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公開番号2025057954
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-09
出願番号2023167811
出願日2023-09-28
発明の名称圧縮機
出願人日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社
代理人弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類F04B 39/04 20060101AFI20250402BHJP(液体用容積形機械;液体または圧縮性流体用ポンプ)
要約【課題】潤滑油に対する作動流体の溶け込みを抑制して、摺動部の潤滑性と圧縮機構から吐出される作動流体量とを高水準に保つことができる圧縮機を提供する。
【解決手段】圧縮機1は、作動流体を圧縮する圧縮機構部(2,3,4)と、圧縮機構部を駆動する電動機部(11,12)と、圧縮機構部および電動機部を収容した密閉容器5と、電動機部の駆動力を圧縮機構部に伝達する回転軸6と、摺動部へ供給される潤滑油を前記密閉容器の底部に貯留する油溜め17と、を備えた圧縮機であって、作動流体は、圧縮機1への吸入時における液密度が潤滑油よりも小さく、電動機部の固定子よりも上方、電動機部の固定子よりも下方、または、これらの両方に、固定子を構成する巻線部の表面に対向する金属板部品30を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
作動流体を圧縮する圧縮機構部と、前記圧縮機構部を駆動する電動機部と、前記圧縮機構部および前記電動機部を収容した密閉容器と、前記電動機部の駆動力を前記圧縮機構部に伝達する回転軸と、摺動部へ供給される潤滑油を前記密閉容器の底部に貯留する油溜めと、を備えた圧縮機であって、
前記作動流体は、前記圧縮機への吸入時における液密度が前記潤滑油よりも小さく、
前記電動機部の固定子よりも上方、前記電動機部の固定子よりも下方、または、これらの両方に、前記固定子を構成する巻線部の表面に対向する金属板部品を備える圧縮機。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
請求項1に記載の圧縮機であって、
前記作動流体は、プロパン、プロピレン、または、イソブタンである圧縮機。
【請求項3】
請求項1に記載の圧縮機であって、
前記金属板部品は、前記作動流体から分離された前記潤滑油を前記金属板部品から流下させる排油構造を有し、
前記排油構造は、前記金属板部品を上下に貫通する貫通孔、前記金属板部品の外周側を切欠くように上下に貫通する貫通溝、または、前記金属板部品に設けられた傾斜である圧縮機。
【請求項4】
請求項1に記載の圧縮機であって、
前記金属板部品は、前記巻線部の上面、前記巻線部のコイルエンドの外周側の側面、前記巻線部のコイルエンドの内周側の側面、および、前記巻線部の下面のうち、いずれか一以上に対向するように設置される圧縮機。
【請求項5】
請求項1に記載の圧縮機であって、
前記固定子は、前記固定子を構成する鉄心に嵌め合わされて前記鉄心と前記巻線部とを電気的に絶縁する絶縁部品を備え、
前記金属板部品は、前記巻線部との間に前記絶縁部品を挟んで設置される圧縮機。
【請求項6】
請求項1に記載の圧縮機であって、
前記固定子は、前記固定子を構成する鉄心のスロットに挿入されて前記鉄心と前記巻線部とを電気的に絶縁する絶縁材を備え、
前記金属板部品は、前記巻線部との間に前記絶縁材を挟んで設置される圧縮機。
【請求項7】
請求項1に記載の圧縮機であって、
前記固定子は、前記固定子を構成する鉄心に嵌め合わされて前記鉄心と前記巻線部とを電気的に絶縁する絶縁部品と、前記絶縁部品の上方に設置されて前記巻線部および絶縁部品を覆う絶縁部品カバーと、を備え、
前記金属板部品は、前記巻線部との間に前記絶縁部品カバーを挟んで設置される圧縮機。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の圧縮機であって、
前記金属板部品は、前記巻線部の表面に対する最短距離が0.25mmを超え20mm以下となるように設置されている圧縮機。
【請求項9】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の圧縮機であって、
前記金属板部品は、前記固定子を構成する鉄心の電磁鋼板よりも鉄損値および板厚が大きい材料で形成されている圧縮機。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、作動流体の潤滑油への溶け込みを抑制する機構を備えた圧縮機に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来、空気調和機、冷凍機等の冷凍空調機器の冷媒としては、ハイドロフルオロカーボン(HFC)が用いられている。HFCは、オゾン破壊係数(Ozone Depletion Potential:ODP)がゼロに近いが、地球温暖化係数(Global Warming Potential:GWP)が高い温室効果ガスである。そのため、地球温暖化の防止の観点から、HFCの使用量や排出量の削減や、GWPが低い自然冷媒への転換が進められている。
【0003】
冷媒を転換するにあたっては、冷媒回路に組み込まれた圧縮機の信頼性や、冷媒の安全性等を確保する必要がある。圧縮機の信頼性を確保するためには、圧縮機の摺動部の潤滑性を確保することが重要である。圧縮機には、摺動部の潤滑のために潤滑油が封入される。潤滑油の一部は、冷媒と相溶して冷媒と共に冷媒回路を循環する。冷媒回路に組み込まれた圧縮機では、潤滑油が溶け込んだ冷媒が圧縮される。
【0004】
潤滑油は、冷媒が過剰に溶け込むと、粘度が低下して潤滑作用が弱くなることが知られている。そのため、冷媒を転換するにあたっては、冷媒が過剰に溶け込んだ状態においても、潤滑油を高粘度に維持することが重要となる。冷媒が潤滑油に対して過剰に溶け込む事態や、多量の潤滑油が冷媒と共に圧縮機から吐出される事態を防ぐことが望まれる。
【0005】
特許文献1には、油撹拌抑制要素を備えた圧縮機が記載されている。この圧縮機では、油撹拌抑制要素によって、圧縮機の底部に貯留された潤滑油が電動機の回転子で攪拌されるのを抑制している。潤滑油の攪拌を抑制することによって、圧縮機の摺動部の潤滑性を悪化させる事態、例えば、潤滑油への気泡の混入や、気泡が混入した潤滑油の摺動部への給油を防止している。
【0006】
特許文献2には、潤滑油を加熱する油加熱手段を備えた圧縮機が記載されている。油加熱手段は、密閉容器内で発生した熱を密閉容器の底部に貯留された潤滑油に伝達して潤滑油を加熱している。潤滑油を加熱することによって、液化による冷媒の粘度の低下や、潤滑油を攪拌する際の冷媒の発泡を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開平4-347387号公報
特開2009-133233号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ODPやGWPが低い自然冷媒としては、二酸化炭素や、アンモニアや、プロパン、イソブタン等の炭化水素等がある。プロパン等の炭化水素系冷媒は、エネルギ効率が比較的高いため、冷凍空調機器への普及が広く進められている。しかし、冷媒回路で炭化水素系冷媒を用いる場合、圧縮機の摺動部の潤滑性を確保するのが難しいという問題がある。
【0009】
プロパン等の炭化水素系冷媒は、潤滑油との相溶性が高いため、従来の冷媒と比較して、潤滑油に対して多量に溶け込み易い。冷媒が潤滑油に溶け込むと、潤滑油の粘度が低下するため、圧縮機の摺動部に油膜が形成され難くなる。冷媒の転換に伴って、圧縮機の摺動部の潤滑性が悪くなり、圧縮機の信頼性が低下するという問題を生じる。
【0010】
また、炭化水素系冷媒は、ハイドロフルオロオレフィン(HFO)等とは異なり、圧縮機の摺動部にハロゲン化金属等の潤滑成分を生成することがない。炭化水素系冷媒を用いる場合、冷媒由来の潤滑成分による作用を期待できないため、摺動部の潤滑性を確保するのがより難しくなる。
(【0011】以降は省略されています)

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