特許ウォッチ

公開番号2025079937
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-23
出願番号2023192823
出願日2023-11-13
発明の名称車両のスライドドア構造
出願人トヨタ車体株式会社
代理人弁理士法人岡田国際特許事務所
主分類B60J 5/06 20060101AFI20250516BHJP(車両一般)
要約【課題】スライドドアの下側摺動部を、極力コンパクト化しつつ、適切な高さ位置でガイドさせられるようにすることにある。
【解決手段】スライド時のスライドドア20の荷重を下側摺動部23よりも車両上側で受けることにより、下側摺動部23が、スライドドア20にて支持されてバッテリユニット5よりも車両上側の位置に配置されており、下側摺動部23の被ガイド部位をガイドする下側ガイドレール(ロアガイドレール9)がドア開口部の内側における下側でスライド方向に延びるように設けられていると共に、被ガイド部位は、下側ガイドレール(ロアガイドレール9)によって車幅方向から規制されながら摺動するように、車両上側に延びる軸部(下縦軸部23b)に軸支された摺動部材(下ガイドローラ23c)のみによって構成されている。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項１】
車両のドア開口部を開閉可能にスライドするスライドドアと、前記スライドドアの下端部側に設けられた下側摺動部と、車両のフロアパネルの車両下側に配置されたバッテリユニットとを備えた車両のスライドドア構造において、
スライド時の前記スライドドアの荷重を前記下側摺動部よりも車両上側で受けることにより、前記下側摺動部が、前記スライドドアにて支持されて前記バッテリユニットよりも車両上側の位置に配置されており、
前記下側摺動部の被ガイド部位をガイドする下側ガイドレールが前記ドア開口部の内側における下側でスライド方向に延びるように設けられていると共に、
前記被ガイド部位は、前記下側ガイドレールによって車幅方向から規制されながら摺動するように、車両上側に延びる軸部に軸支された摺動部材のみによって構成されている車両のスライドドア構造。
続きを表示（約 440 文字）【請求項２】
前記スライドドアの上部に設けられた上側摺動部が、前記下側摺動部よりも車両上側に設けられており、
前記スライドドアの荷重を受けた状態で前記上側摺動部の被ガイド部位を摺動させる上側ガイドレールが、前記ドア開口部の上部側でスライド方向に延びるように設けられている請求項１に記載の車両のスライドドア構造。
【請求項３】
前記下側ガイドレールと前記下側摺動部とは、前記バッテリユニットの車両上側を覆う外装材よりも車両上側に配置されている請求項１に記載の車両のスライドドア構造。
【請求項４】
前記下側ガイドレールと前記下側摺動部とは、前記外装材の車両上側に設けられたステップ板の踏み面よりも車両下側に配置されている請求項３に記載の車両のスライドドア構造。
【請求項５】
前記下側摺動部には、前記摺動部材の車両下側への移動を規制する位置保持機構が設けられている請求項１～４のいずれか一項に記載の車両のスライドドア構造。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、車両のスライドドア構造に関する。
続きを表示（約 2,600 文字）【背景技術】
【０００２】
この種のスライドドアを備えた車両が特許文献１に記載されている。この車両では、そのドア開口部がスライドドアによって開閉可能に構成されている。またドア開口部の車幅方向内側にはフロアパネルが配設されていると共に、フロアパネルの車両下側にバッテリユニットが搭載されている。このバッテリユニットは、その車幅方向外側の外端部がフロアパネルから張り出している。そしてバッテリユニットの張り出した外端部は、その上部側がステップアンダパネル（外装材）に覆われている。またドア開口部の下部側には、フロアパネルからステップ板が車幅方向外側に張り出すように設けられている。このステップ板は、バッテリユニットよりも高い高さ位置に配置されることで、ステップアンダパネル（外装材）の直上に適宜の間隔をあけて配置されている。
【０００３】
ここで上記したステップ板の下面には、スライドドアをガイドするガイドレールがスライド方向に延びるように設けられている。またスライドドアの下端部側には、ロアヒンジが車幅方向内側に延びるように設けられている。そしてロアヒンジの先端部には、その被ガイド部位として、車両上下方向に延びる軸に軸支されたガイドローラと、車幅方向に延びる軸に軸支されたロードローラ（荷重ローラ）とが設けられている。上記した構成では、スライドドアがスライドする際、そのガイドローラがステップ板のガイドレールに沿って摺動するようになる。またロードローラは、ステップ板の直下に配置されて、ステップアンダパネルに接地した状態となる。これにより、スライドドアの荷重をステップアンダパネルで受けながら、このステップアンダパネル上を荷重ローラが摺動するようになる。そして上記した構成では、ロードローラをステップアンダパネル上に接地させておくことで、このロードローラの設けられたロアヒンジを、バッテリユニットの車両上側に配置させられるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
特開２０１９－２１４３１４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
ところで上記した車両の分野では、ロアヒンジ（下側摺動部）等を極力コンパクト化したいとの要請がある。例えばロアヒンジを車両上下方向にコンパクト化することで、このロアヒンジの車両上側に配置された部材、例えばステップ板の高さ位置の調整が容易となる。しかし上記した構成では、ステップ板とステップアンダパネル間でロードローラ（荷重ローラ）を摺動させる必要上、ロアヒンジの車両上下方向の寸法をコンパクト化し難かった。本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、スライドドアの下側摺動部を、極力コンパクト化しつつ、適切な高さ位置でガイドさせられるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記課題を解決するための手段として、第１発明の車両のスライドドア構造は、車両のドア開口部を開閉可能にスライドするスライドドアと、スライドドアの下端部側に設けられた下側摺動部と、車両のフロアパネルの車両下側に配置されたバッテリユニットを備えている。この種の構成では、スライドドアの下側摺動部を、極力コンパクト化しつつ、適切な高さ位置でガイドさせられることが望ましい。そこで本発明では、スライド時のスライドドアの荷重を下側摺動部よりも車両上側で受けることにより、下側摺動部が、スライドドアにて支持されてバッテリユニットよりも車両上側の位置に配置されている。そして下側摺動部の被ガイド部位をガイドする下側ガイドレールがドア開口部の内側における下側でスライド方向に延びるように設けられている。そして被ガイド部位は、下側ガイドレールによって車幅方向から規制されながら摺動するように、車両上側に延びる軸部に軸支された摺動部材のみによって構成されている。本発明では、下側摺動部を、スライドドアに支持させて、バッテリユニットの車両上側（適切な高さ位置）に配置しておけるようになる。そして下側摺動部は、下側ガイドレールにガイドされる被ガイド部位として、車両上側に延びる軸部に軸支された摺動部材のみを有し、車両上下方向にコンパクト化されている。
【０００７】
第２発明の車両のスライドドア構造は、第１発明の車両のスライドドア構造において、スライドドアの上部に設けられた上側摺動部が、下側摺動部よりも車両上側に設けられている。そしてスライドドアの荷重を受けた状態で上側摺動部の被ガイド部位を摺動させる上側ガイドレールが、ドア開口部の上部側でスライド方向に延びるように設けられている。本発明では、スライド時のスライドドアの荷重を上側ガイドレールで受けられるようになる。
【０００８】
第３発明の車両のスライドドア構造は、第１発明の車両のスライドドア構造において、下側ガイドレールと下側摺動部とは、バッテリユニットの車両上側を覆う外装材よりも車両上側に配置されている。本発明では、下側ガイドレールと下側摺動部とが外装材よりも高い位置、即ち、より適切な高さ位置に配置されている。
【０００９】
第４発明の車両のスライドドア構造は、第３発明の車両のスライドドア構造において、下側ガイドレールと下側摺動部とは、外装材の車両上側に設けられたステップ板の踏み面よりも車両下側に配置されている。本発明では、ステップ板と外装材間に、下側ガイドレールと下側摺動部とを収まり良く配置することができる。そして下側摺動部を上下にコンパクト化することで、ステップ板の高さ位置の調整が容易となり、乗降性の確保に資する構成となる。
【００１０】
第５発明の車両のスライドドア構造は、第１発明～第４発明の車両のスライドドア構造において、下側摺動部には、摺動部材の車両下側への移動を規制する位置保持機構が設けられている。本発明では、位置保持機構によって摺動部材の高さ位置をより適切に維持できるようになり、この摺動部材の車両上側に部材（ステップ板等）を配設する場合、この部材の高さ位置の調整が容易となる。
【発明の効果】
（【００１１】以降は省略されています）

関連特許