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公開番号2025033579
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-13
出願番号2023139377
出願日2023-08-29
発明の名称減塩された水産練り製品の改質剤、減塩された水産練り製品の改質方法、および減塩された水産練り製品
出願人味の素株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類A23L 17/00 20160101AFI20250306BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】食塩の含有量を低減しながら、生具の物性の低下が改善され、さらに焼成後の食感の低下も改善された水産練り製品を提供する。
【解決手段】食塩相当量が1.8g/100g以下である水産練り製品の改質剤であって、アミロース含有量が10重量%~30重量%である未加工澱粉と、アミロース含有量が10重量%~30重量%であるα化架橋澱粉とを含有する、改質剤とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
食塩相当量が1.8g/100g以下である水産練り製品の改質剤であって、アミロース含有量が10重量%~30重量%である未加工澱粉と、アミロース含有量が10重量%~30重量%であるα化架橋澱粉とを含有する、改質剤。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
アミロース含有量が10重量%~30重量%である未加工澱粉と、アミロース含有量が10重量%~30重量%であるα化架橋澱粉との含有量比(アミロース含有量が10重量%~30重量%である未加工澱粉:アミロース含有量が10重量%~30重量%であるα化架橋澱粉)が、重量比にて1:9~6:4である、請求項1に記載の改質剤。
【請求項3】
食塩相当量が0.9g/100g以上1.8g/100g以下の水産練り製品の改質剤である、請求項1または2に記載の改質剤。
【請求項4】
魚介類の可食部のすり身1gあたり、澱粉添加量にして0.019g~0.3g添加される、請求項1または2に記載の改質剤。
【請求項5】
アミロース含有量が10重量%~30重量%であるα化架橋澱粉が、アミロース含有量が10重量%~30重量%であるα化リン酸架橋澱粉およびアミロース含有量が10重量%~30重量%であるα化アジピン酸架橋澱粉からなる群より選択される1種以上である、請求項1または2に記載の改質剤。
【請求項6】
食塩相当量が1.8g/100g以下である水産練り製品の改質方法であって、アミロース含有量が10重量%~30重量%である未加工澱粉と、アミロース含有量が10重量%~30重量%であるα化架橋澱粉とを水産練り製品に添加することを含む、改質方法。
【請求項7】
アミロース含有量が10重量%~30重量%である未加工澱粉と、アミロース含有量が10重量%~30重量%であるα化架橋澱粉との添加量比(アミロース含有量が10重量%~30重量%である未加工澱粉:アミロース含有量が10重量%~30重量%であるα化架橋澱粉)が、重量比にて1:9~6:4である、請求項6に記載の改質方法。
【請求項8】
食塩相当量が0.9g/100g以上1.8g/100g以下の水産練り製品の改質方法である、請求項6または7に記載の改質方法。
【請求項9】
アミロース含有量が10重量%~30重量%である未加工澱粉および、アミロース含有量が10重量%~30重量%であるα化架橋澱粉の添加量が、魚介類の可食部のすり身1gあたり、澱粉添加量にして0.019g~0.3gである、請求項6または7に記載の改質方法。
【請求項10】
アミロース含有量が10重量%~30重量%であるα化架橋澱粉が、アミロース含有量が10重量%~30重量%であるα化リン酸架橋澱粉およびアミロース含有量が10重量%~30重量%であるα化アジピン酸架橋澱粉からなる群より選択される1種以上である、請求項6または7に記載の改質方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、減塩された水産練り製品の改質剤、減塩された水産練り製品の改質方法、および減塩された水産練り製品に関する。
続きを表示(約 4,200 文字)【背景技術】
【0002】
かまぼこ、ちくわ、魚肉ソーセージ等の水産練り製品は、特有の歯ごたえ、弾力のある食感が好まれ、わが国において古くから食されてきた。他の魚料理に比べて高齢者でも食べやすいことから、昨今は、タンパク質を摂取してフレイルを防止し得る食品として評価され、また、日本食ブーム、健康ブームの追い風により、欧米での消費量も増えている。
水産練り製品は、魚肉等魚介類の可食部のすり身を主原料とし、食塩を加えて練って成形した後、加熱によりゲル化させて製造される。魚介類の可食部に食塩を加えてすり潰し、こねることにより、塩溶性タンパク質が溶け出し、アクトミオシンが形成され、アクトミオシンの網目構造により、水産練り製品はゲルとなり、水産練り製品特有の弾力、プリプリとした食感、歯応えを生じることが知られている。
【0003】
一方、近年の健康志向を背景に、食塩含有量を低減した減塩食品の人気が高まり、水産練り製品においても、減塩の要請が高まっている。しかし、食塩含有量を低減すると、魚介類の可食部の塩溶性タンパク質の溶出が減少し、アクトミオシンの網目構造の形成が抑制される。その結果、水産練り製品を製造する際、魚介類の可食部のすり身を主原料とする具(以下、本明細書にて「生具」という)が軟化し、成形機やベルトコンベアへの付着や成形不良が発生し、また、加熱処理(焼成)後の製品の物性も軟化し、食感が低下するという問題が生じる。
減塩による上記生具の軟化に対し、生具の調製に際して添加する水の量を減らす、生具の弾力を増強し得る原料や添加物、たとえば小麦タンパク質、大豆タンパク質、デンプン、アスコルビン酸等の還元剤、トランスグルタミナーゼ等の酵素製剤、塩化カルシウム等の酵素促進剤、重合リン酸塩等の結着剤、卵白等のプロテアーゼインヒビター、油脂等を加えて、生具を硬くするといった手段が講じられる。
しかしながら、上記の手段では、コストの増大を招いたり、添加する原料や添加物の種類、量によっては、魚肉等のすり身の食感とは異なる違和感のある食感となったり、かえって生具の付着性が抑制できなくなったりすることがあった。
【0004】
水産練り製品の食感を改善する試みとしては、魚肉すり身に対し、豆腐、α化澱粉等の加工澱粉、豆乳、植物油を添加し、ふわっとした食感を有する新規なすり身製品を提供する技術(特許文献1)や、低温糊化特性を有する甘藷澱粉またはその加工澱粉を有効成分とする水産練り製品用食感改良剤(特許文献2)が提案されている。
しかし、特許文献1および2で提案されている技術は、通常量の食塩を添加した水産練り製品を対象としたものであり、食塩の使用量を低減した際にも、所望の食感改良効果が得られるかどうかは明らかではない。
また、食塩を使用しない魚肉擂潰物に対し、グルコマンナンの水和物のゲルを併用する技術(特許文献3)が提案されている。
しかしながら、魚肉等、魚介類の可食部のすり身の有する本来の好ましい食感を損なうことなく、食塩使用量が低減された水産練り製品は依然として得られていない。
【0005】
従って、食塩含有量を低減しながら、かつ、生具の軟化、成形機等への付着性等、物性の低下が改善され、焼成後の食感の低下も改善された減塩水産練り製品の開発が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2012-249574号公報
特開2014-054225号公報
特開平8-224069号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、食塩の含有量を低減しながら、生具の物性の低下が改善され、さらに焼成後の食感の低下も改善された水産練り製品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、食塩相当量が1.8g/100g以下に低減された水産練り製品において、アミロース含有量が10重量%~30重量%である未加工澱粉と、アミロース含有量が10重量%~30重量%であるα化架橋澱粉とを添加することにより、減塩による生具の物性の低下および焼成後の食感の低下が改善されることを見出し、さらに検討して、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、以下に関する。
[1]食塩相当量が1.8g/100g以下である水産練り製品の改質剤であって、アミロース含有量が10重量%~30重量%である未加工澱粉と、アミロース含有量が10重量%~30重量%であるα化架橋澱粉とを含有する、改質剤。
[2]アミロース含有量が10重量%~30重量%である未加工澱粉と、アミロース含有量が10重量%~30重量%であるα化架橋澱粉との含有量比(アミロース含有量が10重量%~30重量%である未加工澱粉:アミロース含有量が10重量%~30重量%であるα化架橋澱粉)が、重量比にて1:9~6:4である、[1]に記載の改質剤。
[3]食塩相当量が0.9g/100g以上1.8g/100g以下の水産練り製品の改質剤である、[1]または[2]に記載の改質剤。
[4]魚介類の可食部のすり身1gあたり、澱粉添加量にして0.019g~0.3g添加される、[1]~[3]のいずれかに記載の改質剤。
[5]アミロース含有量が10重量%~30重量%であるα化架橋澱粉が、アミロース含有量が10重量%~30重量%であるα化リン酸架橋澱粉およびアミロース含有量が10重量%~30重量%であるα化アジピン酸架橋澱粉からなる群より選択される1種以上である、[1]~[4]のいずれかに記載の改質剤。
[6]食塩相当量が1.8g/100g以下である水産練り製品の改質方法であって、アミロース含有量が10重量%~30重量%である未加工澱粉と、アミロース含有量が10重量%~30重量%であるα化架橋澱粉とを水産練り製品に添加することを含む、改質方法。
[7]アミロース含有量が10重量%~30重量%である未加工澱粉と、アミロース含有量が10重量%~30重量%であるα化架橋澱粉との添加量比(アミロース含有量が10重量%~30重量%である未加工澱粉:アミロース含有量が10重量%~30重量%であるα化架橋澱粉)が、重量比にて1:9~6:4である、[6]に記載の改質方法。
[8]食塩相当量が0.9g/100g以上1.8g/100g以下の水産練り製品の改質方法である、[6]または[7]に記載の改質方法。
[9]アミロース含有量が10重量%~30重量%である未加工澱粉および、アミロース含有量が10重量%~30重量%であるα化架橋澱粉の添加量が、魚介類の可食部のすり身1gあたり、澱粉添加量にして0.019g~0.3gである、[6]~[8]のいずれかに記載の改質方法。
[10]アミロース含有量が10重量%~30重量%であるα化架橋澱粉が、アミロース含有量が10重量%~30重量%であるα化リン酸架橋澱粉およびアミロース含有量が10重量%~30重量%であるα化アジピン酸架橋澱粉からなる群より選択される1種以上である、[6]~[9]のいずれかに記載の改質方法。
[11]食塩相当量が1.8g/100g以下である水産練り製品であって、魚介類の可食部のすり身、アミロース含有量が10重量%~30重量%である未加工澱粉および、アミロース含有量が10重量%~30重量%であるα化架橋澱粉を含有する、水産練り製品。
[12]アミロース含有量が10重量%~30重量%である未加工澱粉と、アミロース含有量が10重量%~30重量%であるα化架橋澱粉との含有量比(アミロース含有量が10重量%~30重量%である未加工澱粉:アミロース含有量が10重量%~30重量%であるα化架橋澱粉)が、重量比にて1:9~6:4である、[11]に記載の水産練り製品。
[13]さらに卵白を含有する、[11]または[12]に記載の水産練り製品。
[14]食塩相当量が0.9g/100g以上1.8g/100g以下である、[11]~[13]のいずれかに記載の水産練り製品。
[15]魚介類の可食部のすり身の含有量が15重量%~30重量%である、[11]~[14]のいずれかに記載の水産練り製品。
[16]アミロース含有量が10重量%~30重量%であるα化架橋澱粉が、アミロース含有量が10重量%~30重量%であるα化リン酸架橋澱粉およびアミロース含有量が10重量%~30重量%であるα化アジピン酸架橋澱粉からなる群より選択される1種以上である、[11]~[15]のいずれかに記載の水産練り製品。
[17]アミロース含有量が10重量%~30重量%である未加工澱粉およびアミロース含有量が10重量%~30重量%であるα化架橋澱粉の含有量が、魚介類の可食部のすり身1gあたり、澱粉含有量にして0.019g~0.3gである、[11]~[16]のいずれかに記載の水産練り製品。
【発明の効果】
【0010】
本発明により提供される減塩された水産練り製品の改質剤は、減塩された水産練り製品において、減塩による生具の物性の低下および焼成後の食感の低下を改善することができる。
また、本発明により提供される減塩された水産練り製品の改質方法は、減塩された水産練り製品において、減塩による生具の物性の低下および焼成後の食感の低下を改善することができる。
さらに本発明により、減塩された水産練り製品であって、減塩による生具の物性の低下および焼成後の食感の低下が改善された水産練り製品を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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