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公開番号2025077138
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-19
出願番号2023189111
出願日2023-11-06
発明の名称車両のスライドドア構造
出願人トヨタ車体株式会社
代理人弁理士法人岡田国際特許事務所
主分類E05D 15/06 20060101AFI20250512BHJP(錠;鍵;窓または戸の付属品;金庫)
要約【課題】車両の構成を極力簡素化しつつ、スライド時のスライドドアを適切にガイドできるようにすることにある。
【解決手段】スライド時にスライドドア20に設けられた摺動部の被ガイド部位(下側摺動部23の下ガイドローラ23c)をガイドするレール部(下側レール部9)が、スライド方向に延びるようにドア開口部側に設けられており、スライドドア20の車幅方向への移動にレール部(下側レール部9)を追従させるレール機構50と、車幅方向外側に移動した被ガイド部位(下ガイドローラ23c)をガイド可能な位置にレール部(下側レール部9)を保持するロック機構60とが設けられている。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項１】
車両のドア開口部を開閉可能にスライドするスライドドアを備え、前記スライドドアは、スライド時に車幅方向に一定の距離移動するように構成された車両のスライドドア構造において、
スライド時に前記スライドドアに設けられた摺動部の被ガイド部位をガイドするレール部が、スライド方向に延びるようにドア開口部側に設けられており、
前記スライドドアの車幅方向への移動に前記レール部を追従させるレール機構と、車幅方向外側に移動した被ガイド部位をガイド可能な位置に前記レール部を保持するロック機構とが設けられている車両のスライドドア構造。
続きを表示（約 510 文字）【請求項２】
前記レール機構は、前記ドア開口部に対して車幅方向に回動可能に取付けられた四節リンク機構を有している請求項１に記載の車両のスライドドア構造。
【請求項３】
前記四節リンク機構の一部をなすリンクアームが、スライドする前記摺動部に押されることで回動するように構成されていると共に、
前記リンクアームに連結された当接部が、車幅方向に移動する前記摺動部に当てられる位置に配置されている請求項２に記載の車両のスライドドア構造。
【請求項４】
前記ロック機構は、車幅方向外側に回動した四節リンク機構に係合するラッチ部を有し、前記ラッチ部は、閉じ動作時の前記スライドドアの前記摺動部に押されることで、前記四節リンク機構から係脱する構成とされている請求項２に記載の車両のスライドドア構造。
【請求項５】
前記ドア開口部の下縁部には、ステップ板が格納位置と使用位置間で車幅方向に移動可能に設けられており、
前記ステップ板に、前記レール部と前記レール機構と前記ロック機構とが設けられている請求項１～４のいずれか一項に記載の車両のスライドドア構造。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、車両のスライドドア構造に関する。
続きを表示（約 2,700 文字）【背景技術】
【０００２】
この種のスライドドアを備えた車両が特許文献１に記載されている。この車両では、そのドア開口部がスライドドアによって開閉可能に構成されている。このスライドドアには、車幅方向内側に延びるドアアーム部が摺動部を構成するように設けられている。そしてスライドドアでは、そのドアアーム部の先端に設けられた各ローラ〈被ガイド部位〉が、ドア開口部側で車両前後方向に延びるガイドレールに摺動可能に接続されている。またガイドレールは、車両前後方向に直線的に延びる直線部と、この直線部の前端から車幅方向内側に斜めに曲げられた曲げ部とを有している。そしてスライドドアの被ガイド部位がガイドレールの曲げ部と直線部とにガイドされながら摺動することで、この被ガイド部位の設けられたスライドドアが、車幅方向に一定の距離移動しつつ車両前後方向にスライドする。即ち、スライドドアは、その被ガイド部位がガイドレールの曲げ部にガイドされることで、車幅方向内側に移動するようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開２００８－８０８１９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
ところで車両の分野では、その構成をコンパクト化するなどして簡素化することが望まれている。例えばドア開口部の構成を車幅方向にコンパクトにすることで、車幅方向内側に搭載される部材、例えばフロアパネル下に設置されたバッテリユニットの配設スペースの確保が容易となる。しかし上記した構成では、スライド時のスライドドアを車幅方向に移動させる必要上、ドア開口部側のガイドレールが車幅方向内側に曲げられている。このため上記した構成では、摺動部とガイドレールの配置スペースを車幅方向に大きく取る必要があり、構成の簡素化が困難であった。なおこの種の車両では、その車両下側のステップ板にレール部が設けられ、このレール部を介してステップ板をスライドドアの車幅方向の移動に追従させる場合がある。このような場合には、ドア開口部の下部側に複数のレールが配設され、車両構成の簡素化という観点から好ましくない。本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、車両の構成を極力簡素化しつつ、スライド時のスライドドアを適切にガイドできるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
上記課題を解決するための手段として、第１発明の車両のスライドドア構造は、車両のドア開口部を開閉可能にスライドするスライドドアを備え、スライドドアは、スライド時に車幅方向に一定の距離移動するように構成されている。上記した構成では、車両の構成を極力簡素化しつつ、スライド時のスライドドアを適切にガイドできることが望ましい。そこで本発明では、スライド時にスライドドアに設けられた摺動部の被ガイド部位をガイドするレール部が、スライド方向に延びるようにドア開口部側に設けられている。そしてスライドドアの車幅方向への移動にレール部を追従させるレール機構と、車幅方向外側に移動した被ガイド部位をガイド可能な位置にレール部を保持するロック機構とが設けられている。本発明では、レール機構の働きで、レール部を車幅方向に移動させられるようにしたことにより、車幅方向に一定の距離移動しつつスライドするスライドドアをより適切にガイドできるようになる。またロック機構の働きで、車幅方向外側の位置でレール部を保持することにより、このレール部にて、車幅方向外側に移動した摺動部をより適切にガイドできるようになる。そして本発明では、レール部を車幅方向に移動するようにしたため、このレール部を車幅方向にコンパクト化することが可能になる。
【０００６】
第２発明の車両のスライドドア構造は、第１発明の車両のスライドドア構造において、レール機構は、ドア開口部に対して車幅方向に回動可能に取付けられた四節リンク機構を有している。本発明では、レール機構を構成する四節リンク機構の働きで、レール部を車幅方向により確実に移動させられるようになる。
【０００７】
第３発明の車両のスライドドア構造は、第２発明の車両のスライドドア構造において、四節リンク機構の一部をなすリンクアームが、スライドする摺動部に押されることで回動するように構成されていると共に、リンクアームに連結された当接部が、車幅方向に移動する摺動部に当てられる位置に配置されている。本発明では、車幅方向に移動する摺動部に当接部が当てられた状態で押されることで、この当接部の設けられたリンクアーム〈四節リンク機構〉を回動させられるようになる。
【０００８】
第４発明の車両のスライドドア構造は、第２発明の車両のスライドドア構造において、ロック機構は、車幅方向外側に回動した四節リンク機構に係合するラッチ部を有し、ラッチ部は、閉じ動作時のスライドドアの摺動部に押されることで、四節リンク機構から係脱する構成とされている。本発明では、ロック機構を構成するラッチ部の働きで、レール部の車幅方向の位置をより適切に保持することができる。そして四節リンク機構とラッチ部の係脱〈係合解除〉を、スライド時の摺動部の押圧によって行うことが可能になる。
【０００９】
第５発明の車両のスライドドア構造は、第１発明～第４発明のいずれかの車両のスライドドア構造において、ドア開口部の下縁部には、ステップ板が格納位置と使用位置間で車幅方向に移動可能に設けられている。そしてステップ板に、レール部とレール機構とロック機構とが設けられている。本発明では、ステップ板にレール部と各機構を設けたことで、車両の下部側に別のレールを設ける必要がなく、車両構成の簡素化に資する構成となる。
【発明の効果】
【００１０】
本発明に係る第１発明によれば、車両の構成を極力簡素化しつつ、スライド時のスライドドアを適切にガイドできるようになる。また第２発明によれば、スライドドアをより確実にガイドできるようになる。また第３発明によれば、スライドドアを更に確実にガイドできるようになる。また第４発明によれば、スライドドアをより適切にガイドできるようになる。そして第５発明によれば、車両の構成を更に簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
（【００１１】以降は省略されています）

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