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公開番号2025154957
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-10
出願番号2024058269
出願日2024-03-29
発明の名称軽量繊維層及びその形成方法
出願人太平洋マテリアル株式会社
代理人
主分類C04B 28/02 20060101AFI20251002BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】結合材スラリーと粒状繊維を主成分として形成した繊維層(第1層)の表面を、第1層の形成で用いた結合材スラリーと異なる色合いの(色差のある)結合材スラリーを用いて第2層で被覆したときに表面に色むらが生じない技術(軽量繊維層、軽量繊維層の形成方法)を提供すること。
【手段】結合材スラリーと粒状繊維を主成分として形成した第1層の繊維層の表面を、第1層の結合材スラリーと色差がある結合材スラリーと粒状繊維を主成分とする第2層の繊維層で、前記第1層の表面が見えないように全て覆うことにより、上記課題を解決できる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
結合材スラリーと粒状繊維を主成分とする第1層と、前記第1層の結合材スラリーと色差がある結合材スラリーと粒状繊維を主成分とする第2層とを具備し、前記第1層の表面を当該第2層が覆っていることを特徴とする軽量繊維層。
続きを表示(約 330 文字)【請求項2】
前記色差が、マンセルカラーシステムの明度の差が2以上、彩度の差が4以上、及び/又は色相の差が4以上である請求項1記載の軽量繊維層。
【請求項3】
前記第2層の表面を、前記第2層の結合材スラリーと色差がマンセルカラーシステムの明度の差が1以下、彩度の差が3以下且つは色相の差が3以下である結合材スラリーを主成分とする第3層が覆っていることを特徴とする請求項1又は2に記載の軽量繊維層。
【請求項4】
結合材スラリーと粒状繊維を主成分とする第1層を形成し、前記第1層の結合材スラリーと色差がある結合材スラリーと粒状繊維を主成分とする第2層により、前記第1層の表面を被覆することを特徴とする軽量繊維層の形成方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、軽量繊維層に関する。特に、結合材スラリーと軽量繊維とを主成分とする2以上の層が積層した層からなり、表面の色斑(色むら)が目視で分からない軽量繊維層に関する。
続きを表示(約 4,300 文字)【背景技術】
【0002】
耐火性、防火性、吸音性および/または断熱性などを付与する目的で、構造物表面等の下地にロックウール等の繊維層を設けることが行われている。当該繊維層の形成には、一般的には、粒状繊維(直径数mm~数cmの繊維塊)と、セメントや珪酸アルカリ等の無機質結合材や酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、合成ゴム等のポリマーからなる有機質結合材と水を主成分とする結合材スラリーを用いた吹付工法が用いられることが多い。この吹付工法は半乾式工法と呼ばれており、ロックウール粒状綿とセメントスラリー(セメントと水からなる結合材スラリー)を用いた半乾式工法は、ロックウール粒状繊維がロックウール吹付機(岩綿吹付機)や解綿機等と呼ばれている装置に投入され、内蔵されている回転式カッタ等の解綿部により細粒化され(細かく粒状(直径数mm~数cm程度の繊維塊)にされ)、ロータリフィーダ等の定量供給装置により定量的に圧送経路内に送り出され、ブロワ(送風機)によりホース内を圧送され、吹付ノズルに供給される。セメントはミキサで水と混合されてセメントスラリーとされた後、スラリーポンプにより搬送パイプ(セメントスラリー圧送用ホース)を通って粒状繊維吹付ノズルに配置されている液状材用(セメントスラリー用)噴霧ノズルに供給される。そのセメントスラリーは、粒状繊維吹付ノズルの周縁に配置されている液状材用(セメントスラリー用)噴霧ノズルから噴射されるか、或いは粒状繊維吹付ノズルの中心軸付近に配置されている液状材用(セメントスラリー用)噴霧ノズルから噴射され、ロックウールと合流・混合し、ロックウールとセメント水和物(セメントスラリーの固化物)からなる繊維層が形成される(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
ロックウール粒状繊維は白色又は白色に極めて近い色をしており、セメントスラリーは灰色で硬化後(固化後)も灰色である。そのため、形成される繊維層が白色と灰色が斑になることがある。繊維層の表面が斑とならないようにするためや繊維層の表面の強度を高めるため等の目的で、ロックウール粒状繊維とセメントスラリーからなる繊維層の表面に、セメントスラリーのみを吹付けセメントスラリー層(セメントスラリーの固化物からなる層)を形成することがある。この場合、繊維層を形成するセメントスラリーとセメントスラリー層を形成するセメントスラリーは同じものであるため、当然に、それぞれのセメントスラリーの色差はない。
【0003】
ところで、住宅や店舗等の建物の内装等に繊維層を用いることを考えた場合等においては、形成される繊維層と異なる色合いを求められることが考えられる。この場合、繊維層を形成するセメントスラリーと異なる色合い、つまり色差のある結合材スラリーを当該繊維層の表面に塗布して結合材スラリーからなる層(結合材スラリーの固化物からなる層)を形成することで解決すると発明者らは考えた。
ここで、繊維層を形成するセメントスラリーと色合いの異なる結合材スラリーを得るには、繊維層を形成するセメントスラリーの作製に用いるセメントと異なる結合材を用いてスラリーを作製することや、繊維層を形成するセメントスラリーに顔料や染料等の着色剤(材)を添加することが考えられる。
そこで、発明者らが実験で確かめたところ、繊維層を形成するセメントスラリーが表面に染み出し、表面が斑となってしまった

【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2006-070546号公報
特開2020-159093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、結合材スラリーと粒状繊維を主成分として形成した繊維層(第1層)の表面を、第1層の形成で用いた結合材スラリーと異なる色合いの(色差のある)結合材スラリーを用いて第2層で被覆したときに表面に色むらが生じない技術を提供することを目的とする。
本発明は、結合材スラリーと粒状繊維を主成分として形成した繊維層(第1層)の表面を、第1層の形成で用いた結合材スラリーと異なる色合いの(色差のある)結合材スラリーを用いて第2層で被覆したときに表面に色むらが生じない軽量繊維層を提供することを目的とする。
また、本発明は、結合材スラリーと粒状繊維を主成分として形成した繊維層(第1層)の表面を、第1層の形成で用いた結合材スラリーと異なる色合いの(色差のある)結合材スラリーを用いて第2層で被覆したときに表面に色むらが生じない軽量繊維層の形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等は、結合材スラリーと粒状繊維を主成分として形成した第1層の繊維層の表面を、第1層の結合材スラリーと色差がある結合材スラリーと粒状繊維を主成分とする第2層の繊維層で、前記第1層の表面が見えないように全て覆うことで上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。即ち、本発明は、以下の(1)~(3)で表す軽量繊維層、及び(4)で表す軽量繊維層の形成方法である。
(1)結合材スラリーと粒状繊維を主成分とする第1層と、前記第1層の結合材スラリーと色差がある結合材スラリーと粒状繊維を主成分とする第2層とを具備し、前記第1層の表面を当該第2層が覆っていることを特徴とする軽量繊維層。
(2)前記色差が、マンセルカラーシステムの明度の差が2以上、彩度の差が4以上、及び/又は色相の差が4以上である上記(1)の軽量繊維層。
(3)前記第2層の表面を、前記第2層の結合材スラリーと色差がマンセルカラーシステムの明度の差が1以下、彩度の差が3以下且つは色相の差が3以下である結合材スラリーを主成分とする第3層が覆っていることを特徴とする上記(1)又は(2)の軽量繊維層。
(4)結合材スラリーと粒状繊維を主成分とする第1層を形成し、前記第1層の結合材スラリーと色差がある結合材スラリーと粒状繊維を主成分とする第2層により、前記第1層の表面を被覆することを特徴とする軽量繊維層の形成方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、結合材スラリーと粒状繊維を主成分として形成した繊維層(第1層)の表面を、第1層の形成で用いた結合材スラリーと異なる色合いの(色差のある)結合材スラリーを用いて第2層で被覆したときに表面に色むらが生じない軽量繊維層が得られる。
また、本発明によれば、結合材スラリーと粒状繊維を主成分として形成した繊維層(第1層)の表面を、第1層の形成で用いた結合材スラリーと異なる色合いの(色差のある)結合材スラリーを用いて第2層で被覆したときに表面に色むらが生じない軽量繊維層の形成方法が得られる。
本発明によれば、軽量繊維層の表面が斑とならずに色むらが生じずに、軽量繊維層の表面を所望の色とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、半乾式ロックウール吹付け方法に用いる吹付け装置の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の軽量繊維層は、結合材スラリーと粒状繊維を主成分とする第1層と、前記第1層の結合材スラリーと色差がある結合材スラリーと粒状繊維を主成分とする第2層とを具備し、前記第1層の表面を当該第2層が覆っていることを特徴とする。ここで、軽量とは、絶乾嵩密度が1.0g/cm

以下とする。ここで、絶乾嵩密度は、形成した繊維層から内径80mmのロックウール専用切り抜き器で円柱状に切り抜く等して得た繊維層の供試体の外寸から供試体の体積(V)を求め、当該供試体を乾燥機に入れ恒量になるまで105℃で乾燥させ、乾燥後の供試体の質量(M)から次式(1)により嵩密度(ρ)を求め絶乾嵩密度とする。
ρ=M/V ・・・・・ (1)
【0010】
本発明に用いる粒状繊維としては、セルロース繊維、ナイロン繊維やポリプロピレン繊維等の合成繊維やセルロース繊維等の有機繊維及び無機繊維の粒状繊維が挙げられ、耐火性の点で非金属の無機繊維のものが好ましく、例えば、ロックウール、グラスウール、セラミックスウールから選ばれる無機繊維の粒状繊維が、耐久性、吸音性又は断熱性の点で好ましく、ロックウール又はセラミックスウールのものが、800℃以上に晒されても溶融せずに形状を維持でき、耐熱性又は耐火性の点で優れることからより好ましい。ここで、ロックウールとは、溶融炉で溶融された岩石や高炉スラグ等を主体とする材料が、急冷されながら、繊維化された素材(鉱物繊維)である。例えば、高炉スラグを主体とする材料より製造されたスラグウールなどもロックウールに含まれる。本発明に用いる粒状繊維としては、ロックウール粒状綿のように塊状(粒状)のものが、形成したロックウール組成物層の熱伝導率が小さく且つ形成した第1層(第1の繊維層)の形状を保持する性能が優れることから好ましい。本発明に用いる粒状繊維としては、ロックウール系耐火被覆材で用いるロックウール粒状綿のように塊状(粒状、直径数mm~数cmの繊維塊)のものが、形成したロックウール組成物層の熱伝導率が小さく、且つ形成した基材層の形状を保持する性能が優れることから好ましい。
塊状のロックウールは、繊維化された鉱物繊維を集めただけの原綿を解砕、解綿、切断、分級(例えば、篩い分け)、造粒などの工程の一種又は二種以上の組み合わせを経て得られる粒状綿が好ましい。ロックウールの粒状綿としては、ロックウールの細粒綿及び微粒綿を含むものであり、日本ロックウール社製「エスファイバー粒状綿」(商品名)、JFEロックファイバー社製「ロクセラム粒状綿」(商品名)、太平洋マテリアル社製「太平洋ミネラルファイバー粒状綿」(商品名)等の市販のロックウールの粒状綿、細粒綿、微粒綿を好適に用いることが出来る。斯かるロックウール粒状綿が用いられた場合、熱がロックウールを被覆する下地に伝わり難く、断熱性、耐火性又は不燃性が得られ、また、吸音性も得られる。
(【0011】以降は省略されています)

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