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公開番号
2025060026
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-10
出願番号
2023170509
出願日
2023-09-29
発明の名称
イオン交換膜とガスケットの積層体、イオン透析槽、及びガスケット
出願人
株式会社アストム
代理人
弁理士法人愛宕綜合特許事務所
主分類
B01D
61/46 20060101AFI20250403BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】イオン透析槽としての効率低下の問題を解消する、イオン透析槽に使用されるイオン交換膜とガスケットの積層体、前記積層体を備えたイオン透析槽、及び前記積層体に使用されるガスケットを提供する。
【解決手段】ガスケットG1、G2は、イオン交換透析槽においてはイオン交換が行われる空間を形成し、拡散透析槽においては拡散又は透析が行われる空間を形成する処理部G2aと、処理部を囲むガスケット枠と、を備え、ガスケット枠には、処理部とイオン交換膜に形成された連通孔Aa、Kaとを接続する配流部G2cが形成され、処理部に網目構造のスペーサ20が配設されると共に、配流部に網目構造の配流板30が配設され、配流板の網目構造の開口は、スペーサの網目構造の開口よりも小さく形成され、配流板の網目構造の開口の配流部における液体流れ方向のピッチが、配流部における液体流れ方向に直交する幅方向のピッチに比べ長い。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
イオン交換透析槽又は拡散透析槽であるイオン透析槽に使用されるイオン交換膜とガスケットの積層体であって、
前記ガスケットは、イオン交換透析槽においてはイオン交換が行われる空間を形成し、拡散透析槽においては拡散又は透析が行われる空間を形成する処理部と、前記処理部を囲むガスケット枠と、を備え、
前記ガスケット枠には、前記処理部と前記イオン交換膜に形成された連通孔とを接続する配流部が形成され、
前記処理部に網目構造のスペーサが配設されると共に、前記配流部に網目構造の配流板が配設され、
前記配流板を構成する網目構造の開口は、前記スペーサを構成する網目構造の開口よりも小さく形成され、前記配流板を構成する網目構造の開口の前記配流部における液体流れ方向のピッチが、前記配流部における液体流れ方向に直交する幅方向のピッチに比べ長くなるように形成されたイオン交換膜とガスケットの積層体。
続きを表示(約 790 文字)
【請求項2】
前記処理部と前記配流部との境界線を隣辺とし、前記隣辺の一端部を始点とし前記配流板の網目構造を構成するストランドの前記隣辺に対する角度をもって斜辺を形成し、前記斜辺が前記配流板の側部に至る終点と前記隣辺の他端部とにより対辺を形成し、前記配流板は、前記隣辺、前記斜辺、及び前記対辺とにより形成される直角三角形が内部に含まれる寸法で形成されると共に、前記隣辺と前記ストランドとにより形成される角度が、前記直角三角形が前記イオン交換膜の連通孔に重ならないように設定される請求項1に記載のガスケットの積層体。
【請求項3】
前記配流板は組布構造である請求項1に記載のイオン交換膜とガスケットの積層体。
【請求項4】
請求項1に示すイオン交換膜とガスケットの積層体を備えたイオン透析槽。
【請求項5】
イオン交換透析槽又は拡散透析槽であるイオン透析槽においてイオン交換膜と共に積層されるガスケットであって、
前記ガスケットは、イオン交換透析槽においてはイオン交換が行われる空間を形成し、拡散透析槽においては拡散又は透析が行われる空間を形成する処理部と、前記処理部を囲むガスケット枠と、を備え、
前記ガスケット枠には、前記処理部と前記ガスケットに積層される前記イオン交換膜に形成された連通孔とを接続する配流部が形成され、
前記処理部に網目構造のスペーサが配設されると共に、前記配流部に網目構造の配流板が配設され、
前記配流板を構成する網目構造の開口は、前記スペーサを構成する網目構造の開口よりも小さく形成され、前記配流板を構成する網目構造の開口の前記配流部における液体流れ方向のピッチが、前記配流部における液体流れ方向に直交する幅方向のピッチに比べ長くなるように形成されたガスケット。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、イオン交換透析槽又は拡散透析槽であるイオン透析槽に使用されるイオン交換膜とガスケットの積層体、イオン交換膜とガスケットの積層体を備えたイオン透析槽、及び前記積層体に使用されるガスケットに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
イオン交換膜とガスケットの積層体を備えたスタックにより構成されたイオン透析槽が知られている。前記イオン透析槽には、イオン交換膜と電気の働きで溶液中のイオン性物質の脱塩・濃縮・精製・回収等を電気透析によって行うイオン交換透析槽と、電気の働きによらず、イオン交換膜をはさんだ両側の液の濃度差を利用して、廃液から酸又はアルカリを回収する拡散透析槽とが少なくとも含まれる。
【0003】
イオン交換透析槽を用いた電気透析による電解質溶液の脱塩技術は、かん水の脱塩を目的として1950年代に最初に開発された技術であり、その後は、食塩の製造を目的とする海水濃縮、醤油やホエーの脱塩、各種化学製造プロセスの合理化、廃水処理、ワイン中の不純物の分離など、さまざまな分野で利用されている。
【0004】
上記のようなイオン交換透析槽を用いる典型的な電気透析装置としては、一対の電極の間に、多数のイオン交換膜(アニオン交換膜、カチオン交換膜)と、ガスケットとが積層されており、互いに隣り合うガスケットの間には、アニオン交換膜とカチオン交換膜とが交互に位置するように積層されてスタックを形成し利用するものが知られている。各ガスケットには、アニオン交換膜とカチオン交換膜とによって挟まれてイオン交換が行われるイオン交換室として機能する処理部と、前記処理部を囲むガスケット枠が形成され、前記ガスケット枠には、前記処理部と前記イオン交換膜に形成された連通孔とを接続する配流部が形成されている(例えば特許文献1を参照。)。
【0005】
電気透析を可能とするイオン交換透析槽としては、上記したアニオン交換膜と、カチオン交換膜と、ガスケットとを多数積層してスタックを形成しイオン交換を行う構成の他、アニオン交換層とカチオン交換層とを張り合わせた構造を持つイオン交換膜(バイポーラ膜)と前記したアニオン交換膜、カチオン交換膜、及びガスケットとを組み合わせて積層してスタックを形成しイオン交換を行う構成、前記バイポーラ膜とアニオン交換膜、及びガスケットとを組み合わせて積層してスタックを形成してイオン交換を行う構成、前記バイポーラ膜とカチオン交換膜、及びガスケットを組み合わせて積層しスタックを形成してイオン交換を行う構成も知られている。
【0006】
また、拡散透析槽により廃液から酸を回収する場合にはアニオン交換膜とガスケットとを積層してスタックを形成し、廃液からアルカリを回収する場合にはカチオン交換膜とガスケットとを積層してスタックを形成し、上記したイオン交換透析槽におけるガスケットと同様の構成における処理部において、酸、又はアルカリの廃液と水を供給する室を構成し、この処理部に廃液又は水を供給することにより、廃液に含まれる酸、又はアルカリが、濃度差によって該アニオン交換膜又はカチオン交換膜を透過して水側に移動し、酸又はアルカリを回収する(例えば特許文献2を参照。)。この拡散透析槽に使用されるガスケットも、上記したイオン交換透析槽に使用されるガスケットと同様に、アニオン交換膜又はカチオン交換膜によって挟まれて拡散等が行われる室として機能する処理部と、前記処理部を囲むガスケット枠とが形成され、前記ガスケット枠には、前記処理部と前記イオン交換膜(アニオン交換膜又はカチオン交換膜)に形成された連通孔とを接続する配流部が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2014-14776号公報
特開2016-221507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記したいずれのイオン透析槽においても、イオン交換膜とガスケットとにより積層体が形成されたスタックが1つ以上配設され、該スタックを側方から押圧するプレス機によって押圧力を付与して前記スタックを保持すると共に、前記したガスケットの処理部、及び配流部による空間を形成して処理対象となる液体を流して、イオン交換や、拡散又は透析を実施する。
【0009】
前記したイオン交換膜によって挟持されるガスケットの処理部、及び配流部には、処理対象となる液体を流して処理する空間を確保すべく、シート状の部材が配設され、このシート状の部材は、前記処理部に供給される脱塩処理の対象となる原液や、酸、アルカリ廃液等が、前記の処理部や配流部を流れるように、網目構造の樹脂シートで構成される。
【0010】
ここで、一般的に、イオン交換膜の厚みは、ガスケットの厚みに比べて薄いものであり、イオン交換膜とガスケットとを複数積層してスタックを形成し、プレス機によって押圧力を付与して前記スタックの形態を保持した状態で、脱塩処理の対象となる原液や、酸廃液、アルカリ廃液等を上記の処理部に供給する場合、ガスケット枠に形成された配流部側に当該ガスケットに積層されたイオン交換膜が落ち込み、前記配流部において、前記イオン交換膜を挟んで対面する隣のガスケット側に隙間が生じる場合がある。この結果、配流部が形成されておらず、通常であれば液体が流れない隣のガスケットのガスケット枠とイオン交換膜との間に、隣のガスケットの処理部を流れる液体等が漏れ出し(以下「内部漏れ」という。)、イオン交換透析槽において、本来であれば混ざり合うことのない独立した循環系の液体(例えば、濃縮液と脱塩液)が混じり合って、イオン透析槽としての効率が低下するという問題が生じる。
(【0011】以降は省略されています)
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