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公開番号
2025040546
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-25
出願番号
2023147404
出願日
2023-09-12
発明の名称
樹脂成形体及び積層体
出願人
三菱ケミカル株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C08L
101/00 20060101AFI20250317BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】表面の親水性を高めた樹脂成形体を提供する。
【解決手段】変性重合体(A)及び熱可塑性樹脂(B)(ただし、前記変性重合体(A)を除く。)を含む樹脂組成物(I)からなる樹脂成形体であって、前記変性重合体(A)が、オレフィン系単量体(a1)由来の繰り返し単位と、ポリアルキレンオキシド(a2)由来の構造を有し、Sc/Icで表される変性重合体(A)の含有率比が1.0より大きい樹脂成形体。Scは樹脂成形体表面での変性重合体(A)の含有率を表し、Icは樹脂成形体内部での変性重合体(A)の含有率を表す。ただし、前記樹脂成形体内部とは、前記樹脂成形体の厚みをt(mm)としたとき前記樹脂成形体表面から厚み方向に向かって0.375×t(mm)の距離にある位置をいう。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
変性重合体(A)及び熱可塑性樹脂(B)(ただし、前記変性重合体(A)を除く。)を含む樹脂組成物(I)からなる樹脂成形体であって、
前記変性重合体(A)が、オレフィン系単量体(a1)由来の繰り返し単位と、ポリアルキレンオキシド(a2)由来の構造を有し、
下記式(1)で表される前記変性重合体(A)の含有率比が1.0より大きい樹脂成形体。
含有率比=Sc/Ic …式(1)
(式(1)において、Scは樹脂成形体表面での変性重合体(A)の含有率を表し、Icは樹脂成形体内部での変性重合体(A)の含有率を表す。ただし、前記樹脂成形体内部とは、前記樹脂成形体の厚みをt(mm)としたとき前記樹脂成形体表面から厚み方向に向かって0.375×t(mm)の距離にある位置をいう。)
続きを表示(約 430 文字)
【請求項2】
前記式(1)で表される含有率比が1.1より大きい、請求項1に記載の樹脂成形体。
【請求項3】
前記変性重合体(A)の重量平均分子量が50000以上である請求項1又は2に記載の樹脂成形体。
【請求項4】
前記ポリアルキレンオキシド(a2)を構成するアルキレンオキシドが、プロピレンオキシド及びエチレンオキシドの少なくとも一方を含む請求項1又は2に記載の樹脂成形体。
【請求項5】
前記ポリアルキレンオキシド(a2)が、官能基を有するポリアルキレンオキシド(a2-1)である請求項1又は2に記載の樹脂成形体。
【請求項6】
前記官能基を有するポリアルキレンオキシド(a2-1)が、アミノ基を有するポリアルキレンオキシドである請求項5に記載の樹脂成形体。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の樹脂成形体からなる層の少なくとも一方の面上に他の層を有する積層体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、オレフィン系変性重合体と熱可塑性樹脂とを含む樹脂組成物からなる樹脂成形体、及び前記樹脂成形体を有する積層体に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
プロピレン系重合体やプロピレン-α-オレフィン共重合体等のポリオレフィンは安価であり、機械的物性、耐熱性、耐薬品性、耐水性等にも優れていることから、広い分野で使用されている。しかしながら、前記ポリオレフィンは、分子中に極性基を持たないため一般に低極性であり、ポリオレフィン基材への塗装や接着が困難であり、塗装性と接着性の改善が望まれていた。塗装性と接着性を改善するため、ポリオレフィンの成形体の表面を薬剤等で化学的に処理すること、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理等の手法で成形体表面を酸化処理すること等の種々の手法が試みられている。しかしながら、前記の処理方法は、いずれも特殊な装置が必要であるばかりでなく、塗装性や接着性の改良が必ずしも十分ではなかった。
【0003】
そこで、比較的簡便な方法でポリオレフィン、例えばプロピレン系重合体に良好な塗装性や接着性を付与するための方法として、塩素化ポリプロピレン、酸変性プロピレン-α-オレフィン共重合体、酸変性塩素化ポリプロピレン等の変性ポリオレフィンが提案されてきた。前記変性ポリオレフィンは、一般的にはポリオレフィンの成形体表面に表面処理剤、接着剤或いは塗料等として塗布することができるという特徴を有する。前記変性ポリオレフィンは通常、有機溶媒に溶解させた溶液、又は水に分散させた水分散体等の形態で塗布する方法で使用されている。衛生管理や環境負荷の点から通常、水分散体が好ましく用いられている。
【0004】
特許文献1には、酸変性ポリオレフィンに親水系高分子を結合させた重合体を水系媒体に分散した分散液を塗料として用い、ポリプロピレン基材上に塗膜を形成した例が記載されている。しかし特許文献1に記載の方法は、乾燥塗膜を得るための焼付け時に大きなエネルギーを必要とするため、環境負荷面で課題が残る。
【0005】
そこで、ポリオレフィン基材表面を改質する方法が提案されている。例えば特許文献2には、疎水性ポリマーのブロックと親水性ポリマーのブロックとを有するグラフトポリマーを含有してなる親水性付与剤が提案されており、これを配合して改質を行ったポリオレフィン成形体が記載されている。また、特許文献3には、疎水性ポリマーのブロックと親水性ポリマーのブロックとを有するブロックポリマーを含有する樹脂表面張力調整剤が提案されている。しかしこれらの技術では、表面の親水化が充分でなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2007-270122号公報
特開2018-44021号公報
特開2021-17523号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、特殊な装置による表面処理や接着層の塗装、ゴム成分による改質を必要とせず、接触角が小さく、リコート性に優れた樹脂成形体を得ることができ、かつ変性重合体を表面に析出させることで弾性率などの機械物性の低下を抑制することができる樹脂組成物及び成形体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は以下の態様を有する。
[1]変性重合体(A)及び熱可塑性樹脂(B)(ただし、前記変性重合体(A)を除く。)を含む樹脂組成物(I)からなる樹脂成形体であって、
前記変性重合体(A)が、オレフィン系単量体(a1)由来の繰り返し単位と、ポリアルキレンオキシド(a2)由来の構造を有し、
下記式(1)で表される前記変性重合体(A)の含有率比が1.0より大きい樹脂成形体。
含有率比=Sc/Ic …式(1)
(式(1)において、Scは樹脂成形体表面での変性重合体(A)の含有率を表し、Icは樹脂成形体内部での変性重合体(A)の含有率を表す。ただし、前記樹脂成形体内部とは、前記樹脂成形体の厚みをt(mm)としたとき前記樹脂成形体表面から厚み方向に向かって0.375×t(mm)の距離にある位置をいう。)
[2]前記式(1)で表される含有率比が1.1より大きい、[1]に記載の樹脂成形体。
[3]前記変性重合体(A)の重量平均分子量が50000以上である[1]又は[2]に記載の樹脂成形体。
[4]前記ポリアルキレンオキシド(a2)を構成するアルキレンオキシドが、プロピレンオキシド及びエチレンオキシドの少なくとも一方を含む[1]~[3]のいずれか一項に記載の樹脂成形体。
[5]前記ポリアルキレンオキシド(a2)が、官能基を有するポリアルキレンオキシド(a2-1)である[1]~[4]のいずれか一項に記載の樹脂成形体。
[6] 前記官能基を有するポリアルキレンオキシド(a2-1)が、アミノ基を有するポリアルキレンオキシドである[5]に記載の樹脂成形体。
[7]前記[1]~[6]のいずれか一項に記載の樹脂成形体からなる層の少なくとも一方の面上に他の層を有する積層体。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、変性重合体(A)が表面に析出することで、特殊な装置による表面処理や接着層の塗装、ゴム成分による改質を必要とせず、接触角が小さく、リコート性に優れ、弾性率などの機械物性の低下を抑制することができる樹脂成形体が得られる。
【0010】
本発明においては、樹脂成形体の表面にポリアルキレンオキシド由来の構造を多く存在させることで成形体表面が親水化し、本発明の効果が得られる。さらに、変性重合体(A)が高分子量であると、ブリードアウトに伴う成形体表面からの脱落をさらに抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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