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公開番号2025016202
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-31
出願番号2023119329
出願日2023-07-21
発明の名称粘着シート
出願人日東電工株式会社
代理人弁理士法人籾井特許事務所
主分類C09J 7/38 20180101AFI20250124BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】熱膨張性微小球を含んで、加熱によるはく離性を発現し得る粘着シートであって、はく離を要さない高温下においても、厚みの変化、表面粗さの変化が、抑制された粘着シートを提供すること。
【解決手段】本発明の1つの実施形態による粘着シートは、基材と、樹脂層と、第1の粘着剤層とをこの順に備える粘着シートであって、該第1の粘着剤層が熱膨張性微小球を含み、該粘着シートのTMA分析による厚み変形開始温度Tf(℃)と、EGA/MS分析による熱膨張性微小球のガス化開始温度Tgas(℃)とが、Tf≧Tgas-10の関係を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
基材と、樹脂層と、第1の粘着剤層とをこの順に備える粘着シートであって、
該第1の粘着剤層が熱膨張性微小球を含み、
該粘着シートのTMA分析による厚み変形開始温度Tf(℃)と、EGA/MS分析による熱膨張性微小球のガス化開始温度Tgas(℃)とが、Tf≧Tgas-10の関係を有する、
粘着シート。
続きを表示(約 590 文字)【請求項2】
前記基材の前記樹脂層とは反対側に、第2の粘着剤層をさらに備える、請求項1に記載の粘着シート。
【請求項3】
前記粘着シートを130℃の環境下30分間加熱した後、25℃/60%RHで24時間保管した際の前記第2の粘着層表面の表面粗さRa(I)に対する、該保管後に160℃の環境下で450秒間加熱した後の該第2の粘着層表面の表面粗さRa(II)の比(変化率)が、130%以下である、請求項2に記載の粘着シート。
【請求項4】
前記熱膨張性微小球のガス化開始温度Tgasが、180℃未満である、請求項1に記載の粘着シート。
【請求項5】
前記熱膨張性微小球のガス化開始温度Tgasは、180℃以上である、請求項1に記載の粘着シート。
【請求項6】
前記第1の粘着剤層厚みが、前記樹脂層の厚みより薄い、請求項1に記載の粘着シート。
【請求項7】
前記第1の粘着剤層中、熱膨張性微小球の体積充填率が、21%以下である、請求項1に記載の粘着シート。
【請求項8】
前記樹脂層の160℃における動的貯蔵弾性率G’が0.1MPa以下である、請求項1に記載の粘着シート。
【請求項9】
前記基材の厚みは、40μm~200μmである、請求項1に記載の粘着シート。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着シートに関する。より詳細には、熱刺激に応答して、易剥離性を発現し得る粘着シートに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、電子部品等を加工する際に、被加工物を固定または仮固定するために粘着シートが用いられることがある。例えば、半導体ウェハやセラミックシートを切断するための仮固定材として粘着シートが用いられたり、半導体チップを樹脂で封止する工程(チップサイズパッケージ:CSPやウェハレベルパッケージ:WLP)における仮固定材として粘着シートが用いられることがある。このような粘着シートのひとつとして、熱膨張性微小球を含む粘着剤層を備え、加熱による当該熱膨張性微小球の発泡により粘着力が低下する粘着シートが検討されている。
【0003】
近年、FOWLPの半導体パッケージング分野では、適応できる半導体デバイスの拡大の為、半導体チップを樹脂封止する際に高い位置精度が要求されるようになっている。樹脂封止工程におけるチップシフトには封止樹脂の流動性が大きく影響しており、チップシフトのバラツキ改善を目的に樹脂封止温度が高温化するトレンドが加速している。このような樹脂封止工程において、上記のような粘着シートを用いると、樹脂封止温度が高温化することで、熱膨張性微小球が膨らむ温度に近づき、粘着シートの厚みが変化してしまったり、粘着シートの表面粗さを変化させたりしてしまうことで、チップシフトのバラツキを悪化させてしまう問題が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2003-201452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、熱膨張性微小球を含んで、加熱によるはく離性を発現し得る粘着シートであって、はく離を要さない高温下においても、厚みの変化、表面粗さの変化が、抑制された粘着シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]本発明の1つの実施形態による粘着シートは、基材と、樹脂層と、第1の粘着剤層とをこの順に備える粘着シートであって、該第1の粘着剤層が熱膨張性微小球を含み、該粘着シートのTMA分析による厚み変形開始温度Tf(℃)と、EGA/MS分析による熱膨張性微小球のガス化開始温度Tgas(℃)とが、Tf≧Tgas-10の関係を有する。
[2]上記[1]に記載の粘着シートは、上記基材の上記樹脂層とは反対側に、第2の粘着剤層をさらに備えていてもよい。
[3]上記[2]に記載の粘着シートにおいて、当該粘着シートを130℃の環境下30分間加熱した後、25℃/60%RHで24時間保管した際の上記第2の粘着層表面の表面粗さRa(I)に対する、該保管後に160℃の環境下で450秒間加熱した後の該第2の粘着層表面の表面粗さRa(II)の比(変化率)が、130%以下であってもよい。
[4]上記[1]から[3]のいずれかに記載の粘着シートにおいて、上記熱膨張性微小球のガス化開始温度Tgasが、180℃未満であってもよい。
[5]上記[1]から[3]のいずれかに記載の粘着シートにおいて、上記熱膨張性微小球のガス化開始温度Tgasは、180℃以上であってもよい。
[6]上記[1]から[5]のいずれかに記載の粘着シートにおいて、上記第1の粘着剤層厚みが、上記樹脂層の厚みより薄くてもよい。
[7]上記[1]から[6]のいずれかに記載の粘着シートにおいて、上記第1の粘着剤層中、熱膨張性微小球の体積充填率が、21%以下であってもよい。
[8]上記[1]から[7]のいずれかに記載の粘着シートにおいて、上記樹脂層の160℃における動的貯蔵弾性率G’が0.1MPa以下であってもよい。
[9]上記[1]から[8]のいずれかに記載の粘着シートにおいて、上記基材の厚みは、40μm~200μmであってもよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、熱膨張性微小球を含んで、加熱によるはく離性を発現し得る粘着シートであって、はく離を要さない高温下においても、厚みの変化、表面粗さの変化が、抑制された粘着シートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の1つの実施形態による粘着シートの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
A.粘着シートの概要
図1(a)は、本発明の1つの実施形態による粘着シートの概略断面図である。粘着シート100は、基材10と、樹脂層20と、第1の粘着剤層30とをこの順に備える。第1の粘着剤層30は、熱膨張性微小球を含む。また、図1(b)に示すように、基材10の樹脂層20の反対側には、第2の粘着剤層40が設けられてもよい。
【0010】
上記熱膨張性微小球は所定温度で発泡し得る。このような熱膨張性微小球を含む第1の粘着剤層は、加熱によって熱膨張性微小球が発泡することにより、粘着面(すなわち第1の粘着剤層表面)に凹凸が生じて、粘着力が低下または消失する。本発明の粘着シートを、例えば、電子部品(例えば、半導体チップ)の加工時、被加工物の仮固定用シートとして用いた場合、該被加工物に所定の加工(例えば、樹脂封止等)を施す際には仮固定に必要な粘着性が発現され、加工後に被加工物を剥離する際には、加熱により粘着力が低下または消失して、良好な剥離性が発現される。
(【0011】以降は省略されています)

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