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公開番号2024157652
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2023072124
出願日2023-04-26
発明の名称アルミニウム合金箔
出願人MAアルミニウム株式会社
代理人個人
主分類C22C 21/00 20060101AFI20241031BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】箔の伸びを確保しつつ、良好な成形性と加工性を有するアルミニウム合金箔を提供する。
【解決手段】Fe:0.8%以上1.8%以下、Si:0.01%以上0.15%以下、Cu:0.001%以上0.05%以下を含有し、残部がAlと不可避不純物からなり、アルミニウム合金箔の表面において、方位差15°以上の粒界を有する結晶粒に関し、1つの結晶粒とその周りで隣り合うn個の結晶粒との粒径比αを、それぞれ算出し、算出したn個の粒径比の平均値を、1つの前記結晶粒のGrain Size Distribution(以下、GSD)値とし、各結晶粒で算出された前記GSDの平均値が3.5以下である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
アルミニウム合金箔であって、
Fe:0.8質量%以上1.8質量%以下、Si:0.01質量%以上0.15質量%以下、Cu:0.001質量%以上0.05質量%以下を含有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成を有し、
前記アルミニウム合金箔の表面において、方位差15°以上の粒界を有する結晶粒に関し、1つの結晶粒とその周りで隣り合うn個の結晶粒との粒径比αをそれぞれ算出し、下記式1に基づいて算出したn個の粒径比の平均値を、1つの前記結晶粒のGrain Size Distribution(以下、GSD)値としたときに、各結晶粒で算出された前記GSDの平均値が3.5以下であるアルミニウム合金箔。
GSD=(Σ

i=1
α

)/n … 式1
ただし、i、nは正整数であり、nは結晶粒毎に値が決定される。
続きを表示(約 190 文字)【請求項2】
方位差15°以上の大角粒界で囲まれた結晶粒の平均値が、前記GSDの平均値が2.5超3.5以下の場合は20μm以下であり、前記GSDの平均値が2.5以下の場合は25μm以下である請求項1に記載のアルミニウム合金箔。
【請求項3】
圧延方向に対して0°、45°、90°の伸びが25%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のアルミニウム合金箔。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、成形性、加工性に優れるアルミニウム箔に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
食品やリチウムイオン電池等の包材に用いられるアルミニウム合金箔は、プレス成型等によって大きな変形が加えられて成形されるため、高い成形性を有していることが求められる。
例えば、特許文献1では、成分範囲を規定するとともに、結晶粒の粒径を規定し、さらに、Cube方位の面積率を規定することで成形性を高めるとしている。
また、特許文献2では、(111)面、(100)面、(110)面、および、(311)面のそれぞれを示す各回折強度の比率を規定し成形性を高めるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2018-115376号公報
特開2012-052158号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のアルミニウム合金箔では成形性が充分であるとはいえない。
高い成形性を有するアルミニウム合金箔は、変形時の表面の肌あれを抑制することで得られる。表面あれの抑制に対し、結晶粒のサイズおよびその均一性は重要であり、粒度分布にバラつきがない程、表面あれは抑制される。
【0005】
本発明は上記事情を背景としてなされたものであり、加工性が良好で且つ高い成形性を有するアルミニウム合金箔を提供することを目的の一つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明のアルミニウム合金箔のうち、第1の形態は、アルミニウム合金箔であって、
Fe:0.8質量%以上1.8質量%以下、Si:0.01質量%以上0.15質量%以下、Cu:0.001質量%以上0.05質量%以下を含有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成を有し、
前記アルミニウム合金箔の表面において、方位差15°以上の粒界を有する結晶粒に関し、1つの結晶粒とその周りで隣り合うn個の結晶粒との粒径比αをそれぞれ算出し、下記式1に基づいて算出したn個の粒径比の平均値を、1つの前記結晶粒のGrain Size Distribution(以下、GSD)値としたときに、各結晶粒で算出された前記GSDの平均値が3.5以下であるアルミニウム合金箔。
GSD=(Σ

i=1
αi)/n … 式1
ただし、i、nは正整数であり、nは結晶粒毎に値が決定される。
【0007】
他の形態のアルミニウム合金箔の発明は、前記形態の発明において、方位差15°以上の大角粒界で囲まれた結晶粒の平均値が、前記GSDの平均値が2.5超3.5以下の場合は20μm以下であり、前記GSDの平均値が2.5以下の場合は25μm以下である。
【0008】
他の形態のアルミニウム合金箔の発明は、前記形態の発明において、圧延方向に対して0°、45°、90°の伸びが25%以上であることを特徴とする。
【0009】
以下に、本発明で規定する内容について説明する。
(組成)
Fe:0.8質量%以上1.8質量%以下
Feは、鋳造時にAl-Fe系金属間化合物として晶出し、焼鈍時に再結晶のサイトとなって再結晶粒を微細化する効果がある。その含有量が少ないと、粗大な金属間化合物の分布密度が低くなり微細化の効果が低く、最終的な結晶粒径分布も不均一となる。一方、含有量が過剰になると、結晶粒微細化の効果が飽和もしくは低下し、さらに鋳造時に生成されるAl-Fe系化合物のサイズが非常に大きくなり、箔の成形性と圧延性が低下する。このため、Fe含有量を下限0.8質量%、上限1.8質量%に定める。同様の理由で、下限を1.0質量%、上限を1.6質量%とするのが望ましい。
【0010】
Si:0.01質量%以上0.15質量%以下
Siは、鋳造時に粗大な金属間化合物を晶出する。粗大な金属間化合物を防ぐため添加量は抑制したい。ただし、含有量が過小になると、高純度の地金を使用する必要があり、製造コストが大幅に増加する。一方、含有量が過剰になると、化合物サイズの粗大化、及び分布密度の低下を招き、圧延性、伸び、成形性が低下する懸念がある。このため、Si含有量は、下限を0.01質量%、上限を0.15質量%に定める。同様の理由で、下限を0.01質量%、上限を0.08質量%とするのが望ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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