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公開番号2025034872
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-13
出願番号2023141535
出願日2023-08-31
発明の名称水洗大便器
出願人TOTO株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類E03D 5/012 20060101AFI20250306BHJP(上水;下水)
要約【課題】停電時等の非常時に便器洗浄を行う際に、便器本体の排水トラップ管路内の封水面よりも下流側の空気溜まりを抑制して洗浄水で満たすことにより、ボウル部内の洗浄水の必要水位が高まることを抑制して機外漏水を防ぎつつ、便器洗浄を確実に実行させることができる水洗大便器を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の水洗大便器1は、便器本体2と、この便器本体の排水トラップ管路12を開閉する水溜め用開閉弁50と、を有し、この水溜め用開閉弁は、排水トラップ管路の封水面WL0よりも下流側に設けられており、排水トラップ管路内における封水面と水溜め用開閉弁との間には、その領域A1内の空気A0を外側に抜くことができる空気抜き管54が接続されている。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
洗浄水により洗浄されて汚物を排出する水洗大便器であって、
汚物を受けるボウル部と、このボウル部内の汚物を排出する排水流路を形成する排水トラップ管路と、を備えた便器本体と、
上記排水トラップ管路を開閉し、閉鎖することにより上記ボウル部内の水溜めを可能にする水溜め用開閉弁と、を有し、
上記排水トラップ管路は、上記ボウル部の下方に接続される入口部と、この入口部から後方かつ下方の下端部まで延びた後、その後方かつ上方の頂部まで上昇する屈曲管路と、この屈曲管路の頂部から後方かつ下方の出口部に向かって下降する下降管路と、を備え、上記頂部よりも上流側の領域に封水面を形成しており、
上記水溜め用開閉弁は、上記排水トラップ管路の上記封水面よりも下流側に設けられており、上記排水トラップ管路内における上記封水面と上記水溜め用開閉弁との間には、その領域内の空気を外側に抜くことができる空気抜き管が接続されていることを特徴とする水洗大便器。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
上記空気抜き管は、その入口が上記排水トラップ管路内の上記封水面と上記水溜め用開閉弁との間に接続され、その出口が上記水溜め用開閉弁よりも下流側の排水流路に接続されている請求項1記載の水洗大便器。
【請求項3】
さらに、上記排水トラップ管路の上記出口部に接続される排水ソケットを有し、この排水ソケットは、上記水溜め用開閉弁よりも下流側に排水流路を形成すると共に上記便器本体の一部に組み付けられ、上記空気抜き管は、その入口が上記排水トラップ管路内の上記封水面と上記水溜め用開閉弁との間に接続され、その出口が上記排水ソケットの上記排水流路に接続されている請求項1記載の水洗大便器。
【請求項4】
上記空気抜き管の出口は、閉弁状態の上記水溜め用開閉弁に隣接して配置されている請求項1記載の水洗大便器。
【請求項5】
さらに、洗浄水を貯水する貯水タンクを備え且つ上記便器本体に洗浄水を供給する洗浄水供給装置と、上記貯水タンク内の上記規定水位を上回った洗浄水をオーバーフローさせるオーバーフロー流路と、を有し、
上記オーバーフロー流路の出口は、上記排水トラップ管路における上記封水面と上記水溜め用開閉弁との間に接続されており、
上記空気抜き管は、その入口又は最上部が上記排水トラップ管路の最上部よりも高い位置に配置されている請求項1記載の水洗大便器。
【請求項6】
上記空気抜き管は、その入口が上記オーバーフロー流路に接続されている請求項5記載の水洗大便器。
【請求項7】
さらに、上記水溜め用開閉弁に一体に設けられて上記空気抜き管の出口を開閉する空気抜き用開閉弁を有し、この空気抜き用開閉弁は、上記水溜め用開閉弁と連動し、上記水溜め用開閉弁が開放しているときには上記空気抜き管の出口を閉鎖した状態となり、上記水溜め用開閉弁が閉鎖しているときには上記空気抜き管の出口を開放した状態となるように構成されている請求項1乃至6の何れか1項に記載の水洗大便器。
【請求項8】
上記空気抜き管は、逆止弁を備えており、この逆止弁は、上記空気抜き管の入口側から出口側に向かう空気の流れを通過させる一方、上記空気抜き管の出口側から入口側に向かう空気の流れを阻止するように構成されている請求項1乃至6の何れか1項に記載の水洗大便器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水洗大便器に係り、特に、洗浄水により洗浄されて汚物を排出する水洗大便器に関する。
続きを表示(約 5,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、洗浄水により洗浄されて汚物を排出する水洗大便器として、例えば、特許文献1に記載されているように、水道から直圧で供給された洗浄水について、そのまま便器本体のリム吐水口に直接的に供給すると共に、一旦タンク内に供給して貯水した洗浄水をポンプにより便器本体のジェット吐水口に供給する、いわゆる、ハイブリット式の水洗大便器が知られている。
このような従来の水洗大便器においては、ボウル部及び排水トラップ管路を備えた陶器製の便器本体と、この便器本体の排水トラップ管路の下流端に接続されている排水ソケットと、を備えている。また、排水ソケットの内部には、その流路を開閉する開閉弁が設けられている。この開閉弁は、停電やポンプの故障等による断水時等の非常時に使用者が開閉操作する操作部に連結されている。
通常時に便器洗浄を行う際には、排水ソケットの開閉弁は開弁状態が維持されており、便器本体のボウル部内の汚物が排水トラップ管路から排水ソケットを経て外部の排水管に排出されるようになっている。
一方、非常時に便器洗浄を行う際には、使用者が操作部により排水ソケットの開閉弁を閉弁操作した後、外部から桶やバケツ等を用いて便器本体のボウル部に対して洗浄水が給水されるか、若しくは、水道の直圧等による給水によって洗浄に必要量の洗浄水がリム吐水口からボウル部内に給水されるようになっている。その後、排水ソケットの開閉弁が再び開弁状態に操作されることにより、非常時においても、便器本体のボウル部内の汚物が排水トラップ管路から排水ソケットを経て外部の排水管に排出されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2013-227852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の水洗大便器においては、特に、停電時等の非常時に便器洗浄を行う際には、便器本体のボウル部の後方の排水トラップ管路内における封水面と排水ソケットの閉弁状態の開閉弁との間の領域内に空気溜まりが発生している。
したがって、この領域内の空気溜まりによる内圧(空気圧)により、ボウル部側から洗浄水を追加的に給水しても、排水トラップ管路内における封水面より下流側の領域に洗浄水が溜まりにくくなっている一方、ボウル部側の洗浄水の水位は給水する程高くなる。
よって、非常時の便器洗浄に要求される便器本体のボウル部内の洗浄水の必要水位が高くなり、便器本体のボウル部内の洗浄水が外部に漏水(いわゆる、「機外漏水」)するおそれがあるという問題がある。
また、このような状況では、使用者によっては、便器本体のボウル部内の水位が必要以上に上昇しているものと錯覚しやすく、不安になった使用者は、ボウル部内の洗浄水の水位が必要水位まで上昇する途中で、排水ソケットの開閉弁を必要以上に早めて開弁させてしまい、便器洗浄に十分な洗浄水量を確保することができないという問題がある。
したがって、便器本体の排水トラップ管路内の封水面とその下流側の排水ソケット内の開閉弁との間の領域内に洗浄水を確実に溜めることにより、いかに機外漏水を防ぎつつ非常時の洗浄に必要な洗浄水量をより多く確保するかが近年要請されている課題ともなっている。
【0005】
そこで、本発明は、上述した従来技術の問題及び近年要請されている課題を解決するためになされたものであり、停電時等の非常時に便器洗浄を行う際に、便器本体の排水トラップ管路内の封水面よりも下流側の空気溜まりを抑制して洗浄水で満たすことにより、ボウル部内の洗浄水の必要水位が高まることを抑制して機外漏水を防ぎつつ、便器洗浄を確実に実行させることができる水洗大便器を提供すること目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は、洗浄水により洗浄されて汚物を排出する水洗大便器であって、汚物を受けるボウル部と、このボウル部内の汚物を排出する排水流路を形成する排水トラップ管路と、を備えた便器本体と、上記排水トラップ管路を開閉し、閉鎖することにより上記ボウル部内の水溜めを可能にする水溜め用開閉弁と、を有し、上記排水トラップ管路は、上記ボウル部の下方に接続される入口部と、この入口部から後方かつ下方の下端部まで延びた後、その後方かつ上方の頂部まで上昇する屈曲管路と、この屈曲管路の頂部から後方かつ下方の出口部に向かって下降する下降管路と、を備え、上記頂部よりも上流側の領域に封水面を形成しており、上記水溜め用開閉弁は、上記排水トラップ管路の上記封水面よりも下流側に設けられており、上記排水トラップ管路内における上記封水面と上記水溜め用開閉弁との間には、その領域内の空気を外側に抜くことができる空気抜き管が接続されていることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、便器洗浄を行う際に、通常時には水溜め用開閉弁を開弁状態にする一方、停電時等の非常時には、便器洗浄を開始する前に水溜め用開閉弁を予め閉弁状態にする。
このとき、特に、停電時等の非常時に便器洗浄を行う際には、予め水溜め用開閉弁を閉弁させた状態で便器本体のボウル部内に洗浄水が供給されると、ボウル部内の洗浄水が排水トラップ管路の入口部から屈曲管路に流入し、排水トラップ管路内における封水面と水溜め用開閉弁との間の領域内に空気溜まりが発生したとしても、空気抜き管により迅速に空気抜きをすることができる。
これにより、非常時の便器洗浄を開始する前に、排水トラップ管路内における水溜め用開閉弁よりも上流側の領域内において、空気溜まりを確実に抑制して洗浄水で迅速に満たすことができるため、排水トラップ管路内の水溜め用開閉弁よりも上流側の領域内に溜まる洗浄水量をより多く確保することができる。
したがって、非常時の便器洗浄に要求される便器本体のボウル部内の洗浄水の必要水位が高まることも抑制することができる。
よって、非常時において、便器本体のボウル部内の洗浄水が外部に漏水すること(いわゆる、「機外漏水」)を防ぐことができる。また、非常時の便器洗浄を開始する際、便器本体のボウル部内を上昇する洗浄水の水位が必要水位まで上昇する途中で、使用者が不安になって水溜め用開閉弁を早めて開弁させてしまい、不十分な便器洗浄が行われることを抑制することができる。
これらの結果、停電時等の非常時に便器洗浄を行う際に、便器本体の排水トラップ管路内の封水面よりも下流側の空気溜まりを抑制して洗浄水で満たすことにより、ボウル部内の洗浄水の必要水位が高まることを抑制して機外漏水を防ぎつつ、便器洗浄を確実に実行させることができる。
【0007】
本発明において、好ましくは、上記空気抜き管は、その入口が上記排水トラップ管路内の上記封水面と上記水溜め用開閉弁との間に接続され、その出口が上記水溜め用開閉弁よりも下流側の排水流路に接続されている。
このように構成された本発明においては、空気抜き管の入口が排水トラップ管路内の封水面と水溜め用開閉弁との間に接続されている一方、空気抜き管の出口が水溜め用開閉弁よりも下流側の排水流路に接続されているため、排水トラップ管路内における封水面と水溜め用開閉弁との間の領域内の臭気を含む空気について、空気抜き管の入口から出口を経て排水管内に確実に排出することができる。
したがって、排水トラップ管路内における封水面と水溜め用開閉弁との間の領域内の悪臭を含む空気が、排水トラップ管路内における水溜め用開閉弁よりも上流側の領域内や便器本体のボウル部内に逆流することを確実に抑制することができる。
【0008】
本発明において、好ましくは、さらに、上記排水トラップ管路の上記出口部に接続される排水ソケットを有し、この排水ソケットは、上記水溜め用開閉弁よりも下流側に排水流路を形成すると共に上記便器本体の一部に組み付けられ、上記空気抜き管は、その入口が上記排水トラップ管路内の上記封水面と上記水溜め用開閉弁との間に接続され、その出口が上記排水ソケットの上記排水流路に接続されている。
このように構成された本発明においては、空気抜き管の入口が排水トラップ管路内の封水面と水溜め用開閉弁との間に接続されている一方、空気抜き管の出口が、便器本体の一部に組み付けられた排水ソケットにおける水溜め用開閉弁よりも下流側に接続されているため、排水トラップ管路内における封水面と水溜め用開閉弁との間の領域内の臭気を含む空気について、空気抜き管の入口から出口を経て排水ソケットの排水流路内に確実に排出することができる。
また、空気抜き管の出口が排水ソケットの排水流路に接続されていることにより、空気抜き管を便器本体の範囲内に容易に取り付けることができるため、便器本体が設置される壁の裏側や床面の下側等に配置される外部の排水管に対する追加工事等を不要にすることができる。
【0009】
本発明において、好ましくは、上記空気抜き管の出口は、閉弁状態の上記水溜め用開閉弁に隣接して配置されている。
このように構成された本発明においては、空気抜き管の出口が閉弁状態の水溜め用開閉弁に隣接して配置されていることにより、閉弁状態の水溜め用開閉弁を開弁させた際に、水溜め用開閉弁を通過する洗浄水が空気抜き管の出口を閉鎖することができる。
また、空気抜き管の出口が水溜め用開閉弁を通過する洗浄水で満たされていることにより、空気抜き管がその出口から空気を吸い込まなくなるため、空気抜き管の入口から空気が排出されず、便器洗浄に使用される洗浄水に空気が巻き込まれることなく、洗浄性能の低下を防ぐことができる。
したがって、例えば、サイホン作用を利用して便器本体のボウル部内の汚物を吸い込んで排水トラップ部から一気に外部に排出する、いわゆる、「サイホン式の水洗大便器」を採用した場合には、通常洗浄時において、開弁状態の水溜め用開閉弁を通過する洗浄水が空気抜き管の入口から流出する空気を巻き込んでサイホン作用が持続しにくくなることを抑制することができる。
また、停電時等の非常時においても、水溜め用開閉弁を閉弁させて排水トラップ管路内の水溜めを行った後に、水溜め用開閉弁を開弁させることによりサイホン作用が生じたとしても、開弁状態の水溜め用開閉弁を通過する洗浄水が空気抜き管の出口を閉鎖し、空気抜き管の出口から空気を吸い込まなくなるため、サイホン作用が持続しにくくなることを抑制することができる。
【0010】
本発明において、好ましくは、さらに、洗浄水を貯水する貯水タンクを備え且つ上記便器本体に洗浄水を供給する洗浄水供給装置と、上記貯水タンク内の上記規定水位を上回った洗浄水をオーバーフローさせるオーバーフロー流路と、を有し、上記オーバーフロー流路の出口は、上記排水トラップ管路における上記封水面と上記水溜め用開閉弁との間に接続されており、上記空気抜き管は、その入口又は最上部が上記排水トラップ管路の最上部よりも高い位置に配置されている。
このように構成された本発明においては、洗浄水供給装置の貯水タンク内の規定水位を上回った洗浄水をオーバーフローさせるオーバーフロー流路の出口について、排水トラップ管路の封水面と水溜め用開閉弁との間に接続したことにより、オーバーフロー流路の出口の開口断面積を比較的大きく設定した状態で排水トラップ管路に接続することができる。
したがって、非常時の便器洗浄を開始する前に、オーバーフロー流路の出口から流出したオーバーフロー洗浄水を排水トラップ管路における封水面と水溜め用開閉弁との間の領域内に迅速に水溜めすることができる。
また、空気抜き管の入口又は最上部が排水トラップ管路の最上部よりも高い位置に配置されているため、排水トラップ管路内における封水面と水溜め用開閉弁との間の領域内に空気溜まりが発生したとしても、空気抜き管により迅速にかつ確実に空気抜きをすることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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