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公開番号2025039320
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-21
出願番号2023146338
出願日2023-09-08
発明の名称スクリーニング方法及び揮発性硫黄化合物生成抑制剤
出願人エステー株式会社
代理人弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
主分類C12Q 1/02 20060101AFI20250313BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】 揮散型消臭剤である揮発性硫黄化合物生成抑制剤の有効成分として有用な物質のスクリーニング方法を提供する。
【解決手段】 揮発性硫黄化合物生成活性を阻害する物質のスクリーニング方法が提供される。スクリーニング方法は、被検物質の存在下又は非存在下において、揮発性硫黄化合物生成活性を有する生体触媒の触媒反応により揮発性硫黄化合物の発生源から揮発性硫黄化合物を生成させること、及び、上記被検物質の存在下での上記揮発性硫黄化合物の生成量と、上記被検物質の非存在下での上記揮発性硫黄化合物の生成量との差を指標として、上記生体触媒に対し揮発性硫黄化合物生成活性を阻害する物質を選別することを含み、上記被検物質の存在下における上記触媒反応は、上記被検物質を気化させ、これを気相で反応系に導入した状態で行われる。
【選択図】 なし

特許請求の範囲【請求項1】
揮発性硫黄化合物生成活性を阻害する物質のスクリーニング方法であって、
被検物質の存在下又は非存在下において、揮発性硫黄化合物生成活性を有する生体触媒の触媒反応により揮発性硫黄化合物の発生源から揮発性硫黄化合物を生成させること、及び、
前記被検物質の存在下での前記揮発性硫黄化合物の生成量と、前記被検物質の非存在下での前記揮発性硫黄化合物の生成量との差を指標として、前記生体触媒に対し揮発性硫黄化合物生成活性を阻害する物質を選別すること
を含み、
前記被検物質の存在下における前記触媒反応は、前記被検物質を気化させ、これを気相で反応系に導入した状態で行われるスクリーニング方法。
続きを表示(約 690 文字)【請求項2】
揮発性硫黄化合物生成抑制剤の有効成分のスクリーニングに用いられる請求項1に記載のスクリーニング方法。
【請求項3】
前記揮発性硫黄化合物生成抑制剤は揮散型消臭剤である請求項2に記載のスクリーニング方法。
【請求項4】
前記生体触媒は、微生物又は酵素から選択される1以上を含む請求項1に記載のスクリーニング方法。
【請求項5】
前記生体触媒は、バチルス属、ゲオトリクム属及びガラクトマイセス属から選択される1以上の微生物を含む請求項1に記載のスクリーニング方法。
【請求項6】
前記生体触媒は、バチルス・セレウス、バチルス・ミコイデス、ゲオトリクム・カディダム及びガラクトマイセス・カンディダムから選択される1以上の微生物を含む請求項1に記載のスクリーニング方法。
【請求項7】
前記生体触媒は、メチオニナーゼ及びシステイン脱硫黄酵素から選択される1以上の酵素を含む請求項1に記載のスクリーニング方法。
【請求項8】
前記揮発性硫黄化合物は、メチルメルカプタン又は硫化水素である請求項1に記載のスクリーニング方法。
【請求項9】
前記揮発性硫黄化合物の前記発生源は、メチオニン又はシステインである請求項1に記載のスクリーニング方法。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか1項に記載のスクリーニング方法によりスクリーニングされた揮発性硫黄化合物生成活性を阻害する前記物質の1以上を有効成分として含有する揮発性硫黄化合物生成抑制剤。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、揮発性硫黄化合物生成活性を阻害する物質のスクリーニング方法及び揮発性硫黄化合物生成抑制剤に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
揮発性硫黄化合物は、生ごみなどの腐敗が進行したときに発生する腐敗臭に含まれる成分である。揮発性硫黄化合物は、低濃度でも腐敗臭が感じられる家庭環境内における不快なニオイ成分の一つであり、これらの化合物の有効な消臭又は防臭技術が求められている。特に、揮発性硫黄化合物は比較的安定な中性化合物であるため、化学的に分解や吸着により消臭することが困難であり、その有効な消臭又は防臭技術の要望は大きい。
【0003】
生ごみが腐敗臭である揮発性硫黄化合物を発生するのは、それらがバクテリアにより分解されて、悪臭ガスであるメチルメルカプタン又は硫化水素などの揮発性硫黄化合物が産生されることによる。例えば、揮発性硫黄化合物のうち、硫化水素は含硫アミノ酸であるシステインからシステイン脱硫黄酵素の作用により生成され、メチルメルカプタンはメチオニンからメチオニナーゼ(メチオニン-γ-リアーゼ)の作用によって生成される。また、家庭内環境における揮発性硫黄化合物の生成においては、好気性グラム陰性菌の一種である緑膿菌や通性嫌気性グラム陰性細菌の一種である大腸菌が原因菌となっている場合がある(例えば、特許文献1を参照)。
【0004】
特許文献1は、種々の香料成分が、揮発性硫黄化合物の生成に対して抑制効果を有することを報告している。具体的には、デカナール、ヘキサナール、オクタナール、ベンズアルデヒド、シトラール、シトロネラール、ヒドロキシシトロネラール、β-イオノン、メチルジヒドロジャスモネート、cis-ジャスモン、リラール、ヌートカトン、グロバノン、ネロリドール、ヘリオトロピン、フェニルプロピルアルデヒド、アニスアルデヒド、バニリン、シクラメンアルデヒド、エチルバニリン、ヘリオナール、フェニルアセトアルデヒド、シンナミックアルデヒド、アミルシンナミックアルデヒド、ヘキシルシンナミックアルデヒド、メチルノニルアセトアルデヒド、ウンデセナール、ウンデカナール、ドデカナール、ノナナール、デュピカール、トリプラール、マイラックアルデヒド、β-ダマスコン、γ-メチルイオノン、α-イオノン、α-ダマスコン、α-メチルイオノン、8-シクロヘキサデセン-1-オン、9-シクロヘプタデセン-1-オン、4-シクロペンタデセン、7-シクロヘキサデセノライド、10-オキサ-16-ヘキサデセノライド、及びフェニルアセトアルデヒドジメチルアセタールが、システインからの揮発性硫黄化合物の生成、並びに、メチオニンからの揮発性硫黄化合物の生成を阻害することを報告している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2008-173441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された発明は、家庭内環境において、不快臭である揮発性硫黄化合物の発生しやすい箇所に局所的に適用することにより、揮発性硫黄化合物の生成を抑制する製剤に関するものである(例えば、段落0009、0023等)。ここに開示された製剤は、具体的には、スプレー型消臭剤、食器用洗浄剤、柔軟剤である(例えば、段落0044乃至0049の実施例5乃至7等)。つまり、特許文献1に開示された製剤は、揮発性硫黄化合物の発生源を含む系に上記香料を液状の形態で作用(以下において、「液相反応」という。)させる薬剤を想定している。
【0007】
このため、特許文献1において、製剤に有効成分として使用する上記香料成分のスクリーニング試験では、液相反応により上記香料成分が有する揮発性硫黄化合物生成の抑制能を評価している。すなわち、上記スクリーニング試験では、揮発性硫黄化合物の発生源であるメチオニン又はシステインを含有する基質溶液に、揮発性硫黄化合物の生成を触媒する微生物又は微生物由来の酵素と被検物質である上記香料とを含有する溶液を接触させて反応させることにより、上記香料成分が有する揮発性硫黄化合物生成の抑制能を評価している(例えば、段落0032乃至42の実施例1乃至4等)。
【0008】
ところで、例えば蓋つきのゴミ箱などにおいて、蓋の内側に取り付ける、吊るす、などして用いられる容器に収容された液状消臭剤がある。このタイプの液状消臭剤は揮散性(揮散型消臭剤)である。この揮散型消臭剤を収容する容器は、例えばガスを透過するが液体を透過しない微多孔性シートを一部に備え、液状消臭剤から気化した有効成分が微多孔性シートを介して容器の外に揮散する。この場合において、容器の外に揮散した有効成分は、気相において揮発性硫黄化合物の発生源から揮発性硫黄化合物が生成される反応系に導入され作用(以下において、「気相反応」という。)する。
【0009】
本発明者らによる鋭意研究により、上記有効成分、すなわち、揮発性硫黄化合物生成活性を有する微生物又は酵素等の生体触媒の活性を阻害する化合物(以下において、「触媒活性阻害剤」などとも称する。)が、揮発性硫黄化合物の発生源及び生体触媒を含む系に対し液相反応するか、あるいは気相反応するかによって、触媒活性阻害剤が生体触媒に及ぼす作用機序が異なることが見出された。
【0010】
すなわち、液相反応では優れた触媒活性抑制能を有する化合物が気相反応では同様の触媒活性抑制能を発揮し得ない場合があり、特許文献1に開示された液相反応による上記スクリーニング試験によっては、気相反応で生体触媒に作用することが想定された触媒活性抑制剤を適切にスクリーニングできないことが見出された。このスクリーニング方法が適切でない場合、揮散型消臭剤に係る揮発性硫黄化合物生成抑制剤に有効成分として使用される触媒活性阻害剤を選別することが困難となる。
(【0011】以降は省略されています)

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