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公開番号2025063989
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-17
出願番号2023173325
出願日2023-10-05
発明の名称ボードアンカー
出願人若井ホールディングス株式会社
代理人
主分類F16B 13/04 20060101AFI20250410BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】雄ねじ部とナット部の螺合部分での切粉や切屑の噛み込の発生を防ぐことで、ボードへの固定が効率的に失敗なく行えるボードアンカーを提供することにある。
【解決手段】可開脚スリーブ7とナット部8を有するアンカー本体2と開脚用ねじ3との組み合わせからなり、前記ナット部8に螺合させた開脚用ねじ3をねじ込み回動させて可開脚スリーブ7を開脚させるようにしたボードアンカー1において、ねじ軸部12の雄ねじ部14とナット部8の雌ねじ11の螺合時に、雄ねじ部14のねじ山におけるフランク面α2と、このフランク面α2と対面する雌ねじ11のねじ山におけるフランク面α3との間に、ボードの切粉や切屑を収納するための削粉収納隙間を形成するようにする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
基筒部の一端側にフランジ部が設けられ、他端側に可開脚スリーブとナット部が連ねて設けられた筒状のアンカー本体と、前記ナット部に螺合するねじ軸部の一端側に頭部を設けた開脚用ねじとの組み合わせからなり、前記アンカー本体内に挿通した開脚用ねじのねじ軸部をナット部に螺合させた状態で、開脚用ねじをねじ込み回動させてナット部を引き寄せることにより、前記可開脚スリーブを軸方向の圧縮力で外側に張り出すように開脚させるようにしたボードアンカーにおいて、前記開脚用ねじのねじ軸部に設けた雄ねじ部と前記ナット部の雌ねじの螺合時に、雄ねじ部のねじ山におけるフランク面と、このフランク面と対面する雌ねじのねじ山におけるフランク面との間に、建材の切粉や切屑を収納するための削粉収納隙間を形成するようにしたことを特徴とするボードアンカー。
続きを表示(約 970 文字)【請求項2】
上記削粉収納隙間は、ねじ軸部における雄ねじ部のねじ山と、ナット部における雌ねじのねじ山の何れか一方のねじ山において、開脚用ねじの頭部側に向くフランク面と先端側に向くフランク面のフランク角を異なる角度に設定し、他方のねじ山は開脚用ねじの頭部側に向くフランク面と先端側に向くフランク面のフランク角を等しい角度に設定することにより、雄ねじ部における先端側に向くフランク面側に形成するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のボードアンカー。
【請求項3】
上記削粉収納空間は、ねじ軸部における雄ねじ部のねじ山と、ナット部における雌ねじのねじ山の何れか一方のねじ山において、開脚用ねじの頭部側に向くフランク面のフランク角に対して先端側に向くフランク面のフランク角を小さい角度に設定し、他方のねじ山は開脚用ねじの頭部側に向くフランク面のフランク角と先端側に向くフランク面のフランク角を、前記一方における開脚用ねじの頭部側に向くフランク角と等しい角度に設定することにより形成するようにしたことを特徴とする請求項2に記載のボードアンカー。
【請求項4】
上記削粉収納空間は、ねじ軸部における雄ねじ部のねじ山と、ナット部における雌ねじのねじ山の何れか一方において、先端側に向くフランク面のフランク角に対して開脚用ねじの頭部側に向くフランク面のフランク角を小さい角度に設定し、他方において、開脚用ねじの頭部側に向くフランク角と先端側に向くフランク角を、前記一方における開脚用ねじの頭部側に向くフランク角と等しい角度に設定し、雌ねじにおける開脚用ねじの頭部側に向くフランク面側に形成されているようにしたことを特徴とする請求項2に記載のボードアンカー。
【請求項5】
上記開脚用ねじは、ねじ軸部の頭部と先端側の雄ねじ部の間に、外径が上記ナット部の雌ねじにおけるねじ山の内径と同等もしくは小径の無ねじ部が設けられ、この無ねじ部の先端側と雄ねじ部の内端側の境界が、雄ねじ部の回動によりナット部を頭部側に引き寄せて、可開脚スリーブが所定の開脚形態に到達した時点で、ナット部の雌ねじが雄ねじ部から無ねじ部へ離脱する位置に設定されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のボードアンカー。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、石膏ボード等の比較的脆い材質のボードを用いて形成された壁面や構造物に対して、外側から物品をねじで固定する場合に用いるボードアンカーに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
上記のような用途に用いるボードアンカーは、可開脚スリーブとナット部を備えた筒状のアンカー本体と、このアンカー本体内に挿通する開脚用ねじの組み合わせからなり、開脚用ねじのねじ軸に設けた雄ねじ部を前記ナット部に螺合し、この開脚用ねじをねじ込み方向に回動させてナット部を引き寄せ、前記可開脚スリーブを軸方向に圧縮してボードの裏面側で開脚させることにより、ボードの表面側に部材をねじ止め固定するものであり、このようなボードアンカーには、ボードに対する固定操作の違いから、ボードに予め設けた下穴に挿入した状態で固定する挿入方式と、ボードに対して直接穿孔しながらねじ込んで固定する自穿孔方式とがある。
【0003】
前者の挿入方式であるボードアンカーのアンカー本体は、ボードの板厚に見合う長さを有する基筒部の一端側にフランジ部と、他端側に可開脚スリーブ及びナット部を同軸心状に設け、前記フランジ部の外周に座面へ突出するアンカー爪が設けられている構造になっている。
【0004】
このようなアンカー本体と組み合わせ使用する開脚用ねじは、所定長さを有するねじ軸の一端に頭部が設けられ、このねじ軸には、アンカー本体の先端側に位置するナット部に対して螺合する雄ねじ部が形成されている。(特許文献1)
【0005】
先ず、挿入方式のボードアンカーは、ボードに予め設けた下孔にアンカー本体の筒状部分を挿入し、フランジ部のアンカー爪をボードに係合させ、この状態で、ボードに固定せんとする部材に挿通した開脚用ねじをアンカー本体内に挿入し、開脚用ねじをねじ込み回転させて雄ねじ部をナット部に螺合させ、このねじ込みを続けることでナット部を頭部側に引き寄せ、これによって可開脚スリーブを軸方向に圧縮し、該可開脚スリーブをボードの裏面側で開脚させ、開脚用ねじの頭部と可開脚スリーブの開脚部分でボードと部材を挟み込むことで、部材の固定が行えることになる。
【0006】
なお、このようなボードアンカーは、予めアンカー本体に開脚用ねじを組み合わせたセット状態で下穴に挿入し、開脚用ねじをねじ込み回動して可開脚スリーブを開脚させ、アンカー本体をボードに固定した後、開脚用ねじを抜き取ってこれを部材に挿通した状態で再度アンカー本体にねじ込み、ボードに対して部材を固定する方法で用いることもできる。
【0007】
次に、後者の自穿孔方式のボードアンカーは、上記した挿入方式のボードアンカーと基本的な構造は共通しているが、アンカー本体におけるナット部の先端に、回転によってボードに穿孔を形成するための刃先が設けられていると共に、開脚用ねじにおけるねじ軸部の先端にドリル部又は先鋭端を設けた構造になっており、アンカー本体と開脚用ねじを回転させることにより、両者の先端における穿孔機能により、ボードにアンカー本体の筒状部を侵入させるために削孔し、この後、開脚用ねじを一旦抜き取り、部材に挿通した開脚用ねじを再度アンカー本体内に挿入してねじ込み方向に回転させ、ナット部の引き寄せで可開脚スリーブを開脚させ、上記挿入方式のボードアンカーと同様に、開脚用ねじの頭部と可開脚スリーブの開脚部分でボードと部材を挟み込むことで部材の固定を行うものである。(特許文献2)
【0008】
ここで、上記したようなボードアンカーを固定せんとする石膏ボードのような建材は材質的に脆いため、下孔を穿孔する場合や自穿孔方式のボードアンカーを貫通させる穿孔時に、ボードを削ることで細かい切粉や切屑が発生し、前者の挿入方式のボードアンカーにおいては、切粉や切屑が残置されている下孔の中にアンカー本体が挿入され、この挿入時に下孔の内周面を可開脚スリーブが擦って削ることがあり、また、後者の自穿孔方式のボードアンカーの場合は、ボードを削りながらアンカー本体の可開脚スリーブが切粉や切屑の中を進むことになる。
【0009】
ところで、アンカー本体と開脚用ねじの組み合わせからなるボードアンカーにおいて、可開脚スリーブを開脚させる場合は、雄ねじ部の先端側をナット部と螺合させた状態で開脚用ねじをねじ込み回転させることになるが、この時、雄ねじ部とナット部の螺合部分は、部材又はボードにフランジが当接しているアンカー本体は、そのナット部が回転不可で頭部側への移動が可能となっているのに対し、頭部が部材又はフランジに当接する開脚用ねじは、雄ねじ部が定位置で回転することになるので、開脚用ねじをねじ込み回転させると、ナット部は雄ねじ部の送り作用で頭部側に向けて引き込まれることになり、この引き込みによって可開脚スリーブは軸方向に圧縮されて開脚するが、このような可開脚スリーブの開脚が、開脚用ねじの軽いねじ込み回転力で確実に開脚させるには、開脚用ねじのねじ込み回転時に雄ねじ部とナット部の螺合部分で生じるねじ山の滑り抵抗の発生を少なくすることが重要である。
【0010】
しかしながら、上記した何れのボードアンカーにおいても、アンカー本体の可開脚スリーブは、基筒部とナット部を繋ぐ筒状体の周面に軸方向の切れ目を周方向に等間隔の配置で複数設け、隣接する切れ目間にそれぞれ帯板部を残し、この帯板部に長さ方向の中間部が外側に張り出すような形付けを施し、軸方向の圧縮を受けた帯板部は外方に折れ曲がってボードへの当接片と、この当接片とナット部の間に位置する突っ張り片に開脚するような構造になっており、従って、可開脚スリーブの内部は、軸方向の切れ目によって外部に解放された構造になっている。
(【0011】以降は省略されています)

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