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公開番号
2025033593
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-13
出願番号
2023139406
出願日
2023-08-30
発明の名称
振動型駆動装置
出願人
キヤノン株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
H02N
2/06 20060101AFI20250306BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約
【課題】 振動型アクチュエータの速度制御において速度センサの代わりに振動体の振動振幅検出手段を用いた場合、従来の方法では移動方向が反転する際や有負荷時の速度検出精度が低かった。
【解決手段】 弾性体と電気-機械エネルギー変換素子を備えた振動体および前記弾性体と接する接触体を有する振動型アクチュエータであって、前記振動体の振動により前記振動体と前記接触体とが所定の移動方向に相対的に移動する振動型駆動装置であって、前記振動は、前記電気-機械エネルギー変換素子に印加された電圧によって前記振動体に発生する第一の振動成分と、前記接触体と前記弾性体の接触により前記振動体に発生する第二の振動成分を含み、前記第二の振動成分に対応する信号を検知し、この信号から前記振動体と前記接触体との相対速度を検出する。
【選択図】 図2
特許請求の範囲
【請求項1】
弾性体と電気-機械エネルギー変換素子を備えた振動体および前記弾性体と接する接触体を有し、前記振動体の振動により前記振動体と前記接触体とが所定の移動方向に相対的に移動する振動型アクチュエータの制御装置であって、
前記振動は、
前記電気-機械エネルギー変換素子に印加された電圧によって前記振動体に発生する第一の振動成分と、
前記接触体と前記弾性体の接触により前記振動体に発生する第二の振動成分を含み、
前記制御装置は、前記第二の振動成分に対応する信号を検知し、前記信号に基づき前記振動体と前記接触体との相対速度を検出することを特徴とする制御装置。
続きを表示(約 1,900 文字)
【請求項2】
前記電気-機械エネルギー変換素子は、第一の信号に基づく第一の駆動電圧および第二の信号に基づく第二の駆動電圧がそれぞれ印加されるように構成されており、
前記第一の振動成分は、
前記第一の駆動電圧によって発生する第三の振動成分と前記第二の駆動電圧によって発生する第四の振動成分の和又は差の、一方に基づき発生する第一の方向の駆動振動と、他方に基づき発生する第二の方向の駆動振動を含み、
前記第二の振動成分は、前記第一の方向の駆動振動および前記第二の方向の駆動振動の少なくとも一方の振動成分を含み、
前記第二の振動成分に対応する信号は、前記第三の振動成分と同じ方向の振動を検知する第一の検知信号と、前記第四の振動成分と同じ方向の振動を検知する第二の検知信号に基づいて、前記第二の振動成分に対応する前記信号を検知することを特徴とする請求項1記載の制御装置。
【請求項3】
前記第一の検知信号の振幅と、前記第二の検知信号の振幅の差から、前記第二の振動成分に対応する信号を検知することを特徴とする請求項2記載の制御装置。
【請求項4】
前記第二の振動成分に対応する信号は、前記第一の検知信号と前記第二の検知信号を用いて描くリサージュ図形における、傾斜によって変化するパラメータ、傾斜角、短径、長径、高さ、のパラメータのうち少なくとも1つから、検知することを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
【請求項5】
前記リサージュ図形は第一軸を前記第一の検知信号、第二軸を前記第二の検知信号として描くことを特徴とする請求項4記載の制御装置。
【請求項6】
前記リサージュ図形は第一軸を前記第一の検知信号と前記第二の検知信号の和信号、第二軸を前記第一の検知信号と前記第二の検知信号の差信号として描くことを特徴とする請求項4記載の制御装置。
【請求項7】
前記第一の検知信号における、振幅および位相に基づくベクトルを第一の信号ベクトル、
前記第二の検知信号における、振幅および位相に基づくベクトルを第二の信号ベクトルとし、
前記第一の信号ベクトルと前記第二の信号ベクトルの和又は差のいずれか一方を第一の振動ベクトル、他方を第二の振動ベクトルとし、
前記第一の振動ベクトルと同方向のベクトル成分を同方向成分、前記第一の振動ベクトルの法線方向のベクトル成分を法線方向成分とし、
前記第一の信号ベクトルおよび前記第二の信号ベクトルそれぞれの前記同方向成分の差と、
前記第一の信号ベクトルおよび前記第二の信号ベクトルそれぞれの前記法線方向成分の差と、
前記第一の振動ベクトルの大きさに応じて設定する比から、
前記第二の振動成分に対応する信号を検知することを特徴とする請求項2記載の制御装置。
【請求項8】
前記第一の検知信号を第一の信号ベクトル、前記第二の検知信号を第二の信号ベクトルとし、
前記第一の信号ベクトルと前記第二の信号ベクトルの和又は差のいずれか一方を第一の振動ベクトルとし他方を第二の振動ベクトルとし、
前記第一の振動ベクトルと同方向のベクトル成分を同方向成分、前記第一の振動ベクトルの法線方向のベクトル成分を法線方向成分とし、
前記第二の振動ベクトルの前記同方向成分と、前記第二の振動ベクトルの前記法線方向成分と、前記第一の振動ベクトルの大きさに応じて設定する比から、前記第二の振動成分に対応する信号を検知することを特徴とする請求項2記載の制御装置。
【請求項9】
前記第一の検知信号と前記第二の検知信号の和信号又は差信号の一方の信号を基準信号、他方を測定対象信号とし、
前記基準信号の位相を基準位相とし、
前記測定対象信号を前記基準位相に対して相対的に設定された位相区間で行う区間積分によって、前記第二の振動成分に対応する信号を検知することを特徴とする請求項2記載の制御装置。
【請求項10】
前記第一の検知信号と前記第二の検知信号の和信号又は差信号の一方の信号を基準信号、他方を測定対象信号とし、
前記基準信号の位相を基準位相とし、
前記測定対象信号を前記基準位相に対して相対的に設定された位相差で生成した参照信号で同期検波することによって、前記第二の振動成分に対応する信号を検知することを特徴とする請求項2記載の制御装置。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は振動型駆動装置の位置、速度および推力を検出および制御する装置に関するものである。
続きを表示(約 3,000 文字)
【背景技術】
【0002】
振動型アクチュエータの振動体の振動によって駆動される接触体の移動速度は、無負荷状態においては前記振動体の振動振幅に略比例しているため、簡易的な速度制御の用途では速度センサの代わりに前記振動振幅を検出する手段を用いて速度制御が行われている。
【0003】
特許文献1では振動体の振動振幅を速度センサの代わりに用いて速度制御を行っている。しかし、移動体に外力が働いた場合には精度良く速度を検出することが出来なかった。
【0004】
また、エンコーダ等を用いて速度検出する場合、停止状態を高速に検出することが困難だった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第3191406
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、簡素な構成で十分な精度で力(又はトルク)の発生によらず速度を推定する事ができる振動型駆動装置および振動型駆動装置の制御装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の制御装置は、弾性体と電気-機械エネルギー変換素子を備えた振動体および前記弾性体と接する接触体を有し、前記振動体の振動により前記振動体と前記接触体とが所定の移動方向に相対的に移動する振動型アクチュエータの制御装置であって、
前記振動は、
前記電気-機械エネルギー変換素子に印加された電圧によって前記振動体に発生する第一の振動成分と、
前記接触体と前記弾性体の接触により前記振動体に発生する第二の振動成分を含み、
前記制御装置は、前記第二の振動成分に対応する信号を検知し、前記信号に基づき前記振動体と前記接触体の間の速度を検出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、簡素な構成で十分な精度で力(又はトルク)の発生によらず速度を推定する事が可能である。また、方向も含めた速度が検出可能なので停止状態の検出も高速に行う事が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
第1の実施例の振動型アクチュエータの概略構成および振動形状の第1の例を示す図
第1の実施例の振動型アクチュエータの駆動装置の構成の第1の例を示す図
振動体と接触体間の相対速度と振動体の振動軌跡の関係を示す模式図
第1の実施例に係る第二の振動成分を検知する第1および第2の例を説明する図
第1の実施例に係る速度と振動楕円の傾きの関係を示す図
第1の実施例に係る速度と(電流信号IAの振幅-電流信号IBの振幅)の関係を示す図
第1の実施例に係る第二の振動成分を検知する第4の例を説明する図
第1の実施例に係る振動波形から突き上げ振動方向の同方向成分および法線方向成分のベクトルの大きさの求め方を説明する図
第1の実施例に係る第二の振動成分を検知する第5の例を説明する図
第1の実施例に係る第二の振動成分を検知する第6および第7の例を説明する図
第1の実施例に係る駆動回路および振動体の等価回路モデルおよびこれを用いた振動型アクチュエータの駆動装置の構成の第2の例を示す図
第1の実施例に係る振動型アクチュエータの駆動装置の構成の第3の例とここで用いる電流信号生成部51の機能を説明する図
第1の実施例に係る第二の振動成分Sから速度を求めるための補正係数と速度を推定した結果を示す図
第1の実施例に係る振動型アクチュエータの駆動装置の構成の第4および第5の例を示す図
第1の実施例に係るCPU34で実行される速度を制御する動作を示すフローチャート図
第1の実施例に係るCPU34で実行される突き上げ振動振幅を制御する動作を示すフローチャート図
第1の実施例に係る振動型アクチュエータの駆動装置の構成の第6の例を示す図
第1の実施例に係る振動型アクチュエータの概略構成および振動形状の第2の例を示す図
第1の実施例に係る振動型アクチュエータの概略構成および振動形状の第3の例を示す図
第1の実施例に係る基準速度および速度変化に対する推力変化の比(β)を示す図
第1の実施例に係る振動型アクチュエータの駆動装置の構成の第7の例を示す図
第1の実施例に係る交流信号波形とVB電圧振幅指令の波形の例を示す図
第2の実施例に係る振動型アクチュエータの概略構成の第1の例を示す図
第2の実施例に係る振動型アクチュエータの駆動装置の構成の第1の例を示す図
第2の実施例に係る第二の振動成分を検知する第1および第2の例を説明する図
第2の実施例に係る第二の振動成分を検知する第3の例を説明する図
第2の実施例に係る振動波形から突き上げ振動方向の同方向成分および法線方向成分のベクトルの大きさの求め方を説明する図
第2の実施例に係る第二の振動成分を検知する第4の例を説明する図
第2の実施例に係る第二の振動成分を検知する第5および第6の例を説明する図
第2の実施例に係る駆動回路および振動体の等価回路モデルおよびこれを用いた振動型アクチュエータの駆動装置の構成の第2の例を示す図
第2の実施例に係る第二の振動成分Sから速度を求めるための補正係数を示す図
第2の実施例に係る振動型アクチュエータの駆動装置の構成の第3の例を示す図
第2の実施例に係るCPU34で実行される速度を制御する動作を示すフローチャート図
第2の実施例に係る基準速度および速度変化に対するトルク変化の比(β)を示す図
第3の実施例に係る振動型アクチュエータの概略構成の例を示す図
第3の実施例に係る振動型アクチュエータの駆動装置の構成例を示す図
第4の実施例に係る振動型アクチュエータの概略構成、圧電体電極の電気接続および振動体の突起構造と圧電体の位置関係の第1の例を示す図
第4の実施例に係る振動型アクチュエータの駆動装置の構成の第1および第2の例を示す図
第4の実施例に係る振動型アクチュエータの振動体に設けられた突起構造と圧電体の位置関係の第2および第3の例を示す図
第4の実施例に係る振動型アクチュエータの駆動装置の構成の第3の例を示す図
第4の実施例に係る基準速度および速度変化に対するトルク変化の比(β)を示す図
第5の実施例に係る振動型アクチュエータの駆動装置の構成の第1および第2の例を示す図
第6の実施例に係る振動型アクチュエータの概略構成の例を示す図
第6の実施例に係る振動型アクチュエータの振動モードを示す図
第6の実施例に係る振動型アクチュエータの駆動装置の構成の第1および第2の例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を実施するための振動型駆動装置は以下を備えている。
(【0011】以降は省略されています)
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