細に説明する。
（【００１１】以降は省略されています）

関連特許