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公開番号2025036160
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-14
出願番号2024128929
出願日2024-08-05
発明の名称赤色焼結体及びその製造方法
出願人東ソー株式会社
代理人
主分類C04B 35/488 20060101AFI20250306BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】
三価セリウムの発色に基づき、主として反射光により赤色を呈色する焼結体であって、昼光下において鮮やかな赤色を呈するジルコニアの焼結体及びその製造方法の少なくともいずれかを提供する。
【解決手段】
セリウム、アルミニウム、イットリウム、及び、調色元素を含有し、
CeO2換算したセリウムの含有量が1.5mol%以上6.0mol%以下、
Al2O3換算したアルミニウムの含有量が0.05mol%以上4.0mol%以下、
Y2O3換算したイットリウムの含有量が2.0mol%以上6.0mol%以下、及び
酸化物換算した調色添加元素の含有量が0mol%超4.0mol%以下であり、
該セリウムが三価セリウム(Ce3+)を含み、
該調色元素が、イットリウム及びセリウム以外の希土類元素、並びに、アルカリ土類金属元素の少なくともいずれかの元素であり、なおかつ、
四価ジルコニウム(Zr4+)のイオン半径に対する、該調色元素のイオン半径の比が1.00超1.60以下である、
ジルコニアの焼結体。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
セリウム、アルミニウム、イットリウム、及び、調色元素を含有し、
CeO

換算したセリウムの含有量が1.5mol%以上6.0mol%以下、
Al



換算したアルミニウムの含有量が0.05mol%以上4.0mol%以下、




換算したイットリウムの含有量が2.0mol%以上6.0mol%以下、及び
酸化物換算した調色添加元素の含有量が0mol%超4.0mol%以下であり、
該セリウムが三価セリウム(Ce
3+
)を含み、
該調色元素が、イットリウム及びセリウム以外の希土類元素、並びに、アルカリ土類金属元素の少なくともいずれかの元素であり、なおかつ、
四価ジルコニウム(Zr
4+
)のイオン半径に対する、該調色元素のイオン半径の比が1.00超1.60以下である、
ジルコニアの焼結体。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記ジルコニアが、結晶構造に正方晶と立方晶を含む、請求項1に記載の焼結体。
【請求項3】
前記調色元素が、カルシウム、マグネシウム、エルビウム、ホルミウム、ジスプロシウム、テルビウム、ガドリニウム、ユウロピウム、サマリウム、ネオジム、プラセオジウム、及びランタンの群から選ばれる1以上である、請求項1又は2に記載の焼結体。
【請求項4】
前記調色元素のイオン半径の比が1.33超1.40以下である、請求項1又は2に記載の焼結体。
【請求項5】






表色系において、色相b

に対する色相a

の比(a

/b

)が2.0≦(a

/b

)である、請求項1又は2に記載の焼結体。
【請求項6】
波長700nmにおける光に対する反射率(R
700
)と波長600nmにおける光に対する反射率(R
600
)の比(R
700
/R
600
)が2.4≦(R
700
/R
600
)である、請求項1又は2に記載の焼結体。
【請求項7】
XRDパターンにおける2θ=30.0±0.3のピークトップの高さに対する2θ=37.0±0.3の高さの比が0.005以下である、請求項1又は2に記載の焼結体。
【請求項8】
セリウム源、アルミニウム源、イットリウム含有ジルコニア源、及び、調色元素源を含有し、
CeO

換算したセリウムの含有量が1.5mol%以上6.0mol%以下、
Al



換算したアルミニウムの含有量が0.05mol%以上4.0mol%以下、




換算したイットリウムの含有量が2.0mol%以上6.0mol%以下、及び、
酸化物換算した調色元素の含有量が0mol%超4.0mol%以下であり、
該調色元素源が、イットリウム及びセリウム以外の希土類元素、並びに、アルカリ土類金属元素の少なくともいずれかの元素を含む化合物であり、なおかつ、
四価ジルコニウム(Zr
4+
)のイオン半径に対する、該調色元素のイオン半径の比が1.0超1.6以下である、粉末組成物
【請求項9】
請求項8に記載のジルコニアの粉末組成物を成形し成形体を得る成形工程、該成形体を常圧焼結し一次焼結体を得る工程、及び、該一次焼結体を還元雰囲気で焼結する二次焼結工程、を有する請求項1又は2に記載の焼結体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ジルコニアを主成分とし、赤色を呈する焼結体及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
装飾部材や電子機器材料の外装部品への使用のため、着色成分を含むジルコニア焼結体、いわゆる着色ジルコニア焼結体が求められており、中でも着色成分として酸化セリウム(CeO

)を含むジルコニア焼結体が注目されている。
【0003】
例えば、着色剤として0.5mol%以上のCeO

を含み、セリウムを還元させて得られた正方晶ジルコニアからなるジルコニア焼結体が赤色を呈する焼結体として報告されている(特許文献1)。また、酸化セリウムを還元した還元セリア(Ce



)を含み、立方晶からなる透光性ジルコニア焼結体が報告されている(特許文献2)。これまで報告されている赤色を呈するジルコニア焼結体と比べ、特許文献2に係るジルコニア焼結体の色調はより赤味の強い呈色を示していた。さらに、特許文献3では、ジルコニア焼結体に着色成分として酸化セリウムとネオジム酸化物を含有し、還元処理を施すことで590nmと630nmの光の波長に対する反射率の差が大きくなることを報告している。
【0004】
一方で、特許文献4では、酸化セリウムを着色成分とする赤色ジルコニア焼結体においては、アルミニウム化合物を共存させることでジルコニア焼結体が均一な着色を呈し、焼結体の厚みによる色調の変化がないことが報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開昭62-83366号公報
特開2011-207745号公報
特開2017-132647号公報
特開2017-75086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2のジルコニア焼結体は非常に高い透光性を有し、その呈色は透過光による発色である。透過光による呈色は、着色ガラスの様な透明感のある色調であり、焼結体の厚みにより色調が大きく変化する。そのため、このジルコニア焼結体は小さい部材や薄い部材として使用した場合、呈色が非常に弱くなる。
【0007】
これに対し、特許文献1及び3の焼結体は、主として焼結体表面の反射光により呈色するため、部材の大きさによらず安定した呈色示す。特許文献1で報告されてきた酸化セリウムを含有するジルコニア焼結体は、いずれも赤系統の色調を示す。しかしながら、これらの色調は、橙色から赤色の中間色、茶色から赤色の中間色、又は黒色から赤色の中間色を有するものであり、純粋な赤色ではなかった。また、特許文献3で開示されている酸化セリウム及び酸化ネオジムを含有するジルコニア焼結体は、酸化ネオジムを含有することで赤味が強まった焼結体であったが、依然として橙色から赤色の中間色を有するものであ
った。
【0008】
特許文献4のジルコニア焼結体の色調は橙色から赤色の中間色を有するものであり、純粋な赤色としての審美性を有するものではなかった。
【0009】
これらの課題に鑑み、本開示は三価セリウムの発色に基づき、主として反射光により赤色を呈色する焼結体であって、昼光下において鮮やかな赤色を呈するジルコニアの焼結体及びその製造方法の少なくともいずれかを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、三価セリウムを着色成分とし、なおかつ、反射光によって赤色を呈色するジルコニア焼結体について検討した。その結果、三価セリウムを着色成分とするジルコニア焼結体においては、アルミニウム及び特定の調色元素を含有することで、ジルコニアの焼結体が昼光下において鮮やかな赤色を呈することを見出した。
(【0011】以降は省略されています)

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