TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025034287
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-13
出願番号2023140579
出願日2023-08-30
発明の名称ポリエステルの製造方法
出願人株式会社ベルポリエステルプロダクツ,大和製罐株式会社
代理人個人,個人
主分類C08G 63/183 20060101AFI20250306BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】ケミカルリサイクル原料を用いて変色が抑制されたポリエステルを製造する方法を提供すること。
【解決手段】ポリエステルの製造方法は、純度94%以上の固体のビス(2-ヒドロキシエチルテレフタレート)(BHET)を融解させる第1の工程と、ポリエステルの質量に対してリン元素換算で40ppm~100ppmのリン化合物を添加する第2の工程と、酸及びアルコールを添加する第3の工程と、融解させたBHET、酸及びアルコールを重縮合させてポリエステルを作製する第4の工程と、を含む。BHET1分子は、酸1分子及びアルコール1分子に相当すると設定したとき、BHETは、酸の総量に対して、20mol%~90mol%であると共に、アルコールの総量に対して、20mol%~90mol%である。第2の工程は第4の工程の前に行う。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
純度94%以上の固体のビス(2-ヒドロキシエチルテレフタレート)を融解させる第1の工程と、
ポリエステルの質量に対してリン元素換算で40ppm~100ppmのリン化合物を添加する第2の工程と、
酸及びアルコールを添加する第3の工程と、
融解させたビス(2-ヒドロキシエチルテレフタレート)、前記酸及び前記アルコールを重縮合させてポリエステルを作製する第4の工程と、を含み、
ビス(2-ヒドロキシエチルテレフタレート)1分子は、前記酸1分子及び前記アルコール1分子に相当すると設定したとき、ビス(2-ヒドロキシエチルテレフタレート)は、前記酸の総量に対して、20mol%~90mol%であると共に、前記アルコールの総量に対して、20mol%~90mol%であり、
前記第2の工程は前記第4の工程の前に行う、ポリエステルの製造方法。
続きを表示(約 770 文字)【請求項2】
前記第1の工程において融解させるビス(2-ヒドロキシエチルテレフタレート)がポリエステルの熱分解によって生成されたものである、請求項1に記載のポリエステルの製造方法。
【請求項3】
前記第1の工程において、ビス(2-ヒドロキシエチルテレフタレート)を大気圧下130℃~160℃に相当する条件下において融解させる、請求項1又は2に記載のポリエステルの製造方法。
【請求項4】
前記リン化合物は、トリエチルリン酸、正リン酸及びトリメチルリン酸からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項1~3のいずれか一項に記載のポリエステルの製造方法。
【請求項5】
前記酸は、テレフタル酸及びイソフタル酸からなる群から選択される少なくとも1つであり、
前記アルコールは、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、及び1,4-シクロヘキサンジメタノールからなる群から選択される少なくとも1つである、請求項1~4のいずれか一項に記載のポリエステルの製造方法。
【請求項6】
前記第4の工程において作製されたポリエステルの黄色度が14以下である、請求項1~5のいずれか一項に記載のポリエステルの製造方法。
【請求項7】
前記第4の工程において作製されたポリエステルを成形する第5の工程をさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のポリエステルの製造方法。
【請求項8】
前記第4の工程は、ビス(2-ヒドロキシエチルテレフタレート)、前記酸及び前記アルコールをエステル化する工程と、
エステル化する工程において得られたエステル化物をポリマー化する工程と、を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のポリエステルの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ポリエステルの製造方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
環境負荷低減及び地球資源保護のため、プラスチック材料のリサイクルの必要性が高まっており、特に循環型リサイクルへの注目が高まっている。プラスチック材料のリサイクルには、プラスチック材料を溶融して再成形するマテリアルリサイクルと、プラスチック材料を解重合して、回収したモノマー/オリゴマーを原料として再使用するケミカルリサイクル(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)とがある。マテリアルリサイクルは、リサイクルの度に再生品の品質が低下するため、循環型リサイクルには適していない。循環型リサイクルの実現のためには、再生品の品質低下の程度が小さいケミカルリサイクルが適している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2015-172113号公報
特開2004-290130号公報
特開2020-105435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以下の分析は、本開示の観点から与えられる。
【0005】
リサイクル活動を持続可能に維持するためには、ケミカルリサイクル由来の原料から再生されたポリエステルが、石油由来のモノマーから製造されたポリエステルと同等であることが求められる。しかしながら、ケミカルリサイクルによって得られた精製原料であっても、不純物が混入しており、このような原料から製造されたポリエステルは一般的には石油由来のモノマーから製造されたポリエステルよりも変色することになる。特に、成形品の肉厚の部分においてその変色はより顕著になる。
【0006】
例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET;Polyethylene Terephthalate)のケミカルによる解重合によって得られた再生ビス(2-ヒドロキシエチルテレフタレート)には、触媒として使用された金属及び分解による副生成物が含まれている。したがって、純度95%以上のビス(2-ヒドロキシエチルテレフタレート)をモノマーとして用いて、公知のポリエステルの製造方法でポリエステルを製造しても、製造されたポリエステルは黄色に着色する。
【0007】
特許文献3に記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法においては、テレフタル酸、エチレングリコール等のモノマーのエステル化反応後にリン化合物を添加して、ポリエステル樹脂の色調を改善している。リン化合物は、重合工程における熱安定化剤として添加されていると考えられる。しかしながら、特許文献3に記載の製造方法を用いても、ビス(2-ヒドロキシエチルテレフタレート)を用いたケミカルリサイクルの再生品の変色は改善することができない。
【0008】
そこで、ケミカルリサイクルによって回収された原料を用いて、変色が抑制されたポリエステルを製造する方法が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1視点によれば、純度94%以上の固体のビス(2-ヒドロキシエチルテレフタレート)を融解させる第1の工程と、ポリエステルの質量に対してリン元素換算で40ppm~100ppmのリン化合物を添加する第2の工程と、酸及びアルコールを添加する第3の工程と、融解させたビス(2-ヒドロキシエチルテレフタレート)、酸及びアルコールを重縮合させてポリエステルを作製する第4の工程と、を含むポリエステルの製造方法が提供される。ビス(2-ヒドロキシエチルテレフタレート)1分子は、酸1分子及びアルコール1分子に相当すると設定したとき、ビス(2-ヒドロキシエチルテレフタレート)は、酸の総量に対して、20mol%~90mol%であると共に、アルコールの総量に対して、20mol%~90mol%である。第2の工程は第4の工程の前に行う。
【発明の効果】
【0010】
本開示のポリエステルの製造方法によれば、再生原料を使用したとしても、色調及び耐熱性に優れたポリエステルを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

東ソー株式会社
押出成形体
2か月前
AGC株式会社
組成物
1か月前
ベック株式会社
硬化性組成物
18日前
ベック株式会社
硬化性組成物
18日前
株式会社カネカ
樹脂フィルム
2か月前
東亞合成株式会社
硬化型組成物
2か月前
東レ株式会社
ポリエステルフィルム
1か月前
花王株式会社
樹脂組成物
2か月前
ユニチカ株式会社
ポリアミック酸溶液
6日前
三洋化成工業株式会社
徐放材用組成物
11日前
ヤマハ株式会社
重縮合体
2か月前
AGC株式会社
液状組成物
1か月前
アイカ工業株式会社
ホットメルト組成物
1か月前
アイカ工業株式会社
ホットメルト組成物
1か月前
アイカ工業株式会社
光硬化型樹脂組成物
2か月前
東レ株式会社
光学用ポリエステルフィルム
1か月前
株式会社トクヤマ
イオン交換膜の製造方法
2か月前
トヨタ自動車株式会社
樹脂溶解装置
1か月前
東レ株式会社
ポリエステル樹脂の製造方法
26日前
東レ株式会社
構造部材およびその製造方法
26日前
三井化学ファイン株式会社
樹脂シート
21日前
グンゼ株式会社
樹脂の回収方法
1か月前
東ソー株式会社
ポリオレフィン系樹脂組成物
1か月前
東レ株式会社
二軸配向ポリエステルフィルム
2か月前
三菱ケミカル株式会社
樹脂組成物
2か月前
花王株式会社
複合粒子の製造方法
25日前
株式会社イーテック
組成物
1か月前
株式会社イーテック
組成物
1か月前
株式会社シマノ
屋外使用可能部品
1か月前
東ソー株式会社
光学薄膜及び光学薄膜の製造方法
6日前
artience株式会社
積層体の分離回収方法
2か月前
恵和株式会社
樹脂組成物及びシート
1か月前
田岡化学工業株式会社
一液型エポキシ樹脂組成物
22日前
東レ株式会社
ポリエステル樹脂組成物の製造方法
1か月前
JNC株式会社
ウレア誘導体の重合体を含むゲル
1か月前
住友ベークライト株式会社
封止用樹脂組成物
2か月前
続きを見る