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公開番号2025031530
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-07
出願番号2024090896
出願日2024-06-04
発明の名称鉄塔基礎構造、鉄塔基礎の構築方法及び鉄塔基礎の構築に用いる治具
出願人東電設計株式会社
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類E02D 27/00 20060101AFI20250228BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】鉄塔の大型化等によって杭に作用する荷重が大きくなったときに、この荷重に対する杭の強度を確保することができる鉄塔基礎構造、鉄塔基礎の構築方法及び鉄塔基礎の構築に用いる治具を提供する。
【解決手段】鉄塔基礎10は、設置地盤26に埋設され、杭頭部28Aの一部が鉄塔12の高さ方向における最も下側の外側ピース32の内周側に設けられ、杭頭部28Aの上面28A1上に内側ピース30が配置された杭28を備えている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
鉄塔の鉄骨脚部の一部を構成する脚材と、
前記脚材における前記鉄塔の高さ方向下側の下端部と一体的に設けられたプレキャストコンクリート製の内側ピースと、
前記内側ピースの外周側に当該内側ピースの外周面と間隔をあけて配置されると共に、当該内側ピース側からの圧力を支持可能とされ、前記高さ方向に複数連なって配置されたプレキャストコンクリート製の外側ピースと、
前記内側ピースと前記外側ピースとの間に介在し、かつ当該内側ピース及び当該外側ピースに密着状態で設けられたコンクリート製の介在部と、
設置地盤に埋設され、杭頭部の一部が前記高さ方向における最も下側の前記外側ピースの内周側に設けられ、当該杭頭部の上面上に前記内側ピースが配置された杭と、
を有する鉄塔基礎構造。
続きを表示(約 2,100 文字)【請求項2】
前記外側ピースは、軸方向を前記高さ方向とされた円筒状とされており、
最も下側の前記外側ピースの内周面における前記上面の直上に当該外側ピースの径方向内側に開放されたボックス部が当該外側ピースの周方向に沿って複数配置されている、
請求項1に記載の鉄塔基礎構造。
【請求項3】
設置地盤に円筒状のスタンドパイプを打ち込んで当該スタンドパイプ内を掘削し、
前記スタンドパイプの内周側に円筒状のケーシングを打ち込んで当該ケーシング内を掘削し、
前記ケーシング内に鉄筋籠を配置し、
前記ケーシング内に第1生コンクリートを注入しつつ当該ケーシングを引き抜き、
円筒状とされたプレキャストコンクリート製の外側ピースの内周面における当該外側ピースの下端面から所定の間隔をあけた箇所に円板状の治具を配置し、
前記外側ピースを前記鉄筋籠の杭主筋と前記スタンドパイプとの間に位置するように前記第1生コンクリート上に配置し、
前記治具の下方側において前記外側ピースの内周側に第2生コンクリートを充填し、
前記スタンドパイプの内周面と前記外側ピースの外周面との間に第3生コンクリートを充填しつつ当該スタンドパイプを引き上げ、
前記第1生コンクリート及び前記第2生コンクリートの固化後のコンクリートから前記治具を除去して当該コンクリート上に鉄塔の鉄骨脚部の一部を構成する脚材の下端部と一体に設けられたプレキャストコンクリート製の内側ピースを載置し、
前記内側ピースと前記外側ピースとの間に第4生コンクリートを打設する、
鉄塔基礎の構築方法。
【請求項4】
厚さ方向から見て外周が円形とされると共に中心部に第1貫通部が設けられた円板状の本体部と、
前記本体部の下面に取り外し可能に取り付けられ、複数の木板で構成されると共に、全体が前記厚さ方向から見て外周が前記本体部の外周よりも大きい円形とされると共に中心部に第1貫通部に収まる第2貫通部が設けられた円板状とされた接触板部と、
前記本体部の上面に当該本体部の周方向に沿って複数配置されると共に前記厚さ方向から見て先端部が前記接触板部の外周よりも当該本体部の径方向外側に位置する第1状態と、当該先端部が当該外周よりも当該径方向内側に位置する第2状態と、をとることが可能とされた可動部と、
を有する鉄塔基礎の構築に用いる治具。
【請求項5】
前記可動部は、前記周方向を板厚方向とされかつ前記径方向に延在する板状とされると共に、前記先端部よりも当該径方向内側の部分における下方側の部分の厚さが下方に向かうに従って薄くなっており、
前記上面における前記第1貫通部側に設けられると共に前記第1状態において前記可動部が係止されることで当該可動部の前記径方向外側への変位を制限する第1係止部と、
前記上面における前記本体部の外周側に設けられると共に前記第1状態において前記可動部が前記周方向に揺動可能に係止される第2係止部と、
をさらに備えている、
請求項4に記載の鉄塔基礎の構築に用いる治具。
【請求項6】
前記可動部は、前記周方向を板厚方向とされかつ前記径方向に延在する板状とされると共に、
前記可動部の前記径方向内側の内側端部における前記本体部と反対側の部分は、前記厚さ方向において当該本体部の反対側に延出された延出部とされており、当該延出部における前記径方向外側の周縁部は、前記周方向から見て当該径方向内側から当該径方向外側に向かって下り勾配となっている、
請求項4に記載の鉄塔基礎の構築に用いる治具。
【請求項7】
前記上面における前記第1貫通部側に設けられると共に、前記第1状態において前記可動部の前記径方向外側への変位を制限し、かつ前記本体部に締結部材で取り付けられた内側制限部をさらに備えている、
請求項6に記載の鉄塔基礎の構築に用いる治具。
【請求項8】
前記内側制限部は、
前記上面において前記可動部の前記周方向一方側と他方側とに配置されると共に当該上面から前記本体部と反対側に立ち上がった一対のベース部と、
前記可動部における前記本体部の反対側に配置されて一対の前記ベース部に挟持されると共に前記周方向の厚さが当該可動部における当該周方向の厚さよりも厚いスペーサ部と、
を備えている、
請求項7に記載の鉄塔基礎の構築に用いる治具。
【請求項9】
前記スペーサ部は、前記ベース部に取り外し可能に取り付けられている、
請求項8に記載の鉄塔基礎の構築に用いる治具。
【請求項10】
前記スペーサ部は、前記周方向から見て、前記可動部と反対側の周縁部が当該可動部と反対側に凸となる半円状とされると共に、当該可動部側の周縁部が当該可動部に沿うように延在する直線状とされている、
請求項8に記載の鉄塔基礎の構築に用いる治具。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄塔基礎構造、鉄塔基礎の構築方法及び鉄塔基礎の構築に用いる治具に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、鉄塔基礎構造に関する発明が記載されている。この鉄塔基礎構造では、設置地盤に埋設された杭における杭頭部の設置面上に基礎の一部を構成するプレキャストコンクリート製の部材が配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-094457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記先行技術では、鉄塔の大型化等によって杭に作用する荷重が大きくなったときに、この荷重に対する杭の強度を確保するという観点においては改善の余地がある。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、鉄塔の大型化等によって杭に作用する荷重が大きくなったときに、この荷重に対する杭の強度を確保することができる鉄塔基礎構造、鉄塔基礎の構築方法及び鉄塔基礎の構築に用いる治具を提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様に係る鉄塔基礎構造は、鉄塔の鉄骨脚部の一部を構成する脚材と、前記脚材における前記鉄塔の高さ方向下側の下端部と一体的に設けられたプレキャストコンクリート製の内側ピースと、前記内側ピースの外周側に当該内側ピースの外周面と間隔をあけて配置されると共に、当該内側ピース側からの圧力を支持可能とされ、前記高さ方向に複数連なって配置されたプレキャストコンクリート製の外側ピースと、前記内側ピースと前記外側ピースとの間に介在し、かつ当該内側ピース及び当該外側ピースに密着状態で設けられたコンクリート製の介在部と、設置地盤に埋設され、杭頭部の一部が前記高さ方向における最も下側の前記外側ピースの内周側に設けられ、当該杭頭部の上面上に前記内側ピースが配置された杭と、を有している。
【0007】
第1の態様に係る鉄塔基礎構造によれば、プレキャストコンクリート製の内側ピースが、鉄塔の鉄骨脚部の一部を構成する脚材における鉄塔の高さ方向(以下、単に高さ方向と称する)下側の下端部と一体的に設けられている。
【0008】
また、内側ピースの外周側に内側ピースの外周面と間隔をあけて、プレキャストコンクリート製の外側ピースが高さ方向に複数連なって配置されており、これらの外側ピースは、内側ピース側からの圧力を支持可能とされている。
【0009】
そして、内側ピースと外側ピースとの間には、内側ピース及び外側ピースと密着状態で設けられたコンクリート製の介在部が介在している。このため、鉄塔に懸架された電線等に起因する引き上げ荷重等が脚材を介して内側ピースに伝達すると、内側ピース側から外側ピース側に介在部を介して圧力が作用することとなる。そして、この圧力は、外側ピースによって支持することができるため、本態様では、鉄塔を安定した状態で支持することができる。
【0010】
ところで、本態様では、設置地盤に埋設された杭の杭頭部における上面上に内側ピースが配置されており、杭には、脚材を介して高さ方向上側からの荷重、すなわち押し込み荷重が作用する。そして、鉄塔が大型化すると、この押し込み荷重によって杭が圧縮されて杭がはらむといったことが考えられる。
(【0011】以降は省略されています)

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