TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
10個以上の画像は省略されています。
公開番号
2025062062
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-11
出願番号
2025016917,2020151535
出願日
2025-02-04,2020-09-09
発明の名称
酵母細胞壁由来分解物含有組成物及びその利用
出願人
アサヒグループ食品株式会社
代理人
弁理士法人ITOH
主分類
C12N
1/16 20060101AFI20250404BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】酵母細胞壁の可溶化率及び分散安定性を向上することができ、酵母細胞壁の不溶性画分の分離除去操作が不要で作業効率及び生産効率が高く、かつ低コストである酵母細胞壁由来分解物含有組成物の製造方法、可溶性及び分散安定性に優れる酵母細胞壁由来分解物含有組成物、前記酵母細胞壁由来分解物含有組成物を含有するビール様香付与用組成物、前記酵母細胞壁由来分解物含有組成物を含有する飲食品、及びペットフード用嗜好性向上剤の提供。
【解決手段】酵母細胞壁由来分解物を含有する酵母細胞壁由来分解物含有組成物であって、ピラジン、メチルピラジン、2,5-ジメチルピラジン、2,6-ジメチルピラジン、2,3-ジメチルピラジン、及びフラネオールから選択される少なくとも1種類の化合物を含有する酵母細胞壁由来分解物含有組成物である。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
酵母細胞壁由来分解物を含有する酵母細胞壁由来分解物含有組成物であって、
ピラジン、メチルピラジン、2,5-ジメチルピラジン、2,6-ジメチルピラジン、2,3-ジメチルピラジン、及びフラネオールから選択される少なくとも1種類の化合物を含有することを特徴とする酵母細胞壁由来分解物含有組成物。
続きを表示(約 480 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の酵母細胞壁由来分解物含有組成物を含有することを特徴とするローストフレーバー付与用組成物又はロースト色付与用組成物。
【請求項3】
前記酵母細胞壁由来分解物含有組成物が油脂を含有する、請求項2に記載のローストフレーバー付与用組成物又はロースト色付与用組成物。
【請求項4】
前記酵母細胞壁由来分解物含有組成物が、
酵母の細胞壁(ただし、酵母エキスを含有するものを除く)を、エキソグルカナーゼで処理する酵素処理工程と、
前記酵素処理工程で得られた酵素処理物をアルカリ性に調整するpH調整工程と、
前記pH調整工程で得られたアルカリ性の前記酵素処理物を加熱処理する加熱処理工程と、
を含む方法により得られる、請求項3に記載のローストフレーバー付与用組成物又はロースト色付与用組成物。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載のるローストフレーバー付与用組成物又はロースト色付与用組成物を含有することを特徴とする飲食品又はペットフード用嗜好性向上剤。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、酵母細胞壁由来分解物含有組成物及びその製造方法、並びに、前記酵母細胞壁由来分解物含有組成物を含有するビール様香付与用組成物、ローストフレーバー付与用組成物、ロースト色付与用組成物、飲食品、及びペットフード用嗜好性向上剤に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
酵母菌体には、タンパク質をはじめ、ビタミン、ミネラル、核酸、グルタチオン、食物繊維などの種々の栄養成分が含まれているため、食品分野、バイオ分野、化粧品分野などの種々の分野において幅広く利用されている。
【0003】
酵母菌体の利用には、例えば、酵母菌体に含まれる成分を抽出した酵母エキスが利用される場合、酵母エキスを製造する際に、酵母エキスを分離した後の残渣として発生する酵母細胞壁が利用される場合などが挙げられる。これらの中でも、酵母エキスは、水に対する溶解性が高く、65質量%~70質量%程度まで高濃縮が可能であるなど加工が容易であるため、利用される場合が多い。
一方、酵母細胞壁は、水に不溶であり、熱等に対して非常に安定的な物性を有し、更に、多糖類を多く含んでいる。そのため、酵母細胞壁を含むスラリーの状態であっても、該スラリーの濃度が約15質量%以上になると粘度が大幅に増加し、高濃縮が不可能であるなど加工が困難であるため、十分に有効活用されていないのが現状である。
【0004】
近年、食品分野や化粧品分野では、世界的に、オーガニック、天然物(ナチュラル)、無添加などに対する要望が高まっており、これらの要望を満たす製品開発が行われている。特に、欧州連合(EU)では、CIAA(欧州食品・飲料工業連盟)の一般食品法のトレーサビリティに関するガイドラインにより、天然物(ナチュラル)であることを示す「クリーンラベル」を付すための基準が定められている(非特許文献1参照)。
【0005】
酵母エキスを利用したもので、「クリーンラベル」を付すことができるものとして、例えば、牛肉フレーバー、ローストフレーバー等のフレーバーを有する反応フレーバーが提案されている(特許文献1参照)。この反応フレーバーは、メイラード反応の生成物として得られたものである。メイラード反応は、モノマーの還元単糖とアミノ酸とを加熱して褐色物質を生み出す反応である。EUでは、グルコース等の還元単糖及びアミノ酸を外部から副原料として添加した場合、添加剤として表示しなければならず、「クリーンラベル」を付すことができないため、前記要望に対応しておらず、好ましくないという問題がある。
【0006】
そこで、前記提案の反応フレーバーは、酵母抽出物又は酵母自己消化物を、エンドプロテアーゼ、α-α-トレハラーゼ、グルコアミラーゼ、エンドグルカナーゼ、エキソグルカナーゼ等の酵素で段階的に処理し、酵母由来のアミノ酸及び還元糖を産生させた酵母由来製品を得た後、これを遠心分離して不溶性成分(即ち、酵母細胞壁)を除去した酵母エキスを、所定の条件下でインキュベートして、前記酵母由来のアミノ酸と還元糖とのメイラード反応させることにより製造されている。
【0007】
前記提案の方法では、酵母細胞壁を含む酵母抽出物又は酵母自己消化物を、エンドプロテアーゼで処理した後、グルカナーゼで処理することにより、酵母細胞壁からもある程度のアミノ酸及び還元糖が生成されていることが推測される。しかしながら、酵母細胞壁は、前述の通り、可溶化率が非常に低いため、前記提案の方法では、酵母細胞壁に含まれる成分のうちの一部しか可溶化されず、酵母細胞壁に由来する大量の沈殿が発生するため、遠心分離して不溶性成分を除去することが必要であるという問題がある。
【0008】
このように、酵母細胞壁は、一部しか可溶化することができないため、不溶性成分の除去作業が必要であり、作業効率及び生産効率が悪いという問題があった。また、酵母細胞壁は、加工が困難である上に、モノマーの還元単糖及びアミノ酸が非常に乏しく、前記提案のような反応フレーバーを得ることができないという問題もあった。
一方、酵母細胞壁は、酵母エキスを分離した後の残渣として得られるため、可溶化等の加工特性が改善されれば、低コストで利用可能である点で有利である。
【0009】
酵母細胞壁を利用した、脂っこくてクリーミーな食感を増強又は付与することができるフレーバー組成物も提案はされている(特許文献2参照)。このフレーバー組成物は、酵母細胞壁のスラリーと、エンドグルカナーゼ(ラミナリペンタオース産生β-1,3-グルカナーゼ)及びエンドプロテアーゼとを接触させた後、固液分離により不溶性成分を除去し、液体画分を分離して製造されている。したがって、その可溶化率は十分満足できるものではないという問題がある。更に、この方法により、酵母細胞壁由来のアミノ酸は生成されるものの、糖としては、還元単糖は生成されず、エンドグルカナーゼの作用により非還元性多糖(グルコースのβ-1,3グルコシド結合からなる5糖のオリゴ糖)が生成されるため、このフレーバー組成物を用いてメイラード反応物を得ることもできない。
【0010】
ミートフレーバー、ローストフレーバー等のフレーバーを有するメイラード反応物は、人の嗜好性の向上に寄与するだけでなく、ペットの嗜好性の向上に寄与することが知られている(特許文献3、非特許文献2など参照)。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
合同酒精株式会社
麦汁の製造方法
20日前
マグネデザイン株式会社
磁気顕微鏡
2か月前
池田食研株式会社
RNAの合成方法
29日前
東洋紡株式会社
細菌からの核酸抽出法
1か月前
株式会社ゴーフォトン
PCR方法
2か月前
熊本県
低褐変レタスとその作製方法
1か月前
東洋紡株式会社
ウイルスからの核酸抽出法
1か月前
SMC株式会社
気体供給装置
2か月前
国立大学法人山梨大学
受精胚の選別方法及び装置
1か月前
朝日酒造 株式会社
発泡性清酒の製造方法
1か月前
テルモ株式会社
液体除去器具
2か月前
セージ セラピューティクス, インコーポレイテッド
C7、C12、およびC16置換神経刺激性ステロイドおよびそれらの使用方法
26日前
鹿島建設株式会社
褐藻の冷凍保存方法
2か月前
サッポロビール株式会社
アルコール飲料
2か月前
株式会社テクノーブル
乳酸菌及び皮膚外用剤
2か月前
大和ハウス工業株式会社
藻類培養システム
28日前
日本特殊陶業株式会社
メタン発生抑制装置
6日前
新東工業株式会社
培養システム
2か月前
株式会社アテクト
培養シート
5日前
テルモ株式会社
移植用デバイス
2か月前
株式会社SUPER BLOOM
スピリッツ
2か月前
新東工業株式会社
培養システム
2か月前
テルモ株式会社
積層体および移植片の輸送方法
2か月前
株式会社ユーグレナ
観察用遠隔制御装置
2か月前
日本臓器製薬株式会社
髄核細胞の培養方法
1か月前
住友化学株式会社
細胞チップ
19日前
株式会社関電工
藻類培養装置および藻類培養方法
2か月前
国立大学法人愛媛大学
ASC欠損非ヒト哺乳動物
2か月前
TOA株式会社
化粧品の保存効力試験方法
2か月前
住友化学株式会社
細胞用基材
1か月前
住友化学株式会社
細胞用基材
1か月前
学校法人慈恵大学
培養皿用の定規
1か月前
三井化学株式会社
作業用装置
1か月前
株式会社アステック
培養装置及び培養方法
2か月前
キヤノン株式会社
細胞剥離装置
26日前
学校法人帝京大学
油脂を過剰蓄積する油脂生産酵母変異株
2か月前
続きを見る
他の特許を見る