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公開番号2025062610
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-14
出願番号2025006592,2023101626
出願日2025-01-17,2018-10-23
発明の名称心臓病を治療するために上大静脈を選択的に閉塞するシステム及び方法
出願人タフツ メディカル センター インコーポレイテッド
代理人個人,個人
主分類A61M 60/839 20210101AFI20250403BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】駆出率の低減を伴う患者を含む、心不全に罹患している患者の心機能を改善し、肺高血圧症及び/又は心腎症候群を治療する方法及びシステムを提供する。
【解決手段】複数の心周期に及ぶ時間区間にわたって上大静脈を介した血流を少なくとも部分閉塞することによって、心不全及び/又は肺高血圧症のような状態を治療するシステム及び方法及び器具が提供される。閉塞器具32を伴うカテーテル31が、患者の上大静脈SVCの少なくとも部分的な閉塞を提供する駆動機構を作動させるコントローラとともに提供され、これにより、心臓への血液充満圧を低減し、健康な心臓機能性及び改善された心臓性能に向かう患者のFrank-Starling曲線の好ましい変化を誘発する。閉塞器具は、圧力の過剰な蓄積を解放するために、閉塞器具を介した流体流動を可能にし得るリリーフ弁によって遮断されるルーメンを含むことができる。
【選択図】図43
特許請求の範囲【請求項1】
心不全の患者の心臓性能の改善を提供するシステムであって、前記システムは、
近位端と、遠位領域とを有するカテーテルであって、前記カテーテルは、前記遠位領域が前記患者の上大静脈(SVC)内に配置されるような血管内留置のために構成される、カテーテルと、
前記カテーテルの遠位領域上に配置される流動制限部材であって、前記流動制限部材は、選択的に作動させられて前記SVCを完全に閉塞するように構成され、前記流動制限部材は、SVC閉塞バルーンである、流動制限部材と、
コントローラであって、前記コントローラは、前記カテーテルに操作可能に連結され、前記流動制限部材を間欠的に作動させ、複数の心周期に及ぶ区間にわたって前記SVCを完全に閉塞するように構成される、コントローラと
を備え、
前記コントローラは、前記流動制限部材を間欠的に作動させ、複数の心周期にわたって、1分よりも長い第1の所定の時間区間にわたって前記SVCを完全に閉塞し、第2の所定の時間区間にわたって収縮することにより、心臓への血液充満圧の低減、左心室弛緩の増加、左心室キャパシタンスの増加、左心室1回拍出量の増加、心筋弛緩の増加、左心室硬直の低減、または心臓緊張の低減のうちの少なくとも1つによって測定されるような心臓性能を改善するために十分に前記区間中に心臓前負荷を低減するようにプログラムされ、
コントローラは、前記第1の所定の時間区間が前記第2の所定の時間区間を少なくとも5倍上回るようにプログラムされる、システム。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記流動制限部材の近位の前記カテーテル上に配置される第1の圧力センサであって、前記第1の圧力センサは、第1の圧力信号を出力する、第1の圧力センサと、
前記カテーテル上に、かつ前記流動制限部材の遠位に配置される第2の圧力センサであって、前記第2の圧力センサは、第2の圧力信号を出力する、第2の圧力センサと
を更に備え、
前記コントローラは、前記第1の圧力信号と前記第2の圧力信号との間の差異に対応する第1の信号を生成するように構成され、前記第1の信号は、前記流動制限部材の閉塞の度合いを示す、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記流動制限部材の近位の前記カテーテル上に配置される奇静脈閉塞バルーンを更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記奇静脈閉塞バルーンは、選択的に作動され、前記患者の奇静脈を少なくとも部分的に閉塞するように構成される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記奇静脈閉塞バルーンおよび前記SVC閉塞バルーンは、独立して作動される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第2の圧力センサは、前記奇静脈閉塞バルーンと前記SVC閉塞バルーンとの間に配置され、前記システムは更に、前記奇静脈閉塞バルーンの遠位の前記カテーテル上に配置される第3の圧力センサを備え、前記第3の圧力センサは、第3の圧力信号を出力するように構成され、前記コントローラは、前記第2の圧力信号と前記第3の圧力信号との間の差異に対応する第2の信号を生成するように構成され、前記第2の信号は、前記奇静脈の閉塞の度合いを示す、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記コントローラは、埋め込みのために構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1の所定の時間区間は、4~6分であり、前記第2の所定の時間区間は、1~30秒である、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記コントローラは、前記第1の信号を使用し、前記流動制限部材を作動させて前記SVCを完全に閉塞するとき、および前記流動制限部材の作動を中止するときを決定するように構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項10】
前記流動制限部材は、膨張可能円筒形バルーンを備え、前記膨張可能円筒形バルーンは、前記膨張可能円筒形バルーンに連結されるリリーフ弁を有し、前記リリーフ弁は、開放位置および閉鎖位置を有する、請求項1に記載のシステム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、そのそれぞれの全内容が、参照することによって本明細書に組み込まれる、2017年10月24日に出願された、米国仮出願第62/576,529号及び2018年3月13日に出願された、米国仮出願第62/642,569号の優先権を主張する。本願はまた、そのそれぞれの全内容が、参照することによって本明細書に組み込まれる、現在は米国特許第9,393,384号である、2015年8月17日に出願された、米国特許出願第14/828,429号の継続である、2016年7月6日に出願された、米国特許出願第15/203,437号の一部継続である、2016年8月15日に出願された、第PCT/US2016/047055号の国内段階出願である、2018年2月17日に出願された、米国特許出願第15/753,300号に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【0002】
本開示は、駆出率の低減を伴う患者を含む、心不全に罹患している患者の心機能を改善し、肺高血圧症及び/又は心腎症候群を治療する方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
心不全は、全世界の死亡原因の主要な部分を占めている。心不全は、長期入院を、特に疾患の後期段階に繰り返すことを余儀なくされることが多い。心臓移植を行なわない場合、このような患者の長期予後は悪く、薬学的アプローチは一時しのぎに過ぎない。したがって、この疾患の進行を遅らせるか、または逆転させる有効な治療法はほとんどない。
【0004】
心不全は、複数の開始イベントのいずれかに起因して起こり得る。心不全は、虚血性心疾患、高血圧症、弁膜症、感染症、遺伝性心筋症、肺高血圧症、または妊娠を含む代謝ストレスの状態の結果として起こり得る。心不全は、明確な原因がなく発症することもあり-特発性心筋症としても知られている。心不全という用語は、左心室不全、右心室不全、または両心室不全を含む。
【0005】
心臓は、高血圧または収縮組織の損傷に起因する作業負荷の増加に最初は首尾よく応答することができることが多いが、経時的なこのストレスは、代償性心筋細胞肥大及び心室壁のリモデリングを誘発する。詳細には、最初の心臓傷害後の次の数ヶ月にわたって、心臓の損傷部分は通常、心臓が血液を、筋肉量の減少または収縮性の低下を伴いながら送り出し続けようと奮闘すると、リモデリングを開始することになる。これにより今度は、心筋の過剰運動を招き、その結果、心筋が損傷領域において徐々に薄くなり、拡大し、更に過負荷になる。同時に、損傷心室の駆出率が低下して心拍出量が低下し、平均心室圧及び平均心室容積が心周期全体にわたってより大きくなり、心不全の兆候が認められる。驚くべきことではないが、一旦、患者の心臓がこの進行性の際限のない下方スパイラルに陥ると、患者の生活の質は深刻な影響を受け、罹患リスクが急上昇する。患者のこれまでの身体的状態、年齢、性別、及び生活様式を含む多くの因子によって異なるが、患者が心停止で死亡するか、または脳卒中、腎不全、肝不全、または肺高血圧症を含む多くの併存疾患のいずれかで死亡するまで、患者は、患者及び社会的医療システムにかなりの費用をかけて、1回または数回の入院を経験する可能性がある。
【0006】
現在、心不全の進行を抑えるために前負荷を軽減することを特に目的として器具を利用する解決策は存在しない。薬学的アプローチは、心不全の症状を軽減するための一時しのぎとして利用可能であるが、心不全の進行を阻止するか、または逆転させる薬学的手順は存在しない。更に、既存の薬学的アプローチは、本質的に全身性であり、リモデリングが心臓構造に及ぼす局所的な影響を解消しない。したがって、この疾患に伴う影響が次々に出る心臓リモデリングの進行を阻止することができ、より好ましくは、逆転させることができる心不全治療システム及び方法を提供することが望まれる。
【0007】
本出願人は、先行技術において、心不全を解消しようとする幾つかの試みがなされていることに注目している。本明細書において記載される本出願人による発明に先立って、この疾患を治療するために利用可能かつ効果的な市販の器具は存在しない。以下に、心不全の様々な症状を治療する公知のシステム及び方法の幾つかの公知の例について説明するが、どれも、重度の副作用を引き起こすことなく、左心室拡張末期容積(「LVEDV」)、左心室拡張末期圧(「LVEDP」)、右心室拡張末期容積(「RVEDV」)、または右心室拡張末期圧(「RVEDP」)を低減させようとしているようには見えないし、または低減させることができるようにも見えない。
【0008】
例えば、Solarによる米国特許第4,546,759号明細書には、留置されるように設計されて、遠位バルーンが、上大静脈を間欠的に閉塞し、近位バルーンが、下大静脈を間欠的に閉塞し、中間バルーンが右心室の収縮期の発生に同期して拡張することにより、右心室からの血液の駆出量を増加させるトリプルバルーンカテーテルが記載されている。この特許には、システムが正常な心調律と同期して膨張収縮し、右心室に加わる負荷を軽減して右心室の損傷または欠陥の治癒を可能にするように設計されていることが記載されている。この特許には、右心室に流出入する血流について提案される調節が、LVEDVまたはLVEDPのいずれかに影響を及ぼすことが記載されていない、または示唆されていないし、当該調節を利用して、急性心不全/慢性心不全の進行を阻止するか、または逆転させることができることが記載されてもいない、または示唆されてもいない。
【0009】
Gelfandによる米国特許出願公開第2006/0064059号明細書には、急性心筋梗塞後の心筋梗塞サイズ及び/又は心筋リモデリングを、心臓壁のストレスを低減させることにより減少させようとするシステム及び方法が記載されている。この特許に記載されているシステムは、下大静脈内に留置されるように構成される閉塞バルーンを有する近位部分と、三尖弁及び肺動脈弁を通って肺動脈内に留置されるように構成される遠位部分と、を有するカテーテルを含む。当該特許出願には、下大静脈を部分閉塞することにより、システムが心室に流入する血液の量を調節し、その結果、心室への負荷を低減し、より早期の治癒を可能にして、心筋梗塞の拡大を抑制することが記載されている。Gelfandによる米国特許出願に記載されているシステムは、カテーテルに取り付けられるセンサ群を含み、これらのセンサが、コントローラにより読み取られて、心臓に流入する血流の調節量、及び他の測定パラメータを所定の限界値内に調整する。この特許出願には、一旦、心臓が、患者の再入院中に通常観察される広範なリモデリングを既に示している場合に、システムを使用して鬱血性心不全を治療する、鬱血性心不全の進行を阻止するか、または逆転させることにより、鬱血性心不全の症状を解消することができることについて記載または示唆されていない。
【0010】
Cedenoによる米国特許出願公開第2010/0331876号明細書には、Gelfandによる米国特許出願に記載されている構造と同様に、鬱血性心不全を、下大静脈内を流れる静脈血の還流を調節することにより治療しようとするシステム及び方法が記載されている。Cedenoによる米国特許出願に記載されているシステムについては、下大静脈内に留置される一定容積のバルーンがIVC(下大静脈)に流入する血流を制限すると記載されている。閉塞の度合いが、血管が吸気中及び呼気中に膨張及び収縮するにつれて変化して、静脈血の還流を正常に行なう。この特許出願には更に、心不全の症状が、特許請求するシステムの使用の3か月以内に改善することが記載されている。Cedenoによる米国特許出願に記載されているシステム及び方法は有望であるように見えるが、このようなシステムの潜在的な欠点を本出願人が自らの研究中に多数見つけ出している。本出願人は、自らの研究中に、下大静脈を完全閉塞することが、左心室容積を低減させるだけでなく、左心室収縮期圧も大幅に低下させてしまって、全身血圧及び心拍出量を低下させるという知見を得ている。更に、下大静脈の完全閉塞は、腎臓、肝臓、及び腸間膜静脈内の静脈鬱血を助長する可能性があり、静脈鬱血は、鬱血性心不全患者の腎不全の主要な原因となっている。
(【0011】以降は省略されています)

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