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公開番号2025055843
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-08
出願番号2023165234
出願日2023-09-27
発明の名称前駆体膜形成用組成物、複合体、複合体の製造方法
出願人国立研究開発法人産業技術総合研究所
代理人個人,個人,個人
主分類C09D 1/00 20060101AFI20250401BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】難接着性樹脂の表面を易接合化するために用いられ、大気開放中で安定かつ安全に使用可能な前駆体膜形成用組成物、複合体、および複合体の製造方法を提供する。
【解決手段】有機金属化合物と、界面活性剤と、溶媒と、を含む、前駆体膜形成用組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
有機金属化合物と、界面活性剤と、溶媒と、を含む、前駆体膜形成用組成物。
続きを表示(約 890 文字)【請求項2】
前記有機金属化合物は、金属有機酸塩または金属アルコキシドである、請求項1に記載の前駆体膜形成用組成物。
【請求項3】
前記有機金属化合物は、波長100nm以上400nm以下の紫外光に対して吸収を示す化合物である、請求項2に記載の前駆体膜形成用組成物。
【請求項4】
前記有機金属化合物は、金属イオンとして、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cuの第一遷移金属元素、Li、NaおよびKの1族元素の中から選ばれる1種以上の金属元素を含む、請求項2に記載の前駆体膜形成用組成物。
【請求項5】
前記界面活性剤は、前記前駆体膜形成用組成物からなる溶液を難接着性樹脂へ塗布するために添加される、請求項1に記載の前駆体膜形成用組成物。
【請求項6】
前記溶媒は、前記有機金属化合物および前記界面活性剤を溶解可能な溶媒である、請求項1に記載の前駆体膜形成用組成物。
【請求項7】
難接着性樹脂からなる基材と、前記基材の表面に形成された活性面と、を有し、
前記活性面は、前記基材が有する炭素―フッ素(C-F)結合の一部が、炭素―酸素(C-O)結合に置換されており、
前記炭素―フッ素(C-F)結合と前記炭素―酸素(C-O)結合の総量に対する、前記炭素―酸素(C-O)結合の含有量の比(C-O結合/(C-F結合+C-O結合)×100(%))が30%以上である、複合体。
【請求項8】
前記活性面の表面(3μm四方)における算術平均粗さ(Ra値)が20nm以下である、請求項7に記載の複合体。
【請求項9】
前記基材上に、前記活性面を介して、無機金属膜が形成され、
前記無機金属膜は、有機金属化合物由来の金属イオン化合物を含む、請求項7に記載の複合体。
【請求項10】
前記無機金属膜が前記活性面を介して前記基材に接合している接合強度が7N/mm以上である、請求項9に記載の複合体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、前駆体膜形成用組成物、複合体、および複合体の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
フッ素樹脂をはじめとする難接着性樹脂は、製造や加工の必要上、化学的および物理的な処理によって、難接着性樹脂の表面を易接合化する表面処理技術が必要とされている。従来、前記表面処理技術としては、金属ナトリウムを分散した試薬に樹脂表面を含侵させ、表面を化学的な処理により活性化する方法が採用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、前記表面処理技術としては、近年、試薬を用いない物理的な処理方法として、窒素や水素等をプロセスガスとして導入したプラズマ処理やコロナ放電処理によって表面を処理し、プロセスガスと樹脂の反応によって官能基を形成させて、表面を活性化する方法が実施されている(例えば、特許文献2、3参照)。また、難接着性樹脂の表面を易接合化する処理ではなく、異種材料との接触界面にレーザーを局所に照射することによって、難接着性樹脂を融着する方法等も報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2003-201571号公報
特開平7-164600号公報
特開2016-56363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の金属ナトリウムを用いた化学的な表面処理方法では、反応性が高く大気中で不安定な試薬を用いるため、試薬の保管や使用および廃棄における作業者の危険性の高さや環境負荷の大きさが課題となる。また、試薬が過度に反応するために、樹脂を黒く変色させてしまう外観上の問題や、ナトリウムが樹脂内部にも侵入して洗浄後にも残存し、樹脂性能に影響するという課題もある。
【0006】
特許文献2、3のコロナ放電やプラズマ処理による表面処理は、これらの課題を解決する目的で開発された手法であるが、雰囲気制御や真空排気の機構を伴う処理装置を必要とするため、特に処理面の大面積化が容易ではない。また、表面の活性化状態が長時間持続しない場合が多く、処理直後に接合を実施する必要があるといった課題がある。
【0007】
レーザー加熱を使用した融着法については、事前の表面処理が不要である利点がある一方、接合時に高出力密度のレーザー照射を必要とする上に、レーザー光に対する吸光度の差が大きい材料間での接合にしか適応できない課題がある。また、熱溶着の際に変形が起こり、特に薄いシート状の樹脂に対しては適用が困難であり、また界面も変形による凹凸が生じやすいため、高い平滑度が求められる高周波電気回路用基板等には不適である。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、難接着性樹脂の表面を易接合化するために用いられ、大気開放中で安定かつ安全に使用可能な前駆体膜形成用組成物、複合体、および複合体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は以下の態様を有する。
[1]有機金属化合物と、界面活性剤と、溶媒と、を含む、前駆体膜形成用組成物。
[2]前記有機金属化合物は、金属有機酸塩または金属アルコキシドである、[1]に記載の前駆体膜形成用組成物。
[3]前記有機金属化合物は、波長100nm以上400nm以下の紫外光に対して吸収を示す化合物である、[2]に記載の前駆体膜形成用組成物。
[4]前記有機金属化合物は、金属イオンとして、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cuの第一遷移金属元素、Li、NaおよびKの1族元素の中から選ばれる1種以上の金属元素を含む、[2]または[3]に記載の前駆体膜形成用組成物。
[5]前記界面活性剤は、前記前駆体膜形成用組成物からなる溶液を難接着性樹脂へ塗布するために添加される、[1]~[4]のいずれかに記載の前駆体膜形成用組成物。
[6]前記溶媒は、前記有機金属化合物および前記界面活性剤を溶解可能な溶媒である、[1]~[5]のいずれかに記載の前駆体膜形成用組成物。
[7]難接着性樹脂からなる基材と、前記基材の表面に形成された活性面と、を有し、
前記活性面は、前記基材が有する炭素―フッ素(C-F)結合の一部が、炭素―酸素(C-O)結合に置換されており、
前記炭素―フッ素(C-F)結合と前記炭素―酸素(C-O)結合の総量に対する、前記炭素―酸素(C-O)結合の含有量の比(C-O結合/(C-F結合+C-O結合)×100(%))が30%以上である、複合体。
[8]前記活性面の表面(3μm四方)における算術平均粗さ(Ra値)が20nm以下である、[7]に記載の複合体。
[9]前記基材上に、前記活性面を介して、無機金属膜が形成され、
無機金属膜は、有機金属化合物由来の金属イオン化合物を含む、[7]または[8]に記載の複合体。
[10]前記無機金属膜が前記活性面を介して前記基材に接合している接合強度が7N/mm以上である、[9]に記載の複合体。
[11]前記無機金属膜の表面(3μm四方)における算術平均粗さ(Ra値)が20nm以下である、[9]または[10]に記載の複合体。
[12]前記難接着性樹脂は、フッ素樹脂である、[7]~[11]のいずれかに記載の複合体。
[13]難接着性樹脂からなる基材上に、請求項1に記載の前駆体膜形成用組成物を塗布して、前記基材上に塗膜を形成する第1の工程と、
前記塗膜を乾燥して、前記溶媒を除去し、前記有機金属化合物と、を含む前駆体膜を形成する第2の工程と、
前記前駆体膜に紫外光を面照射して、前記前駆体膜から有機成分を除去し、前記前駆体膜を無機金属膜とするとともに、前記無機金属膜中の成分の触媒能により前記基材の表面を活性化して、前記基材の表面に活性面を形成する第3の工程と、を有する、複合体の製造方法。
[14]前記無機金属膜を水または弱酸で溶解して除去し、前記活性面を前記基材の表面に露出する第4の工程を有する、[13]に記載の複合体の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、難接着性樹脂の表面を易接合化するために用いられ、大気開放中で安定かつ安全に使用可能な前駆体膜形成用組成物、複合体、および複合体の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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