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公開番号
2025074508
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-14
出願番号
2023185355
出願日
2023-10-30
発明の名称
塗装方法及び塗装システム
出願人
株式会社IHIエアロスペース
代理人
弁理士法人相原国際知財事務所
主分類
B05D
1/02 20060101AFI20250507BHJP(霧化または噴霧一般;液体または他の流動性材料の表面への適用一般)
要約
【課題】塗料の軽微な液垂れを生じるのみで、各部位で所望の厚さ及び平滑な表面を有する塗膜を短時間で形成し得る、ファンブレード又はガイドベーン(翼)の翼面の塗装方法及びシステムを提供する。
【解決手段】方法において、翼は、そのスパン方向が水平方向に一致すると共にスパン方向に延びる旋回軸を中心として旋回され得る状態で保持され、その中心軸の方向に下向きに塗料を噴霧するスプレーガンが、翼の被塗装面上に塗装パスに沿って塗膜を形成してゆくように移動され、塗装パスは、スパン方向に互いに隔てられ、翼の前縁と後縁との間を延びる、複数の塗装区間を含み、スプレーガンが各塗装区間に沿って移動する間、翼は、塗装区間を構成する線を被塗装面上に鉛直方向に投影した線と前縁及び後縁のそれぞれとの交点を結ぶ線分が水平に維持された状態で保持され、かつ、スプレーガンの中心軸の方向は、常に被塗装面に対して垂直となるよう変えられる。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
ターボファンエンジンのファンブレード又はガイドベーンの翼面の塗装方法であって、
前記ファンブレード又はガイドベーンは、そのスパン方向が水平方向に一致するように、かつ、前記スパン方向に延びる旋回軸を中心として旋回され得る状態で保持され、
その中心軸の方向に下向きに塗料を噴霧するスプレーガンが、前記翼面のうち上側に位置する被塗装面上に塗装パスに沿って塗膜を形成してゆくように移動され、
前記塗装パスは、前記スパン方向に互いに隔てられ、前記ファンブレード又はガイドベーンの前縁と後縁との間を延びる、複数の塗装区間を含み、
前記スプレーガンがそれぞれの前記塗装区間に沿って前記塗膜を形成すべく移動する間、
前記ファンブレード又はガイドベーンは、前記塗装区間を構成する線を前記被塗装面上に鉛直方向に投影した線と前記前縁及び前記後縁のそれぞれとの交点を結ぶ線分が水平に維持された状態で保持され、かつ、
前記スプレーガンの前記中心軸の方向は、常に前記被塗装面に対して垂直となるよう変えられる、方法。
続きを表示(約 1,400 文字)
【請求項2】
前記スプレーガンが、前記複数の塗装区間のうちの1つの塗装区間に沿って移動してその終点に達した後、次の塗装区間の始点へ移動している間、前記ファンブレード又はガイドベーンは、前記次の塗装区間においても前記線分が水平に維持されるよう、前記旋回軸を中心として旋回させられる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ファンブレード又はガイドベーンには、前記前縁を覆うシースが設けられており、
前記スプレーガンが、それぞれの前記塗装区間のうち、前記中心軸と前記被塗装面との交点が、前記シースの後端面から後方に向かって測った距離が前記スプレーガンから噴霧された塗料により前記被塗装面上に形成されるスプレーパターンの幅以下であるようなスプレーガン前傾区間にある時、前記スプレーガンの前記中心軸の方向は、前記被塗装面に対して垂直な方向に対して前記前縁側へ傾斜しており、
前記スプレーガンが、それぞれの前記塗装区間のうち、前記スプレーガン前傾区間以外の区間にある時、前記スプレーガンの前記中心軸の方向は前記被塗装面に対して垂直な方向に一致する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ターボファンエンジンのファンブレードの翼面の塗装システムであって、
塗装ロボットと、
塗料供給装置と、
被塗装物保持部を有する被塗装物ハンドリング装置と、
前記塗装ロボット、前記塗料供給装置及び前記被塗装物ハンドリング装置の動作を制御する制御装置と、
を備え、
前記塗装ロボットは、前記翼面のうち上側に位置する被塗装面上に塗装パスに沿って塗膜が形成されてゆくよう、塗料を下向きに噴霧するスプレーガンを移動させ、
前記被塗装物保持部は、塗装実施中、前記ファンブレード又はガイドベーンを、そのスパン方向が水平方向に一致するように、かつ、前記スパン方向に延びる旋回軸を中心として旋回させ得る状態で保持し、
前記塗装パスは、前記スパン方向に互いに隔てられ、前記ファンブレード又はガイドベーンの前縁と後縁との間を延びる、複数の塗装区間を含み、
前記制御装置は、前記スプレーガンがそれぞれの前記塗装区間に沿って前記塗膜を形成すべく移動する間、
前記ファンブレード又はガイドベーンが、前記塗装区間を構成する線を前記被塗装面上に鉛直方向に投影した線と前記前縁及び前記後縁のそれぞれとの交点を結ぶ線分が水平に維持された状態で保持されるよう、前記被塗装物保持部の動作を制御すると共に、
前記スプレーガンの中心軸の方向が常に前記被塗装面に対して垂直となるよう、前記塗装ロボットの動作を制御するように構成されている、システム。
【請求項5】
前記スプレーガンが、前記複数の塗装区間のうちの1つの塗装区間に沿って移動してその終点に達した後、次の塗装区間の始点へ移動している間、前記被塗装物保持部は、前記次の塗装区間においても前記線分が水平に維持されるよう、前記ファンブレード又はガイドベーンを、前記旋回軸を中心として旋回させる、請求項4に記載の塗装システム。
【請求項6】
前記被塗装物保持部は、前記ファンブレード又はガイドベーンを、そのスパン方向が鉛直方向に一致するようにも支持することができる、請求項5に記載の塗装システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、塗装方法及び塗装システム、特にターボファンエンジンのファンブレードやガイドベーンの翼部の表面(以下、「翼面」という。)に塗料を塗布するのに好適な塗装方法及び塗装システムに関する。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
航空機の推進機関であるターボファンエンジンは、ファンと、ファンの後方にこれと同軸に配置され、ファンを駆動するためのタービンを備えたコアエンジンと、から構成されている。
【0003】
ファンは、略円筒状のファンケースと、ファンケースの内部において回転するように構成された略円筒状のファンディスクと、ファンディスクの外周に取り付けられた複数のファンブレードと、ファンブレードの後方でファンケースの内周に取り付けられたガイドベーンと、を備えている。ファンディスクは、シャフトを介して連結されたタービンによって回転駆動される。
【0004】
ターボファンエンジンの運転中、ファンディスクと共にファンブレードが回転することにより、ファンに空気が吸い込まれる。空気の一部はコアエンジンに流入し、タービンを駆動するための高温高圧のガスを発生させ、残部はコアエンジンをバイパスする通路に流入し、ガイドベーンにより整流された後に後方から排出され、推力の大部分の発生に寄与する。
【0005】
ターボファンエンジンのファンブレードやガイドベーンは、軽量化のため、その翼部を含む本体が例えばアルミニウムやFRPから製造されている。ターボファンエンジンの運転中、ファンに吸い込まれる空気には砂粒、小石、氷片等の異物が混入している場合があるが、このような異物との衝突は、ファンブレードやガイドベーンの翼部に損傷(エロージョン)を与える可能性がある。
【0006】
そのため、ファンブレードやガイドベーンの翼部には、異物との衝突の可能性が最も高い前縁部を保護すべく、これを覆うように耐摩耗性材料のシースが接合されていると共に、当該シースを除く表面全体に、耐エロージョン塗料が塗布されている。
【0007】
ファンブレードやガイドベーンの翼面に対して塗装を行う場合、塗装設備内におけるファンブレードやガイドベーンの固定は、通常、その翼根部(ファンディスク、ファンケース等の隣接部品への取り付け部)を治具に固定することにより行われる。治具には、翼根部と相補的な形状の溝が設けられており、この溝に翼根部を差し込んだ後に適宜の方法で移動を拘束することにより、ファンブレードやガイドベーンが治具に固定される。ファンブレードやガイドベーンの翼根部の、治具の溝への差し込み及び当該溝からの取り外しは、作業者が翼根部を手で支えた状態で行われる。これは、翼部を手で支えると、塗装完了直後にあっては、翼面に形成された塗料の膜(以下、「塗膜」という。)の表面の平滑性が損なわれる可能性があるからである。
【0008】
上述したように、ファンブレードやガイドベーンの翼根部を作業者が手で支える場合、ファンブレードやガイドベーンは、通常、垂直にした状態(翼部が翼根部の上方に位置する状態)とされる。これは、ファンブレードやガイドベーンを水平にした状態(すなわち、翼部が翼根部の側方にある状態)では、翼部の重量を、その一方の端部に位置する翼根部で片持ち支持しなければならず、ハンドリングが困難となるからである。
【0009】
このような事情を考慮して、ファンブレードやガイドベーンの翼面に対する塗装は、従来、ファンブレードやガイドベーンを垂直にした状態で行われていた。この状態は、ファンブレードやガイドベーンの翼部のスパン方向(すなわち、前述したファンディスク、ファンケース等の隣接部品に組み付けられた状態において、ファンの径方向と一致する方向)が、鉛直方向と一致するような状態である。この状態では、塗装の対象となる翼面は、概ね鉛直方向に沿って延びることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述したように、ファンブレードやガイドベーンを垂直にした状態で塗装を行う場合、ファンブレードやガイドベーンの翼面上に塗装パスに沿って塗膜が形成されてゆくよう、スプレーガンを概ね水平方向に移動させながら、塗料を噴霧してゆく。
(【0011】以降は省略されています)
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