特許ウォッチ

公開番号2025042123
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-27
出願番号2023148954
出願日2023-09-14
発明の名称投光器、測定装置、および、レーザ光の増幅方法
出願人株式会社小糸製作所
代理人弁理士法人アルファ国際特許事務所
主分類G01S 7/484 20060101AFI20250319BHJP(測定;試験)
要約【課題】光ファイバによる増幅効果の低下の抑制と、励起光利用率の低下の抑制とを両立する。
【解決手段】投光器は、シードレーザ光を発するシードレーザと、希土類元素がドープされ、シードレーザが発したシードレーザ光が入力される光ファイバと、光ファイバの希土類元素を励起させる励起光を発する励起レーザとを有し、光ファイバから出力される出力レーザ光を外部に出射する。投光器は、励起レーザが発した励起光が光ファイバの一端部に入力され、光ファイバの他端部から出力されるよう構成され、さらに、光ファイバの他端部から出力される励起光を、光ファイバに再度入力する再入力機構を備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項１】
シードレーザ光を発するシードレーザと、希土類元素がドープされ、前記シードレーザが発した前記シードレーザ光が入力される光ファイバと、前記光ファイバの前記希土類元素を励起させる励起光を発する励起レーザとを有し、前記光ファイバから出力される出力レーザ光を外部に出射する投光器であって、
前記励起レーザが発した前記励起光が前記光ファイバの一端部に入力され、前記光ファイバの他端部から出力されるよう構成され、
さらに、前記光ファイバの前記他端部から出力される前記励起光を、前記光ファイバに再度入力する再入力機構を備える、投光器。
続きを表示（約 550 文字）【請求項２】
請求項１に記載の投光器であって、
前記再入力機構は、
前記光ファイバの前記他端部から出力される前記シードレーザ光から前記励起光を分岐する分岐素子と、
前記分岐素子によって分岐された前記励起光を、前記光ファイバの前記一端部側に導く伝達機構と、を有する、投光器。
【請求項３】
請求項１に記載の投光器であって、
前記再入力機構は、
前記光ファイバの前記他端部から出力される前記シードレーザ光を透過し、かつ、前記励起光を反射させて前記光ファイバの前記他端部に再入力させる反射素子を有する、投光器。
【請求項４】
請求項１から請求項３までのいずれか一項に記載の投光器と、
前記投光器が出射する前記出力レーザ光が測定対象に反射して戻ってくる反射レーザ光を受光する受光器と、を備える測定装置。
【請求項５】
シードレーザ光と、励起光とを、希土類元素がドープされた光ファイバの一端部に入力する入力工程と、
前記光ファイバの他端部から出力される前記シードレーザ光と前記励起光とを分岐する分岐工程と、
分岐された前記励起光を前記光ファイバに再入力する再入力工程と、を含む、レーザ光の増幅方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本明細書に開示される技術は、投光器、測定装置、および、レーザ光の増幅方法に関する。
続きを表示（約 2,100 文字）【背景技術】
【０００２】
ＡＤ（ＡｕｔｏｎｏｍｏｕｓＤｒｉｖｉｎｇ：自動運転）やＡＤＡＳ（ＡｄｖａｎｃｅｄＤｒｉｖｅｒ－ＡｓｓｉｓｔａｎｃｅＳｙｓｔｅｍｓ：先進運転支援システム）の進展に伴い、車両の走行時における周囲環境の把握や自己位置推定に用いる測定装置の一つとして、ＬｉＤＡＲ（ＬｉｇｈｔＤｅｔｅｃｔｉｏｎＡｎｄＲａｎｇｉｎｇ）の開発研究が進められている。ＬｉＤＡＲは、測定対象にレーザ光を投光（照射）する投光器と、レーザ光が測定対象に反射して戻ってくる反射光を受光する受光器とを備える。ＬｉＤＡＲは、投光器がレーザ光を出射した投光タイミングと受光器が反射光を受光した受光タイミングとの時間差に基づき測定対象までの距離を測定することにより測定対象に関する情報を出力する。投光器は、ファイバレーザを備える（例えば、特許文献１参照）。ファイバレーザは、シードレーザ光を発するシードレーザと、希土類元素がドープされ、シードレーザ光が通過する光ファイバと、光ファイバの希土類元素を励起させる励起光を発する励起レーザとを有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
国際公開第２０２０／１１７９１２号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
従来の投光器では、光ファイバの入力部から出力部まで全体にわたって希土類元素を励起させようとすると、励起光が光ファイバの出力部まで到達するのに十分な相対的に高い光出力の励起光を光ファイバの入力部に入力する必要がある。しかし、この場合、希土類元素の励起に使用されなかった励起光が光ファイバの出力部から漏れ出ることになり、光ファイバによる増幅効果に対する励起光の利用率（以下、「励起光利用率」という）が低下するおそれがある。一方、励起光が光ファイバの出力部まで到達しない程度に相対的に低い光出力の励起光を光ファイバの入力部に入力する場合、励起光が光ファイバの出力部から漏れ出ることは抑制できる。しかし、光ファイバの出力部において、励起不足に起因して光ファイバによる増幅効果が低下するおそれがある。
【０００５】
本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
（１）本明細書に開示される投光器は、シードレーザ光を発するシードレーザと、希土類元素がドープされ、前記シードレーザが発した前記シードレーザ光が入力される光ファイバと、前記光ファイバの前記希土類元素を励起させる励起光を発する励起レーザとを有し、前記光ファイバから出力される出力レーザ光を外部に出射する。投光器は、前記励起レーザが発した前記励起光が前記光ファイバの一端部に入力され、前記光ファイバの他端部から出力されるよう構成され、さらに、前記光ファイバの前記他端部から出力される前記励起光を、前記光ファイバに再度入力する再入力機構を備える。
【０００７】
本投光器では、励起レーザが発した励起光が光ファイバの一端部に入力され、光ファイバの他端部から出力されるよう構成されているため、例えば励起光が光ファイバの他端部が届かない構成に比べて、光ファイバによる増幅効果の低下が抑制される。また、本投光器では、光ファイバの他端部から出力される励起光は、光ファイバに再度入力される。このため、光ファイバによる増幅効果に対する励起光の利用率（以下、「励起光利用率」という）の低下が抑制される。すなわち、本投光器によれば、光ファイバによる増幅効果の低下の抑制と、励起光利用率の低下の抑制とを両立することができる。
【０００８】
（２）上記投光器において、前記再入力機構は、前記光ファイバの前記他端部から出力される前記シードレーザ光から前記励起光を分岐する分岐素子と、前記分岐素子によって分岐された前記励起光を、前記光ファイバの前記一端部側に導く伝達機構と、を有する構成としてもよい。本投光器によれば、分岐素子を用いて、光ファイバによる増幅効果の低下の抑制と、励起光利用率の低下の抑制とを両立することができる。
【０００９】
（３）上記投光器において、前記再入力機構は、前記光ファイバの前記他端部から出力される前記シードレーザ光を透過し、かつ、前記励起光を反射させて前記光ファイバの前記他端部に再入力させる反射素子を有する構成としてもよい。本投光器によれば、反射素子を用いて、光ファイバによる増幅効果の低下の抑制と、励起光利用率の低下の抑制とを両立することができる。
【００１０】
（４）上記投光器と、前記投光器が出射する前記出力レーザ光が測定対象に反射して戻ってくる反射レーザ光を受光する受光器と、を備える測定装置でもよい。本測定装置によれば、投光器において、光ファイバによる増幅効果の低下の抑制と、励起光利用率の低下の抑制とを両立することができる構成としてもよい。
（【００１１】以降は省略されています）

関連特許