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公開番号
2025062733
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-15
出願番号
2023171944
出願日
2023-10-03
発明の名称
乾式製錬用原料、乾式製錬用原料の製造方法、並びにその乾式製錬用原料を用いた有価金属の製造方法、硫酸ニッケル及び/又は硫酸コバルトの製造方法
出願人
住友金属鉱山株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C22B
23/00 20060101AFI20250408BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】二酸化炭素の排出量を抑制しつつ、効率よく有価金属を含むメタルを製造することができる乾式製錬用原料を提供すること。
【解決手段】本発明の乾式製錬用原料は、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)の少なくとも1種以上の有価金属と、カーボン(C)とを含み、C含有量が25質量%以下であり、C/(Ni+Co)が2.5以下である。このような乾式製錬用原料は、Ni、Coの少なくとも1種以上の有価金属とカーボンとを含む出発原料を準備する工程と、出発原料に分級処理を施して有価金属を含有する粗粒粉A
1
と細粒粉A
2
とに分ける第1分級工程と、細粒粉A
2
に分級処理を施して粗粒粉B
1
と細粒粉B
2
とに分ける第2分級工程と、を有する方法により製造できる。具体的には、粗粒粉A
1
と粗粒粉B
1
とを回収して乾式製錬用原料とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
ニッケル(Ni)、コバルト(Co)の少なくとも1種以上の有価金属と、カーボン(C)とを含み、
C含有量が25質量%以下であり、
C/(Ni+Co)が2.5以下である、
乾式製錬用原料。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
平均粒径が270μm以上である、
請求項1に記載の乾式製錬用原料。
【請求項3】
前記C含有量が15質量%以下である、
請求項1に記載の乾式製錬用原料。
【請求項4】
請求項1に記載の乾式製錬用原料を製造する方法であって、
ニッケル(Ni)、コバルト(Co)の少なくとも1種以上の有価金属とカーボン(C)とを含む出発原料を準備する準備工程と、
前記出発原料に分級処理を施し、前記有価金属を含有する粗粒粉A
1
と細粒粉A
2
とに分ける第1分級工程と、
前記細粒粉A
2
に分級処理を施し、粗粒粉B
1
と細粒粉B
2
とに分ける第2分級工程と、
を有し、
前記第1分級工程から得られる前記粗粒粉A
1
と、前記第2分級工程から得られる粗粒粉B
1
とを回収して乾式製錬用原料とする、
乾式製錬用原料の製造方法。
【請求項5】
前記第1分級工程では、分級点を50μm~250μmとして分級処理を施す、
請求項4に記載の乾式製錬用原料の製造方法。
【請求項6】
前記第2分級工程では、分級点を25μm以上として分級処理を施す、
請求項5に記載の乾式製錬用原料の製造方法。
【請求項7】
有価金属を含む乾式製錬用原料から、該有価金属又は該有価金属を含有する合金を製造する方法であって、
前記乾式製錬用原料を還元熔融する還元熔融工程と、を含み、
前記乾式製錬用原料として請求項1に記載の乾式製錬用原料を使用する、
有価金属の製造方法。
【請求項8】
有価金属を含む出発原料から前記乾式製錬用原料を調製する原料調製工程を含み、
前記原料調製工程では、請求項4に記載の方法を実行することによって前記乾式製錬用原料を調製し、得られた該乾式製錬用原料を前記還元熔融工程に供する、
請求項7に記載の有価金属の製造方法。
【請求項9】
前記出発原料は、廃リチウムイオン電池を燃焼することによって無害化し、所定の大きさに粉砕した無害化電池粉を含む、
請求項7に記載の有価金属の製造方法。
【請求項10】
前記還元熔融工程では、熔融炉内で前記乾式製錬用原料に対して還元熔融処理を施すことによって、スラグと前記有価金属を含むメタルとを含む還元熔融物を得る、
請求項7に記載の有価金属の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾式製錬用原料、乾式製錬用原料の製造方法、並びにその乾式製錬用原料を用いた有価金属の製造方法、硫酸ニッケル及び/又は硫酸コバルトの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、環境規制が厳しくなってきている中、再生可能エネルギーが大きく注目を浴びている。特にその中でも、軽量で大出力の二次電池としてリチウムイオン電池が脚光を浴びている。
【0003】
一般的なリチウムイオン電池は、外装缶内に、負極材と、正極材と、セパレータと、電解液とを封入した構造を有している。例えば、外装缶は、アルミニウム(Al)や鉄(Fe)等の金属からなる。負極材は、負極集電体(銅箔等)に固着させた負極活物質(黒鉛等)からなる。正極材は、正極集電体(アルミニウム箔等)に固着させた正極活物質(ニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム等)からなる。セパレータは、ポリプロピレンの多孔質樹脂フィルム等からなる。電解液は、六フッ化リン酸リチウム(LiPF
6
)等の電解質を含む。
【0004】
リチウムイオン電池の主要な用途の一つに、ハイブリッド自動車や電気自動車がある。そのため、自動車のライフサイクルにあわせて、搭載されたリチウムイオン電池が将来的に大量に廃棄される見込みとなっている。また、製造中に不良品として廃棄されるリチウムイオン電池もある。このような使用済み電池や製造中に生じた不良品の電池(以下、「廃リチウムイオン電池」ともいう)を資源として再利用することが求められている。
【0005】
再利用の手法として、廃リチウムイオン電池を高温炉で全量熔解する乾式製錬プロセスが提案されている。乾式製錬プロセスは、破砕した廃リチウムイオン電池を熔融処理し、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、及び銅(Cu)に代表される回収対象である有価金属と、鉄(Fe)やアルミニウム(Al)に代表される付加価値の低い金属とを、それらの間の酸素親和力の差を利用して分離回収する手法である。この手法では、付加価値の低い金属については極力酸化してスラグとする一方で、有価金属についてはその酸化を極力抑制して合金として回収する。
【0006】
例えば、特許文献1には、乾式製錬プロセスで廃リチウムイオン電池から有価金属を回収する方法が開示されている。しかしながら、従来の乾式製錬プロセスによる方法は、カーボンを多量に燃焼させて金属を熔融し、多量のカーボンにより強還元雰囲気で酸化金属を還元する方法であり、処理に伴って多量の二酸化炭素を排出する。また、生成する有価金属からなる合金(以下、「有価金属合金」ともいう)中に不純物が多く含まれる可能性があり、後段の湿式工程での処理が煩雑となって、有価金属回収時の精製コストが高くなってしまうという問題がある。
【0007】
また、特許文献2には、湿式環境での溶媒抽出が中心のプロセスによって有価金属を回収する方法が開示されている。しかしながら、このような湿式製錬プロセスのみによる処理技術には未だ大きな問題がある。具体的には、湿式製錬プロセスでは、硫酸等の酸を用いた浸出処理において、有価金属だけでなく不純物も溶解するため、多量の酸及び中和剤を使用する必要が生じる。また、各金属元素を単離するために、数多くの溶媒抽出工程が必要になる。このように、湿式製錬プロセスのみによる有価金属回収の処理では、回収のための製錬に要するコストが非常に高くなってしまうという問題がある。
【0008】
また、特許文献3には、原料に対して事前に磁選を行って磁着物と非磁着物を仕分けることで、磁着物のニッケルとコバルトを高い歩留まりで回収し、非磁着物の銅を事前に除去する方法が開示されている。しかしながら、この方法では、有価金属である銅を回収できず、またその後の乾式製錬工程で酸化したニッケルやコバルトを還元するために必要な還元剤を新たに投入する必要が生じる。さらには、還元剤として二酸化ケイ素等を投入することでスラグが難溶性となり、かつスラグ中のリチウム濃度が低下する。このような点から、還元剤としてはカーボンを使用することが好ましいが、二酸化炭素の排出量の観点からその使用量を低減することが望まれる。
【0009】
なお、特許文献4には、廃リチウムイオン電池を焙焼し、粉砕して、有価金属を分離選別する方法が開示されている。このようにして処理され得られた処理物は、ニッケル、コバルト、銅のような有価金属が約50質量%、カーボンが約30質量%含まれていることが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開2017-526820号公報
特開2020-105599号公報
特開2022-18616号公報
特開2019-171267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)
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