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公開番号2025035579
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-14
出願番号2023142708
出願日2023-09-04
発明の名称塩化ビニル樹脂組成物
出願人信越ポリマー株式会社
代理人個人,個人
主分類C08L 27/06 20060101AFI20250307BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】皮脂や汗の付着による劣化が少なく、耐寒性にも優れた成形品の製造に適した塩化ビニル樹脂組成物を提供する。
【解決手段】塩化ビニル系樹脂と、フタル酸系可塑剤と、ポリエステル系可塑剤と、を含む塩化ビニル樹脂組成物であって、前記フタル酸系可塑剤及び前記ポリエステル系可塑剤の合計の含有量に対する、前記フタル酸系可塑剤の含有量が、30~70質量%である、塩化ビニル樹脂組成物。前記フタル酸系可塑剤はフタル酸ジイソノニルであることが好ましい。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
塩化ビニル系樹脂と、フタル酸系可塑剤と、ポリエステル系可塑剤と、を含む塩化ビニル樹脂組成物であって、
前記フタル酸系可塑剤及び前記ポリエステル系可塑剤の合計の含有量に対する、前記フタル酸系可塑剤の含有量が、30~70質量%である、塩化ビニル樹脂組成物。
続きを表示(約 340 文字)【請求項2】
前記フタル酸系可塑剤がフタル酸ジイソノニルである、請求項1に記載の塩化ビニル樹脂組成物。
【請求項3】
JIS K 7216:1980に従って測定した、ぜい化温度が-35℃以下である、請求項2に記載の塩化ビニル樹脂組成物。
【請求項4】
前記ポリエステル系可塑剤の25℃における粘度が1000~5000mPa・sである、請求項3に記載の塩化ビニル樹脂組成物。
【請求項5】
前記塩化ビニル樹脂組成物をシート状に成形した試験片を80℃のオレイン酸に70時間浸漬する試験において、前記試験片の浸漬前の重量に対する浸漬後の重量で表される重量減少率が10重量%以下である、請求項4に記載の塩化ビニル樹脂組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、皮脂や汗に対する耐性が高められた塩化ビニル樹脂組成物に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来、塩化ビニル樹脂組成物は、自動車部品、電子・電気機器部品等の成形品や、通信ケーブル、電線等の被覆材等に使用されている(例えば特許文献1)。これら成形品のうち、人が触れる機会が多い成形品には、皮脂や汗に対する耐性が求められることがある。皮脂や汗には遊離脂肪酸(特にオレイン酸)が含まれるので、成形品に遊離脂肪酸が接触したまま放置されると、変色や劣化などの問題が生じてしまう。また、これら成形品には耐寒性が高いことも同時に求められることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-070066号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、皮脂や汗の付着による劣化が少なく、耐寒性にも優れた成形品の製造に適した塩化ビニル樹脂組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[1] 塩化ビニル系樹脂と、フタル酸系可塑剤と、ポリエステル系可塑剤と、を含む塩化ビニル樹脂組成物であって、前記フタル酸系可塑剤及び前記ポリエステル系可塑剤の合計の含有量に対する、前記フタル酸系可塑剤の含有量が、30~70質量%である、塩化ビニル樹脂組成物。
[2] 前記フタル酸系可塑剤がフタル酸ジイソノニルである、[1]に記載の塩化ビニル樹脂組成物。
[3] JIS K 7216:1980に従って測定した、ぜい化温度が-35℃以下である、[1]または[2]に記載の塩化ビニル樹脂組成物。
[4] 前記ポリエステル系可塑剤の25℃における粘度が1000~5000mPa・sである、[1]~[3]のいずれかに記載の塩化ビニル樹脂組成物。
[5] 前記塩化ビニル樹脂組成物をシート状に成形した試験片を80℃のオレイン酸に70時間浸漬する試験において、前記試験片の浸漬前の重量に対する浸漬後の重量で表される重量減少率が10重量%以下である、[1]~[4]のいずれかに記載の塩化ビニル樹脂組成物。
【発明の効果】
【0006】
本発明の塩化ビニル樹脂組成物にあっては、皮脂や汗に含まれるオレイン酸に対する耐性が高く、耐寒性にも優れる。このため、特に自動車内装部材として有用である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
≪塩化ビニル樹脂組成物≫
本発明の第一態様は、塩化ビニル系樹脂と、フタル酸系可塑剤と、ポリエステル系可塑剤と、を含む塩化ビニル樹脂組成物(以下、「PVC組成物」ということがある。)である。
【0008】
本態様において、フタル酸系可塑剤及びポリエステル系可塑剤の合計の含有量に対する、フタル酸系可塑剤の含有量は、30~70質量%が好ましく、40~65質量%がより好ましく、45~60質量%がさらに好ましい。
フタル酸系可塑剤の含有量が上記下限値以上であると、耐寒性がより向上する。
フタル酸系可塑剤の含有量が上記上限値以下であると、耐オレイン酸性がより向上する。
【0009】
本態様において、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、フタル酸系可塑剤及びポリエステル系可塑剤の合計の含有量は、40~200質量部が好ましく、60~150質量部がより好ましく、70~100質量部がさらに好ましく、80~95質量部が最も好ましい。
上記合計の含有量が上記範囲の下限値以上であると、PVC組成物の加工性や柔軟性がより向上する。
上記合計の含有量が上記範囲の上限値以下であると、塩化ビニル樹脂が本来的に有する剛性や硬さを活かすことができる。
【0010】
本態様のPVC組成物は、フタル酸系可塑剤及びポリエステル系可塑剤以外のその他の可塑剤を含んでいてもよい。その他の可塑剤として、例えば、エポキシ系可塑剤を含んでいることが好ましい。
その他の可塑剤の含有量は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、1~20質量部が好ましく、2~15質量部がより好ましく、3~10質量部がさらに好ましく、4~9質量部が最も好ましい。
上記の好ましい範囲であると、フタル酸系可塑剤及びポリエステル系可塑剤によって発揮される耐寒性及び耐オレイン酸性を損なわずに、PVC組成物の加工性や柔軟性をより一層高めることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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