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公開番号2025034853
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-13
出願番号2023141511
出願日2023-08-31
発明の名称水洗大便器
出願人TOTO株式会社
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類E03D 5/01 20060101AFI20250306BHJP(上水;下水)
要約【課題】封水切れにより排水管からの臭気がトイレ空間に漏れ出ることを防止できる。
【解決手段】実施形態に係る水洗大便器は、切替部を備える。切替部は、第1切替弁体が開弁し、第2切替弁体が閉弁している第1洗浄状態と、第1切替弁体が閉弁し、第2切替弁体が開弁している第2洗浄状態と、を少なくとも有している。加圧ポンプが第1洗浄状態を実施するための回転数を維持している際に、異常検知部が異常を検知した場合、加圧ポンプは、第2洗浄状態に移行するために回転数を増加させる。加圧ポンプが第2洗浄状態を実施するための回転数を維持している際に、異常検知部が異常を検知した場合、加圧ポンプは、第1洗浄状態に移行するために回転数を減少させる。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項１】
加圧ポンプにより加圧した洗浄水によって洗浄される水洗大便器であって、
洗浄水を貯水する貯水タンクと、
ボウル部と、洗浄水を吐水するリム吐水口及びジェット吐水口と、排水トラップ部と、
を備えた便器本体と、
前記貯水タンクから洗浄水を前記リム吐水口及び前記ジェット吐水口のそれぞれに供給可能にする給水路と、
前記給水路に設けられて前記リム吐水口及び前記ジェット吐水口のそれぞれに洗浄水を供給する給水経路を切り替える切替部と、
前記加圧ポンプの動作時に前記ボウル部に洗浄水が吐水されていない状態を異常として検知する異常検知部と、を備え、
前記切替部は、前記リム吐水口からの洗浄水量を調整するための第１切替弁体と、前記ジェット吐水口からの洗浄水量を調整するための第２切替弁体と、を有し、
前記第１切替弁体及び前記第２切替弁体は、前記加圧ポンプにより加圧された洗浄水の水圧を受けて機械的に作動し、前記第１切替弁体は、洗浄水の水圧が所定水圧よりも大きい場合、前記リム吐水口を閉止する状態とし、前記第２切替弁体は、洗浄水の水圧が前記所定水圧よりも大きい場合、前記ジェット吐水口を開放する状態とし、
前記切替部は、前記第１切替弁体が開弁し、前記第２切替弁体が閉弁している第１洗浄状態と、前記第１切替弁体が閉弁し、前記第２切替弁体が開弁している第２洗浄状態と、を少なくとも有しており、
前記加圧ポンプが前記第１洗浄状態を実施するための回転数を維持している際に、前記異常検知部が異常を検知した場合、前記加圧ポンプは、前記第２洗浄状態に移行するために回転数を増加させ、
前記加圧ポンプが前記第２洗浄状態を実施するための回転数を維持している際に、前記異常検知部が異常を検知した場合、前記加圧ポンプは、前記第１洗浄状態に移行するために回転数を減少させる水洗大便器。
続きを表示（約 540 文字）【請求項２】
前記第２洗浄状態は、通常時よりも前記第２切替弁体の開度が小さい異常時第２洗浄状態を有し、
前記加圧ポンプが前記第１洗浄状態を実施するための回転数を維持している際に、前記異常検知部が異常を検知した場合、前記加圧ポンプは、前記異常時第２洗浄状態に移行するために回転数を増加させる請求項１に記載の水洗大便器。
【請求項３】
前記加圧ポンプは、前記第２切替弁体の開弁動作時において回転数が増加する速度よりも、前記第２切替弁体の閉弁動作時において回転数が減少する速度が緩やかに変動する請求項１に記載の水洗大便器。
【請求項４】
前記第１切替弁体の上流側には、前記第１切替弁体に向かって流れる洗浄水を整流する整流部材が設けられる請求項１に記載の水洗大便器。
【請求項５】
前記整流部材は、洗浄水の流路方向内側に凸となるように湾曲する形状を有する整流フィンである請求項４に記載の水洗大便器。
【請求項６】
前記第１切替弁体が作動方向に動作することで、前記第１切替弁体が開弁又は閉弁し、
前記第１切替弁体には、前記作動方向に動作するように移動規制するガイド部材が設けられる請求項１に記載の水洗大便器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
開示の実施形態は、水洗大便器に関する。
続きを表示（約 2,000 文字）【背景技術】
【０００２】
従来、リム洗浄とジェット洗浄の切り替えを機械式に行う便座装置が開示されている（特許文献１参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開２０２２－８７４８１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
上述した従来技術では、リム吐水口側とジェット吐水口側で切替弁体が別々に設けられている。切替弁体は、リム洗浄の際にはリム吐水口側の切替弁体がリム吐水口側の給水経路を開放し、ジェット洗浄の際にはジェット吐水口側の切替弁体がジェット吐水口側の給水経路を開放するように構成されている。このような構成は、切替弁体の不具合により切替弁体が想定通りに動作しない場合、リム吐水口からもジェット吐水口からも洗浄水が吐水されない状態が起こり得る。リム吐水口からもジェット吐水口からも洗浄水が吐水されないと、封水切れにより排水管からの臭気がトイレ空間に漏れ出るおそれがある。
【０００５】
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、封水切れにより排水管からの臭気がトイレ空間に漏れ出ることを防止できる水洗大便器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
実施形態の一態様に係る水洗大便器は、加圧ポンプにより加圧した洗浄水によって洗浄される水洗大便器であって、洗浄水を貯水する貯水タンクと、ボウル部と、洗浄水を吐水するリム吐水口及びジェット吐水口と、排水トラップ部と、を備えた便器本体と、前記貯水タンクから洗浄水を前記リム吐水口及び前記ジェット吐水口のそれぞれに供給可能にする給水路と、前記給水路に設けられて前記リム吐水口及び前記ジェット吐水口のそれぞれに洗浄水を供給する給水経路を切り替える切替部と、前記加圧ポンプの動作時に前記ボウル部に洗浄水が吐水されていない状態を異常として検知する異常検知部と、を備え、前記切替部は、前記リム吐水口からの洗浄水量を調整するための第１切替弁体と、前記ジェット吐水口からの洗浄水量を調整するための第２切替弁体と、を有し、前記第１切替弁体及び前記第２切替弁体は、前記加圧ポンプにより加圧された洗浄水の水圧を受けて機械的に作動し、前記第１切替弁体は、洗浄水の水圧が所定水圧よりも大きい場合、前記リム吐水口を閉止する状態とし、前記第２切替弁体は、洗浄水の水圧が前記所定水圧よりも大きい場合、前記ジェット吐水口を開放する状態とし、前記切替部は、前記第１切替弁体が開弁し、前記第２切替弁体が閉弁している第１洗浄状態と、前記第１切替弁体が閉弁し、前記第２切替弁体が開弁している第２洗浄状態と、を少なくとも有しており、前記加圧ポンプが前記第１洗浄状態を実施するための回転数を維持している際に、前記異常検知部が異常を検知した場合、前記加圧ポンプは、前記第２洗浄状態に移行するために回転数を増加させ、前記加圧ポンプが前記第２洗浄状態を実施するための回転数を維持している際に、前記異常検知部が異常を検知した場合、前記加圧ポンプは、前記第１洗浄状態に移行するために回転数を減少させる。
【０００７】
水洗大便器は、第１切替弁体又は第２切替弁体に不具合が生じ、ボウル部へ洗浄水が供給されない状態となったとしても、洗浄状態を切り替えることで、ボウル部へ洗浄水が供給されるように不具合対応が行われる。すなわち、水洗大便器は、リム吐水口からもジェット吐水口からも洗浄水が吐水されない状態になることを防止できる。これにより、水洗大便器は、封水切れにより排水管からの臭気がトイレ空間に漏れ出ることを防止できる。
【０００８】
また、前記第２洗浄状態は、通常時よりも前記第２切替弁体の開度が小さい異常時第２洗浄状態を有し、前記加圧ポンプが前記第１洗浄状態を実施するための回転数を維持している際に、前記異常検知部が異常を検知した場合、前記加圧ポンプは、前記異常時第２洗浄状態に移行するために回転数を増加させる。
【０００９】
水洗大便器は、リム洗浄の際に第１切替弁体に不具合が生じ、ボウル部へ洗浄水が供給されない状態となったとしても、ジェット吐水口から通常よりも弱い水勢で洗浄水を吐出する。これにより、水洗大便器は、ジェット吐水口から吐水される洗浄水によって封水を形成することができ、封水切れにより排水管からの臭気がトイレ空間に漏れ出ることを防止できる。
【００１０】
また、前記加圧ポンプは、前記第２切替弁体の開弁動作時において回転数が増加する速度よりも、前記第２切替弁体の閉弁動作時において回転数が減少する速度が緩やかに変動する。
（【００１１】以降は省略されています）

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