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公開番号2025062960
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-15
出願番号2023172373
出願日2023-10-03
発明の名称ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法、ニッケル含有硫化物の製造方法、及び、ニッケル含有水酸化物の製造方法
出願人住友金属鉱山株式会社
代理人個人,個人
主分類C22B 23/00 20060101AFI20250408BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】湿式によるニッケル製錬において、従来、積極的には利用されてこなかったサプロライト鉱等のマグネシウムを高濃度で含有する原料鉱石等を、有効に活用することができるニッケル酸化鉱石の製錬方法を提供すること。
【解決手段】
ニッケル酸化鉱石を鉱酸で浸出し、浸出スラリーを得る浸出工程S11と、前記浸出スラリーを、浸出液と浸出残滓とに分離する固液分離工程S12と、浸出液から中和澱物を分離して中和終液を得る中和工程S13と、が行われる第一工程S1と、マグネシウム濃度が5質量%を超えているマグネシウム含有鉱石からマグネシウムの溶液への溶出性を向上させる溶出性向上処理工程S21が行われる第二工程S2と、を有し、第二工程S2で処理されたマグネシウム含有鉱石を、第一工程S1の中和工程S13で中和剤として使用するニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ニッケル酸化鉱石を鉱酸で浸出し、浸出スラリーを得る浸出工程と、
前記浸出スラリーを、浸出液と浸出残滓とに分離する固液分離工程と、
前記浸出液から中和澱物を分離して中和終液を得る中和工程と、
が行われる第一工程と、
マグネシウム濃度が5質量%を超えているマグネシウム含有鉱石からマグネシウムの溶液への溶出性を向上させる溶出性向上処理工程が行われる第二工程と、を有し、
前記第二工程で処理されたマグネシウム含有鉱石を、前記第一工程の中和工程で中和剤として使用するニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法。
続きを表示(約 200 文字)【請求項2】
請求項1に記載のニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法の前記中和工程で得た中和終液に硫化剤を添加して、ニッケル含有硫化物を生成させる、
ニッケル含有硫化物の製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載のニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法の前記中和工程で得た中和終液に中和剤を添加して、ニッケル含有水酸化物を生成させる、
ニッケル含有水酸化物の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法、ニッケル含有硫化物の製造方法、及び、ニッケル含有水酸化物の製造方法に関する。本発明は、詳しくは、高温加圧酸浸出法(High Pressure Acid Leach(以下、「HPALプロセス」とも言う))によって行うニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法であって、高濃度でマグネシウムを含有する鉱石を有効に活用することができる、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法等に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、ニッケル酸化鉱石の製錬方法として、従来の乾式製錬方法に代えて、高温高圧下で濃硫酸を利用して金属イオンを液相に浸出させる湿式製錬方法である高温加圧酸浸出法(HPALプロセス)が広く行われるようになっている。この「HPALプロセス」は、一貫した湿式工程からなることから、経済性の面において従来の乾式製錬方法に対する優位性を有するプロセスである。
【0003】
従来、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬において原料鉱石とするニッケル酸化鉱石としては、リモナイト鉱やサプロライト鉱等の所謂ラテライト鉱が広く用いられてきた。しかしながら、上記の湿式のニッケル製錬(「HPALプロセス」によるニッケル製錬)において、例えば、マグネシウム濃度の高いサプロライト鉱(ニッケル濃度:1.8質量%以上3.0質量%以下程度、マグネシウム濃度:6質量%以上)を使用すると、ニッケル等の有価金属よりもMgが優先的にイオン化されてしまい、有価金属を浸出させるために必要な濃硫酸の使用量が増加し、「HPALプロセス」の有する経済性の面での優位性が低下してしまう。そのため、湿式のニッケル製錬(「HPALプロセス」によるニッケル製錬)においては、ニッケル酸化鉱石としては、ニッケル濃度について必ずしも特段に高品位ではないが、マグネシウム濃度が比較的低いリモナイト鉱(ニッケル濃度:0.8質量%以上1.8質量%以下程度、マグネシウム濃度:5質量%以下)が主に使用されてきた。
【0004】
しかしながら、金属製錬の各分野において、従来技術の下では、コスト的に不利であるため使用が控えられていた低品位の鉱石、或いは、廃鉱石とされていたものを使用するための技術開発が進められており、このような潮流の中で、「HPALプロセス」によるニッケル製錬の分野においても、従来、積極的には利用されてこなかったMgを高濃度で含有する原料鉱石を「HPALプロセス」本来の経済面における優位性を低下させずに使用することを企図した技術の開発が進んでいる。
【0005】
ここで、Mgを高濃度で含有する多くの鉱石においては、Mgは、立体的で複雑な結晶構造からなるケイ酸塩鉱物(マグネシウムケイ酸塩(Mg

Si



(OH)

)等)として含有されているため、溶液中へのMgの溶出性が悪いという問題があった。例えば、特許文献1には、「HPALプロセス」において、様々なMg濃度の鉱石が混在してなるニッケル酸化鉱石を、マグネシウム濃度が低い細粒部と、マグネシウム濃度が高い粗粒部に篩い分けし、分離回収された粗粒部を更に比重分離して、そのうちの比重の高い部分のみを、浸出工程に装入するプロセスが開示されている。
【0006】
但し、特許文献1に開示されているプロセスは、原料鉱石中にMg濃度が低い細粒部が一定以上存在していることを前提としてそれを選り分けて活用するプロセスであり、粗粒部側に排除される鉱石、即ち、Mgを高濃度で含有する鉱石を十分に活用できるプロセスではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2019-65340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、「HPALプロセス」等、湿式によるニッケル製錬において、従来、積極的には利用されてこなかったMgを高濃度で含有するニッケル酸化鉱石、或いは、その他の様々なMgを高濃度で含有する廃鉱石等を、有効に活用することができるニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、Mgを高濃度で含有する廃鉱石に溶出性向上処理を施して、当該処理済の鉱石を、中和剤として活用するプロセスとすることによって、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は以下のものを提供する。
【0010】
(1) ニッケル酸化鉱石を鉱酸で浸出し、浸出スラリーを得る浸出工程と、前記浸出スラリーを、浸出液と浸出残滓とに分離する固液分離工程と、前記浸出液から中和澱物を分離して中和終液を得る中和工程と、が行われる第一工程と、マグネシウム濃度が5質量%を超えているマグネシウム含有鉱石からマグネシウムの溶液への溶出性を向上させる溶出性向上処理工程が行われる第二工程と、を有し、前記第二工程で処理されたマグネシウム含有鉱石を、前記第一工程の中和工程で中和剤として使用するニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法。
(【0011】以降は省略されています)

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