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公開番号2025048714
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-03
出願番号2024073852
出願日2024-04-30
発明の名称熱伝導性シリコーン組成物
出願人モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社
代理人弁理士法人 津国
主分類C08L 83/07 20060101AFI20250326BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】電気絶縁性、吐出性及び放熱性に優れ、かつ、BLTが低い、熱伝導性シリコーン組成物を提供する。
【解決手段】(A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を有するポリオルガノシロキサン;(B)ケイ素原子に結合した水素原子を有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン;(C)白金系触媒;(D)下記一般式(1)で示されるシロキサン化合物;及び(E)熱伝導性フィラーを含む、熱伝導性シリコーン組成物であって、(E)成分の100質量部に対して、(A)成分~(D)成分の合計の含有量は、1.0~10質量部である、熱伝導性シリコーン組成物とする。
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2025048714000026.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">45</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">161</com:WidthMeasure> </com:Image>
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を有するポリオルガノシロキサン;
(B)ケイ素原子に結合した水素原子を有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン;
(C)白金系触媒;
(D)下記一般式(1):
TIFF
2025048714000024.tif
45
161
〔式中、


:炭素原子数1~4のアルコキシシリル基を有する基


:下記一般式(2):
TIFF
2025048714000025.tif
27
161
(式中、R

は、それぞれ独立して炭素原子数1~12の1価の炭化水素基であり、Yは、R

及び脂肪族不飽和基からなる群より選択される基であり、dは2~60の整数である)で示される直鎖状オルガノシロキシ基
X:それぞれ独立して炭素原子数2~10の2価の炭化水素基
a及びb:それぞれ独立して1以上の整数
c:0以上の整数
a+b+c:4以上の整数


:それぞれ独立して、炭素原子数1~6の1価の炭化水素基又は水素原子である〕
で示されるシロキサン化合物、及び
(E)熱伝導性フィラー、
を含む、熱伝導性シリコーン組成物であって、
(A)成分は、(A-1)ケイ素原子に結合したアルケニル基を、分子中に2個以上有するポリオルガノシロキサンを含み、
(B)成分は、(B-1)ケイ素原子に結合した水素原子を、分子中に2個以上有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンを含み、
(E)成分は、
(E-1)10μm以上40μm以下の範囲に粒度分布のピークを有する、炭化ケイ素、
(E-2)熱伝導率が10W/mK~300W/mKであり、0.1μm以上1.0μm以下の範囲に粒度分布のピークを有する、第1の熱伝導性フィラー、
(E-3)熱伝導率が10W/mK~300W/mKであり、1.0μm超10μm未満の範囲に粒度分布のピークを有する、第2の熱伝導性フィラー、及び
(E-4)熱伝導率が60W/mK~300W/mKであり、10μm以上40μm以下の範囲に粒度分布のピークを有する、第3の熱伝導性フィラー(但し、炭化ケイ素を除く)を含み、
(E)成分の100質量部に対して、(A)成分~(D)成分の合計の含有量は、1.0~10.0質量部であり、並びに、
(E)成分の100質量部に対して、(E-2)成分の含有量は、28.0質量部以下である、熱伝導性シリコーン組成物。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
(E-2)成分が、アルミナ、窒化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、結晶性シリカ、アルミニウム、窒化ホウ素及び黒鉛化炭素からなる群より選択される1種以上であり、
(E-3)成分が、アルミナ、窒化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、結晶性シリカ、アルミニウム、窒化ホウ素及び黒鉛化炭素からなる群より選択される1種以上であり、並びに、
(E-4)成分が、窒化アルミニウム、窒化ホウ素及び黒鉛化炭素からなる群より選択される1種以上である、請求項1に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
【請求項3】
さらに、(A-2)ケイ素原子に結合したアルケニル基を、分子中に1個有するポリオルガノシロキサン、及び、(B-2)ケイ素原子に結合した水素原子を、分子中に1個有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンからなる群より選択される1種以上を含む、請求項1に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
【請求項4】
さらに、(A-2)ケイ素原子に結合したアルケニル基を、分子中に1個有するポリオルガノシロキサン、及び、(B-2)ケイ素原子に結合した水素原子を、分子中に1個有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンからなる群より選択される1種以上を含む、請求項2に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
【請求項5】
(E)成分の100質量部に対して、
(E-1)成分の含有量は、5.0~30.0質量部であり、
(E-2)成分の含有量は、10.0~28.0質量部であり、
(E-3)成分の含有量は、15.0~40.0質量部であり、及び
(E-4)成分の含有量は、5.0~40.0質量部である、
請求項1に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
【請求項6】
(E)成分の100質量部に対して、
(E-1)成分の含有量は、5.0~30.0質量部であり、
(E-2)成分の含有量は、10.0~28.0質量部であり、
(E-3)成分の含有量は、15.0~40.0質量部であり、及び
(E-4)成分の含有量は、5.0~40.0質量部である、
請求項2に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
【請求項7】
(E)成分の100質量部に対して、
(E-1)成分の含有量は、5.0~30.0質量部であり、
(E-2)成分の含有量は、10.0~28.0質量部であり、
(E-3)成分の含有量は、15.0~40.0質量部であり、及び
(E-4)成分の含有量は、5.0~40.0質量部である、
請求項3に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
【請求項8】
(E)成分の100質量部に対して、
(E-1)成分の含有量は、5.0~30.0質量部であり、
(E-2)成分の含有量は、10.0~28.0質量部であり、
(E-3)成分の含有量は、15.0~40.0質量部であり、及び
(E-4)成分の含有量は、5.0~40.0質量部である、
請求項4に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の熱伝導性シリコーン組成物を硬化した、硬化物。
【請求項10】
請求項1~8のいずれか1項に記載の熱伝導性シリコーン組成物を含む、電子部品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、熱伝導性シリコーン組成物に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
昨今、パワーモジュールやCPUに代表される電子部品の高性能・小型化に伴い、サーマルマネージメントが求められている。このサーマルマネージメントに、熱伝導性グリースや放熱シートが用いられている。熱伝導性グリースは、発熱素子および熱交換部の熱膨張と収縮により、熱伝導性グリースが塗布部より押し出される、いわゆるポンピングアウトが発生する問題やフィラーとオイルが経時変化で分離する問題を抱えており、信頼性と機能面で現在においても発展途上である。一方で、放熱シートは成型物であるため上記のような問題はないものの、放熱シート自身の厚みが厚くなることにより生じる熱抵抗や接触抵抗の観点から放熱性に懸念がある。
【0003】
この課題に対し、熱伝導性のフィラーとシリコーンとを含む組成物において、熱伝導率を高くするために、大粒径の無機フィラー又は複数種類の無機フィラーを使う技術が提案されている。例えば、特許文献1には、粒度分布のピークを少なくとも2つ有する炭化ケイ素を用いた、熱伝導性ポリシロキサン組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2017-88685号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
放熱材において、熱抵抗を考慮すると薄く塗布することが重要な要素となっている。どれだけ薄く塗布できるかの指標として、BLT(Bond-Line-Thickness)がある。放熱材の薄さは、放熱性に大きく影響し、薄くすることで熱抵抗の低減に寄与することから高放熱材料には、BLT特性が重要となってくる。
【0006】
また、発明者らの知見によれば、特許文献1に記載されたような熱伝導性ポリシロキサン組成物において、電気絶縁特性、BLT特性、吐出性及び放熱性の点で、改善の余地があることが見いだされた。
【0007】
本発明は、電気絶縁性、吐出性及び放熱性に優れ、かつ、BLTが低い、熱伝導性シリコーン組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下の[1]~[6]に関する。
[1](A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を有するポリオルガノシロキサン;
(B)ケイ素原子に結合した水素原子を有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン;
(C)白金系触媒;
(D)下記一般式(1):
TIFF
2025048714000001.tif
46
161
〔式中、


:炭素原子数1~4のアルコキシシリル基を有する基


:下記一般式(2):
TIFF
2025048714000002.tif
27
161
(式中、R

は、それぞれ独立して炭素原子数1~12の1価の炭化水素基であり、Yは、R

及び脂肪族不飽和基からなる群より選択される基であり、dは2~60の整数である)で示される直鎖状オルガノシロキシ基
X:それぞれ独立して炭素原子数2~10の2価の炭化水素基
a及びb:それぞれ独立して1以上の整数
c:0以上の整数
a+b+c:4以上の整数


:それぞれ独立して、炭素原子数1~6の1価の炭化水素基又は水素原子である〕
で示されるシロキサン化合物、及び
(E)熱伝導性フィラー、
を含む、熱伝導性シリコーン組成物であって、
(A)成分は、(A-1)ケイ素原子に結合したアルケニル基を、分子中に2個以上有するポリオルガノシロキサンを含み、
(B)成分は、(B-1)ケイ素原子に結合した水素原子を、分子中に2個以上有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンを含み、
(E)成分は、
(E-1)10μm以上40μm以下の範囲に粒度分布のピークを有する、炭化ケイ素、
(E-2)熱伝導率が10W/mK~300W/mKであり、0.1μm以上1.0μm以下の範囲に粒度分布のピークを有する、第1の熱伝導性フィラー、
(E-3)熱伝導率が10W/mK~300W/mKであり、1.0μm超10μm未満の範囲に粒度分布のピークを有する、第2の熱伝導性フィラー、及び
(E-4)熱伝導率が60W/mK~300W/mKであり、10μm以上40μm以下の範囲に粒度分布のピークを有する、第3の熱伝導性フィラー(但し、炭化ケイ素を除く)を含み、
(E)成分の100質量部に対して、(A)成分~(D)成分の合計の含有量は、1.0~10.0質量部であり、並びに、
(E)成分の100質量部に対して、(E-2)成分の含有量は、28.0質量部以下である、熱伝導性シリコーン組成物。
[2](E-2)成分が、アルミナ、窒化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、結晶性シリカ、アルミニウム、窒化ホウ素及び黒鉛化炭素からなる群より選択される1種以上であり、
(E-3)成分が、アルミナ、窒化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、結晶性シリカ、アルミニウム、窒化ホウ素及び黒鉛化炭素からなる群より選択される1種以上であり、並びに、
(E-4)成分が、窒化アルミニウム、窒化ホウ素及び黒鉛化炭素からなる群より選択される1種以上である、[1]に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
[3]さらに、(A-2)ケイ素原子に結合したアルケニル基を、分子中に1個有するポリオルガノシロキサン、及び、(B-2)ケイ素原子に結合した水素原子を、分子中に1個有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンからなる群より選択される1種以上を含む、[1]又は[2]に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
[4](E)成分の100質量部に対して、
(E-1)成分の含有量は、5.0~30.0質量部であり、
(E-2)成分の含有量は、10.0~28.0質量部であり、
(E-3)成分の含有量は、15.0~40.0質量部であり、及び
(E-4)成分の含有量は、5.0~40.0質量部である、
[1]~[3]のいずれかに記載の熱伝導性シリコーン組成物。
[5][1]~[4]のいずれかに記載の熱伝導性シリコーン組成物を硬化した、硬化物。
[6][1]~[4]のいずれかに記載の熱伝導性シリコーン組成物を含む、電子部品。
【発明の効果】
【0009】
本発明によって、電気絶縁性、吐出性及び放熱性に優れ、かつ、BLTが低い、熱伝導性シリコーン組成物が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[用語の定義]
シロキサン化合物の構造単位を、以下のような略号によって記載することがある(以下、これらの構造単位をそれぞれ「M単位」「D

単位」等ということがある)。

:Si(CH




1/2


:SiH(CH




1/2

Vi
:(CH=CH

)(CH



SiO
1/2

:Si(CH




2/2


:SiH(CH

)O
2/2
(【0011】以降は省略されています)

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