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公開番号
2025031428
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-07
出願番号
2023173435
出願日
2023-10-05
発明の名称
封止シート及び、樹脂組成物層を有するディスプレイ
出願人
artience株式会社
代理人
主分類
C09J
7/38 20180101AFI20250228BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約
【課題】光半導体素子を封止する場合において、埋め込み性とシームレス性に優れ、マイクロLEDを光源とするディスプレイに適用した場合においても埋め込み性とシームレス性に優れる封止シートを提供することを課題とする。
【解決手段】光半導体素子を封止するための封止シートであって、前記封止シートは、保護フィルムと、樹脂組成物層とがこの順に配置されており、前記樹脂組成物層は、樹脂(A)と、金属酸化物粒子(B)とを含有し、前記金属酸化物粒子(B)の個数平均一次粒子径が5~50nmであって、前記樹脂組成物層の屈折率が1.45~1.65である封止シートによって解決される。
【選択図】 図1
特許請求の範囲
【請求項1】
光半導体素子を封止するための封止シートであって、
前記封止シートは、保護フィルムと、樹脂組成物層とがこの順に配置されており、
前記樹脂組成物層は、樹脂(A)と、金属酸化物粒子(B)とを含有し、
前記金属酸化物粒子(B)の個数平均一次粒子径が5~50nmであって、
前記樹脂組成物層の屈折率が1.45~1.65である封止シート。
続きを表示(約 810 文字)
【請求項2】
前記金属酸化物粒子(B)が、Ti、Al及び、Zrからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む請求項1に記載の封止シート。
【請求項3】
前記樹脂(A)は、(メタ)アクリル樹脂(a)及びウレタン樹脂(b)からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む請求項1に記載の封止シート。
【請求項4】
前記樹脂組成物層は、ヘイズが12%以下であり、全光線透過率が80%以上であり、
前記樹脂組成物層のCIE L
*
a
*
b
*
色空間より求められる彩度C
*
が0~10である請求項1に記載の封止シート。
【請求項5】
前記樹脂組成物層は厚さTaが1~100μmであり、
前記保護フィルムは厚さTbが10~188μmである請求項1に記載の封止シート。
【請求項6】
前記保護フィルムと前記樹脂組成物層とが直接積層されており、
前記保護フィルムの前記樹脂組成物層と接する面におけるISO 25178で規定された二乗平均平方根高さSqの、前記樹脂組成物層の厚さTaに対する割合が0.01~30%である請求項5に記載の封止シート。
【請求項7】
前記樹脂組成物層の動的粘弾性測定により得られる損失正接の-50~80℃の範囲におけるピークトップ強度(tanδピーク強度)が0.6~2.2である請求項1~6いずれかに記載の封止シート。
【請求項8】
前記光半導体素子が、マイクロLEDである請求項7に記載の封止シート。
【請求項9】
樹脂(A)と、金属酸化物粒子(B)とを含有し、前記金属酸化物粒子(B)の個数平均一次粒子径が5~50nmであって、屈折率が1.45~1.65である封止層を有するディスプレイ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、封止シートに関するものであり、詳しくは例えば電子機器やディスプレイをはじめとする様々な製品に使用される光半導体素子を封止するための樹脂組成物層を含む封止シート、並びに前記樹脂組成物層が搭載されたディスプレイに関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、ディスプレイはさらなる高性能化に向け、様々な発光素子を用いた開発が盛んに行われている。
具体的には、液晶や量子ドットなどを用いたバックライト式ディスプレイ、ミニ/マイクロLEDや有機ELなど自発光素子を用いたディスプレイ、プラズマディスプレイ、電気泳動ディスプレイなど、様々なディスプレイ仕様が研究されており、サイネージやテレビなどの大型ディスプレイ用途からタブレット、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、ウェアラブル機器等の小型サイズまで幅広く活用が検討されている。特に、LEDを用いたディスプレイ開発は、日増しに進められており、特許文献1にはLED素子を封止する熱硬化性樹脂組成物が記載されている。次世代ディスプレイ技術として最も注目されているのがマイクロLEDディスプレイである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2021/200035号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、取り扱いが容易であり、簡易な工程且つ短時間で光半導体素子を封止することができる光半導体素子封止用シートが記載されている。しかし、近年小型化が進んでいる光半導体素子においては、光半導体素子同士の間隔がより狭くなり特許文献1に記載されるシート状の樹脂組成物ではマイクロサイズの光半導体素子に追従して空隙を埋めること(埋め込み性)が困難である。光半導体素子と封止用樹脂組成物との間に空隙がある場合、特にLEDディスプレイモジュールにおいて、空隙部の光の屈折によって輝度が低下してしまう。
また、マイクロLEDディスプレイは、9~10インチ程度の小型マイクロLEDディスプレイモジュールをタイル状に縦横に繋ぎ合わせることで大画面を構成する。この場合、近距離でディスプレイを観察した際、モジュールのつなぎ目が目立ってしまう(シームレス性)という問題が発生している。
高輝度に加えて、つなぎ目が目立たないディスプレイを作成するために埋め込み性とシームレス性に優れた封止シートが求められている。
【0005】
本開示は上記問題点に鑑みてなされたものであり、光半導体素子の埋め込み性に優れる封止シートを提供することを課題とする。また、特にマイクロLED素子を光源とするディスプレイに適用した場合において、埋め込み性とシームレス性に加え視認性に優れる封止シート及び樹脂組成物層を有するディスプレイを提供することを課題とする。
また、更なる課題として、マイクロLEDディスプレイ製造工程の簡易化の観点から基板に対する密着性に優れる封止シートを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らが鋭意検討した結果、以下に示す遮光シートにより上記課題を解決できることを見出し、下記[1]~[9]の本発明を完成するに至った。
【0007】
[1]:光半導体素子を封止するための封止シートであって、前記封止シートは、保護フィルムと、樹脂組成物層とがこの順に配置されており、前記樹脂組成物層は、樹脂(A)と、金属酸化物粒子(B)とを含有し、前記金属酸化物粒子(B)の個数平均一次粒子径が5~50nmであって、前記樹脂組成物層の屈折率が1.45~1.65である封止シート。
[2]:前記金属酸化物粒子(B)が、Ti、Al及び、Zrからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む[1]に記載の封止シート。
[3]:前記樹脂(A)は、(メタ)アクリル樹脂(a)及び、ウレタン樹脂(b)からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む[1]に記載の封止シート。
[4]:前記樹脂組成物層は、ヘイズが12%以下であり、全光線透過率が80%以上であり、前記樹脂組成物層のCIE L
*
a
*
b
*
色空間より求められる彩度C*が0~10である[1]に記載の封止シート。
[5]:前記樹脂組成物層は厚さTaが1~100μmであり、前記保護フィルムは厚さTbが10~188μmである[1]に記載の封止シート。
[6]:前記保護フィルムと前記樹脂組成物層とが直接積層されており、前記保護フィルムの前記樹脂組成物層と接する面におけるISO 25178で規定された二乗平均平方根高さSqの、前記樹脂組成物層の厚さTaに対する割合が0.01~30%である[5]に記載の封止シート。
[7]:前記樹脂組成物層の動的粘弾性測定により得られる損失正接の-50~80℃の範囲におけるピークトップ強度(tanδピーク強度)が0.6~2.2である[1]~[6]いずれかに記載の封止シート。
[8]: 前記光半導体素子が、マイクロLEDである[7]に記載の封止シート。
[9]:樹脂(A)と、金属酸化物粒子(B)とを含有し、前記金属酸化物粒子(B)の個数平均一次粒子径が5~50nmであって、屈折率が1.45~1.65である封止層を有するディスプレイ。
【発明の効果】
【0008】
本開示により、光半導体素子の埋め込み性に優れ、特にマイクロLED素子を光源とするディスプレイに適用した場合においても、埋め込み性とシームレス性、密着性と視認性に優れる封止シート及び樹脂組成物層を有するディスプレイを提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0009】
封止シートの積層構成例を示す模式的断面図。
光半導体素子を有する基板上に封止層を形成する工程を示す模式的断面図。
マイクロLEDの基板を模した試験基板の一例を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示を詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本開示の一例を説明するものである。本開示は以下の実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を変更しない範囲において実施される変形例も含まれる。
本明細書において「~」を用いて特定される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値、および上限値の範囲として含むものとする。(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸およびメタクリル酸をいう。また、本明細書中に出てくる各種成分は特に注釈しない限り、それぞれ独立に1種単独でも2種以上を併用してもよい。
(【0011】以降は省略されています)
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