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公開番号
2025031936
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-07
出願番号
2024229394,2020196281
出願日
2024-12-25,2020-11-26
発明の名称
耐火被覆構造
出願人
清水建設株式会社
代理人
弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類
E04B
1/94 20060101AFI20250228BHJP(建築物)
要約
【課題】柱・梁の合成耐火構造の結露対策として好適な耐火被覆構造およびその施工方法を提供する。
【解決手段】壁体12に近接して対向配置される鉄骨柱または鉄骨梁14の外側から壁体12の表面にかけて連続的に設けられる無機系の耐火被覆材16を備える耐火被覆構造10であって、無機系の耐火被覆材16の外側から内側への水蒸気Wの透過を抑制するために無機系の耐火被覆材16の外側に設けられるとともに透湿抵抗が無機系の耐火被覆材16の透湿抵抗よりも高い有機系のコーティング材18をさらに備えるようにする。有機系のコーティング材18は、改質アスファルト系防水材を主材とする材料により構成してもよい。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
壁体に近接して対向配置される鉄骨柱または鉄骨梁の外側から壁体の表面にかけて連続的に設けられるシート状の無機系の耐火被覆材を備える耐火被覆構造であって、前記無機系の耐火被覆材の外側に、有機系のコーティング材が吹付けられていることを特徴とする耐火被覆構造。
続きを表示(約 180 文字)
【請求項2】
前記有機系のコーティング材は、改質アスファルト系防水材、アスファルト系エマルジョン防湿材、水溶性アクリル系防水材、超速硬化ウレタン防水材、高弾性アクリルゴム系壁面防水化粧材、超低汚染型NAD弾性ポリウレタン樹脂塗料、超低汚染型水性弾性ふっ素樹脂塗料のいずれかを主材とする材料により構成されることを特徴とする請求項1に記載の耐火被覆構造。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、防湿機能を有する耐火被覆構造およびその施工方法に関するものである。
続きを表示(約 1,600 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、鉄骨造の建物において外壁近傍に鉄骨梁や鉄骨柱を設置する際に、鉄骨の耐火被覆を外壁との合成耐火構造とする場合が多い。合成耐火構造を採用する理由は、外壁と鉄骨が近接することにより鉄骨の外壁側の面の耐火被覆の施工性が極めて悪くなるためである。
【0003】
合成耐火構造の外壁面には、耐火認定上、結露対策用の断熱材等が設置することができないため、寒冷地や室内が高湿度となるIDC、病院、住宅、ホテル等の建物において当該外壁面に多量の結露が発生し実害に繋がる場合がある。
【0004】
合成耐火構造の結露は、例えば図3に示すように、暖房等で発生する室内A側の水蒸気Wが鉄骨梁1を被覆する耐火被覆材2を透過して合成耐火構造の内部3に浸入し、外気4により冷却された外壁5の内面で露点に達することで発生する。このため、耐火被覆材2で透湿抵抗が確保できれば、この結露は抑制できると考えられる。しかし、現在市販されている耐火被覆材には結露対策に十分な透湿抵抗を保持できるものはない。なお、図3において、符号6は結露防止用の発泡プラスチック系断熱材である。合成耐火構造においては、耐火認定上外壁5の内面にこうした断熱材を施工することはできない。
【0005】
従来の合成耐火構造の結露対策として、例えば防湿層付きマキベエ(「マキベエ」は登録商標)などの防湿層付きの巻付けロックウールフェルトを使用する方法や耐火被覆材の表面に現場発泡ウレタンを施工する方法がある。しかし、防湿層付きの巻付けロックウールフェルトは乾式工法のため、耐火被覆材端部及び耐火被覆を貫通する部材との取り合い部の防湿処理の施工性が悪いこと、現場発泡ウレタンは透湿抵抗が結露対策上十分とは言えないこと等が挙げられ、両者とも実用性および品質確保の面で難点がある。
【0006】
また、耐火被覆構造における他の結露防止技術として、例えば特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1は、不燃性の外壁に対向して設けられる鉄骨柱に対する耐火性能を確保しつつ、鉄骨柱周りの断熱性能と気密性能を向上させることができる耐火被覆構造に関するものである。この耐火被覆構造は、鉄骨柱の外周のうち外壁に対向しない剥出部を覆う熱膨張性の耐火被覆シート層と、耐火被覆シート層の表面を覆う金属膜の気密層と、鉄骨柱の剥出部と耐火被覆シート層の間に設けられるフェノール樹脂発泡体を主材とする断熱層とを備えているものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2010-43445号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、柱・梁の合成耐火構造において好適な結露対策が求められていた。また、耐火被覆材端部及び耐火被覆を貫通する部材との取り合い部においても隙間のない安定した防湿層を形成することができる技術が求められていた。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、柱・梁の合成耐火構造の結露対策として好適な耐火被覆構造およびその施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る耐火被覆構造は、壁体に近接して対向配置される鉄骨柱または鉄骨梁の外側から壁体の表面にかけて連続的に設けられる無機系の耐火被覆材を備える耐火被覆構造であって、無機系の耐火被覆材の外側から内側への水蒸気の透過を抑制するために無機系の耐火被覆材の外側に設けられるとともに透湿抵抗が無機系の耐火被覆材の透湿抵抗よりも高い有機系のコーティング材をさらに備えることを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)
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