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公開番号
2025041549
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-26
出願番号
2024150790
出願日
2024-09-02
発明の名称
樹脂モルタル組成物、積層体及び積層体の製造方法
出願人
三菱ケミカルインフラテック株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C04B
20/00 20060101AFI20250318BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約
【課題】常温から低温の幅広い温度条件下において短時間での硬化が可能で、塗装後に硬化するまでの間に優れた流動性を有しつつ、かつ塗膜が硬化するまでの間に樹脂と骨材の分離を抑制することができる樹脂モルタル組成物を提供する。
【解決手段】樹脂組成物(x)100質量部に対して、骨材(H)50~2,000質量部を配合してなる樹脂モルタル組成物であって、前記骨材(H)100質量%中、粒子径が1,180μmを超える骨材の割合が0~1質量%、粒子径が850μmを超える骨材の割合が0~10質量%、粒子径が300μmを超える骨材(h3)の割合が30~70質量%であり、前記骨材(h3)の比表面積の積算値(S3)が25~70cm
2
/gであり、前記骨材(H)の全比表面積の積算値(S)に対する、前記比表面積の積算値(S3)の割合R
S3
が3~16%である、樹脂モルタル組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
樹脂組成物(x)100質量部に対して、骨材(H)50~2,000質量部を配合してなる樹脂モルタル組成物であって、
前記骨材(H)100質量%中、粒子径が1,180μmを超える骨材の割合が0~1質量%、粒子径が850μmを超える骨材の割合が0~10質量%、粒子径が300μmを超える骨材(h3)の割合が30~70質量%であり、
下記式(1)で求めた前記骨材(h3)の比表面積の積算値(S3)が25~70cm
2
/gであり、
下記式(3)で求めた前記骨材(H)の全比表面積の積算値(S)に対する、前記比表面積の積算値(S3)の割合R
S3
が3~16%である、樹脂モルタル組成物。
S3=6/(D
1
×d×W
1
/100)+6/(D
2
×d×W
2
/100)+6/(D
3
×d×W
3
/100)+6/(D
4
×d×W
4
/100)+6/(D
5
×d×W
5
/100) ・・・式(1)
(ただし、前記式(1)中、S3は比表面積の積算値(cm
2
/g)であり、D
1
=300(μm)/10000=0.03(cm)、D
2
=450(μm)/10000=0.045(cm)、D
3
=600(μm)/10000=0.06(cm)、D
4
=850(μm)/10000=0.085(cm)、D
5
=1180(μm)/10000=0.118(cm)である。W
1
~W
5
は、それぞれ下記骨材(H5)~(H9)の前記骨材(H)に占める割合(質量%)である。dは、前記骨材(H)のかさ比重(g/cm
3
)であり、下記の骨材のかさ比重の測定方法により求められる。)
S=6/(D
6
×d×W
6
/100)+6/(D
7
×d×W
7
/100)+6/(D
8
×d×W
8
/100)+6/(D
9
×d×W
9
/100)+6/(D
10
×d×W
10
/100)+6/(D
11
×d×W
11
/100)+6/(D
12
×d×W
12
/100)+6/(D
13
×d×W
13
/100)+6/(D
14
×d×W
14
/100) ・・・式(3)
(ただし、前記式(3)中、Sは前記骨材(H)の全比表面積の積算値(cm
2
/g)であり、D
6
=50(μm)/10000=0.005(cm)、D
7
=75(μm)/10000=0.0075(cm)、D
8
続きを表示(約 1,400 文字)
【請求項2】
前記骨材(H)100質量%中、粒子径が300μm以下の骨材(h1)の割合が30~70質量%であり、
前記骨材(h1)が下記骨材(h2)を含み、
下記の算出方法によって算出される骨材(h2)の面積比S
R
が4~100%である、請求項1に記載の樹脂モルタル組成物。
骨材(h2):下記の画像解析を行ったとき、画像解析したケイ素、鉄、マグネシウム、アルミニウムの全成分に占める平均円形度がいずれも0.85以上である骨材。
(画像解析)
前記骨材(h1)のSEM(走査型電子顕微鏡)画像を撮影し、前記SEM画像の同一視野についてEDS(エネルギー分散型X線分光法)分析により元素分析し、骨材を構成するケイ素、鉄、マグネシウム、アルミニウムのそれぞれについてマッピングを行い、画像処理ソフトImageJ(アメリカ国立衛生研究所製)により以下の手順(i)~(vi)で画像解析する。マップデータは8bitに変換した画像を用いて画像解析を実施する。
(i)ガウシアンフィルターでノイズ除去を実施する。
(ii)二値化処理し、Binary画像を作成する。
(iii)モルフォロジー演算でエッジを整える。
(iv)穴埋め処理を実施する。
(v)分割処理を実施する。
(vi)抽出した粒子の面積と円形度を得る。
画像解析を3回実施して求めた円形度の平均値を「平均円形度」とする。
(骨材(h2)の面積比S
R
の算出方法)
同一視野の前記SEM画像とケイ素、鉄、マグネシウム、アルミニウムのマップデータについての前記手順(i)~(vi)の画像解析において、前記SEM画像中の粒子の面積の合計をS
SEM
、ケイ素、鉄、マグネシウム、アルミニウムのマップデータ中の円形度が0.85以上の粒子の面積の合計をS
Si
、S
Fe
、S
Mg
、S
Al
とし、下記式(4)から面積比S
R
’を算出する。3箇所の同一視野で同じ操作を実施し、それら面積比S
R
’の平均値を骨材(h2)の面積比S
R
とする。
S
R
’=(S
Si
+S
Fe
+S
Mg
+S
Al
)/S
SEM
×100 ・・・式(4)
【請求項3】
前記樹脂組成物(x)が、アクリル系樹脂及びビニルエステル系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1又は2に記載の樹脂モルタル組成物。
【請求項4】
JIS Z 8803の規定に従い、ブルックフィールド型粘度計(BM型)を用いて23℃で計測した前記樹脂組成物(x)の粘度が5~1,000mPa・sである、請求項1又は2に記載の樹脂モルタル組成物。
【請求項5】
有機過酸化物をさらに含有する、請求項1又は2に記載の樹脂モルタル組成物。
【請求項6】
請求項5に記載の樹脂モルタル組成物を基盤上に塗装し、前記樹脂モルタル組成物を硬化させる、積層体の製造方法。
【請求項7】
基盤と、前記基盤上に設けられた、請求項5に記載の樹脂モルタル組成物の硬化物からなる硬化塗膜とを備える、積層体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂モルタル組成物、積層体及び積層体の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、コンクリートやアスファルトで形成された建築物、道路等の構造物(以下、これら建築物及び構造物のことを「基盤」とする。)は、機能性の付与あるいは補修のために、樹脂モルタルで被覆されることがある。例えば、コンクリートやアスファルトなどによる床面、道路、壁面等の基盤には、樹脂を主成分としたプライマー層を形成した後に樹脂を主成分とした樹脂モルタル層を形成したり、プライマー層を使用せずに直接樹脂を主成分とした樹脂モルタル層を形成したりする場合がある。
【0003】
プライマー層用及び樹脂モルタル用の樹脂としては、アクリル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等が用いられる。これらの樹脂の中でも、アクリル樹脂、ビニルエステル樹脂は、ラジカル重合によって形成され、硬化速度が速く、適度な可使時間を有し、また、低温硬化性と空気硬化性に優れるため、施工期間を短くできるという利点を有している。
【0004】
基盤などに被覆する塗膜の耐久性を向上させる目的で、樹脂組成物に骨材を配合した樹脂モルタル組成物が提案されている。また、硬化収縮を低減することを目的として、骨材の配合量を増やし、作業性及び仕上がりの良い樹脂モルタル組成物とすることも知られている。骨材を増量する際に骨材の微粒子成分を多く含ませることで、硬化塗膜の美粧性を向上させることも提案されている(特許文献1、2)。しかし、骨材を増量すると増粘しやすく、樹脂モルタル組成物の流動性が著しく低下する問題がある。
【0005】
特定の種類及び量のモノマーを含むシラップと、特定量のワックスとを含有するシラップ組成物に骨材を配合することで、高強度で、かつ上塗り層との密着性に優れた塗膜を形成できる樹脂モルタル組成物も提案されている(特許文献3)。しかし、この樹脂モルタル組成物も同様に、骨材を増量すると増粘しやすく、流動性が著しく低下する問題がある。
【0006】
硬化収縮を抑えるために骨材量を多くでき、かつコンクリート基盤への樹脂モルタル組成物の浸透性等を良好に維持できることから、セラミック骨材とガラスビーズの混合物を用いることが提案されている(特許文献4)。しかし、コンクリート基盤への樹脂モルタルの浸透性が高まり、樹脂モルタル組成物の流動性は得られるものの、樹脂と骨材成分が分離しやすくなる問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開平8-209058号公報
特開2015-98527号公報
特開2013-7000号公報
特開2015-229683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記の各課題を解決すべくなされたものであり、常温から低温の幅広い温度条件下において短時間での硬化が可能で、塗装後に硬化するまでの間に優れた流動性を有しつつ、かつ塗膜が硬化するまでの間に樹脂と骨材の分離を抑制することができる樹脂モルタル組成物、及び前記樹脂モルタル組成物を用いた積層体とその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以下の構成を含む。
[1]樹脂組成物(x)100質量部に対して、骨材(H)50~2,000質量部を配合してなる樹脂モルタル組成物であって、
前記骨材(H)100質量%中、粒子径が1,180μmを超える骨材の割合が0~1質量%、粒子径が850μmを超える骨材の割合が0~10質量%、粒子径が300μmを超える骨材(h3)の割合が30~70質量%であり、
下記式(1)で求めた前記骨材(h3)の比表面積の積算値(S3)が25~70cm
2
/gであり、
下記式(3)で求めた前記骨材(H)の全比表面積の積算値(S)に対する、前記比表面積の積算値(S3)の割合R
S3
が3~16%である、樹脂モルタル組成物。
S3=6/(D
1
×d×W
1
/100)+6/(D
2
×d×W
2
/100)+6/(D
3
×d×W
3
/100)+6/(D
4
×d×W
4
/100)+6/(D
5
×d×W
5
/100) ・・・式(1)
(ただし、前記式(1)中、S3は比表面積の積算値(cm
2
/g)であり、D
1
=300(μm)/10000=0.03(cm)、D
2
=450(μm)/10000=0.045(cm)、D
3
=600(μm)/10000=0.06(cm)、D
4
=850(μm)/10000=0.085(cm)、D
5
=1180(μm)/10000=0.118(cm)である。W
1
~W
5
は、それぞれ下記骨材(H5)~(H9)の前記骨材(H)に占める割合(質量%)である。dは、前記骨材(H)のかさ比重(g/cm
3
)であり、下記の骨材のかさ比重の測定方法により求められる。)
S=6/(D
6
×d×W
6
/100)+6/(D
7
×d×W
7
/100)+6/(D
8
×d×W
8
/100)+6/(D
9
×d×W
9
/100)+6/(D
10
×d×W
10
/100)+6/(D
11
×d×W
11
/100)+6/(D
12
×d×W
12
/100)+6/(D
13
×d×W
13
/100)+6/(D
14
×d×W
14
/100) ・・・式(3)
(ただし、前記式(3)中、Sは前記骨材(H)の全比表面積の積算値(cm
2
/g)であり、D
6
=50(μm)/10000=0.005(cm)、D
7
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、常温から低温の幅広い温度条件下において短時間での硬化が可能で、塗装後に硬化するまでの間に優れた流動性を有しつつ、かつ塗膜が硬化するまでの間に樹脂と骨材の分離を抑制することができる樹脂モルタル組成物、及び前記樹脂モルタル組成物を用いた積層体とその製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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