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公開番号
2025067874
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-24
出願番号
2024178371
出願日
2024-10-10
発明の名称
再生コラーゲン繊維処理方法、並びに改質再生コラーゲン繊維及びそれを含む頭飾製品
出願人
花王株式会社
,
株式会社カネカ
代理人
弁理士法人アルガ特許事務所
主分類
D06M
15/263 20060101AFI20250417BHJP(繊維または類似のものの処理;洗濯;他に分類されない可とう性材料)
要約
【課題】高分子化合物を繊維内に浸透可能な再生コラーゲン繊維処理方法を提供すること。
【解決手段】下記工程(i)を含む、再生コラーゲン繊維処理方法。
工程(i) 成分(A)を含有してなる繊維処理剤に、下記式(1)により算出される水中繊維膨潤率が200%以上である再生コラーゲン繊維を浸漬する工程
(A)カルボキシ基又はその塩を有する不飽和単量体由来の構造単位と、芳香族ビニル化合物由来の構造単位を含む共重合体であって、酸価が100mgKOH/g以上であり、かつ重量平均分子量が1500~15000である共重合体
水中繊維膨潤率(%)=[(w1-w2)/w2]×100 (1)
〔式中、
w1は、イオン交換水100gを充填した容器に繊維1.0gを入れ容器を密閉し、40℃のウォーターバスに容器ごと30分間浸漬した後、繊維を容器から取り出し、遠心力220[×g]にて1分間遠心脱水した後に測定した繊維の質量(g)を示す。
w2は、質量(w1)を測定した繊維を濾紙上に載置し105℃にて3時間乾燥した後に測定した繊維の質量を示す。〕
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記工程(i)を含む、再生コラーゲン繊維処理方法。
工程(i) 成分(A)を含有してなる繊維処理剤に、下記式(1)により算出される水中繊維膨潤率が200%以上である再生コラーゲン繊維を浸漬する工程
(A)カルボキシ基又はその塩を有する不飽和単量体由来の構造単位と、芳香族ビニル化合物由来の構造単位を含む共重合体であって、酸価が100mgKOH/g以上であり、かつ重量平均分子量が1500~15000である共重合体
水中繊維膨潤率(%)=[(w1-w2)/w2]×100 (1)
〔式中、
w1は、イオン交換水100gを充填した容器に繊維1.0gを入れ容器を密閉し、40℃のウォーターバスに容器ごと30分間浸漬した後、繊維を容器から取り出し、遠心力220[×g]にて1分間遠心脱水した後に測定した繊維の質量(g)を示す。
w2は、質量(w1)を測定した繊維を濾紙上に載置し105℃にて3時間乾燥した後に測定した繊維の質量を示す。〕
続きを表示(約 850 文字)
【請求項2】
前記再生コラーゲン繊維が、下記の成分(B)を含有する、請求項1に記載の再生コラーゲン繊維処理方法。
(B)多価金属、又はその塩若しくはその錯体
【請求項3】
成分(B)が、アルミニウム、又はその塩若しくはその錯体である、請求項2に記載の再生コラーゲン繊維処理方法。
【請求項4】
工程(i)の前に、家畜動物の床皮を原料とする不溶性コラーゲン繊維を可溶化処理して得られたコラーゲン水溶液を紡糸ノズル又はスリットを通して吐出し、無機塩水溶液に浸漬する再生コラーゲン繊維製造工程を含む、請求項1に記載の再生コラーゲン繊維処理方法。
【請求項5】
再生コラーゲン繊維中に、成分(A)を含有してなる、改質再生コラーゲン繊維。
(A)カルボキシ基又はその塩を有する不飽和単量体由来の構造単位と、芳香族ビニル化合物由来の構造単位を含む共重合体であって、酸価が100mgKOH/g以上であり、かつ重量平均分子量が1500~15000である共重合体
【請求項6】
成分(A)の含有量が、0.1~70質量%である、請求項5に記載の改質再生コラーゲン繊維。
【請求項7】
さらに、下記の成分(B)を含有する、請求項5に記載の改質再生コラーゲン繊維。
(B)多価金属、又はその塩若しくはその錯体
【請求項8】
成分(B)がアルミニウム、又はその塩若しくはその錯体である、請求項7に記載の改質再生コラーゲン繊維。
【請求項9】
請求項1~4のいずれか1項に記載の再生コラーゲン繊維処理方法によって、再生コラーゲン繊維を処理する工程を含む、改質再生コラーゲン繊維の製造方法。
【請求項10】
請求項1~4のいずれか1項に記載の再生コラーゲン繊維処理方法によって、再生コラーゲン繊維を処理する工程を含む、頭飾製品の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、再生コラーゲン繊維処理方法に関し、好適にはかつら、エクステンション等の頭飾製品等繊維製品に用いられる再生コラーゲン繊維の処理方法に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)
【背景技術】
【0002】
再生コラーゲン繊維は、一般に、合成繊維とは異なって、天然素材から来る自然な風合いや外観を有する。再生コラーゲン繊維は、通常、酸可溶性コラーゲンあるいは不溶性コラーゲンをアルカリや酵素で可溶化して紡糸原液とし、これを紡糸ノズルから凝固浴に吐出して繊維化した後、最終工程において繊維状コラーゲンを乾燥することにより製造される。
【0003】
しかし、再生コラーゲン繊維は、一般的に、合成繊維に比べて親水性が高いため吸水率が高く、多くの水を含んだ状態においては機械的強度が極めて低い。このため、洗浄時には高い吸水率のために機械強度が著しく低下し、その後の乾燥時に破断するなど、頭飾製品等繊維製品としての適性低下につながっている。また、再生コラーゲン繊維には、耐熱性の低さという問題もあり、例えば、ヘアアイロン等を使用した熱セットにおいては、人毛と同じような高い温度でセットした場合には収縮や縮れを発生し見栄えを損なってしまう。さらに、プラスチック製の合成繊維ではアイロン等による熱セット時における形状がその後の洗浄を経ても記憶され続ける(熱形状記憶能がある)が、再生コラーゲン繊維は、アイロン等による熱セット時における形状がその後の一度の洗浄で失われてしまう(熱形状記憶能がない)ため、従来のプラスチック製の合成繊維に比べて形状セットの自由度の観点で劣る部分があった。
【0004】
そこで、再生コラーゲン繊維等の天然由来繊維における上記した課題を解決すべく、種々の検討が行われている。例えば、羊毛を少なくとも10重量%含有する布帛において、羊毛をアクリル樹脂で架橋することで、洗濯時の摩擦による損耗(モモケ)を抑制できることが報告されている(特許文献1)。また、再生コラーゲン繊維を、特定のメチロール化合物と特定のフェノール化合物を含有する繊維処理剤で処理することで、再生コラーゲン繊維に特有の上記した耐水性、耐熱性及び熱形状記憶能に関する課題を解決できることが報告されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平1-260062号公報
特開2022-103113号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1は、高分子量化合物により繊維を改質する技術を提案するものであるが、羊毛に高分子化合物を架橋させて表面被覆しているに過ぎない。即ち、本願出願前において、再生コラーゲン繊維等の天然由来繊維内に高分子化合物が浸透しないという課題があったからである。一方、特許文献2は、高分子化合物により繊維を改質するために、再生コラーゲン繊維内にメチロール化合物及びフェノール化合物を浸透させて、繊維内でフェノール性水酸基を配位させるとともに、フェノール化合物同志をメチロール化合物で縮合させるという手法により、高分子化した縮合物によって繊維内部から改質する技術である。しかし、このような技術により繊維内部から改質するには、繊維内へのモノマーの浸透、繊維内でのモノマーの高分子化というステップが必須不可欠であるため、処理工程が煩雑になり、大量の再生コラーゲン繊維を処理することに限界があった。
したがって、本発明は、高分子化合物を繊維内に浸透可能な再生コラーゲン繊維処理方法及び改質再生コラーゲン繊維に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記した課題に鑑み研究を進めた結果、特定の特性基を含む高分子化合物が、特定性状を有する再生コラーゲン繊維に対して特異的に浸透し、しかも特定の特性基が繊維に配位するため、再生コラーゲン繊維に特有の上記した課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
即ち、本発明は、次の〔1〕~〔11〕を提供するものである。
〔1〕 下記の工程(i)を含む、再生コラーゲン繊維処理方法。
工程(i) 下記の成分(A)を含有してなる繊維処理剤に、下記式(1)により算出される水中繊維膨潤率が200%以上である再生コラーゲン繊維を浸漬する工程
(A)カルボキシ基又はその塩を有する不飽和単量体由来の構造単位と、芳香族ビニル化合物単量体由来の構造単位を含む共重合体であって、酸価が100mgKOH/g以上であり、かつ重量平均分子量が1500~15000である共重合体
水中繊維膨潤率(%)=[(w1-w2)/w2]×100 (1)
〔式中、
w1は、イオン交換水100gを充填した容器に繊維1.0gを入れ容器を密閉し、40℃のウォーターバスに容器ごと30分間浸漬した後、繊維を容器から取り出し、遠心力220[×g]にて1分間遠心脱水した後に測定した繊維の質量(g)を示す。
w2は、質量(w1)を測定した繊維を濾紙上に載置し105℃にて3時間乾燥した後に測定した繊維の質量を示す。〕
〔2〕 前記再生コラーゲン繊維が、下記の成分(B)を含有する、前記〔1〕に記載の再生コラーゲン繊維処理方法。
(B)多価金属、又はその塩若しくはその錯体
〔3〕 成分(B)が、アルミニウム、又はその塩若しくはその錯体である、前記〔2〕に記載の再生コラーゲン繊維処理方法。
〔4〕 工程(i)の前に、家畜動物の床皮を原料とする不溶性コラーゲン繊維を可溶化処理して得られたコラーゲン水溶液を紡糸ノズル又はスリットを通して吐出し、無機塩水溶液に浸漬する再生コラーゲン繊維製造工程を含む、前記〔1〕~〔3〕のいずれか一に記載の再生コラーゲン繊維処理方法。
〔5〕 再生コラーゲン繊維中に、下記の成分(A)を含有してなる、改質再生コラーゲン繊維。
(A)カルボキシ基又はその塩を有する不飽和単量体由来の構造単位と、芳香族ビニル化合物由来の構造単位を含む共重合体であって、酸価が100mgKOH/g以上であり、かつ重量平均分子量が1500~15000である共重合体
〔6〕 成分(A)の含有量が、0.1~70質量%である、前記〔5〕に記載の改質再生コラーゲン繊維。
〔7〕 さらに、下記の成分(B)を含有する、前記〔5〕又は〔6〕に記載の改質再生コラーゲン繊維。
(B)多価金属、又はその塩若しくはその錯体
〔8〕 成分(B)が、アルミニウム、又はその塩若しくはその錯体である、前記〔7〕に記載の改質再生コラーゲン繊維。
〔9〕 前記〔1〕~〔4〕のいずれか一に記載の再生コラーゲン繊維処理方法によって、再生コラーゲン繊維を処理する工程を含む、改質再生コラーゲン繊維の製造方法。
〔10〕 前記〔1〕~〔4〕のいずれか一に記載の再生コラーゲン繊維処理方法によって、再生コラーゲン繊維を処理する工程を含む、頭飾製品の製造方法。
〔11〕 前記〔5〕~〔8〕のいずれか一に記載の改質再生コラーゲン繊維を構成要素として含む、頭飾製品。
【発明の効果】
【0009】
本発明の処理方法によれば、簡便な工程により、特定範囲内の分子量を有する高分子化合物を再生コラーゲン繊維内に浸透できるだけなく、保持させることもできる。本発明の改質再生コラーゲン繊維は、耐水性及び熱形状記憶能が優れており、かつら、エクステンション等の頭飾製品に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
実施例19で得られた改質再生コラーゲン繊維断面の蛍光イメージング画像である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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