TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
10個以上の画像は省略されています。
公開番号
2025061344
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-10
出願番号
2025005698,2022511578
出願日
2025-01-15,2021-01-27
発明の名称
結晶化ガラス、高周波用基板および結晶化ガラスの製造方法
出願人
AGC株式会社
代理人
弁理士法人栄光事務所
主分類
C03C
10/04 20060101AFI20250403BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約
【課題】本発明は、安価に製造でき、成形の自由度が高く、低温焼成可能な誘電正接が小さな材料を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明の結晶化ガラスは、Ba-Si-Oのみからなる結晶相を有するガラスである。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
Ba-Si-Oのみからなる結晶相を有する結晶化ガラス。
続きを表示(約 3,000 文字)
【請求項2】
前記結晶相は、BaSi
2
O
5
及びBa
2
Si
4
O
10
の少なくとも一方を含む、請求項1に記載の結晶化ガラス。
【請求項3】
前記BaSi
2
O
5
の結晶化度とBa
2
Si
4
O
10
の結晶化度の合計値が重量%表示で15%以上50%以下である、請求項2に記載の結晶化ガラス。
【請求項4】
前記結晶化ガラスはLiを含有し、前記結晶相に含まれるLi系結晶の結晶化度は重量%表示で20%以下である、請求項1から3のいずれか1項に記載の結晶化ガラス。
【請求項5】
下記式で表される格子定数の差分の二乗総和が0.050以下である、請求項2から4のいずれか1項に記載の結晶化ガラス。
(格子定数の差分の二乗総和)=(A
BS2
-A’
BS2
)
2
+(B
BS2
-B’
BS2
)
2
+(C
BS2
-C’
BS2
)
2
+(A
B2S4
-A’
B2S4
)
2
+(B
B2S4
-B’
B2S4
)
2
+(C
B2S4
-C’
B2S4
)
2
ここで、前記結晶相中で測定されるBaSi
2
O
5
の格子定数をA
BS2
、B
BS2
、C
BS2
とし、Ba
2
Si
4
O
10
の格子定数をA
B2S4
、B
B2S4
、C
B2S4
とし、ICSD Collection Code:15486に記載の、理想的な結晶状態におけるBaSi
2
O
5
の格子定数をA’
BS2
、B’
BS2
、C’
BS2
とし、ICSD Collection Code:9339に記載の、理想的な結晶状態におけるBa
2
Si
4
O
10
の格子定数をA’
B2S4
、B’
B2S4
、C’
B2S4
とする。
【請求項6】
前記BaSi
2
O
5
の結晶化度と前記BaSi
2
O
5
の{400}面、{020}面、および{002}面の各面における歪みの積との合計値と、前記Ba
2
Si
4
O
10
の結晶化度と前記Ba
2
Si
4
O
10
の{400}面、{020}面、および{002}面の各面における歪みの積との合計値の和が、0.030以下である、請求項2から5のいずれか1項に記載の結晶化ガラス。
【請求項7】
下記試験方法により求められる、格子定数の差分の二乗総和と10GHzにおける誘電正接とが線形関係となる組成αを有する、請求項1から6のいずれか1項に記載の結晶化ガラス。
試験方法:
(i)組成αを有する複数の非晶質ガラスを準備し、結晶化条件を変えた複数サンプルを作製する。
(ii)前記各サンプルの、10GHzにおける誘電正接を測定する。
(iii)各サンプルにおいて、結晶相中のBaSi
2
O
5
の格子定数A
BS2
、B
BS2
、C
BS2
と、前記結晶相中のBa
2
Si
4
O
10
の格子定数A
B2S4
、B
B2S4
、C
B2S4
を測定する。
(iv)下記式により、前記各サンプルにおいて格子定数の差分の二乗総和を求める。:
ICSD Collection Code:15486に記載の、理想的な結晶状態におけるBaSi
2
O
5
の格子定数をA’
BS2
、B’
BS2
、C’
BS2
とし、ICSD Collection Code:9339に記載の、理想的な結晶状態におけるBa
2
Si
4
O
10
の格子定数をA’
B2S4
、B’
B2S4
、C’
B2S4
とすると、
(格子定数の差分の二乗総和)=(A
BS2
-A’
BS2
)
2
+(B
BS2
-B’
BS2
)
2
+(C
BS2
-C’
BS2
)
2
+(A
B2S4
-A’
B2S4
)
2
+(B
B2S4
-B’
B2S4
)
2
+(C
B2S4
-C’
B2S4
)
2
(v)前記複数サンプルの前記格子定数の差分の二乗総和と、前記複数サンプルの10GHzにおける誘電正接との相関関係を求める。
【請求項8】
前記線形関係は、前記格子定数の差分の二乗総和をX、前記10GHzにおける誘電正接をYとしたとき、任意の傾きa、切片bを用い、下記式で表される、請求項7に記載の結晶化ガラス。
Y=ax+b かつ
a>0 かつ
b<0.0030
【請求項9】
酸化物基準のモル%表示で、
SiO
2
:68~78%
Al
2
O
3
:0~5%
BaO:24~35%
Li
2
O:0~6%
Na
2
O:0~3%
K
2
O:0~3%
ZrO
2
:0~4%
TiO
2
:0~4%
を含有し、
(Li
2
O+Na
2
O+K
2
O):0~6%を満たす、
請求項1から8のいずれか1項に記載の結晶化ガラス。
【請求項10】
Li
2
Oの含有量が0超~5%である、請求項7から9のいずれか1項に記載の結晶化ガラス。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、結晶化ガラス、結晶化ガラスを用いた高周波用基板およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、大容量伝送技術としてマイクロ波帯やミリ波帯域を利用する無線伝送が注目されている。しかし、使用する周波数の拡大に伴い信号周波数が高くなるにつれて、高周波デバイスの誘電損失が大きくなる問題がある。そこで、誘電損失が小さな誘電体基板が求められている。この誘電体基板の材料は、例えば、石英、セラミックス、ガラスなどから選ばれる。ここで、ガラスであっても、ガラスの一部を結晶化させた結晶化ガラスは、石英やセラミックスに比べ成形容易で安価に製造でき、誘電損失をより小さくできるという利点がある。低損失な結晶化ガラスとしては、例えば非特許文献1に示すような、インディアライト/コーディアライト結晶化ガラスが挙げられる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
H.Ohsato,J S.Kim,A Y.Kim,C I.Cheon,K W.Chae,Millimeter Wave Dielectric Properties of Cordierite/Indialite Glass Ceramics,Jpn.J.Appl.Phys.,50(2011)09NF01 1 5.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、非特許文献1に示す結晶化ガラスは、1200℃を超える高温で結晶化処理を行う必要があった。
以上の背景を踏まえ、本発明では低温焼成可能な結晶化ガラスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明では、Ba-Si-Oのみからなる結晶相を有する結晶化ガラスを提供する。
【0006】
また、本発明では、上記結晶化ガラスを用いた高周波用基板を提供する。
【0007】
また本発明では、
BaO及びSiO
2
を含有する原料を溶融成形して非晶質ガラスを得て、前記非晶質ガラスを600℃以上1000℃未満の処理温度で保持することで結晶化させる、Ba-Si-Oのみからなる結晶相を有する結晶化ガラスの製造方法、を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、低温焼成可能な結晶化ガラス、及びそれを用いた高周波用基板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、実験例におけるBaSi
2
O
5
およびBa
2
Si
4
O
10
の結晶化度合計と誘電正接tanδの関係を示した図である。
図2は、実験例における組成HにおけるLi
2
Si
2
O
5
の結晶化度と、誘電正接tanδの関係を示した図である。
図3は、実験例におけるBaSi
2
O
5
およびBa
2
Si
4
O
10
の格子定数の差分の二乗総和と誘電正接tanδの関係を示した図である。
図4は、指標2のBaSi
2
O
5
およびBa
2
Si
4
O
10
の{400}面、{020}面、{002}面での歪みの合計値と結晶化度の合計値の積と、結晶化ガラスの誘電正接tanδの関係を示した図である。
図5は、XLi
2
O-(30-X)BaO-70SiO
2
組成においてX=0.2、0.5、1.0、2.0、3.0、5.0と変化させた際の結晶化開始温度を示したDSCの測定結果である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<結晶化ガラス>
まず、本発明における結晶化ガラスについて説明する。
本発明の結晶化ガラスは、Ba-Si-Oのみからなる結晶相を有することを特徴とする。本発明の結晶化ガラスは、BaO、SiO
2
を含有する非晶質ガラスを溶融成形し、徐冷後の非晶質ガラスブロックを用いて、1000℃未満の低温で加熱処理しBa-Si-Oのみからなる結晶を析出させることにより製造できる。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
他の特許を見る