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公開番号2025034870
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-13
出願番号2023141533
出願日2023-08-31
発明の名称水洗大便器
出願人TOTO株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類E03D 11/02 20060101AFI20250306BHJP(上水;下水)
要約【課題】製造コストを抑えつつ、通常洗浄時の便器洗浄性能とオーバーフロー時のオーバーフロー性能とを両立させることができると共に、水洗大便器全体のローシルエット化を実現することができる水洗大便器を提供する。
【解決手段】本発明の水洗大便器1は、便器本体2と、この便器本体に洗浄水を供給する洗浄水供給装置4と、を有し、この洗浄水供給装置は、貯水タンク30内の規定水位以下の洗浄水をジェット吐水部に導くジェット導水路38aと、貯水タンク内の規定水位を上回った洗浄水をジェット吐水部にオーバーフローさせるオーバーフロー流路40aと、を備えており、水洗大便器は、さらに、ジェット導水路及びオーバーフロー流路の双方とジェット吐水部とを接続する接続ユニット42を有し、ジェット導水路及びオーバーフロー流路のそれぞれの出口38b,40bが接続ユニットに対して互いに独立に接続されている。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
洗浄水により洗浄されて汚物を排出する水洗大便器であって、
洗浄水を貯水する貯水タンクを備え、洗浄水を供給する洗浄水供給装置と、
汚物を受けるボウル部と、上記洗浄水供給装置から供給される洗浄水を吐水する吐水部と、上記ボウル部内の汚物を排出する排水トラップ部と、を備えた便器本体と、を有し、
上記吐水部は、上記ボウル部の下方に設けられて上記排水トラップ部の入口部に向けて指向するジェット吐水口を含むジェット吐水部を備えており、
上記洗浄水供給装置又は上記便器本体は、上記貯水タンク内の規定水位以下の洗浄水を上記ジェット吐水部に導くジェット導水路と、上記貯水タンク内の上記規定水位を上回った洗浄水を上記ジェット吐水部にオーバーフローさせるオーバーフロー流路と、を備えており、
上記水洗大便器は、さらに、上記ジェット導水路及び上記オーバーフロー流路の双方と上記ジェット吐水部とを接続する接続ユニットを有し、
上記ジェット導水路及び上記オーバーフロー流路は、それぞれの出口が上記接続ユニットに対して互いに独立に接続されていることを特徴とする水洗大便器。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
上記接続ユニットは、上記ジェット導水路の出口が接続されるジェット側接続流路と、上記オーバーフロー流路の出口が接続されるオーバーフロー側接続流路と、を備えており、上記ジェット側接続流路及び上記オーバーフロー側接続流路は、平面視において、それぞれの下流端が互いに対向しないように配置されている請求項1記載の水洗大便器。
【請求項3】
上記オーバーフロー側接続流路は、平面視において、その出口の中心軸線が上記ジェット側接続流路の出口の中心軸線に対して成す角度が80度以上135度以下に設定されている請求項2記載の水洗大便器。
【請求項4】
上記ジェット側接続流路の流路断面積は、上記オーバーフロー側接続流路の流路断面積よりも小さくなるように設定されている請求項2記載の水洗大便器。
【請求項5】
上記ジェット側接続流路は、樹脂製のノズル部材によって形成され、上記オーバーフロー側接続流路は、陶器により形成されている請求項4記載の水洗大便器。
【請求項6】
上記接続ユニットは、上記ジェット側接続流路及び上記オーバーフロー側接続流路を含む全体が樹脂で形成されている請求項4記載の水洗大便器。
【請求項7】
上記接続ユニットは、さらに、上記ジェット吐水口に対して前方側から接続される接続開口部と、この接続開口部と上記ジェット吐水口とを固定する固定部材と、を備えており、
上記ジェット吐水部は、上記ジェット吐水口を形成する陶器製の壁部を備えており、この陶器製の壁部は、平面視において、上記ジェット吐水口から左右外側方向に突出した後に後方側に屈曲する凹部を形成し、
上記固定部材は、互いに前後方向に配置された上記接続開口部及び上記ジェット吐水口のそれぞれに対して、上記凹部の後方側且つ内周側から挿入して取り付けられることにより固定されている請求項1記載の水洗大便器。
【請求項8】
上記固定部材は、互いに前後方向に配置された上記接続開口部及び上記ジェット吐水口のそれぞれに対して、上記凹部の後方側且つ内周側から挿入して取り付けられる円筒部と、この円筒部の後端に設けられて上記壁部の上記凹部に対して固定されるように径方向外側に突出する突出部と、を備えている請求項7記載の水洗大便器。
【請求項9】
上記接続ユニットは、上記ジェット側接続流路及び上記オーバーフロー側接続流路のそれぞれが接続されて上記ジェット導水路及び上記オーバーフロー流路のそれぞれから供給される洗浄水が流入する本体部を備えており、
上記オーバーフロー側接続流路は、平面視において、上記本体部の左右側方のいずれか一方に設けられたオーバーフロー側出口を備えており、
上記ジェット側接続流路は、上記本体部内を前方側から後方側に向かって延びているノズルにより形成され、その先端にジェット側出口を備えており、このジェット側出口の前後方向の位置は、上記本体部内の領域における上記オーバーフロー側出口の前端から後端までの範囲内に設定されている請求項2記載の水洗大便器。
【請求項10】
上記ジェット吐水部は、上記ジェット吐水口を形成する共に上記接続ユニットの接続部が接続される陶器製の被接続部を備えており、上記接続ユニットの接続部は、上記陶器製の被接続部に対して外側から接続されている請求項1記載の水洗大便器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水洗大便器に係り、特に、洗浄水により洗浄されて汚物を排出する水洗大便器に関する。
続きを表示(約 4,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、洗浄水により洗浄されて汚物を排出する水洗大便器として、例えば、特許文献1に記載されているように、サイホン作用を利用して便器本体のボウル部内の汚物を吸い込んで排水トラップ部から一気に外部に排出する、いわゆる、「サイホン式の水洗大便器」が知られている。
上述した特許文献1に記載されている従来の水洗大便器においては、ボウル部の下方に設けられたジェット吐水部を備えており、便器本体の上流側の給水源からジェット導水路を経てジェット吐水部に供給された洗浄水は、ジェット吐水部から排水トラップ部の入口部に向けて、いわゆる、「ジェット吐水」として吐出されるようになっている。
また、上述した従来の水洗大便器においては、ボウル部の下側には、ジェット吐水の流量を増幅する装置の一部として、貯水室が設けられている。この貯水室はジェット吐水部と連通しており、ジェット吐水部においてジェット吐水が行われる際には、ジェット吐水の流れにより発生した負圧により、貯水室内の洗浄水がジェット吐水部に供給されることにより、ジェット導水路側から供給される洗浄水と共に、ジェット吐水の流量が増大するため、排水トラップ部内のサイホン作用を迅速に発生させることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2022/267527号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
また、近年、意匠性や介護性等を向上させるために、水洗大便器全体の上端高さ位置を比較的に低く設定した、いわゆる、「便器のローシルエット化」のニーズが高まっている。
しかしながら、上述した特許文献1に記載されている従来の水洗大便器についてローシルエット化を実現しようとした場合、その分、便器本体に洗浄水を供給する洗浄水源(例えば、洗浄水を貯水する貯水タンクを含む洗浄水供給装置等)の高さ位置についても低く設定することになる。
一方、オーバーフロー時に洗浄水源から便器本体に供給される洗浄水のオーバーフロー性能については、洗浄水源の洗浄水の位置エネルギーにより担保されているため、性能を高めるには、洗浄水源の高さ位置を高く設定することになるが、その分、水洗大便器全体の製品高さが高くなり、ローシルエット化が難しくなるという問題もある。
また、洗浄水源を低い位置に設定しようとすると、洗浄水の位置エネルギーも低下するため、その分、オーバーフロー流路の流路抵抗を低下させる必要があり、オーバーフロー流路の流路断面積を大きくする等の工夫が必要となるという問題がある。
さらに、上述した特許文献1に記載されている従来の水洗大便器において、例えば、オーバーフロー流路の下流側をジェット吐水部に接続した場合には、オーバーフロー性能の高めるためにオーバーフロー流路の流路断面積を大きくすると、オーバーフロー流路とジェット吐水部との互いの出口の相対的な位置関係によっては、通常洗浄時のジェット吐水による便器洗浄性能に対してオーバーフロー洗浄水が影響を及ぼしたり、或いは、オーバーフロー時の洗浄水のオーバーフロー性能に対してジェット吐水が影響を及ぼしたりするおそれがあるという問題もある。
したがって、通常洗浄時の便器洗浄性能とオーバーフロー時のオーバーフロー性能とを両立させるために、水洗大便器の再設計を要する場合もあり、設計負荷や製造コストがかかるという問題もある。
したがって、いかに製造コストを抑えつつ、通常洗浄時の便器洗浄性能とオーバーフロー時のオーバーフロー性能とを両立させて、水洗大便器全体のローシルエット化を実現するかが近年要請されている課題となっている。
【0005】
そこで、本発明は、上述した従来技術の問題と近年要請されている課題を解決するためになされたものであり、製造コストを抑えつつ、通常洗浄時の便器洗浄性能とオーバーフロー時のオーバーフロー性能とを両立させることができると共に、水洗大便器全体のローシルエット化を実現することができる水洗大便器を提供すること目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は、洗浄水により洗浄されて汚物を排出する水洗大便器であって、洗浄水を貯水する貯水タンクを備え、洗浄水を供給する洗浄水供給装置と、汚物を受けるボウル部と、上記洗浄水供給装置から供給される洗浄水を吐水する吐水部と、上記ボウル部内の汚物を排出する排水トラップ部と、を備えた便器本体と、を有し、上記吐水部は、上記ボウル部の下方に設けられて上記排水トラップ部の入口部に向けて指向するジェット吐水口を含むジェット吐水部を備えており、上記洗浄水供給装置又は上記便器本体は、上記貯水タンク内の規定水位以下の洗浄水を上記ジェット吐水部に導くジェット導水路と、上記貯水タンク内の上記規定水位を上回った洗浄水を上記ジェット吐水部にオーバーフローさせるオーバーフロー流路と、を備えており、上記水洗大便器は、さらに、上記ジェット導水路及び上記オーバーフロー流路の双方と上記ジェット吐水部とを接続する接続ユニットを有し、上記ジェット導水路及び上記オーバーフロー流路は、それぞれの出口が上記接続ユニットに対して互いに独立に接続されていることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、ジェット導水路及びオーバーフロー流路のそれぞれの出口が接続ユニットに対して互いに独立に接続されていることにより、例えば、オーバーフロー性能を向上させるために、オーバーフロー流路の出口の断面積を大きくしたとしても、ジェット導水路の出口から吐出される洗浄水(いわゆる、「ジェット吐水」)による便器洗浄性能への影響を抑制することができる。
また、水洗大便器全体のローシルエット化を行ったとしても、オーバーフロー流路の下流側(下方側)が、接続ユニットを介して便器本体のボウル部の下方に設けれられたジェット吐水部に接続されていることにより、オーバーフロー流路の上流端(上端)と下流端(下端)との位置エネルギーの差を比較的大きく確保することができる。
これらにより、便器本体や洗浄水供給装置に対して便器洗浄性能を向上させるための再設計が不要となるため、設計負荷を大幅に軽減することができる。
したがって、製造コストを抑えつつ、通常洗浄時の便器洗浄性能とオーバーフロー時のオーバーフロー性能とを両立させることができると共に、水洗大便器全体のローシルエット化についても実現することができる。
【0007】
本発明において、好ましくは、上記接続ユニットは、上記ジェット導水路の出口が接続されるジェット側接続流路と、上記オーバーフロー流路の出口が接続されるオーバーフロー側接続流路と、を備えており、上記ジェット側接続流路及び上記オーバーフロー側接続流路は、平面視において、それぞれの下流端が互いに対向しないように配置されている。
このように構成された本発明においては、接続ユニットのジェット側接続流路及びオーバーフロー側接続流路のそれぞれの下流端が、平面視において、互いに対向しないように配置されているため、ジェット側接続流路の下流端から吐出される洗浄水(ジェット吐水)がオーバーフロー側接続流路に入り込み難くすることができる。
【0008】
本発明において、好ましくは、上記オーバーフロー側接続流路は、平面視において、その出口の中心軸線が上記ジェット側接続流路の出口の中心軸線に対して成す角度が80度以上135度以下に設定されている。
このように構成された本発明においては、オーバーフロー側接続流路の出口の中心軸線が、平面視において、ジェット側接続流路の出口の中心軸線に対して成す角度が80度以上135度以下に設定されていることにより、接続ユニットのジェット側接続流路及びオーバーフロー側接続流路のそれぞれの下流端について、平面視において、互いに対向しないように確実に配置させることができる。
したがって、ジェット側接続流路の下流端から吐出される洗浄水(ジェット吐水)がオーバーフロー側接続流路に入り込み難くすることができる。
【0009】
本発明において、好ましくは、上記ジェット側接続流路の流路断面積は、上記オーバーフロー側接続流路の流路断面積よりも小さくなるように設定されている。
このように構成された本発明においては、オーバーフロー側接続流路の流路断面積がジェット側接続流路の流路断面積よりも大きいため、オーバーフロー流路から供給されたオーバーフロー洗浄水についても、接続ユニットのオーバーフロー側接続流路からジェット吐水部を経て便器本体内に確実に流し込むことができ、オーバーフロー性能を確保することができる。
【0010】
本発明において、好ましくは、上記ジェット側接続流路は、樹脂製のノズル部材によって形成され、上記オーバーフロー側接続流路は、陶器により形成されている。
このように構成された本発明においては、接続ユニットのジェット側接続流路が樹脂製のノズル部材によって形成されていることにより、加工がしやすく、寸法や形状のばらつきを抑制しつつ安定させて精度良く加工することができる。
これにより、ジェット側接続流路の品質を確保することができるため、設計の自由度を高めることができる。
また、オーバーフロー側接続流路については、ジェット側接続流路に比べて流路断面積が大きいため、陶器で形成することにより、ある程度の寸法のばらつきを許容しつつ強度を確保することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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