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公開番号
2025030751
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-07
出願番号
2023136315
出願日
2023-08-24
発明の名称
六フッ化硫黄を分解するための触媒組成物及び六フッ化硫黄の分解方法
出願人
国立大学法人 岡山大学
代理人
弁理士法人せとうち国際特許事務所
主分類
C01B
17/05 20060101AFI20250228BHJP(無機化学)
要約
【課題】特殊な装置を必要とせず容易かつ安価に六フッ化硫黄を安全に分解することができ、分解プロセスのランニングコストや環境負荷を大幅に低減することのできる触媒組成物及び六フッ化硫黄の分解方法を提供する。
【解決手段】六フッ化硫黄を分解するための触媒組成物であって、9-フルオレノール誘導体、塩基及び溶媒を含む触媒組成物である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
六フッ化硫黄を分解するための触媒組成物であって、
9-フルオレノール誘導体、塩基及び溶媒を含むことを特徴とする触媒組成物。
続きを表示(約 1,400 文字)
【請求項2】
前記9-フルオレノール誘導体が、下記式(1)で表されるアルコール誘導体又は下記式(2)で表されるケトン誘導体である請求項1に記載の触媒組成物。
TIFF
2025030751000008.tif
33
166
TIFF
2025030751000009.tif
36
166
[式(1)及び(2)中、R
1
~R
8
は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、ビニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、ニトロ基、スルファニル基、スルフィニル基、スルホニル基、複素芳香環基、パーフルオロアルキル基、カルボニル基又はハロゲン原子であり、R
1
とR
2
、R
2
とR
3
、R
3
とR
4
、R
5
とR
6
、R
6
とR
7
、又はR
7
とR
8
が環構造を形成していてもよい。]
【請求項3】
前記溶媒がアルコール系溶媒である請求項1又は2に記載の触媒組成物。
【請求項4】
六フッ化硫黄の分解方法であって、
9-フルオレノール誘導体、塩基及び溶媒を含む触媒組成物を六フッ化硫黄に接触させて、25~140℃で反応させることを特徴とする六フッ化硫黄の分解方法。
【請求項5】
前記反応において反応状況をモニタリングする工程を有し、当該モニタリングする工程が、反応液に酢酸鉛水溶液を添加して黒色沈殿の生成を確認する方法、及び/又は、反応液からフッ化物イオンを定量する方法である、請求項4に記載の六フッ化硫黄の分解方法。
【請求項6】
下記式(1)で表されるアルコール誘導体からなる前記9-フルオレノール誘導体を有機一電子還元剤として用いて六フッ化硫黄を還元的に分解し、電子移動後に生じる下記式(2)で表されるケトン誘導体をアルコールによって下記式(1)で表されるアルコール誘導体からなる前記9-フルオレノール誘導体に再生させることを特徴とする、請求項4又は5に記載の六フッ化硫黄の分解方法。
TIFF
2025030751000010.tif
33
166
TIFF
2025030751000011.tif
36
166
[式(1)及び(2)中、R
1
~R
8
は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、ビニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、ニトロ基、スルファニル基、スルフィニル基、スルホニル基、複素芳香環基、パーフルオロアルキル基、カルボニル基又はハロゲン原子であり、R
1
とR
2
、R
2
とR
3
、R
3
とR
4
、R
5
とR
6
、R
6
とR
7
、又はR
7
とR
8
が環構造を形成していてもよい。]
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、六フッ化硫黄を分解するための触媒組成物及び六フッ化硫黄の分解方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)
【背景技術】
【0002】
六フッ化硫黄(SF
6
)ガスは、優れた絶縁性能を有するとともに難燃性であることから、ガス遮断器など工業的に利用されているほか、比重が高く人体に無毒であることから網膜剥離の手術における滞留ガスなどとして医療現場で利用されている。一方で、二酸化炭素の約22,800倍の温室効果を有するとともに大気中での寿命が非常に長いため、その排出には厳しく規制が設けられている。使用済の六フッ化硫黄(SF
6
)ガスは基本的に回収、精製後に再利用されるか、大量のエネルギーを消費する高温処理やプラズマを用いて分解されている。同様に、紫外線照射による分解もいくつかの触媒を用いた例が知られるが、高エネルギーの紫外線を連続的に照射する必要がある一方で分解効率が低いとされている。
【0003】
例えば、特許文献1には、SF
6
ガスまたはSF
6
ガスを含む気体を誘導結合熱プラズマにより加熱、分解処理するSF
6
ガスの分解処理方法が記載されている。当該熱プラズマは約10,000Kの高温であり、加熱源としての能力が高く、SF
6
ガスを高処理速度で長時間連続して安定した分解処理を行うことができるとされている。
【0004】
また、分解に必要な物理的なエネルギーを、有機化合物や有機金属化合物が有する化学エネルギーで代替する例も報告されている。特許文献2には、六フッ化硫黄に有機アルカリ金属化合物を反応させる六フッ化硫黄の分解方法が記載されている。これによれば、温和な条件下、安全な方法で六フッ化硫黄を分解できるとされている。
【0005】
一方、非特許文献1において本発明者らは、9-フルオレノールを触媒として使用してニトロアルカンから有機ラジカルを生成する例を報告している。9-フルオレノールは取扱い性が良好であり、有機一電子還元剤として利用できる可能性が考えられる。しかしながら、六フッ化硫黄を分解することについての示唆はなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2001-300298号公報
特開2010-13342号公報
【非特許文献】
【0007】
Kashihara, M. et al., Synlett 2023, 34, 1482-1486
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
誘導結合熱プラズマを使用する特許文献1の高温分解処理では、多大なエネルギーが必要となるため分解コストや安全性等に問題があった。また、有機アルカリ金属化合物を使用する特許文献2の分解方法では、反応剤の調製に多大なコストがかかる他、化合物の取り扱いに空気や湿気の遮断といった特殊な調製も必要となる場合があり、更なる改善が求められていた。
【0009】
本発明者らは、このような現状に鑑みて検討を行った結果、9-フルオレノール誘導体、塩基及び溶媒を含む触媒組成物により、六フッ化硫黄を容易かつ安価に分解できることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0010】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、特殊な装置を必要とせず容易かつ安価に六フッ化硫黄を安全に分解することができ、分解プロセスのランニングコストや環境負荷を大幅に低減することのできる触媒組成物及び六フッ化硫黄の分解方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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