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公開番号2025032069
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-11
出願番号2024174215,2021532285
出願日2024-10-03,2019-08-17
発明の名称膵臓癌を治療する方法
出願人ピーティーシー セラピューティクス, インコーポレイテッド,ザ トラスティーズ オブ コロンビア ユニヴァーシティ イン ザ シティ オブ ニューヨーク
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類A61K 31/506 20060101AFI20250304BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】PDAの生物物理学的障害を克服して、腫瘍組織への有効な生体内分布をもたらし、必要な薬力学的特性を有し、膵臓癌の治療のための他の化学療法剤と相乗的に組み合わせられる化学療法剤が必要とされている。
【解決手段】有効量のチューブリン重合阻害剤化合物を対象に投与することを含む、それを必要とする対象における膵臓癌を治療する方法が本明細書に記載される。より詳細には、有効量の置換逆ピリミジンチューブリン重合阻害剤化合物を単独でまたは他の化学療法剤と組み合わせて対象に投与することを含む、それを必要とする対象における膵管腺癌を治療する方法が、本明細書に記載される。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
式(I)の構造を有する有効量の5-フルオロ-2-(6-フルオロ-2-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-N4-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン-4,6-ジアミン、またはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む、それを必要とする対象における膵臓癌を治療する方法。
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式(I)
続きを表示(約 430 文字)【請求項2】
有効量の5-フルオロ-2-(6-フルオロ-2-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-N4-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン-4,6-ジアミン、またはその薬学的に許容される塩を有効量の1つまたは複数の化学療法剤と組み合わせて対象に投与することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
化学療法剤が、ゲムシタビン、nab-パクリタキセルおよびこれらの組み合わせから選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
膵臓癌が膵管腺癌である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
医薬組成物の形態で有効量の5-フルオロ-2-(6-フルオロ-2-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-N4-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン-4,6-ジアミン、またはその薬学的に許容される塩を対象に投与することをさらに含む、請求項1に記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
有効量のチューブリン重合阻害剤化合物を対象に投与することを含む、それを必要とする対象における膵臓癌を治療する方法が本明細書に記載される。より詳細には、有効量の置換逆ピリミジンチューブリン重合阻害剤化合物を単独でまたは他の化学療法剤と組み合わせて対象に投与することを含む、それを必要とする対象における膵管腺癌を治療する方法が、本明細書に記載される。
続きを表示(約 10,000 文字)【背景技術】
【0002】
2018年に膵臓癌と診断されたアメリカ人は推定55,440人であり、膵臓癌は癌関連死亡率の5番目に多い原因である。これらの数字は、今後10年間で増加することが予想される。膵管腺癌(PDA)は化学療法抵抗性の高い癌で、年間45,000人を超える死亡の原因であり、膵臓腫瘍の約93%を占める。近年のいくつかの大きな進歩にもかかわらず、PDAは依然として主として難治性の癌であり、生存期間中央値は6カ月未満、5年生存率はわずか8.7%である。
いくつかの因子がこの予後不良に寄与する。ほとんどの患者(85%)は、1つの有効な介入:外科的切除を妨げる進行性疾患を呈する。しかし、手術を受けた限局性疾患を有する患者の間でも、5年および10年生存率は高い再発率により各々わずか25%および8%である(A. Richter et al., World J Surg 27, 324, Mar 2003)。これらの残り85%の患者、および再発性疾患を有する患者については、利用可能な治療が少ない。国の標準治療療法であるゲムシタビンは、生存を数週間緩やかに延長し、主に生活の質の指標を改善することが認められている(H. A. Burris, 3rd et al., J Clin Oncol 15, 2403, Jun 1997)。進行性PDAの唯一の他のFDA承認薬としてはタルセバがあり、これはゲムシタビンと組み合わせた場合、平均でちょうど10日の追加の利点を提供する。様々な剤および組み合わせの60を超える臨床試験(H. Q. Xiong, K. Carr, J. L. Abbruzzese, Drugs 66, 1059, 2006)にもかかわらず、他の有効な療法は同定されていない。
【0003】
PDAの最も顕著な特徴の一つは、高い間質性流体圧、血管分布の低下、ならびに組織灌流および拡散の低下をもたらす、局所微小環境を調整する拡張性線維形成性間質の存在である。結果的に、膵臓腫瘍への薬物送達は、正常な組織よりも効率が悪く、この疾患を特徴付ける広範な一次化学療法抵抗性に寄与する。細胞傷害性療法に対するPDAの広範な抵抗性は、一つには、薬物送達に対するこの生物物理学的障害に起因する。
KPC(KrasLSL.G12D/+;p53R172H/+;PdxCretg/+)遺伝子操作マウスモデルにおける化学療法剤の前臨床試験は、PDAに対する薬物の開発努力が、薬物暴露を改善する手段として長い半減期および高い治療指数(有効性と毒性との間の濃度範囲)を有する剤を重視すべきであることを示唆している。同様に、腫瘍細胞内での薬物安定性および保持率も、PDAの新しいレジメンの設計において考慮されるべきである。
【0004】
残念なことに、最も伝統的な細胞毒性剤は、循環から急速に除去されるか、正常な増殖組織に対して急性毒性があるか、急速に代謝されるか、または腫瘍細胞から積極的に排出される。有益な反例としては、転移性膵臓癌患者のためのゲムシタビンと組み合わせた、FDA承認のアルブミン結合形態の微小管安定化剤パクリタキセルであるnab-パクリタキセル(Abraxane、Celgene)がある。nab-パクリタキセルは、循環において27時間の末端半減期を有し、非修飾パクリタキセルよりも毒性が低い。このレジメンの成功は、膵臓癌薬の開発における薬理学の重要性を立証する一助となり、ゲムシタビン(デオキシシチジン類似体)と微小管標的剤との組み合わせの利点を実証した。
したがって、PDAの生物物理学的障害を克服して、腫瘍組織への有効な生体内分布をもたらし、必要な薬力学的特性を有し、膵臓癌の治療のための他の化学療法剤と相乗的に組み合わせられる化学療法剤が依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
式(I)の構造を有する5-フルオロ-2-(6-フルオロ-2-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-N4-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン-4,6-ジアミンと称される化合物1、またはその薬学的に許容される塩もしくは医薬組成物は、チューブリン重合およびBMI-1タンパク質機能を阻害するのに有用な小分子抗癌剤である(WO2014/081906を参照のこと)。
【0006】
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式(I)
化合物1は、長い循環半減期およびP糖タンパク質(PGP)基質活性の欠如および腫瘍組織への有効な生体内分布を含む薬理学的特性を示した。さらに、化合物1は、複数のPDA細胞株において有糸分裂停止およびアポトーシスを誘導することが示された。
【0007】
機構研究により、いずれか1つの特定の理論に限定されずに、化合物1は、微小管重合阻害剤として機能することが示された。さらに、化合物1は、ゲムシタビンおよびnab-パクリタキセルのいずれかまたは両方など、標準的な臨床レジメンと相乗的に組み合わせて、患者由来の異種移植モデル(PDX)における有効性を改善し、強力かつ永続的な癌の退行をもたらす。さらに、化合物1は、化学療法抵抗性の高い遺伝子操作KPC PDAマウスモデルにおいて、ゲムシタビンとの組み合わせにおける有効性を示した。
臨床開発中の抗癌剤としてのこれらのデータおよび実証された安全性プロファイルは、PDAに対する標準治療化学療法と組み合わせた化合物1の開発の明確な理論的根拠を実証する。
説明
本明細書に記載される一態様は、式(I)の構造を有する、有効量の化合物1である5-フルオロ-2-(6-フルオロ-2-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-N4-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン-4,6-ジアミン、またはその薬学的に許容される塩もしくは医薬組成物を対象に投与することを含む、それを必要とする対象における膵臓癌を治療する方法を含む。
【0008】
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式(I)
別の態様は、有効量の化合物1またはその薬学的に許容される塩もしくは医薬組成物を対象に投与することを含む、それを必要とする対象における膵管腺癌を治療する方法を含む。
【0009】
本明細書に記載される一態様は、有効量の化合物1またはその薬学的に許容される塩もしくは医薬組成物を有効量の1つまたは複数の化学療法剤と組み合わせて対象に投与することを含む、それを必要とする対象における膵臓癌を治療する方法を含む。
別の態様は、有効量の化合物1またはその薬学的に許容される塩もしくは医薬組成物を有効量の1つまたは複数の化学療法剤と組み合わせて対象に投与することを含む、それを必要とする対象における膵管腺癌を治療する方法を含む。
本明細書に記載される一態様は、有効量の化合物1またはその薬学的に許容される塩もしくは医薬組成物を、有効量のゲムシタビンおよびnab-パクリタキセルのいずれかまたは両方と組み合わせて対象に投与することを含む、それを必要とする対象における膵管腺癌を治療する方法を含む。
別の態様は、有効量の化合物1またはその薬学的に許容される塩もしくは医薬組成物を、有効量のゲムシタビンおよびnab-パクリタキセルのいずれかまたは両方と組み合わせて対象に投与することを含む、それを必要とする対象における膵管腺癌を治療する方法を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
ビヒクルまたは化合物1(0.1μMまたは1.0μM)での処理後の経時的な相対的Aspc1細胞生存率を示すグラフである。結果は、ビヒクルと比較して、化合物1が、ヒトPDA細胞生存率の用量および時間依存的低下を示すことを示している。
ヒビクルまたは化合物1(0.1μMまたは1.0μM)で処理したAspc1細胞からの7-AAD蛍光のフローサイトメトリーにより測定したDNA含有量を示す代表的なヒストグラムである。
ビヒクル(DMSO)、化合物1(0.1μM、1.0μM)または0.1μMのノコダゾール(NOC、陽性対照)での処理から24時間後のG0/G1期、S期およびG2/M期におけるAspc1細胞のパーセントを示すグラフである。
DMSO、化合物1(0.1μMまたは1.0μM)、または0.1μMのノコダゾール(NOC)での24時間の処理後の有糸分裂におけるAspc1細胞(PH3
+
/4N DNA含有量)のパーセントを示すプロットである。図1b、1cおよび1dは、化合物1がヒトPDA細胞の細胞周期停止の用量および時間依存的効果を示すことを示している。
24時間、48時間および72時間の時点でのビヒクルまたは化合物1(1.0μM)で処理したAspc1細胞のDAPI蛍光により測定したDNA含有量を示す代表的なヒストグラムである。
24時間、48時間、72時間の時点でのDMSOまたは化合物1(0.1μMまたは1.0μM)での処理後の>4NのDNA含有量を有するAspc1細胞のパーセントを示すグラフである。図2aおよび2bは、化合物1が、倍数性に影響されるヒトPDA細胞の量の用量および時間依存的増加を示すことを示している。
DMSOで24時間、または1.0μMの化合物1で72時間の処理後のAspc1細胞におけるアポトーシスの誘導を示す代表的なフローサイトメトリー散布図である。未固定細胞を、活性カスパーゼ3およびDAPIで染色して、生細胞(下部左)を初期アポトーシス(上部左)、後期アポトーシス(上部右)および壊死(下部右)と区別した。
24時間、48時間および72時間の時点でDMSOまたは化合物について定量した総アポトーシス性Aspc1細胞(活性カスパーゼ3
+
)を示すグラフである。図3aおよび3bは、ビヒクルと比較して、化合物1が細胞バイオマーカーの時間依存的増加を示し、これは細胞アポトーシスの対応する増加を示すことを示している。
ベースラインでまたは化合物1(10mg/kg)の単回経口用量の2、4、7、24もしくは48時間後に質量分析で測定したマウスにおける化合物1の血漿レベルを示すグラフである。図4aは、化合物1が、長い血漿半減期を有し、CNSを透過し、脳組織に分布することを示している。
化合物1、化合物2、クロルプロマジン、ピューロマイシン、ビンブラスチン、ドキソルビシン、パクリタキセルおよびビンクリスチンでのMDCK-P-gp対MDCK-WT細胞の処理に対するCC
50
値の比を示すプロットである。図4bは、細胞周期停止を引き起こす他の化学療法剤と比較して、化合物1、化合物2およびクロルプロマジンが、PGP基質として機能しないことを示している。
単独でまたはゲムシタビン(100mg/kg)と組み合わせた化合物1(10mg/kg)の単回経口用量の24時間後のKPCマウスからの血漿、四頭筋およびPDA組織における化合物1の濃度を示すプロットである。図5aは、該組み合わせの有効性の改善が、薬物動態学的薬物-薬物相互作用によるものではないことを示している。
10mg/kgの化合物1で処置したKPCマウスからの腫瘍に対するサイクリンB1のウエスタンブロットである。腫瘍生検試料(Bx)を、第1の用量の48時間前に得、第3の用量の24時間後に剖検(nx)で得た試料と比較した。
ビンキュリン(Vinc)に対して正規化された図5bからのサイクリンB1(CycB1)を定量するグラフである。図5aは、化合物1がPDA組織に分布していることを示しており、図5bおよび5cは、化合物1が、ビンキュリンと比較してサイクリンB1の一貫した減少を示すことを示しており、ビンキュリンに誘導されるアポトーシスと比較してサイクリンB1の減少により誘導されるPDA細胞の有糸分裂の進行の低減を示唆している。
化合物1とゲムシタビンとの組み合わせで処置したKPCマウスの経時的な体重を示すプロットである。
ビヒクル(VEH)、ゲムシタビン(GEM、100mg/kg週2回)、化合物1(Cpd1、17mg/kg週2回)または化合物1とゲムシタビンとの組み合わせ(Cpd/GEM)で処置したKPCマウスの経時的な生存を示すプロットである。
ビヒクル(VEH)、ゲムシタビン(GEM)、化合物1(Cpd1)、または化合物1とゲムシタビンとの組み合わせ(Cpd/GEM)で処置したKPCマウスにおける縦方向の腫瘍体積から計算した腫瘍増殖率の計算を示すプロットである。
ビヒクル(VEH)、ゲムシタビン(GEM)、化合物1(Cpd1)または化合物1とゲムシタビンとの組み合わせ(Cpd/GEM)で処置したKPCマウスの剖検後の1腫瘍あたり10視野にわたって、40倍1視野あたりの平均陽性細胞を示す、リン酸化ヒストンH3(PH3)細胞の免疫組織化学定量を示すプロットである。
ビヒクル(VEH)、ゲムシタビン(GEM)、化合物1(Cpd1)または化合物1とゲムシタビンとの組み合わせ(Cpd1/GEM)で処置したKPCマウスの剖検後、1腫瘍あたり10視野にわたって、40倍1視野あたりの平均陽性細胞を示す、リン酸化切断型カスパーゼ3(CC3)細胞の免疫組織化学定量を示すプロットである。図6a、6b、6c、6dおよび6eは、ゲムシタビンと組み合わせた化合物1が、KPCマウスモデルの全生存を相乗的に増加させることを示している。そこで、図6aは、ゲムシタビンと組み合わせた化合物1が、KPCマウスの相対的体重を維持することを示している。図6bは、ビヒクル、ゲムシタビン単独または化合物1単独と比較して、ゲムシタビンと組み合わせた化合物1が、各剤単独と比較して、全生存を相乗的に増加させながら、腫瘍体積を同時に低下させることを示している。図6c、6dおよび6eは、ビヒクル、ゲムシタビン単独または化合物1単独と比較して、ゲムシタビンと組み合わせた化合物1が、PDA細胞および特定の細胞バイオマーカーの増殖率の全体的な低下を示すことを示している。
ビヒクル(veh)または化合物1(Cpd1)で処置したKPCマウスの3D高解像度超音波で測定した腫瘍体積を示すプロットである。
ビヒクル(veh)または化合物1とゲムシタビンとの組み合わせ(Cpd1/gem)で処置したKPCマウスの3D高解像度超音波で測定した腫瘍体積を示すプロットである。図7aは、ビヒクルと比較して、化合物1が、KPCマウスモデルPDA腫瘍体積の時間依存的低下を示すことを示しており、図7bは、ゲムシタビン単独または化合物1単独と比較して、ゲムシタビンと組み合わせた化合物1が、KPCマウスPDA腫瘍体積のさらなる時間依存的低下を示すことを示している。
ビヒクル(VEH)、化合物1(Cpd1)、ゲムシタビン(GEM)または化合物1とゲムシタビンとの組み合わせ(Cpd1/GEM)で処置したKPCマウスにおいて7日にわたって体積パーセント変化により測定した腫瘍増殖を示すプロットである。
ビヒクル(V)、化合物1(Cpd1+V)、ゲムシタビン(G)または化合物1とゲムシタビンとの組み合わせ(Cpd1+G)で処置したKPCマウスにおいてマウスが肝転移を有するパーセントを示すプロットである。図8aは、ビヒクル、ゲムシタビン単独または化合物1単独と比較して、ゲムシタビンと組み合わせた化合物1が、KPCマウスPDA腫瘍増殖の低下を示すことを示しており、図8bは、ビヒクルおよびゲムシタビン単独と比較して、ゲムシタビンと組み合わせた化合物1が、KPCマウスPDA駆動肝転移の減少を示すことを示している。
ゲムシタビン(GEM)で処置したKPCマウスからの染色腫瘍切片を示す画像である。
化合物1とゲムシタビンとの組み合わせ(Cpd1/GEM)で処置したKPCマウスからの染色腫瘍切片を示す画像である。図9aは、ゲムシタビン誘導アポトーシス細胞集団を示しており、図9bは、ゲムシタビンと組み合わせた化合物1により誘導されるアポトーシス細胞集団を示している。そこで、ゲムシタビンと組み合わせた化合物1は、アポトーシス細胞集団の顕著な増加を示し、アポトーシス誘導の相乗的増加を示唆している。
ビンキュリン(VINC)負荷対照と比較した、ビヒクル(VEH)、0.1μMのノコダゾール(NOC)、0.1μMの化合物1(0.1)または1.0μMの化合物1(1.0)で24時間処理したAspc1、MiaPaCa-2およびPanc1細胞のBMI-1レベルを示す一連のウエスタンブロットである。図10aは、ビヒクルおよびビンキュリンの発現と比較して、化合物1が、様々な細胞型におけるBMI-1タンパク質発現の一貫した減少を示すことを示している。
ビヒクル(VEH)、0.1μMの化合物1(Cpd1)または1.0μMの化合物1(Cpd1)で96時間にわたって処理したJ1002VEHおよびJ1002TAM細胞の相対的生存率を示すグラフである。図10bは、ビヒクルおよびJ1002の存在と比較して、化合物1が、BMI-1タンパク質発現に依存する細胞の生存率の用量および時間依存的低下を示すことを示している。
化合物1で72時間処理したJ1002VEHおよびJ1002TAM細胞の用量応答曲線を示すグラフである。図10cは、ビヒクル処理した細胞と比較して、化合物1が、J1002の存在下でBMI-1タンパク質発現の減少に対してサブμMの活性を示すことを示している。
ビヒクル(VEH)または1.0μMの化合物1(Cpd1)で24時間処理したJ1002VEH細胞の代表的なDNAヒストグラムを示すグラフである。
ビヒクル(VEH)または1.0μMの化合物1(Cpd1)での処理から24時間後のG0/G1期、S期およびG2/M期におけるJ1002VEH細胞のパーセントを示すグラフである。
ビヒクル(VEH)または1.0μMの化合物1(Cpd1)で24時間処理したJ1002TAM細胞の代表的なDNAヒストグラムを示すグラフである。
ビヒクル(VEH)または1.0μMの化合物1(Cpd1)での処理から24時間後のG0/G1期、S期およびG2/M期におけるJ1002TAM細胞のパーセントを示すグラフである。図10d、10e、10fおよび10gは、ビヒクルおよびJ1002の存在と比較して、化合物1が、倍数性に影響されるBMI-1依存性細胞の量の用量および時間依存的増加を示すことを示しており、そこでデータは総体的に、化合物1が有糸分裂停止の結果として間接的にBMI-1過剰リン酸化を誘導することを示唆している。
8、16および24時間の時点にわたって組み込まれた、DMSOまたは1μMの化合物1(Cpd1)で処理したAspc1細胞のRNA-seqにより測定された差次的発現遺伝子を示すプロットである。
ビヒクル(VEH)、3.0μMの化合物1(Cpd1)、1.0μMのコルヒチン(COL)または1.0μMのパクリタキセル(TAX)で2時間処理したAspc1細胞からの遊離チューブリンを示すウエスタンブロットである。処理後、細胞溶解物を遠心分離により分画し、遊離チューブリンを微小管から分離した。LSP=低速ペレット(1,000×g、5分)、HSP=高速ペレット(100,000×g、1時間)、HSS=高速上清(100,000×g、1時間)。図11aおよび11bは、ビヒクル、COL(カルボプラチン)およびTAX(タモキシフェン)と比較して、化合物1が、チューブリン形成の防止において有意な倍率変化の増加を示すことを示している。
ビヒクル(VEH)で24時間処理したAspc1細胞におけるチューブリンおよびDAPIを示す画像である。
化合物1(Cpd1)で24時間処理したAspc1細胞におけるチューブリンおよびDAPIを示す画像である。図11cおよび11dは、ビヒクルと比較して、化合物1がチューブリン形成の有意な減少を示すことを示している。
ビヒクル(DMS)、タモキシフェン(TAX)、カルボプラチン(COL)および化合物1(0.12μM、0.37μM、1.11μM、3.33μMおよび10μM)で処理した細胞の経時的なチューブリン重合アッセイを示すグラフである。
図11eに示す蛍光単位/分を示すグラフである。図11eおよび11fは、ビヒクル、COL(カルボプラチン)およびTAX(タモキシフェン)と比較して、化合物1がチューブリン重合の用量依存的低下を示すことを示しており、そこでデータは総体的に、化合物1が微小管形成を直接阻害することを示唆している。
ビヒクル(veh)、ゲムシタビン(gem)、nab-パクリタキセル(nabP)、ゲムシタビンとnab-パクリタキセルとの組み合わせ(gm/nabP)、化合物1(Cpd1)、化合物1とゲムシタビンとの組み合わせ(Cpd1/gem)、化合物1とnab-パクリタキセルとの組み合わせ(Cpd1/nabP)および化合物1とゲムシタビンとnab-パクリタキセルとの組み合わせ(Cpd1/gem/nabP)で処置したヒトPDAに由来する患者由来の皮下異種移植片の経時的な平均腫瘍体積を示すグラフである。
ビヒクル(veh)、ゲムシタビン(gem)、nab-パクリタキセル(nabP)、ゲムシタビンとnab-パクリタキセルとの組み合わせ(gm/nabP)、化合物1(Cpd1)、化合物1とゲムシタビンとの組み合わせ(Cpd1/gem)、化合物1とnab-パクリタキセルとの組み合わせ(Cpd1/nabP)および化合物1とゲムシタビンとnab-パクリタキセルとの組み合わせ(Cpd1/gem/nabP)で処置したマウスの経時的な体重を示すグラフである。
ゲムシタビン(gem)、nab-パクリタキセル(nabP)および化合物1(Cpd1)で処理した腫瘍の増殖定数および減衰定数を示すグラフである。
ビヒクル(veh)、ゲムシタビン(gem)、nab-パクリタキセル(nabP)、ゲムシタビンとnab-パクリタキセルとの組み合わせ(gm/nabP)、化合物1(Cpd1)、化合物1とゲムシタビンとの組み合わせ(Cpd1/gem)、化合物1とnab-パクリタキセルとの組み合わせ(Cpd1/nabP)および化合物1とゲムシタビンとnab-パクリタキセルとの組み合わせ(Cpd1/gem/nabP)で処置した各マウスの腫瘍応答を示すプロットである。図12a、12b、12cおよび12dは、nab-パクリタキセルとの二重の組み合わせ、ならびにゲムシタビンとnab-パクリタキセルとの三重の組み合わせのいずれかまたは両方での化合物1が、PDAのヒト由来異種移植片モデルにおいて腫瘍体積および全体的な腫瘍増殖を相乗的に低下させることを示している。そこで、図12aは、ビヒクル、ゲムシタビン単独、化合物1単独、nab-パクリタキセル単独、nab-パクリタキセルと組み合わせたゲムシタビンおよび化合物1と組み合わせたゲムシタビンと比較して、nab-パクリタキセルとの二重の組み合わせ、ならびにゲムシタビンとnab-パクリタキセルとの三重の組み合わせのいずれかまたは両方での化合物1が、腫瘍体積を相乗的に低下させることを示している。図12bは、ビヒクル、ゲムシタビン単独、化合物1単独、nab-パクリタキセル単独、nab-パクリタキセルと組み合わせたゲムシタビンおよび化合物1と組み合わせたゲムシタビンと比較して、nab-パクリタキセルと組み合わせた化合物1およびゲムシタビンとnab-パクリタキセルの両方と組み合わせた化合物1では、相乗的に、すべての組み合わせが、KPCマウスの相対的体重を維持することを示している。図12cは、ゲムシタビン、化合物1およびnab-パクリタキセルのいずれかの存在または不在と比較して、ゲムシタビンおよびnab-パクリタキセルのいずれかまたは両方と組み合わせた化合物1が、腫瘍体積の減衰率を増加させながら、全体的な腫瘍増殖率を有意に低下させることを示している。図12dは、ゲムシタビン、化合物1およびnab-パクリタキセルのいずれかの存在または不在と比較して、ゲムシタビンおよびnab-パクリタキセルのいずれかまたは両方と組み合わせた化合物1が、初期腫瘍体積を有意に低下させることを示している。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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