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公開番号
2025033190
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-13
出願番号
2023138739
出願日
2023-08-29
発明の名称
パーフルオロアルキル基含有アリール化合物の製造方法
出願人
AGC株式会社
,
国立大学法人 東京大学
代理人
弁理士法人志賀国際特許事務所
主分類
C07C
381/00 20060101AFI20250306BHJP(有機化学)
要約
【課題】パーフルオロアルキル基と結合したテトラフルオロスルファニル基が導入されたアリール化合物を合成する新規な製造方法の提供。
【解決手段】テトラヨードメタンとラジカル開始剤の存在下、下記一般式(2)で表されるチオアリール化合物を、テトラフルオロエチレンに付加する反応を行い、下記一般式(1)で表される化合物を合成し、前記一般式(1)で表される化合物を、フッ素化剤によりフッ素化することにより、下記一般式(3)で表されるパーフルオロアルキル基含有アリール化合物を合成する、パーフルオロアルキル基含有アリール化合物の製造方法[式中、A
1
は、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよいヘテロアリール基である]。
[化1]
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2025033190000012.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">19</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">170</com:WidthMeasure> </com:Image> 【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
テトラヨードメタンとラジカル開始剤の存在下、下記一般式(2)
TIFF
2025033190000008.tif
10
170
[式中、A
1
は、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよいヘテロアリール基である]
で表されるチオアリール化合物を、テトラフルオロエチレンに付加する反応を行い、下記一般式(1)
TIFF
2025033190000009.tif
10
170
[式中、A
1
は、前記と同じである]
で表される化合物を合成し、
前記一般式(1)で表される化合物を、フッ素化剤によりフッ素化することにより、下記一般式(3)
TIFF
2025033190000010.tif
10
170
[式中、A
1
は、前記と同じである]
で表されるパーフルオロアルキル基含有アリール化合物を合成する、パーフルオロアルキル基含有アリール化合物の製造方法。
続きを表示(約 410 文字)
【請求項2】
前記A
1
が、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アシル基、シアノ基、アミノ基、及びニトロ基からなる群より選択される1種以上の置換基を有していてもよいアリール基である、請求項1に記載のパーフルオロアルキル基含有アリール化合物の製造方法。
【請求項3】
前記反応を、-40~130℃で行う、請求項1又は2に記載のパーフルオロアルキル基含有アリール化合物の製造方法。
【請求項4】
下記一般式(3)
TIFF
2025033190000011.tif
10
170
[式中、A
1
は、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよいヘテロアリール基である。]
で表される、パーフルオロアルキル基含有アリール化合物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーフルオロアルキル基と結合したテトラフルオロスルファニル基が導入されたアリール化合物の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)
【背景技術】
【0002】
含フッ素化合物は、特異な材料特性や生物活性を示す。例として、フッ素原子やトリフルオロメチル基を有機化合物に導入することによって、代謝安定性に加えて疎水性の向上がみられる。このため、特に医農薬開発において、フッ素原子を有する化合物の利用が顕著である。近年、含フッ素化合物の高機能化という観点から、疎水性向上の効果がより大きい官能基へと研究対象が移っている。例えば、六価の硫黄に複数フッ素原子が結合した構造を有する硫黄-フッ素官能基が、対応する炭素-フッ素官能基と比較して高い疎水性を付与するとして注目されている(非特許文献1)。
【0003】
一方で、既存の化合物への硫黄-フッ素官能基の導入は困難であり、このため、その高い魅力にもかかわらず、医薬品や農薬の薬効成分や、有機材料等への硫黄-フッ素官能基の使用はなかなか進んでいない。これまでに進んでいる研究としては、硫黄-フッ素官能基としてペンタフルオロ-λ
6
-スルファニル(SF
5
)基の導入方法がある。実用的な芳香族SF
5
化合物の合成法としては、クロロテトラフルオロ-λ
6
-スルファニル(SF
4
Cl)化合物を中間体とする2段階合成が開発されている(特許文献1)。また、芳香族SF
4
CF
3
化合物が合成され、芳香族SF
5
化合物よりも大きな疎水性を有することが明らかになった(非特許文献2)。さらに、ラジカル開始剤の存在下、SF
4
Cl化合物とフッ素置換オレフィンとを反応させることにより、単一ステップで、テトラフルオロスルファニル基含有アリール化合物を合成できる方法が報告されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2010/014665号
国際公開第2023/048244号
【非特許文献】
【0005】
Savoie and Welch, Chemical Reviews, 2015, vol.115, p.1130-1190.
Kirsch and Hahn, Eur. J. Org. Chem. 2006, vol.2006(5), p.1125-1131.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2に記載の方法により、クロロテトラフルオロエチル基と結合したテトラフルオロスルファニル基が導入されたアリール化合物を、比較的簡便に合成することができる。しかし、当該方法では、パーフルオロエチル基と結合したテトラフルオロスルファニル基が導入されたアリール化合物を合成することはできない。
【0007】
本発明は、パーフルオロアルキル基と結合したテトラフルオロスルファニル基が導入されたアリール化合物を効率よく合成できる新規な製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、テトラヨードメタンとラジカル開始剤の存在下、SF
4
Cl化合物とテトラフルオロエチレンとを反応させ、得られたヨード化合物をフッ素化することにより、パーフルオロアルキル基と結合したテトラフルオロスルファニル基が導入されたアリール化合物を、比較的温和な条件で容易に合成できることを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1] テトラヨードメタンとラジカル開始剤の存在下、下記一般式(2)
【0010】
TIFF
2025033190000001.tif
10
170
(【0011】以降は省略されています)
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