特許ウォッチ

公開番号2025029914
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-07
出願番号2023134803
出願日2023-08-22
発明の名称硬化性組成物の製造方法
出願人株式会社カネカ
代理人弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
主分類C08L 53/00 20060101AFI20250228BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】伸びおよび強度を両立した硬化物を与える硬化性組成物の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の一態様に係る硬化性組成物の製造方法は、工程(1)および(2)を有する。工程(1):(A)アルコキシシリル基を有する(メタ)アクリル系共重合体と、(B)アミノ基を有する化合物と、を混合する工程。工程(2):上記工程(1)において得られた混合物に、(C)硬化触媒を加える工程。(A)アルコキシシリル基を有する(メタ)アクリル系重合体は、特定の条件を満たす重合体である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
下記工程（１）および（２）を有する硬化性組成物の製造方法であって、
工程（１）：（Ａ）アルコキシシリル基を有する（メタ）アクリル系共重合体と、（Ｂ）アミノ基を有する化合物と、を混合する工程；
工程（２）：上記工程（１）において得られた混合物に、（Ｃ）硬化触媒を加える工程；
上記（Ａ）アルコキシシリル基を有する（メタ）アクリル系共重合体の分子量分布（Ｍｗ／Ｍｎ）は、１．８以下であり、
上記（Ａ）アルコキシシリル基を有する（メタ）アクリル系共重合体は、分子中に、ＸブロックおよびＹブロックを有するＸＹジブロック構造またはＸＹＸトリブロック構造を有しており、
上記Ｘブロックに含まれているアルコキシシリル基を有する（メタ）アクリル酸エステルモノマー由来の繰返し単位は、上記（Ａ）アルコキシシリル基を有する（メタ）アクリル系共重合体１分子当たり平均して２．０個超であり、
上記Ｙブロックに含まれているアルコキシシリル基を有する（メタ）アクリル酸エステルモノマー由来の繰返し単位は、上記Ｙブロックに含まれている全ての繰返し単位の重量を基準として、０重量％以上５重量％未満である、製造方法。
続きを表示（約 1,000 文字）【請求項２】
上記（Ａ）アルコキシシリル基を有する（メタ）アクリル系共重合体は、Ｒ
１
ＣＨ＝ＣＨＣＯＯＲ
２
に由来する繰返し単位を１重量％以上含んでおり、
式中、Ｒ
１
は水素原子またはメチル基であり、Ｒ
２
は炭素数が９個以上の基である、請求項１に記載の硬化性組成物の製造方法。
【請求項３】
上記（Ａ）アルコキシシリル基を有する（メタ）アクリル系共重合体の数平均分子量は、２，０００以上、５０，０００以下である、請求項１に記載の硬化性組成物の製造方法。
【請求項４】
上記工程（１）において、（Ｄ）リン酸エステルをさらに混合する、請求項１に記載の硬化性組成物の製造方法。
【請求項５】
上記工程（１）において、（Ｅ）シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体をさらに混合する、請求項１に記載の硬化性組成物の製造方法。
【請求項６】
上記（Ｅ）シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体のシリル基は、式：－Ｓｉ（Ｒ
３
）
３－ａ
（Ｘ）
ａ
で表される、請求項５に記載の硬化性組成物の製造方法：
式中、
Ｒ
３
は、炭素原子数１～２０の置換または非置換の炭化水素基を表し；
Ｒ
３
は、ヘテロ原子含有基で置換されていてもよく；
１つのシリル基にＲ
３
が複数含まれる場合、それらは同一であっても異なっていてもよく；
Ｒ
３
は、シリル基ごとに異なっていてもよく；
Ｘは、水酸基または加水分解性基を表し、
１つのシリル基にＸが複数含まれる場合、それらは同一であっても異なっていてもよく、
Ｘは、シリル基ごとに異なっていてもよく；
ａは、１、２または３である。
【請求項７】
上記（Ｅ）シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体の数平均分子量は、３，０００以上、５０，０００以下である、請求項５に記載の硬化性組成物の製造方法。
【請求項８】
請求項１～７のいずれか１項に記載の製造方法によって得られた硬化性組成物を硬化させる工程を有する、硬化物の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、硬化性組成物の製造方法に関する。
続きを表示（約 1,800 文字）【背景技術】
【０００２】
アルコキシシリル基を有する重合体分子は、アルコキシシリル基が加水分解することにより、他の重合体分子との間でシロキサン結合を形成する。この架橋反応により、ゴム状の硬化物が得られる。このような重合体分子を含有する硬化性組成物は、シーリング材、接着剤、塗料などに使用されている（例えば、特許文献１を参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
国際公開第２０２３／０４８１５５号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかし、従来の硬化性組成物には、得られる硬化物の伸びおよび強度の両立に改善の余地が残されていた。
【０００５】
本発明の一態様は、伸びおよび強度を両立した硬化物を与える硬化性組成物の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明の一態様に係る硬化性組成物の製造方法は、下記工程（１）および（２）を有し、
工程（１）：（Ａ）アルコキシシリル基を有する（メタ）アクリル系共重合体と、（Ｂ）アミノ基を有する化合物と、を混合する工程；
工程（２）：上記工程（１）において得られた混合物に、（Ｃ）硬化触媒を加える工程；
上記（Ａ）アルコキシシリル基を有する（メタ）アクリル系共重合体の分子量分布（Ｍｗ／Ｍｎ）は、１．８以下であり、
上記（Ａ）アルコキシシリル基を有する（メタ）アクリル系共重合体は、分子中に、ＸブロックおよびＹブロックを有するＸＹジブロック構造またはＸＹＸトリブロック構造を有しており、
上記Ｘブロックに含まれているアルコキシシリル基を有する（メタ）アクリル酸エステルモノマー由来の繰返し単位は、上記（Ａ）アルコキシシリル基を有する（メタ）アクリル系共重合体１分子当たり平均して２．０個超であり、
上記Ｙブロックに含まれているアルコキシシリル基を有する（メタ）アクリル酸エステルモノマー由来の繰返し単位は、上記Ｙブロックに含まれている全ての繰返し単位の重量を基準として、０重量％以上５重量％未満である。
【発明の効果】
【０００７】
本発明の一態様によれば、伸びおよび強度を両立した硬化物を与える硬化性組成物の製造方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【０００８】
〔１．硬化性組成物および硬化物の製造方法〕
本発明の一実施形態に係る硬化性組成物の製造方法は、下記の工程（１）および（２）を有する。
工程（１）：（Ａ）アルコキシシリル基を有する（メタ）アクリル系共重合体と、（Ｂ）アミノ基を有する化合物と、を混合する工程。
工程（２）：上記工程（１）において得られた混合物に、（Ｃ）硬化触媒を加える工程。
【０００９】
工程（１）においては、（Ｄ）リン酸エステルをさらに混合してもよい。この場合、工程（１）における（Ａ）アルコキシシリル基を有する（メタ）アクリル系共重合体、（Ｂ）アミノ基を有する化合物および（Ｄ）リン酸エステルの混合順序は、特に限定されない。各成分を任意の順番で混合してよいし、全ての成分を一度に混合してもよい。好ましくは、（Ａ）アルコキシシリル基を有する（メタ）アクリル系共重合体および（Ｂ）アミノ基を有する化合物を混合してから、（Ｄ）リン酸エステルを加えてさらに混合する。
【００１０】
工程（１）においては、（Ｅ）シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体をさらに混合してもよい。この場合、工程（１）における（Ａ）アルコキシシリル基を有する（メタ）アクリル系共重合体、（Ｂ）アミノ基を有する化合物および（Ｅ）シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体の混合順序は、特に限定されない。各成分を任意の順番で混合してよいし、全ての成分を一度に混合してもよい。好ましくは、（Ａ）アルコキシシリル基を有する（メタ）アクリル系共重合体および（Ｅ）シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体を先に混合し、その次に（Ｂ）アミノ基を有する化合物（および任意成分である（Ｄ）リン酸エステル）を加えて混合する。
（【００１１】以降は省略されています）

関連特許