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公開番号
2025062461
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-14
出願番号
2023171554
出願日
2023-10-02
発明の名称
比色分析用高吸水性ポリマー及びそれを用いた分析方法
出願人
株式会社エンザイム・センサ
代理人
弁理士法人特許事務所サイクス
主分類
C12Q
1/28 20060101AFI20250407BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】L-グルタミン酸、グルコース、乳酸及びピルビン酸などの食品成分又は生体成分を測定するための、高価な分析装置を必要とせず、視認性の高い方法、及びそのための材を提供する。
【解決手段】過酸化水素生成オキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、新トリンダー試薬、及びカプラー化合物が、高吸水性ポリマーに保持されてなる、試料溶液に浸漬し、吸水させ、発色させて用いるための、比色分析材;及びその材を試料溶液に浸漬し、膨潤させ、発色させた材(試料材)を得るが、このとき膨潤した材の内部で、成分に、過酸化水素生成オキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、カプラー化合物、及び新トリンダー試薬が作用し、色素が形成される工程、及び試料材と、色見本、又は標準溶液に浸漬し、吸水させ、発色させた材(標準材)とを、比色して試料溶液の成分の濃度を算出する工程を含む、過酸化水素生成オキシダーゼの基質である成分の分析方法を提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
過酸化水素生成オキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、新トリンダー試薬、及びカプラー化合物が、高吸水性ポリマーに保持されてなる、試料溶液に浸漬し、吸水させ、発色させて用いるための、比色分析材。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
過酸化水素生成オキシダーゼが、L-グルタミン酸オキシダーゼ、L-リジンオキシダーゼ、L-アルギニンオキシダーゼ、L-ヒスチジンオキシダーゼ、グリシンオキシダーゼ、L-トリプトファンオキシダーゼ、L-フェニルアラニンオキシダーゼ、Lーアスパラギン酸オキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、乳酸オキシダーゼ、ピルビン酸オキシダーゼ、ヘキソースオキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、ガラクトースオキシダーゼ、ピラノースオキシダーゼ、アルコールオキシダーゼ、ヌクレオシドオキシダーゼ、D-マンニトールオキシダーゼ、キシリトールオキシダーゼ、オキザレートオキシダーゼ、D-アスパラギン酸オキシダーゼ、L-アミノ酸オキシダーゼ、D-アミノ酸オキシダーゼ、アミンオキシダーゼ、D-グルタミン酸オキシダーゼ、プトレッシンオキシダーゼ、ザルコシンオキシダーゼ、尿酸オキシダーゼ、グルタチオンオキシダーゼ、及びキサンチンオキシダーゼから選択されるいずれかである、請求項1に記載の材。
【請求項3】
カタラーゼ失活剤、防腐剤、安定化剤、及びpH緩衝剤から選択されるいずれかが高吸水性ポリマーにさらに保持されてなる、請求項1に記載の材。
【請求項4】
高吸水性ポリマーが、ポリアクリル酸塩系である、請求項1に記載の材。
【請求項5】
高吸水性ポリマーが、ビーズ状である、請求項1に記載の材。
【請求項6】
食品の成分を定量するための、請求項1から5のいずれか1項に記載の材。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか1項に記載の材を備える、基質特異性オキシダーゼの基質である成分の分析用のキット。
【請求項8】
色見本、又は成分の標準溶液をさらに含む、請求項7に記載のキット。
【請求項9】
過酸化水素生成オキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、新トリンダー試薬、及びカプラー化合物を含む酵素溶液を含侵させた、ビーズ状の高吸水性ポリマーを、25℃~55℃で乾燥させる工程を含む、請求項1に記載の材の製造方法。
【請求項10】
酵素溶液が、過酸化水素生成オキシダーゼ0.02~300 U/mL、ペルオキシダーゼ0.5~50 U/mL、新トリンダー試薬0.05~4 mM、及びカプラー化合物0.05~4 mM、及びpH緩衝剤の溶液である、請求項9に記載の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、比色分析用の高吸水性ポリマー及びそれを用いた成分の分析方法に関する。本発明は、食品製造等の分野で有用である。
続きを表示(約 3,700 文字)
【背景技術】
【0002】
L-グルタミン酸は、うま味成分の一つして知られており、また動物の体内でグルタミン酸受容体を介しての神経伝達を行う興奮性の神経伝達物質として機能している。そのため、L-グルタミン酸を検出・定量することは食品や生化学の分野において非常に重要である。試料中のL-グルタミン酸を測定するために、L-グルタミン酸オキシダーゼ(非特許文献1)を用いる方法が開発されている。例えば、特許文献1には、アスコルビン酸オキシダーゼ、ペルオキシダーゼ及び新トリンダー試薬を含む反応液Iと、L-グルタミン酸オキシダーゼ、カプラー化合物及びカタラーゼ失活剤を含む反応液IIを含むキットが記載されている。このキットは、反応液を2つに分けることにより、溶液の泡立ち等の凍結乾燥品における課題が解決されており、かつ長期間安定な状態で保管できるものと説明されている。
ことができ。
【0003】
一方、自重の数百から千倍もの吸水力を有する高吸水性ポリマーは、高い吸水・保水力を利用して、衛生用品、土壌の保水剤、食品のドリップ吸収剤、保冷材等として用いられるほか、ゲルに成分を保持させて、ゲル芳香剤、衣料用防虫剤としても応用されている。例えば特許文献2には、3-メチル-5-フェニル-1-ペンタノールを含有する衣料用防虫及びダニ忌避組成物を水性ゲルビーズに保持したことを特徴とする衣料用防虫及びダニ忌避剤が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2017-012169号公報(特許第6218894号)
特開2020-40991号公報
【非特許文献】
【0005】
Agric. Biol. Chem., 47(6);1323,1983
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
L-グルタミン酸などのうまみ成分、グルコースなどの甘味成分の測定は、食品のおいしさを客観的に評価するために重要である。また、乳酸やピルビン酸の測定は、日本酒や漬物などの発酵食品の製造工程管理に重要である。しかし、中小企業や零細企業における発酵食品の製造工程管理や品質管理において、化学的な成分測定が広がるためには、高価な分析装置を必要とせず、現場で誰でも簡単に実施できる、視認性の高い測定方法があれば望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下を提供する。
[1] 過酸化水素生成オキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、新トリンダー試薬、及びカプラー化合物が、高吸水性ポリマーに保持されてなる、試料溶液に浸漬し、吸水させ、発色させて用いるための、比色分析材。
[2] 過酸化水素生成オキシダーゼが、L-グルタミン酸オキシダーゼ、L-リジンオキシダーゼ、L-アルギニンオキシダーゼ、L-ヒスチジンオキシダーゼ、グリシンオキシダーゼ、L-トリプトファンオキシダーゼ、L-フェニルアラニンオキシダーゼ、Lーアスパラギン酸オキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、乳酸オキシダーゼ、ピルビン酸オキシダーゼ、ヘキソースオキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、ガラクトースオキシダーゼ、ピラノースオキシダーゼ、アルコールオキシダーゼ、ヌクレオシドオキシダーゼ、D-マンニトールオキシダーゼ、キシリトールオキシダーゼ、オキザレートオキシダーゼ、D-アスパラギン酸オキシダーゼ、L-アミノ酸オキシダーゼ、D-アミノ酸オキシダーゼ、アミンオキシダーゼ、D-グルタミン酸オキシダーゼ、プトレッシンオキシダーゼ、ザルコシンオキシダーゼ、尿酸オキシダーゼ、グルタチオンオキシダーゼ、及びキサンチンオキシダーゼから選択されるいずれかである、1に記載の材。
[3] カタラーゼ失活剤、防腐剤、安定化剤、及びpH緩衝剤から選択されるいずれかが高吸水性ポリマーにさらに保持されてなる、1に記載の材。
[4] 高吸水性ポリマーが、ポリアクリル酸塩系である、1に記載の材。
[5] 高吸水性ポリマーが、ビーズ状である、1に記載の材。
[6] 食品の成分を定量するための、1から5のいずれか1項に記載の材。
[7] 1から5のいずれか1項に記載の材を備える、過酸化水素生成オキシダーゼの基質である成分の分析用のキット。
[8] 色見本、又は成分の標準溶液をさらに含む、7に記載のキット。
[9] 過酸化水素生成オキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、新トリンダー試薬、及びカプラー化合物を含む酵素溶液を含侵させた、ビーズ状の高吸水性ポリマーを、25℃~55℃で乾燥させる工程を含む、1に記載の材の製造方法。
[10] 酵素溶液が、過酸化水素生成オキシダーゼ0.02~300 U/mL、ペルオキシダーゼ0.5~50 U/mL、新トリンダー試薬0.05~4mM、及びカプラー化合物0.05~4mM、及びpH緩衝剤の溶液である、9に記載の製造方法。」
[11] 下記の工程を含む、試料に含まれる成分であって過酸化水素生成オキシダーゼの基質である成分の分析方法:
1~5のいずれか1項に記載の材を試料溶液に浸漬し、膨潤させ、発色させた材(試料材)を得る工程であって、このとき膨潤した材の内部で、成分に、過酸化水素生成オキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、カプラー化合物、及び新トリンダー試薬が作用し、色素が形成される、工程、及び
試料材と、色見本、又は標準溶液に浸漬し、吸水させ、発色させた材(標準材)とを比色して、試料溶液の成分の濃度を算出する工程。
[12] 比色し、算出する工程が、試料材を撮影手段により撮影し、得られた画像データと、予め作成した検量線データとを用いて、試料溶液の成分の濃度を算出することを含む、11に記載の方法。
[13] 撮影手段が、スマートフォンに搭載されたカメラである、請求項12に記載の方法。
[14] 11に記載の方法であって、水道水で希釈した試料溶液を用いる、方法。
【発明の効果】
【0008】
目的の成分を分析するに際し、高価な分析装置を必要とせず、視認性の高い分析が実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
L-グルタミン酸比色測定用、乳酸比色測定用、グルコース比色測定用及びピルビン酸比色測定用の各酵素溶液を吸水したビーズの写真(上)、及びそれらを乾燥して得た、L-グルタミン酸比色測定用ビーズ(GUCB)、乳酸比色測定用ビーズ(LACB)、グルコース比色測定用ビーズ(GCCB)及びピルビン酸比色測定ビーズ(PVCB)の写真(下)
各濃度のL-グルタミン酸標準液により発色したGUCB(ビーズ投入から1時間後に標準液から取り出した)の写真(上)、及び検量線(下)
各濃度の乳酸標準液により発色したLACB(ビーズ投入から1時間後に標準液から取り出した)の写真(上)、及び検量線(下)
各濃度のグルコース標準液により発色したGCCB(ビーズ投入から1時間後に標準液から取り出した)の写真(上)、及び検量線(下)
各濃度のピルビン酸標準液により発色したPVCB(ビーズ投入から1時間後に標準液から取り出した)の写真(上)、及び検量線(下)
GUCBの内部だけが発色し、外液(サンプル液)は発色しない。
日本酒12種類のグルタミン酸比色測定ビーズによるグルタミン酸測定値(ビーズ投入から30分後に色見本との比較による数値化)と(株)エンザイム・センサ製グルタミン酸測定キットによる測定値との相関性グラフ。
日本酒12種類の乳酸比色測定ビーズによる乳酸測定値(ビーズ投入から30分後に色見本との比較による数値化)と(株)エンザイム・センサ製乳酸測定キットによる測定値との相関性グラフ。
日本酒12種類のグルコース比色測定ビーズによるグルコース測定値(ビーズ投入から30分後に色見本との比較による数値化)と(株)エンザイム・センサ製グルコース測定キットによる測定値との相関性グラフ。
日本酒12種類のピルビン酸比色測定ビーズによるピルビン酸測定値(ビーズ投入から30分後に色見本との比較による数値化)と(株)エンザイム・センサ製ピルビン酸測定キットによる測定値との相関性グラフ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[比色分析材、キット]
本発明は、過酸化水素生成オキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、新トリンダー試薬、及びカプラー化合物が、高吸水性ポリマーに保持されてなる比色分析材であって、試料溶液に浸漬し、吸水させ、発色させて用いるための比色分析材に関する。
(【0011】以降は省略されています)
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