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公開番号
2025039135
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-21
出願番号
2023146011
出願日
2023-09-08
発明の名称
髄液拍動緩衝装置
出願人
国立大学法人 鹿児島大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
A61M
1/00 20060101AFI20250313BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】オーバードレナージの発生を緩和することができ、脳室における髄液の拍動を緩衝することにより水頭症の発症及び進行を抑制することが期待できる髄液拍動緩衝装置を提供する。
【解決手段】髄液拍動緩衝装置10は、一端部C11が脳室BVに留置される脳室カテーテルC1の他端部C12に接続され、脳室BVから脳室カテーテルC1の内部を流れてくる髄液が貯溜される貯溜部Sを内部に有する緩衝体20を備える。緩衝体20は、心臓の拍動に伴って脳室BVで髄液が移動する髄液の拍動により、髄液が脳室カテーテルC1の内部から貯溜部Sへ移動したときに膨張し、髄液が貯溜部Sから脳室カテーテルC1の内部へ移動したときに収縮する。
【選択図】図5
特許請求の範囲
【請求項1】
一端部が脳室に留置される脳室カテーテルの他端部に接続され、前記脳室から前記脳室カテーテルの内部を流れてくる髄液が貯溜される貯溜部を内部に有する緩衝体を備え、
前記緩衝体は、
心臓の拍動に伴って前記脳室で前記髄液が移動する前記髄液の拍動により、
前記髄液が前記脳室カテーテルの内部から前記貯溜部へ移動したときに膨張し、前記髄液が前記貯溜部から前記脳室カテーテルの内部へ移動したときに収縮する、
髄液拍動緩衝装置。
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【請求項2】
前記緩衝体の前記貯溜部の容積は10~60mLである、
請求項1に記載の髄液拍動緩衝装置。
【請求項3】
板面に前記緩衝体が固定されるベースプレートをさらに備える、
請求項1又は2に記載の髄液拍動緩衝装置。
【請求項4】
前記緩衝体として、
前記脳室カテーテルの他端部に接続され、前記貯溜部である第1貯溜部を内部に有する第1緩衝体と、
前記第1緩衝体に接続され、第2貯溜部を内部に有する第2緩衝体と、
を有し、
前記第1緩衝体と前記第2緩衝体が互いに接続された状態で、前記第1貯溜部と前記第2貯溜部が連通する、
請求項1又は2に記載の髄液拍動緩衝装置。
【請求項5】
前記脳室カテーテルと前記緩衝体との間に位置し、前記脳室と前記貯溜部との間で前記髄液の拍動によらず前記髄液が移動することを規制するための髄液規制バルブをさらに備え、
前記髄液規制バルブは、
前記脳室カテーテルの他端部に接続される第1開口及び前記緩衝体に接続される第2開口が形成され、前記第1開口及び前記第2開口それぞれに連通して前記髄液が通過する流路部を内部に有する筐体と、
前記筐体の前記流路部に移動可能に収納された弁体と、を有し、
前記弁体は、
前記脳室の髄液圧が前記貯溜部の髄液圧よりも低くなったときに、前記脳室カテーテルから前記流路部に流れ込む前記髄液により前記第2開口側へ移動して前記流路部の幅を狭め、
前記貯溜部の髄液圧が前記脳室の髄液圧よりも高くなったときに、前記貯溜部から前記流路部に流れ込む前記髄液により前記第1開口側へ移動して前記流路部の幅を狭める、
請求項1又は2に記載の髄液拍動緩衝装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、髄液の拍動による脳への衝撃を緩和して水頭症の発症及び進行を抑制するための髄液拍動緩衝装置に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
脳及び脊髄は、頭蓋骨及び脊椎の内部で、クモ膜下腔を満たす脳脊髄液(以下、髄液と称する。)に浮かんだ状態にある。脳の内部には、脳室と呼ばれる空洞がある。髄液は、その脳室にある脈絡叢により産生されている。
【0003】
脈絡叢により産生された髄液は、脳室からクモ膜下腔へ流れ出ている。クモ膜下腔の髄液は、クモ膜顆粒から静脈洞に吸収されている。このように、髄液は、脳室及びクモ膜下腔を常に満たしながら循環している。
【0004】
髄液の循環に異常が生じることによって発症する疾患に、水頭症がある。水頭症は、脳室で過剰になった髄液が脳を圧迫し、脳の機能を低下させる疾患である。水頭症には、脳室が拡大し、脳の形態が変化している所見がある。水頭症の患者には、例えば歩行障害、認知症、尿失禁、頭痛、嘔吐、意識障害などの症状が現れる。
【0005】
水頭症を治療する一般的な方法に、シャント術がある。シャント術は、特許文献1に開示されているように、髄液が溜まる脳室又は脊髄側のクモ膜下腔と、髄液の吸収が可能な身体の部位である心房又は腹腔と、をカテーテルにより繋ぐ手術方法である。シャント術によれば、脳室又はクモ膜下腔の余分な髄液がカテーテルを通じて腹腔又は右心房へ排出される。そのため、脳が髄液によって圧迫されることがなく、症状の改善が期待できる。
【0006】
しかし、シャント術は、手術後に髄液の排出量が過剰となるオーバードレナージが頻発する問題がある。オーバードレナージは、脳室の髄液減少、及び頭蓋内圧の低下による低頭蓋内圧症を引き起こす。その結果、患者に、例えば急激な頭痛、意識障害、硬膜下血腫、硬膜下水腫などの合併症が生じる懸念がある。このオーバードレナージを抑制するために、特許文献1に開示される一般的なカテーテルは、その中途部に髄液の排出量を調節する流量調節バルブを有している。
【0007】
一方で、研究者らは、研究解析により、水頭症が髄液の拍動による過剰な圧力によっても発症することを見出している。脳は、心拍に伴い拍動している。詳細には、脳は、心臓から血液が送られてきたときに膨張し、心臓に血液が戻るときに収縮している。この脳の膨張及び収縮に伴い、髄液が移動する髄液の拍動が生じている。また、脊髄は、脊髄クモ膜下腔を満たす髄液に浮かんだ状態で、その外側の脊髄硬膜嚢と共に脊椎の脊柱管の内部に位置している。この脊髄硬膜嚢と脊柱菅の間には、脊髄硬膜外腔と呼ばれる隙間がある。脊髄硬膜外腔には、脂肪組織及びBatson静脈叢と呼ばれる網目状の静脈が存在している。
【0008】
非特許文献1及び非特許文献2に開示されているように、発明者らは、研究解析によって、脊髄硬膜外腔の脂肪組織及びBatson静脈叢が髄液の拍動及び頭蓋内圧の急激な変化を受け止める緩衝の機能を果たしていることを確認している。詳細には、髄液減少症及びオーバードレナージによる髄液の減少の初期段階では、脊髄硬膜嚢が収縮したときに、Basto静脈叢が拡張して脊髄硬膜外腔が全体的に膨張する。そして、そのときの頭蓋内圧は正常であり、脳の変形が抑制されていたことを報告している。
【0009】
これらの研究解析の結果から、発明者らにより見出された水頭症の発症機序は、次の通りである。髄液は、体組織によって緩慢に吸収される形で自然排出されている。クモ膜下腔において、脳側と脊髄側との間の髄液の移動が制限されると、脊髄硬膜外腔の脂肪組織及びBatson静脈叢によって髄液の拍動が緩衝されなくなる。その状態が続くと、頭蓋内の髄液が拍動するたびに脳が繰り返し圧迫される。その結果、脳室が拡張且つ脳の形態が変形して、水頭症が発症及び進行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開2023-29964号公報
【非特許文献】
(【0011】以降は省略されています)
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