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公開番号2025078112
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-19
出願番号2025029756,2020129214
出願日2025-02-27,2020-07-30
発明の名称嚥下促進用粉末油脂組成物及びその製造方法
出願人国立大学法人 新潟大学,日清オイリオグループ株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類A23D 9/00 20060101AFI20250512BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】食品等の嚥下を促進することができる粉末油脂組成物を提供すること。
【解決手段】全トリグリセリド含有量を100質量%とした場合、1位~3位に炭素数xの脂肪酸残基Xを有する、1種以上のXXX型トリグリセリドを65~99質量%と、該XXX型トリグリセリドの脂肪酸残基Xの1つを炭素数yの脂肪酸残基Yに置換した、1種以上のX2Y型トリグリセリドを35~1質量%とを含有する嚥下促進用粉末油脂組成物で、前記炭素数xは、10~12から選択される整数で、前記炭素数yは、それぞれ独立して、x+2~x+12から選択される整数で、かつ22以下の整数であることを特徴とする嚥下促進用粉末油脂組成物を提供する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
全トリグリセリド含有量を100質量%とした場合、1位~3位に炭素数xの脂肪酸残基Xを有する、1種以上のXXX型トリグリセリドを65~99質量%と、該XXX型トリグリセリドの脂肪酸残基Xの1つを炭素数yの脂肪酸残基Yに置換した、1種以上のX2Y型トリグリセリドを35~1質量%とを含有する嚥下促進用粉末油脂組成物で、
前記炭素数xは、10~12から選択される整数で、
前記炭素数yは、それぞれ独立して、x+2~x+12から選択される整数で、かつ22以下の整数であることを特徴とする嚥下促進用粉末油脂組成物。
続きを表示(約 780 文字)【請求項2】
舌を通じて冷感を付与できる、請求項1に記載の嚥下促進用粉末油脂組成物。
【請求項3】
前記嚥下促進用粉末油脂組成物のゆるめ嵩密度が0.1~0.6g/cm
3
であり、前記嚥下促進用粉末油脂組成物の平均粒径(d50)が0.5~200μmである、請求項1又は2に記載の嚥下促進用粉末油脂組成物。
【請求項4】
前記脂肪酸残基Xがカプリン酸残基及びラウリン酸残基から選択され、前記脂肪酸残基Yがミリスチン酸残基、パルミチン酸残基及びステアリン酸残基から選択される、請求項1~3の何れか1項に記載の嚥下促進用粉末油脂組成物。
【請求項5】
食品原料と、請求項1~4の何れか1項に記載の嚥下促進用粉末油脂組成物とを含有する嚥下が促進された食品であって、前記嚥下促進用粉末油脂組成物が、前記食品中に結晶状態で存在していることを特徴とする嚥下が促進された食品。
【請求項6】
前記嚥下が、前記嚥下促進用粉末油脂組成物が付与する舌を通じた冷感によって促進される、請求項5に記載の嚥下が促進された食品。
【請求項7】
請求項1~4の何れか1項に記載の嚥下促進用粉末油脂組成物を食品原料に混合して嚥下が促進された食品を得る工程を含み、ここで前記嚥下促進用粉末油脂組成物を、前記嚥下が促進された食品中に結晶状態で存在させることを特徴とする、嚥下が促進された食品の製造方法。
【請求項8】
請求項1~4の何れか1項に記載の嚥下促進用粉末油脂組成物を食品原料に混合して、前記嚥下促進用粉末油脂組成物が結晶状態で存在する嚥下が促進された食品を得る工程、及び、前記嚥下が促進された食品を経口的に摂取させる工程、とを含む、嚥下の促進方法(人に対する医療行為を除く)。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、嚥下促進用粉末油脂組成物、及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
高齢者、特に要介護高齢者は、食べ物を咀嚼する機能や、食べ物を嚥下する機能が衰えた、いわゆる咀嚼・嚥下困難者であることが多い。したがって、咀嚼・嚥下困難者が食事をした場合、食べ物が肺などに入る、いわゆる「誤嚥」による肺炎などを発症してしまうというケースが増えている。また、誤嚥のリスクがあるため食事の時間が長くなり、食事介助者への負担も増加していた。
そこで、炭酸水からなる嚥下改善剤を用いることで、咀嚼・嚥下困難者の嚥下反射を誘発し、嚥下改善が行われていた(特許文献1)。また、嚥下機能の回復を促すために、メントールを含有させたゼリー状の飲食品が開発されてきた(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2016-108298号公報
特開2008-94743号公報
国際公開第2016/013582号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、食品等の嚥下を促進することができる粉末油脂組成物を提供することであり得る。本発明の目的は、また、粉末油脂組成物が、特定のグリセリドを含有することにより、食品等の嚥下を促進することができる粉末油脂組成物を提供することであり得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、食品原料に特定の粉末油脂組成物を混合することで、当該粉末油脂組成物を含む食品の嚥下を促進することが出来ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、以下に関するものであり得る。
〔1〕全トリグリセリド含有量を100質量%とした場合、1位~3位に炭素数xの脂肪酸残基Xを有する、1種以上のXXX型トリグリセリドを65~99質量%と、該XXX型トリグリセリドの脂肪酸残基Xの1つを炭素数yの脂肪酸残基Yに置換した、1種以上のX2Y型トリグリセリドを35~1質量%とを含有する嚥下促進用粉末油脂組成物で、
前記炭素数xは、10~12から選択される整数で、
前記炭素数yは、それぞれ独立して、x+2~x+12から選択される整数で、かつ22以下の整数であることを特徴とする嚥下促進用粉末油脂組成物。
〔2〕舌を通じて冷感を付与できる、前記〔1〕に記載の嚥下促進用粉末油脂組成物。
〔3〕前記嚥下促進用粉末油脂組成物のゆるめ嵩密度が0.1~0.6g/cm
3
であり、前記嚥下促進用粉末油脂組成物の平均粒径(d50)が0.5~200μmである、前記〔1〕又は〔2〕に記載の嚥下促進用粉末油脂組成物。
〔4〕前記脂肪酸残基Xがカプリン酸残基及びラウリン酸残基から選択され、前記脂肪酸残基Yがミリスチン酸残基、パルミチン酸残基及びステアリン酸残基から選択される、前記〔1〕~〔3〕の何れか1項に記載の嚥下促進用粉末油脂組成物。
〔5〕食品原料と、前記〔1〕~〔4〕の何れか1項に記載の嚥下促進用粉末油脂組成物とを含有する嚥下が促進された食品であって、前記嚥下促進用粉末油脂組成物が、前記食品中に結晶状態で存在していることを特徴とする嚥下が促進された食品。
〔6〕前記嚥下が、前記嚥下促進用粉末油脂組成物が付与する舌を通じた冷感によって促進される、前記〔5〕に記載の嚥下が促進された食品。
〔7〕前記〔1〕~〔4〕の何れか1項に記載の嚥下促進用粉末油脂組成物を食品原料に混合して嚥下が促進された食品を得る工程を含み、ここで前記嚥下促進用粉末油脂組成物を、前記嚥下が促進された食品中に結晶状態で存在させることを特徴とする、嚥下が促進された食品の製造方法。
〔8〕前記〔1〕~〔4〕の何れか1項に記載の嚥下促進用粉末油脂組成物を食品原料に混合して、前記嚥下促進用粉末油脂組成物が結晶状態で存在する嚥下が促進された食品を得る工程、及び、前記嚥下が促進された食品を経口的に摂取させる工程、とを含む、嚥下の促進方法(任意に、人に対する医療行為を除く)。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、食品等の嚥下を促進することができる粉末油脂組成物及び当該粉末油脂組成物を含む嚥下が促進された食品を提供することができる。
また、本発明により、当該粉末油脂組成物を含む食品の嚥下を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
舌表面の各位置を示す概略図である。
実施例又は比較例のサーモグラフィーである。
実施例又は比較例の冷感潜時を示すグラフである。
実施例又は比較例の冷感持続時間を示すグラフである。
実施例又は比較例の冷感の強さの官能試験結果を示すグラフである。
実施例又は比較例の嚥下衝動の強さの官能試験結果を示すグラフである。
随意嚥下の試験を4回繰り返した後のパネラーの疲労度を示すグラフである。
実施例又は比較例の随意嚥下の試験結果を示すグラフである。
実施例又は比較例の初回嚥下までに要した時間の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の嚥下促進用粉末油脂組成物について説明をする。なお、本発明の嚥下促進用粉末油脂組成物には、国際公開第2016/013582号に記載された粉末油脂組成物を使用することができる。
【0010】
[嚥下促進用粉末油脂組成物]
嚥下促進用粉末油脂組成物は、全トリグリセリド含有量を100質量%とした場合、1位~3位に炭素数xの脂肪酸残基Xを有する、1種又はそれ以上のXXX型トリグリセリドを65~99質量%と、該XXX型トリグリセリドの脂肪酸残基Xの1つを炭素数yの脂肪酸残基Yに置換した、1種又はそれ以上のX2Y型トリグリセリドを35~1質量%とを含有する粉末油脂組成物であって、該炭素数xは、10~12から選択される整数で、該炭素数yは、それぞれ独立して、x+2~x+12から選択される整数で、かつ22以下の整数であることを特徴とする粉末油脂組成物である。
(【0011】以降は省略されています)

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