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公開番号
2025076763
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-16
出願番号
2023188591
出願日
2023-11-02
発明の名称
水系硬化性ポリエステル樹脂組成物及びそれを用いた二液硬化型接着剤
出願人
東洋紡エムシー株式会社
代理人
主分類
C08G
63/127 20060101AFI20250509BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】有機溶剤や乳化剤を必要とせず容易に水分散可能な特性と室温下で多官能エポキシ樹脂と反応し、例えば接着剤として安定した接着機能を発揮する共重合ポリエステル樹脂を含んだ樹脂組成物を提供する事である。
【解決手段】以下A、B及びC成分を含有する水系硬化性ポリエステル樹脂組成物。
A成分)以下(1)~(4)を満たす共重合ポリエステル樹脂
(1)酸価が700eq/ton以上
(2)数平均分子量が5,000を超える
(3)ポリカルボン酸成分が芳香族ポリカルボン酸成分から構成される
(4)ポリオール成分が直鎖型グリコール化合物を含有する
B成分)塩基性中和剤
C成分)1分子当たりの平均エポキシ官能基数が4個以上の水溶性多官能エポキシ樹脂
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
以下A、B及びC成分を含有する水系硬化性ポリエステル樹脂組成物。
A成分)以下(1)~(4)を満たす共重合ポリエステル樹脂
(1)酸価が700eq/ton以上
(2)数平均分子量が5,000を超える
(3)ポリカルボン酸成分が芳香族ポリカルボン酸成分から構成される
(4)ポリオール成分が直鎖型グリコール化合物を含有する
B成分)塩基性中和剤
C成分)1分子当たりの平均エポキシ官能基数が4個以上の水溶性多官能エポキシ樹脂
続きを表示(約 400 文字)
【請求項2】
前記A成分の全ポリオール成分を100モル%とした場合、直鎖型グリコール化合物を70モル%以上含有する請求項1に記載の水系硬化性ポリエステル樹脂組成物。
【請求項3】
前記直鎖型グリコール化合物として、アルキレングリコール及びエーテル系グリコールを含有する請求項1または2に記載の水系硬化性ポリエステル樹脂組成物。
【請求項4】
前記A成分の全ポリオール成分を100モル%とした場合、エーテル系グリコールを5モル%以上40モル%以下含有する請求項1または2記載の水系硬化性ポリエステル樹脂組成物。
【請求項5】
前記エーテル系グリコールとしてジエチレングリコールを含有する請求項3に記載の水系硬化性ポリエステル樹脂組成物。
【請求項6】
請求項1または2記載の水系硬化性ポリエステル樹脂組成物を含有する二液硬化型接着剤。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は有機溶剤や造膜助剤を必要とせず室温下に造膜し、かつ室温下で硬化反応が進行する塗料、コーティング剤、接着剤等に適した水系硬化性樹脂組成物であり、更に詳しくはこれを用いた二液硬化型水系接着剤に関するものである。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
ポリエステル樹脂は機械的特性や耐熱性が優れ、構成する原料モノマーの選択により多様な物性付与が可能なため塗料、接着剤、コーティング剤或いは成形品等に用いられている。近年は環境問題から、揮発性有機溶剤の排出規制が厳しくなり、塗料、インキ、接着剤、コーティング剤、粘着剤、シール剤、プライマー、及び繊維製品や紙製品等の各種処理剤が従来の有機溶剤系から水系化、ハイソリッド化、粉体化の方向に移行しつつある。中でも水分散体による水系化は作業性の良さと作業環境改善の面から最も汎用的手法として種々業界で幅広く採用が進められている。取り分け最近では有機溶剤を全く含まない水分散体の採用事例が増えつつある。
【0003】
有機溶剤を全く含有しないポリエステル樹脂の水分散体を調製する方法としては、従来、(1)親水性官能基を分子鎖中に有するポリエステル樹脂を、水より沸点の低い水溶性有機溶剤に一旦溶解させ、その系に水を徐々に添加して乳化させた後、有機溶剤を蒸留等により抜き去る方法や、(2)有機溶剤と水の混合物に親水性官能基を分子鎖中に有するポリエステル樹脂を溶解させた後、有機溶剤成分を抜き去る処方が一般的であった。特許文献1~3にはそれらの例が記載されているが、ポリエステル樹脂の水分散工程で有機溶剤を使用する事で作業環境が悪化する事に加え、工程に時間を要し、作業効率が悪いという課題があった。また、特許文献4には製造工程で有機溶剤を必要としない水分散体の例として、親水性ポリマーを乳化剤とし、それらの存在下にポリ乳酸樹脂を水中に分散させる例が開示されているが、この場合においては乳化剤の共存による樹脂物性や、接着性能、或いは塗膜の耐水性の低下が問題となった。
【0004】
前述の経緯から、製造工程で有機溶剤及び乳化剤を使用しないポリエステル樹脂の水分散体が望まれている。製造工程で有機溶剤及び乳化剤を使用しない手法として、特許文献5~7の手法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平7-82381
特開2009-51965
特開2007-277497
特開2008-13657
特公昭47-40873
国際公開2019/111746
特開2003-192886
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献5に記載の水溶性共重合ポリエステルは極めてスルホン酸塩基濃度が高く、乾燥後にもスルホン酸塩が残存することにより、塗膜化した際の耐水性に問題があった。特許文献6に記載のポリエステル樹脂はその凝集力が弱い事に起因して、有
機溶剤及び乳化剤を含有せずに水分散体化することが可能であり、すなわち脆く、接着剤として用いた場合、十分な接着強度が発現しないという問題があった。硬化剤を配合し、凝集力を付与する事も可能であるが、実施例に記載の通り硬化を進めるために硬化反応処理工程を設ける必要があった。また、特許文献7では水酸基とカルボキシル基を高い濃度で有し、かつアルキル基やアルケニル基を有する特殊な多価カルボン酸化合物が共重合されたポリエステル樹脂を、溶融状態から回転型連続分散装置により乳化して得られた水分散体と、水溶性エポキシ樹脂を配合した乳化剤及び有機溶剤を含有しない樹脂組成物が提案されている。しかしながら、得られるポリエステル樹脂の水分散体の粒子径は粗く、保存安定性が十分ではなかった。
【0007】
本発明は前記課題解決を背景になされたものである。すなわち本発明は有機溶剤や乳化剤の存在なしに容易に水分散可能でかつ、安定な微粒子水分散体を形成出来る水系硬化性ポリエステル樹脂組成物に関するものである。前記樹脂組成物は特別な硬化反応条件を必要とせず、室温下において無触媒で硬化反応が進行し凝集力を得る。そのため接着剤として用いた場合、十分な接着強度が発現し、塗膜乾燥後の耐水性にも優れる事を特徴とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは鋭意検討した結果、以下に示す手段により、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
【0009】
[1]以下A、B及びC成分を含有する水系硬化性ポリエステル樹脂組成物。
A成分)以下(1)~(4)を満たす共重合ポリエステル樹脂
(1)酸価が700eq/ton以上
(2)数平均分子量が5,000を超える
(3)ポリカルボン酸成分が芳香族ポリカルボン酸成分から構成される
(4)ポリオール成分が直鎖型グリコール化合物を含有する
B成分)塩基性中和剤
C成分)1分子当たりの平均エポキシ官能基数が4個以上の水溶性多官能エポキシ樹脂
[2]前記A成分の全ポリオール成分を100モル%とした場合、直鎖型グリコール化合物を70モル%以上含有する[1]記載の水系硬化性ポリエステル樹脂組成物。
[3]前記直鎖型グリコール化合物として、アルキレングリコール及びエーテル系グリコールを含有する[1]または[2]記載の水系硬化性ポリエステル樹脂組成物。
[4]前記A成分の全ポリオール成分を100モル%とした場合、エーテル系グリコールを5モル%以上40モル%以下含有する[1]~[3]記載の水系硬化性ポリエステル樹脂組成物。
[5]前記エーテル系グリコールとしてジエチレングリコールを含有する[1]~[4]に記載の水系硬化性ポリエステル樹脂組成物。
[6][1]~[5]記載の水系硬化性ポリエステル樹脂組成物を含有する二液硬化型接着剤。
【発明の効果】
【0010】
塩基性中和剤(B成分)の存在下に有機溶剤及び乳化剤を必要とせずに水分散可能で、かつ安定な水分散体を形成する共重合ポリエステル樹脂(A成分)は、適度な分子量、酸価及び特定の構造を有することにより、以下の機能を両立させる事ができる。すなわち、1分子当たりの平均エポキシ官能基数が4個以上の水溶性多官能エポキシ樹脂(C成分)と室温下で反応させる事で、3次元ネットワーク構造が形成され、樹脂組成物としての凝集力を向上できる。そのため、接着剤として使用した場合に安定した接着性能が得られる事になる。また、水分散体製造のためにスルホン酸塩基濃度を高くする必要が無く、塗膜乾燥後の耐水性にも優れる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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