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公開番号2025062571
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-14
出願番号2024157109
出願日2024-09-11
発明の名称油脂粉末配合プラスチック
出願人日清オイリオグループ株式会社
代理人
主分類C08L 91/00 20060101AFI20250407BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】 本発明の目的は、プラスチックに植物由原料を配合することで、石油系原料の使用割合を減らし、環境にやさしいプラスチックを提供すること、また、澱粉を原料とした植物由来の生分解性プラスチックであるポリ乳酸の曇り度合を高めたプラスチックを提供することである。
【解決手段】 プラスチックに、平均粒径が50μm以下で、かつ融点が55℃以上である油脂粉末を配合した油脂粉末配合プラスチックで、好ましくは、該プラスチックが、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、及びポリ乳酸から選ばれるものである油脂粉末配合プラスチック。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
プラスチックに、平均粒径が50μm以下で、かつ融点が55℃以上である油脂粉末を配合したことを特徴とする油脂粉末配合プラスチック。
続きを表示(約 770 文字)【請求項2】
前記プラスチックが、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、及びポリ乳酸から選ばれるものである、請求項1に記載の油脂粉末配合プラスチック。
【請求項3】
前記油脂粉末の配合量が、0.1~35質量%である、請求項1に記載の油脂粉末配合プラスチック。
【請求項4】
前記油脂粉末配合プラスチックが、曇りを有することを特徴とする請求項1に記載の油脂粉末配合プラスチック。
【請求項5】
前記油脂粉末配合プラスチックが、シート状であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の油脂粉末配合プラスチック。
【請求項6】
プラスチックと、平均粒径が50μm以下で、かつ融点が55℃以上である油脂粉末とを混錬し、得られた混錬物を加熱融解及び加圧することを特徴とするシート状の油脂粉末配合プラスチックの製造方法。
【請求項7】
得られた混錬物を、切断後に加圧及び加熱することを特徴とする請求項6に記載のシート状の油脂粉末配合プラスチックの製造方法。
【請求項8】
前記プラスチックが、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、及びポリ乳酸から選ばれるものである、請求項6又は7に記載のシート状の油脂粉末配合プラスチックの製造方法。
【請求項9】
平均粒径が50μm以下で、かつ融点が55℃以上である油脂粉末からなり、プラスチックに曇りを付与させることができることを特徴とするプラスチックの曇付与剤。
【請求項10】
平均粒径が50μm以下で、かつ融点が55℃以上である油脂粉末からなり、プラスチック表面の摩擦力を向上させることを特徴とするプラスチック表面の摩擦力向上剤。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、油脂粉末配合プラスチックに関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
ポリプロピレン、低密度ポリエチレン、および高密度ポリエチレンは、現代の産業分野において広範な用途がある。しかし、これらは石油系原料から製造されるため、環境への負荷という問題が存在している。
近年、環境への配慮や持続可能性を追求する動きが広がっており、代替の原料等が求められている。このような中で、原料中に植物原料を添加することで石油系原料の使用割合を減らし、環境にやさしい製品の開発が注目されている。
植物原料は再生可能な資源であり、地球上に豊富に存在する。また、植物原料は、石油系原料と比較して環境への負荷が低いとされている。そのため、各種樹脂の製造における植物原料の利用は、持続可能な開発に向けた重要な手段となり得るものである。
このような状況から、熱可塑性樹脂に木質系材料を配合した樹脂組成物(特許文献1参照)、木質系材料、樹脂材料、及び耐衝撃向上剤を混合してなるバイオプラスチック(特許文献2参照)、平均粒径が100μm以下である木質系バイオマス焙焼物または木質系バイオマス炭化物の粉砕物を含有し、さらにポリアミド系樹脂を含有する成形用樹脂材料等が開発されてきた(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平10―330624号公報
特開2009-113375号公報
特開2023-83053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、プラスチックに植物由原料を配合することで、石油系原料の使用割合を減らし、環境にやさしいプラスチックを提供することである。
また、本発明の目的は、澱粉を原料とした植物由来の生分解性プラスチックであるポリ乳酸の曇り度合を高めたプラスチックを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、プラスチックに特定の油脂粉末を配合することで石油系原料の使用割合を減らせること、及びポリ乳酸の曇り度合を高められることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は以下に関するものである。
〔1〕プラスチックに、平均粒径が50μm以下で、かつ融点が55℃以上である油脂粉末を配合したことを特徴とする油脂粉末配合プラスチック。
〔2〕前記プラスチックが、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、及びポリ乳酸から選ばれるものである、〔1〕に記載の油脂粉末配合プラスチック。
〔3〕前記油脂粉末の配合量が、0.1~35質量%である、〔1〕又は〔2〕に記載の油脂粉末配合プラスチック。
〔4〕前記油脂粉末配合プラスチックが、曇りを有することを特徴とする〔1〕~〔3〕のいずれか1つに記載の油脂粉末配合プラスチック。
〔5〕前記油脂粉末配合プラスチックが、シート状であることを特徴とする〔1〕~〔4〕のいずれか1つに記載の油脂粉末配合プラスチック。
〔6〕プラスチックと、平均粒径が50μm以下で、かつ融点が55℃以上である油脂粉末とを混錬し、得られた混錬物を加熱融解及び加圧することを特徴とするシート状の油脂粉末配合プラスチックの製造方法。
〔7〕得られた混錬物を、切断後に加圧及び加熱することを特徴とする〔6〕に記載のシート状の油脂粉末配合プラスチックの製造方法。
〔8〕前記プラスチックが、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、及びポリ乳酸から選ばれるものである、〔6〕又は〔7〕に記載のシート状の油脂粉末配合プラスチックの製造方法。
〔9〕平均粒径が50μm以下で、かつ融点が55℃以上である油脂粉末からなり、プラスチックに曇りを付与させることができることを特徴とするプラスチックの曇付与剤。
〔10〕
平均粒径が50μm以下で、かつ融点が55℃以上である油脂粉末からなり、プラスチック表面の摩擦力を向上させることを特徴とするプラスチック表面の摩擦力向上剤。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、石油系原料の使用割合を減らした環境にやさしいプラスチックが得られるので、環境にやさしいプラスチックを提供することができる。
また、本発明によれば、澱粉を原料とした植物由来の生分解性プラスチックであるポリ乳酸の曇り度合を高めたプラスチックを提供することができるので、特に、プラスチックの向こうが見えないようにしたい用途において、本発明のプラスチックを用いることができる。
また、石油系原料又は植物由来のプラスチックに特定の油脂粉末を配合しても、ブリードの発生が生じにくいため、本発明のプラスチックは、ブリードの発生が望まれないプラスチックの用途にも使用できる可能性があることがわかった。
【図面の簡単な説明】
【0008】
参考例4のポリ乳酸を原料としたプラスチックシートの曇り度合を観察した写真である。
実施例6のポリ乳酸を原料としたプラスチックシート(油脂粉末10質量%配合)の曇り度合を観察した写真である。
参考例4のポリ乳酸を原料としたプラスチックシート(キャノーラ油(2)10質量%配合)の曇り度合を観察した写真である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の具体的な実施形態について、詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
【0010】
本発明は、プラスチックに、平均粒径が50μm以下で、かつ融点が55℃以上である油脂粉末を配合した、油脂粉末配合プラスチックである。
また、本発明は、プラスチックと、平均粒径が50μm以下で、かつ融点が55℃以上である油脂粉末とを混錬し、得られた混錬物を加熱融解及び加圧する、シート状の油脂粉末配合プラスチックの製造方法である。
また、本発明は、平均粒径が50μm以下で、かつ融点が55℃以上である油脂粉末からなり、プラスチックに曇りを付与させることができることを特徴とするプラスチックの曇付与剤である。
(【0011】以降は省略されています)

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