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公開番号
2025054536
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-08
出願番号
2023163624
出願日
2023-09-26
発明の名称
マンゴー香を呈するウイスキー風味の飲料およびその製造方法
出願人
キリンホールディングス株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C12G
3/06 20060101AFI20250331BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】ウイスキーの風味を損なうことなくマンゴー様の香気が付与されたウイスキー風味の飲料およびその製造方法の提供。
【解決手段】ウイスキー風味の飲料に、2種以上のアルデヒド(アセトアルデヒドを除く)、ならびにジエトキシアルカンおよびトリエトキシアルカンからなる群から選択される1種以上のエトキシアルカン(1,1-ジエトキシエタンを除く)を組み合わせて配合し、アルデヒド(アセトアルデヒドを除く)およびエトキシアルカンの含有量をそれぞれ特定の範囲に調整する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
2種以上のアルデヒド、ならびにジエトキシアルカンおよびトリエトキシアルカンからなる群から選択される1種以上のエトキシアルカンを含有するウイスキー風味の飲料であって、
前記2種以上のアルデヒドがいずれもアセトアルデヒドではなく、
前記1種以上のエトキシアルカンが1,1-ジエトキシエタンではなく、
前記2種以上のアルデヒドの総含有量が、アルコール100%換算で、前記飲料の総質量に対して8~100ppmであり、
前記エトキシアルカンの含有量が、アルコール100%換算で、前記飲料の総質量に対して0.5~50ppmである、前記飲料。
続きを表示(約 1,500 文字)
【請求項2】
前記アルデヒドが3~10個の炭素原子を有する、請求項1に記載の飲料。
【請求項3】
前記アルデヒドが、プロパナール、2-メチルプロパナール、3-エトキシプロパナール、ブタナール、2-メチルブタナ―ル、3-メチルブタナール、ペンタナール、ヘキサナールおよびヘプタナールからなる群から選択される、請求項1に記載の飲料。
【請求項4】
前記エトキシアルカンが、1,1-ジエトキシプロパン、1,1-ジエトキシ-2-メチルプロパン、1,1-ジエトキシブタン、1,1-ジエトキシ-3-メチルブタン、1,1-ジエトキシ-2-メチルブタン、1,1-ジエトキシペンタン、1,1,3-トリエトキシプロパン、1,1-ジエトキシヘキサンおよび1,1-ジエトキシヘプタンからなる群から選択される、請求項1に記載の飲料。
【請求項5】
マンゴー香を呈するウイスキー風味の飲料の製造方法であって、
前記飲料が2種以上のアルデヒド、ならびにジエトキシアルカンおよびトリエトキシアルカンからなる群から選択される1種以上のエトキシアルカンを含有し、
前記2種以上のアルデヒドがいずれもアセトアルデヒドではなく、
前記1種以上のエトキシアルカンが1,1-ジエトキシエタンではなく、
前記飲料における前記2種以上のアルデヒドの総含有量を、アルコール100%換算で、前記飲料の総質量に対して8~100ppmに調整する工程、および
前記飲料における前記エトキシアルカンの含有量を、前記飲料の総質量に対して0.5~50ppmに調整する工程
を含む、前記製造方法。
【請求項6】
前記アルデヒドが3~10個の炭素原子を有する、請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
前記アルデヒドが、プロパナール、2-メチルプロパナール、3-エトキシプロパナール、ブタナール、2-メチルブタナ―ル、3-メチルブタナール、ペンタナール、ヘキサナールおよびヘプタナールからなる群から選択される、請求項5に記載の製造方法。
【請求項8】
前記エトキシアルカンが、1,1-ジエトキシプロパン、1,1-ジエトキシ-2-メチルプロパン、1,1-ジエトキシブタン、1,1-ジエトキシ-3-メチルブタン、1,1-ジエトキシ-2-メチルブタン、1,1-ジエトキシペンタン、1,1,3-トリエトキシプロパン、1,1-ジエトキシヘキサンおよび1,1-ジエトキシヘプタンからなる群から選択される、請求項5に記載の製造方法。
【請求項9】
ウイスキー風味の飲料にマンゴー香を付与する方法であって、
前記飲料が2種以上のアルデヒド、ならびにジエトキシアルカンおよびトリエトキシアルカンからなる群から選択される1種以上のエトキシアルカンを含有し、
前記2種以上のアルデヒドがいずれもアセトアルデヒドではなく、
前記1種以上のエトキシアルカンが1,1-ジエトキシエタンではなく、
前記飲料における前記2種以上のアルデヒドの総含有量を、アルコール100%換算で、前記飲料の総質量に対して8~100ppmに調整する工程、および
前記飲料における前記エトキシアルカンの含有量を、前記飲料の総質量に対して0.5~50ppmに調整する工程
を含む、前記方法。
【請求項10】
前記アルデヒドが3~10個の炭素原子を有する、請求項9に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、マンゴー香を呈するウイスキー風味の飲料およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 3,900 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、ウイスキーには様々な香気成分が含まれることが知られており、その種類は1000種とも2000種とも言われている。そのような香気成分は、大別すると、原料に由来したり、ウイスキーの製造工程に由来したりすることが近年分かってきており、ウイスキー製造者では、それぞれが求める香気や市場の要望に応じてウイスキーに特定の香気を付与して、ウイスキーに付加価値を与える試みが行われている。
【0003】
ウイスキーにおける香気としては、リンゴ、オレンジ、洋ナシ、パイナップル等の果実様の香気が報告されており(例えば、非特許文献1)、例えば、ウイスキー製造の発酵や蒸留の過程において生成するγ-デカラクトンやγ-ドデカラクトンが甘いピーチ様の香気を有することが報告されている(例えば、非特許文献2)。
【0004】
近年、ウイスキーに対する香気の付与が盛んに行われており、ウイスキーとの相性の観点から、南国果実様の強い香気をウイスキーに付与することが特に望まれている。そして、南国果実を想起させる香気成分としては、これまでに短鎖のエステル類や硫黄系成分等が報告されている(例えば、非特許文献3および4)。
【0005】
しかしながら、ウイスキーにおいて短鎖のエステル類や硫黄系成分によってマンゴー等のウルシ科の南国果実様の香気が実現されたとの報告はない。実際、マンゴー様の香気を呈するウイスキーやウイスキー風味の飲料はほとんど存在しておらず、特にウイスキーの風味を損なうことなくウイスキーやウイスキー風味の飲料に意図的にマンゴー様の香気の付与することは実質的に実現していないのが現状と言える。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
K.-Y. Monica Lee et al., Origins of Flavour in Whiskies and a Revised Flavour Wheel: a Review, Journal of The Institute of Brewing, 2001, 107(5), pp. 287-313
鰐川彰「ウイスキー醸造における乳酸菌の役割」、生物工学 第90巻、2012年、第6号、第324~328頁
Hill E. A. et al., Straying from the Crowd: Novel Yeasts for New Make. In: Worldwide Distilled Spirits Conference, 2017, Chapter 21, pp 103-107
Rowe D. et al., More Fizz for Your Buck: High-impact Aroma Chemicals, Perfumer & Flavourist magazine, 2000, 25(5), 1-19
【0007】
このような状況下、ウイスキーをはじめとするウイスキー風味の飲料に、そのウイスキーの風味を損なうことなくマンゴー様の香気を付与することが、技術的な課題として存在する。
【0008】
したがって、本発明の目的は、ウイスキーの風味を損なうことなくマンゴー様の香気が付与されたウイスキー風味の飲料およびその製造方法を提供することである。また、本発明の別の目的は、ウイスキー風味の飲料に、そのウイスキーの風味を損なうことなくマンゴー様の香気を付与する方法を提供することである。
【発明の概要】
【0009】
本発明者らは、ウイスキー風味の飲料に、2種以上のアルデヒド(アセトアルデヒドを除く)、ならびにジエトキシアルカンおよびトリエトキシアルカンからなる群から選択される1種以上のエトキシアルカン(1,1-ジエトキシエタンを除く)を組み合わせて配合し、アルデヒド(アセトアルデヒドを除く)およびエトキシアルカン(1,1-ジエトキシエタンを除く)の含有量をそれぞれ特定の範囲に調整することにより、ウイスキー風味の飲料に、そのウイスキーの風味を損なうことなくマンゴー様の香気を付与することができるとの知見を得た。本発明はこのような知見に基づくものである。
【0010】
本発明によれば、以下の発明が提供される。
[1]2種以上のアルデヒド、ならびにジエトキシアルカンおよびトリエトキシアルカンからなる群から選択される1種以上のエトキシアルカンを含有するウイスキー風味の飲料であって、
前記2種以上のアルデヒドがいずれもアセトアルデヒドではなく、
前記1種以上のエトキシアルカンが1,1-ジエトキシエタンではなく、
前記2種以上のアルデヒドの総含有量が、アルコール100%換算で、前記飲料の総質量に対して8~100ppmであり、
前記エトキシアルカンの含有量が、アルコール100%換算で、前記飲料の総質量に対して0.5~50ppmである、前記飲料。
[2]前記アルデヒドが3~10個の炭素原子を有する、[1]に記載の飲料。
[3]前記アルデヒドが、プロパナール、2-メチルプロパナール、3-エトキシプロパナール、ブタナール、2-メチルブタナ―ル、3-メチルブタナール、ペンタナール、ヘキサナールおよびヘプタナールからなる群から選択される、[1]または[2]に記載の飲料。
[4]前記エトキシアルカンが、1,1-ジエトキシプロパン、1,1-ジエトキシ-2-メチルプロパン、1,1-ジエトキシブタン、1,1-ジエトキシ-3-メチルブタン、1,1-ジエトキシ-2-メチルブタン、1,1-ジエトキシペンタン、1,1,3-トリエトキシプロパン、1,1-ジエトキシヘキサンおよび1,1-ジエトキシヘプタンからなる群から選択される、[1]~[3]のいずれかに記載の飲料。
[5]マンゴー香を呈するウイスキー風味の飲料の製造方法であって、
前記飲料が2種以上のアルデヒド、ならびにジエトキシアルカンおよびトリエトキシアルカンからなる群から選択される1種以上のエトキシアルカンを含有し、
前記2種以上のアルデヒドがいずれもアセトアルデヒドではなく、
前記1種以上のエトキシアルカンが1,1-ジエトキシエタンではなく、
前記飲料における前記2種以上のアルデヒドの総含有量を、アルコール100%換算で、前記飲料の総質量に対して8~100ppmに調整する工程、および
前記飲料における前記エトキシアルカンの含有量を、前記飲料の総質量に対して0.5~50ppmに調整する工程
を含む、前記製造方法。
[6]前記アルデヒドが3~10個の炭素原子を有する、[5]に記載の製造方法。
[7]前記アルデヒドが、プロパナール、2-メチルプロパナール、3-エトキシプロパナール、ブタナール、2-メチルブタナ―ル、3-メチルブタナール、ペンタナール、ヘキサナールおよびヘプタナールからなる群から選択される、[5]または[6]に記載の製造方法。
[8]前記エトキシアルカンが、1,1-ジエトキシプロパン、1,1-ジエトキシ-2-メチルプロパン、1,1-ジエトキシブタン、1,1-ジエトキシ-3-メチルブタン、1,1-ジエトキシ-2-メチルブタン、1,1-ジエトキシペンタン、1,1,3-トリエトキシプロパン、1,1-ジエトキシヘキサンおよび1,1-ジエトキシヘプタンからなる群から選択される、[5]~[7]のいずれかに記載の製造方法。
[9]ウイスキー風味の飲料にマンゴー香を付与する方法であって、
前記飲料が2種以上のアルデヒド、ならびにジエトキシアルカンおよびトリエトキシアルカンからなる群から選択される1種以上のエトキシアルカンを含有し、
前記2種以上のアルデヒドがいずれもアセトアルデヒドではなく、
前記1種以上のエトキシアルカンが1,1-ジエトキシエタンではなく、
前記飲料における前記2種以上のアルデヒドの総含有量を、アルコール100%換算で、前記飲料の総質量に対して8~100ppmに調整する工程、および
前記飲料における前記エトキシアルカンの含有量を、前記飲料の総質量に対して0.5~50ppmに調整する工程
を含む、前記方法。
[10]前記アルデヒドが3~10個の炭素原子を有する、[9]に記載の方法。
[11]前記アルデヒドが、プロパナール、2-メチルプロパナール、3-エトキシプロパナール、ブタナール、2-メチルブタナ―ル、3-メチルブタナール、ペンタナール、ヘキサナールおよびヘプタナールからなる群から選択される、[9]または[10]に記載の方法。
[12]前記エトキシアルカンが、1,1-ジエトキシプロパン、1,1-ジエトキシ-2-メチルプロパン、1,1-ジエトキシブタン、1,1-ジエトキシ-3-メチルブタン、1,1-ジエトキシ-2-メチルブタン、1,1-ジエトキシペンタン、1,1,3-トリエトキシプロパン、1,1-ジエトキシヘキサンおよび1,1-ジエトキシヘプタンからなる群から選択される、[9]~[11]のいずれかに記載の方法。
(【0011】以降は省略されています)
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