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公開番号2025083217
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-30
出願番号2023196987
出願日2023-11-20
発明の名称電子制御式レギュレータ
出願人株式会社ニッキ
代理人弁理士法人平和国際特許事務所
主分類F16K 31/04 20060101AFI20250523BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】電子制御式レギュレータについて、閉弁時に調圧弁を介したスローリークの発生を防止することに加え、弁軸移動構造に設けたバックラッシに由来する吐出圧力の変動を回避できるようにする。
【解決手段】送りネジ60による弁軸移動構造で弁軸21Aを往復動作させながら弁体22Aと弁座23Aの距離を変化させることで流体の圧力を調整する吐出圧調整手段を含む調圧弁を備える電子制御式レギュレータ1Aにおいて、吐出圧室3Aの流体圧力を受けるピストン37Aが摺動可能に配設されているとともに、前記弁軸21Aを閉弁方向に常に付勢するバネ70が配設されており、閉弁時に、前記ピストン37Aで受ける流体圧力を弁体22Aを押付ける方向の圧力荷重に変換しつつ、調圧時には、前記送りネジ60の噛み合い部分に設けたバックラッシに起因する前記弁軸21Aの位置ズレを前記バネ70の付勢力で回避する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
導入口および吐出口を形成したボディの内部に、弁体が同軸的に設けられて軸線方向に往復動作可能な弁軸と、前記導入口に続く高圧流体室側で前記弁体が密着可能なシート面を有する弁座と、電子制御された電動モータを駆動させて前記弁軸外周面とロータ内周面との間に設けた送りネジからなる弁軸移動構造で前記弁軸を往復動作させながら前記弁体と前記弁座の距離を変化させることで流体の圧力を調整する吐出圧調整手段と、からなる調圧弁を備えており、前記導入口から前記高圧流体室内に導入された高圧流体を前記調圧弁により減圧・調整しながら吐出圧室側で設定圧力の減圧流体として前記吐出口から吐出する電子制御式レギュレータにおいて、
前記吐出圧室にシリンダ状の空間が形成されて前記吐出室圧室内の流体圧力を受けるピストンが前記弁軸の外周側に固定された状態で前記弁軸とともに前記空間内を摺動可能に配設されているとともに、前記空間には、先端側を前記ピストンに当接しながら前記弁軸を閉弁方向に常に付勢するバネが配設されており、前記電動モータが停止した閉弁時に、前記ピストンで受ける流体圧力が前記弁体を前記シート面に押し付ける方向の圧力荷重に変換されることに加え、調圧時には、前記送りネジの噛み合い部分に設けたバックラッシに起因して前記弁軸の位置ズレが発生するのを前記バネの付勢力で回避する、ことを特徴とする電子制御式レギュレータ。
続きを表示(約 400 文字)【請求項2】
前記電動モータは、ACサーボモータ又はDCブラシレスモータであり、前記弁軸移動構造は、前記弁軸に同軸的に付設した円柱状の運動軸の外周面に形成された台形雄ネジと前記ロータの内周面に形成されて前記台形雄ネジに噛合する台形雌ネジの組合せによる送りネジであり、前記電動モータの駆動により前記台形雌ネジが前記台形雄ネジの周囲を回動することで、前記台形雄ネジを回動させずに軸線方向に動作させながら前記弁軸を移動させる、ことを特徴とする請求項1記載の電子制御式レギュレータ。
【請求項3】
前記弁軸は、円環状の弁体が同軸的に設けられて流体が通過可能な通路を有する円筒状の部材からなるものであり、先端側の前記弁体を前記シート面との間の距離を変化させるように前記吐出圧調整手段で動作させることで流体の吐出圧力を調整する、ことを特徴とする請求項1または2記載の電子制御式レギュレータ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス燃料等の高圧の流体を所定圧力に減圧・調整しながら吐出するレギュレータに関し、殊に、吐出する流体の圧力を電子制御で調整する電子制御式レギュレータに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
高圧の流体を所定の圧力に減圧して送出するレギュレータとしては、例えば特許第3594507号公報(特許文献1)に記載されているガス燃料用のものが周知である。このレギュレータは、弁体を同軸的に設けた弁軸と中央を弁孔が貫通して前記弁体が密着するシート面を有したドーナツ状のシート部とを備え、ボディの入口から流入したCNG等の高圧流体が、弁体の開口状態において弁体と軸線方向に往復摺動可能に設けた弁軸を、その弁体がシート面に所定圧力で密着して押圧されるように調圧バネで付勢した構造とされており、高圧のガス燃料を所定圧力に減圧・調整しながら吐出する構造である。
【0003】
しかし、このような従来のレギュレータの減圧構造においては、レギュレータによる流体の吐出圧は機械的に調圧バネの荷重に依存するため、指定された吐出圧ごとに調圧バネを予め用意する必要がある。また、車両の燃料供給システムで使用するレギュレータにあっては、その調圧バネを指定されたセット高さに予め固定しておくことから、エンジン要求流量が多い場合には圧力降下が大きくなり、要求流量が少ない場合には圧力降下が小さくなるため、機械的に吐出圧範囲と流量範囲が限られてしまうという問題があった。
【0004】
一方、実開昭59-160842号公報(特許文献2)には、1次側ダイヤフラム室と2次側ダイヤフラム室を備えたLPG用レギュレータにおいて、1次側ダイヤフラム室内の調圧バネの付勢力を調節する付勢力調節手段として1次側ダイヤフラム室内に設けた圧力センサからの出力信号に対応しながらパルス制御されるステッピングモータを備えた調圧機構が提案されている。
【0005】
このように、電子制御されるステッピングモータを備えた調圧機構により、1次側ダイヤフラム室内の圧力が予め設定した圧力よりも高くなった場合は、調圧バネの付勢力を弱くし、1次側ダイヤフラム室内の圧力が予め設定した圧力よりも低くなった場合は調圧バネの付勢力を強くして、1次側ダイヤフラム室内の圧力を所望の圧力に維持することを可能としている。
【0006】
しかしながら、この電子制御式のレギュレータにおいて所望する圧力に調節して維持できるのは1次側ダイヤフラム室内だけであり、2次側ダイヤフラム室から吐出する燃料の圧力はその室内に配設された調圧バネに依存するため、1種類のレギュレータで様々な吐出圧力に設定することは依然として困難であり、また、吐出圧範囲と流量範囲が機械的に限られるという問題も解決されてはいない。
【0007】
これに対し、本願発明者・出願人らは、先に特願2022-088066号(特許文献3)において、図5に示すような電動モータの電子制御によるレギュレータを提案した。この電子制御式レギュレータ1Cは、円柱状のボディ10Cの内部に、高圧流体を導入する流体導入路11の導入口から調圧弁20Cの弁部分までを構成する高圧流体室2Cと、その弁部分から減圧流体を吐出する流体送出路12の吐出口までを構成する吐出圧室3Cと、調圧弁20Cを操作しながら吐出する流体の圧力を所定圧力に減圧・調整する吐出圧調整手段としての圧力調整部4Cとを備えている。
【0008】
そして、その吐出圧調整手段が、電動モータ30Cの駆動により作動しながら筒状の弁軸21Cを軸線方向に移動させて弁体22Cと弁座23Cとの間の距離を変更する弁軸移動構造を構成しており、減圧流体の圧力を検出する圧力センサの値に基づいて電動モータ30Cでその弁軸移動構造を作動させながら、減圧流体の圧力が設定圧力を維持するように調圧弁20Cの開閉を行うものとしている。
【0009】
このように、弁軸21Cの先端側に配置したスプリング25だけで吐出圧力を調整するのではなく、センサで検出した吐出圧力を基に電動モータ30Cを駆動制御しながら弁軸21Cに設けた弁体22Cの開閉動作を行うようにして、設定した吐出圧力を維持する方式を採用したことにより、要求流量の変動に柔軟に対応可能としながら、設定された様々な吐出圧力を自動的に維持する機能を発揮するものとしている。
【0010】
しかし、このような電子制御式レギュレータ1Cにおいては、エンジン停止時などの電動モータ30Cへの通電が停止した閉弁時に、弁体22Cを閉方向に作動させる荷重が弁軸21Cに設けたスプリング25の付勢力のみとなり弁座23Cのシート面24への押圧力が小さくなってしまうため、その部分からスローリークが発生しやすくなるという問題がある。また、弁軸21Cの外周シール径(Dp)<弁座23Cのシート径(Ds)の関係になる場合は、調圧弁20Cを介して吐出圧室3C側にスローリークがあると、開弁方向に作用する荷重が増大して流体が一層リークしやすい状態になってしまう。
(【0011】以降は省略されています)

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