TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025062869
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-15
出願番号2023172221
出願日2023-10-03
発明の名称液化水素源から冷熱を回収する冷熱回収装置およびそれを備える水素供給ステーション
出願人日本エア・リキード合同会社
代理人弁理士法人ユニアス国際特許事務所
主分類F17C 7/04 20060101AFI20250408BHJP(ガスまたは液体の貯蔵または分配)
要約【課題】液化水素を気化して水素ガスを得る過程で冷熱(寒冷)を回収し、燃料電池自動車へ供給する前の圧縮水素ガスを冷却する冷却手段の冷熱(寒冷)として供給する冷熱回収装置を提供する。
【解決手段】冷熱回収装置3は、水素供給ステーションに設けられている液化窒素源から導出される液化水素を蒸発する液化水素蒸発器13に接続され、液化水素が気化した際の冷熱を回収する回収手段と、前記回収手段が、前記水素供給ステーションのディスペンサー18から供給される圧縮水素ガスを冷却するためのプレクーラー17の第一冷媒を貯留するバッファタンク21内の前記第一冷媒を冷却する構成である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
水素供給ステーションに設けられている液化水素源から導出される液化水素を蒸発する液化水素蒸発器に接続され、液化水素が気化した際の冷熱を回収する回収手段を備え、
前記回収手段が、前記水素供給ステーションのディスペンサーから供給される圧縮水素ガスを冷却するためのプレクーラーの第一冷媒を貯留するバッファタンク内の前記第一冷媒を冷却する、
冷熱回収装置。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記回収手段は、
液化水素を蒸発する液化水素蒸発器に接続され、液化水素が気化した際の冷熱を回収する作動液を有するヒートパイプを備える、
請求項1に記載の冷熱回収装置。
【請求項3】
前記回収手段は、
液化水素を蒸発する液化水素蒸発器に接続され、液化水素の冷熱の一部を回収する熱電変換素子と、
前記熱電変換素子で発電された電力が送電ラインを介して送られる、かつ、プレクーラーの第一冷媒を貯留するバッファタンクに接続されている冷却用ペルティエ素子と、
を備える、
請求項1に記載の冷熱回収装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の冷熱回収装置と、
液化水素を貯留する液化水素貯槽と、
液体水素を後段へ送り、かつ一定圧に昇圧する液化水素ポンプと、
前記液化水素を気化する液化水素蒸発器と、
前記液化水素蒸発器で気化された水素ガスと貯留する蓄圧器ユニットと、
前記蓄圧器ユニットから導出され、圧縮された水素ガスを所定温度にまで冷却するプレクーラーと、
前記プレクーラーで冷却された圧縮水素ガスを、燃料電池自動車の水素タンクへ送るディスペンサーと、
前記プレクーラーの第一冷媒を供給する冷媒配管ラインと、
前記冷媒配管ラインに設けられ、前記第一冷媒を貯留するバッファタンクと、
前記バッファタンクから導出された前記第一冷媒を冷却するための熱交換器と、
前記バッファタンクから導出され前記熱交換器で冷却された前記第一冷媒を該バッファタンクへ戻す冷媒冷却配管ラインと、
前記熱交換器で前記第一冷媒を冷却するための第二冷媒を供給する冷凍機と、
を備える、
水素供給ステーション。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか1項に記載の冷熱回収装置と、
液化水素を貯留する液化水素貯槽と、
前記液化水素を気化する液化水素蒸発器と、
前記液化水素蒸発器で気化された水素ガスを圧縮する圧縮機と、
前記圧縮機で圧縮された水素ガスを貯留する蓄圧器ユニットと、
前記蓄圧器ユニットから導出され、圧縮された水素ガスを所定温度にまで冷却するプレクーラーと、
前記プレクーラーで冷却された圧縮水素ガスを、燃料電池自動車の水素タンクへ送るディスペンサーと、
前記プレクーラーの第一冷媒を供給する冷媒配管ラインと、
前記冷媒配管ラインに設けられ、前記第一冷媒を貯留するバッファタンクと、
前記バッファタンクから導出された前記第一冷媒を冷却するための熱交換器と、
前記バッファタンクから導出され前記熱交換器で冷却された前記第一冷媒を該バッファタンクへ戻す冷媒冷却配管ラインと、
前記熱交換器で前記第一冷媒を冷却するための第二冷媒を供給する冷凍機と、
を備える、
水素供給ステーション。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、液化水素源から冷熱を回収する冷熱回収装置およびそれを備える水素供給ステーションに関する。
続きを表示(約 3,700 文字)【背景技術】
【0002】
水素供給ステーション(Hydrogen Refueling Station)では、燃料電池自動車(Fuel Cell Vehicle)に充填する水素ガスを、-40℃前後で冷却する必要がある。これは、水素供給ステーションのISOプロトコルで定義されている。
現在この-40℃の冷却にはブラインおよびフロン冷凍機を使用している。液化水素(LH

)を水素(H

)源として使用する水素供給ステーションは、液化水素を常温に気化した後、ディスペンサーにて圧縮した水素ガスを冷却している。これらの手順により、冷熱損失が発生する。
【0003】
特許文献1の図3において、液化水素の冷熱(寒冷)が第一の熱交換器3で回収されているが、その冷熱(寒冷)は第二の熱交換器15で外部へ放熱されることが開示されている。つまり、冷熱が外部へ放出されており有効に利用されているものではない。
【0004】
特許文献2は、第一熱交換器(11)で冷却されたヒートトランスファー液を寒冷として第二熱交換器(25)へ送り、バッファ(19)から送られる水素を冷却し、冷却された水素ガスを燃料電池自動車へ供給する構成を開示している。ヒートトランスファー液は、循環され第一熱交換器(11)へ送られる。特許文献2では、第二熱交換器(25)においてヒートトランスファー液を使用して水素を冷却する構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特表2023-517439号公報
米国特許公開US2023/0213148 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来(例えば、特許文献1)は、液化水素の有する冷熱は回収されることなく有効利用されていない。これは、液化水素の製造時に投入されるエネルギーを回収出来ていない事と同義である。エコロジー視点ほかSDGsの考えから、回収可能なエネルギーは回収可能な考案をすべきである。液化水素の大気圧における蒸発潜熱は446kJ/kgであり、燃料電池自動車一台あたり5kgの充填を行なうとして、2,230kJのエネルギーが損失している。顕熱分を含めると、より多くのエネルギーロスが発生している。この損失エネルギーの一部のみでも回収する事で、SDGsへの貢献をもたらす。
また、特許文献2は、ヒートトランスファー液のみを充填直前の寒冷として使用する構成であり、バッファへの貯留のタイミングと水素充填のタイミングの違いと、設置の非柔軟性などの課題があった。
【0007】
本開示は、液化水素を気化して水素ガスを得る過程で冷熱(寒冷)を回収し、燃料電池自動車へ供給する前の圧縮水素ガスを冷却する冷却手段の冷熱(寒冷)として供給する冷熱回収装置を提供する。
また、その冷熱回収装置を備える水素供給ステーションを提供する。
また、既設の水素ステーション設備へ後付けが可能な冷熱回収装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の冷熱回収装置(3)は、
水素供給ステーションに設けられている液化水素源から導出される液化水素を蒸発する液化水素蒸発器に接続され、液化水素の冷熱の一部を回収する回収手段を備え、
前記回収手段が、前記水素供給ステーションのディスペンサー(18)から供給される圧縮水素ガスを冷却するためのプレクーラー(17)の第一冷媒を貯留するバッファタンク(21)内の前記第一冷媒を冷却する構成である。
前記回収手段は、
液化水素を蒸発する液化水素蒸発器に接続され、液化水素が気化した際の冷熱を回収する作動液(31)を有するヒートパイプ(32)を備えていてもよい。
前記ヒートパイプ(32、32b)が、プレクーラー(17)の第一冷媒を貯留するバッファタンク(21)へ延設され、作動液(31)の寒冷が前記バッファタンク(21)へ提供され、バッファタンク(21)内の前記第一冷媒を冷却する。
前記作動液(31)は、例えば、フロン系、シリコン系、ネオンなどが挙げられる。
前記作動液(31)は、ヒートパイプ(32)の両端(32a、32b)に接続された温度差に依存して移動をする構成である。このため、冷却の必要に応じて自動的に作動液(31)が移動するため、作動液(31)の移動を制御する制御部あるいは制御機構を備えていてもよく、備えていなくてもよい。
前記液化水素蒸発器は、例えば、空温式で構成されていてもよい。空温式蒸発器は、例えば、アルミニウム製のスターフィンを有していてもよい。前記ヒートパイプ(32)一方端(32a)は、アルミニウム製のスターフィンに接続されていてもよい。前記ヒートパイプ(32)のその他方端(32b)は前記バッファタンク(21)の外壁に設けられていてもよい。
【0009】
前記回収手段は、
液化水素を蒸発する液化水素蒸発器に接続され、液化水素が気化した際の冷熱を回収する熱電変換素子(36)と、
前記熱電変換素子(36)で発電された電力が送電ライン(L5)を介して送られる、かつ、プレクーラー(17)の第一冷媒を貯留するバッファタンク(21)に接続されている冷却用ペルティエ素子(37)と、
を備えていてもよい。
前記回収手段は、
前記熱電変換素子(36)で発電された電力を、前記冷却用ペルティエ素子(37)へ送ること(例えば、送電タイミング、送電期間など)を制御するコントローラー(38)を備えていてもよい。
液化水素が気化した際の冷熱により、熱電変換素子(36)が発電し、その電力が、冷却用ペルティエ素子(37)へ送られ、冷却用ペルティエ素子(37)が冷熱を発生し、バッファタンク(21)内の前記第一冷媒を冷却する。
前記液化水素蒸発器(13)は、例えば、空温式で構成されていてもよい。空温式蒸発器は、例えば、アルミニウム製のスターフィンを有していてもよい。前記熱電変換素子(36)は、アルミニウム製のスターフィンに接続されていてもよい。
前記冷却用ペルティエ素子(37)は、バッファタンクの壁面に設けられていてもよい。
【0010】
本開示の水素供給ステーション(A1、B1)は、
液化水素(例えば、温度-253℃)を貯留する液化水素貯槽(11)と、
前記液化水素貯槽(11)から液化水素を導出するための配管ライン(L1)と、
前記配管ライン(L1)に設けられ、液体水素を後段へ送り、かつ一定圧(例えば、40MPa)に昇圧する液化水素ポンプ(12)と、
前記液化水素ポンプ(12)の下流の前記配管ライン(L1)に設けられ、液化水素を気化(例えば、水素ガス圧力が40MPa~82MPa)する液化水素蒸発器(13)と、
前記液化水素蒸発器(13)で気化された水素ガス(例えば、水素ガス圧力が40MPa~82MPa)と貯留する蓄圧器ユニット(14)と、
前記蓄圧器ユニット(14)から導出された水素ガスを所定圧(例えば、82MPa以上)にまで圧縮する圧縮機(15)と、
前記圧縮機(15)で圧縮された水素ガス(圧縮水素ガス)を貯留する高圧蓄圧器ユニット(16)と、
前記高圧蓄圧器ユニット(16)から導出された圧縮水素ガスを所定温度(例えば、-40℃)にまで冷却するプレクーラー(17)と、
前記プレクーラー(17)で冷却された圧縮水素ガス(冷却圧縮水素ガス)を、燃料電池自動車の水素タンクへ送るディスペンサー(18)と、
前記プレクーラー(17)の第一冷媒を供給する冷媒配管ライン(L2)と、
前記冷媒配管ライン(L2)に設けられ、前記第一冷媒を貯留するバッファタンク(21)と、
前記バッファタンク(21)から前記第一冷媒を前記プレクーラー(17)へ送るための液送ポンプ(P1)と、
前記バッファタンク(21)から導出された前記第一冷媒を冷却するための熱交換器(22)と、
前記バッファタンク(21)から導出され前記熱交換器(22)で冷却された前記第一冷媒を該バッファタンク(21)へ戻す冷媒冷却配管ライン(L3)と、
前記冷媒冷却配管ライン(L3)に設けられ、前記第一冷媒を送るための液送ポンプ(P2)と、
前記熱交換器(22)で前記第一冷媒を冷却するための第二冷媒を供給する冷凍機(23)と、
上記の冷熱回収装置(3)と、
を備えていてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

株式会社石井鐵工所
低温タンクの揚液装置
3日前
有限会社 両国設備
液体容器の加熱器
4か月前
川崎重工業株式会社
三重殻タンク
1か月前
川崎重工業株式会社
三重殻タンク
1か月前
株式会社神戸製鋼所
ガス供給システム
4か月前
川崎重工業株式会社
液化水素貯蔵タンク
2か月前
川崎重工業株式会社
液化水素貯蔵タンク
2か月前
大日本印刷株式会社
ガス充填容器
2か月前
トヨタ自動車株式会社
高圧タンク
4か月前
川崎重工業株式会社
液化ガス貯蔵タンク
2か月前
株式会社三井E&S
燃料供給装置
5か月前
イビデンケミカル 株式会社
水素貯蔵容器
5か月前
那須電機鉄工株式会社
水素吸蔵合金タンク
2か月前
株式会社タツノ
充填ノズル
4か月前
豊田合成株式会社
圧力容器
11日前
川崎重工業株式会社
三重殻タンクのパージ方法
1か月前
川崎重工業株式会社
再液化装置
2か月前
トヨタ自動車株式会社
ガス供給システム
5か月前
清水建設株式会社
水素貯蔵供給システム
1か月前
トヨタ自動車株式会社
タンクモジュール
12日前
オリオン機械株式会社
燃料供給装置および発電システム
2日前
DOWAエコシステム株式会社
容器の廃棄処理方法
2か月前
トヨタ自動車株式会社
高圧タンクの製造方法
29日前
鹿島建設株式会社
水素供給システム
1か月前
鹿島建設株式会社
水素吸蔵システム
1か月前
トヨタ自動車株式会社
水素タンクの支持構造
12日前
トヨタ自動車株式会社
高圧タンク
3か月前
大陽日酸株式会社
ボンベ保管管理庫
5か月前
三浦工業株式会社
ガス気化システム
26日前
川崎重工業株式会社
液化ガスの荷役方法および荷役装置
3か月前
トヨタ自動車株式会社
高圧タンク
2か月前
川崎重工業株式会社
液化水素の移送方法および移送設備
3か月前
株式会社SUBARU
水素充填制御方法
17日前
トヨタ自動車株式会社
水素供給装置
5か月前
トヨタ自動車株式会社
水素供給装置
5か月前
トヨタ自動車株式会社
水素充填装置、水素充填方法
4日前
続きを見る