TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2025026739
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-21
出願番号2024219436,2021052480
出願日2024-12-13,2021-03-25
発明の名称医療用容器
出願人テルモ株式会社
代理人あいそう弁理士法人
主分類A61J 1/10 20060101AFI20250214BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】医療用容器における穿刺痕を容易に認識することができ、そのような可能性のある医療用容器の使用を回避可能な医療用容器を提供する。
【解決手段】医療用容器1は、容器本体2と、容器本体2内に収容された医療用液体と、容器本体2に設けられ、医療用具が穿刺可能なポート部3とを有する。ポート部3は、上面が第1の色を有する弾性変形性シール部材6と、弾性変形性シール部材6の上面に剥離不能に固着された塑性変形性シート8とを備える。塑性変形性シート8は、弾性変形性シール部材6の第1の色と異なる色相または異なる色調を有する第2の色を有し、かつ、塑性変形性シート8は、医療用具の穿刺により、穿刺痕83が形成され、かつ、穿刺痕83において、弾性変形性シール部材6の上面の第1の色を直接視認可能となっている。
【選択図】図8
特許請求の範囲【請求項1】
容器本体と、前記容器本体内に収容された医療用液体と、前記容器本体に設けられ、医療用具が穿刺可能なポート部とを有する医療用容器であって、
前記ポート部は、上面が第1の色を有する弾性変形性シール部材と、前記弾性変形性シール部材の上面に剥離不能に固着された塑性変形性シートとを備え、
前記塑性変形性シートは、前記弾性変形性シール部材の前記第1の色と異なる色相または異なる色調を有する第2の色を有し、かつ、前記塑性変形性シートは、前記医療用具の穿刺により、穿刺痕が形成され、かつ、前記穿刺痕において、前記弾性変形性シール部材の前記上面の前記第1の色を直接視認可能であることを特徴とする医療用容器。
続きを表示(約 700 文字)【請求項2】
前記塑性変形性シートは、透明性を有し、前記塑性変形性シートを介して、前記弾性変形性シール部材の上面を視認可能である請求項1に記載の医療用容器。
【請求項3】
前記塑性変形性シートは、透明性を有し、前記弾性変形性シール部材の前記第1の色は、前記弾性変形性シール部材の上面に前記塑性変形性シートが積層された状態における第3の色の色相または色調と相違する請求項1または2に記載の医療用容器。
【請求項4】
前記ポート部は、前記容器本体に設けられた管状開口部と、前記弾性変形性シール部材を収納し、かつ前記管状開口部に固着されたキャップとを備え、前記塑性変形性シートは、前記キャップと接触していない請求項1ないし3のいずれかに記載の医療用容器。
【請求項5】
前記弾性変形性シール部材の前記第1の色および前記塑性変形性シートの前記第2の色の一方は、白色系または青色系であり、他方は、赤色系または黄色系である請求項1ないし4のいずれかに記載の医療用容器。
【請求項6】
前記弾性変形性シール部材の前記第1の色は、明度が3以上で、彩度が1以下の白色もしくは灰色系であり、前記塑性変形性シートの前記第2の色は、赤色系、青色系、緑色系、黄色系のいずれかである請求項1ないし5のいずれかに記載の医療用容器。
【請求項7】
前記ポート部は、医療用液体排出ポートである請求項1ないし6のいずれかに記載の医療用容器。
【請求項8】
前記ポート部は、混注用ポートである請求項1ないし6のいずれかに記載の医療用容器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポートとポートに剥離可能に固着されたシートを備え、内部に医療用液体が収納された医療用容器に関する。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
薬液容器や輸液容器等の医療用容器は、収納している液体の排出、容器内への薬剤の混注などのためにポートを備えている。ポートには、弾性材料(ゴム材、エラストマー材)からなり、医療用具(例えば、輸液セットの接続針、注射針)の穿刺が可能な栓体が収納されている。また、ポートには、内側に栓体を保持するキャップを備えるものが一般的である。さらに、ポートには、栓体の上面を覆うように保護シートが剥離可能に固着されているものがある。この保護シートは、栓体の使用前の汚染防止、使用済みかどうかの確認指標として機能する。このような剥離可能なシートを備えるものとしては、特許第5122878号公報(特許文献1)、実公平3-24186号公報(特許文献2)が提案されており、また、本願出願人は、特開2018-134315号公報(特許文献3)、特開2018-138083号公報(特許文献4)を提案している。また、特許2582134号公報(特許文献5)、特開2011-78810号公報(特許文献6)には、剥離不能なプラスチックフィルムのラミネート膜が密着結合されたものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第5122878号公報
実公平3-24186号公報
特開2018-134315号公報
特開2018-138083号公報
特許2582134号公報
特開2011-78810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
最近、複数の病院で発生した輸液剤への異物混入による被害が報道等で報告されている。これは、保護シート上から針で穿刺し、医療用容器内に異物を混入した犯行とされている。
保護シートが貼付されている輸液剤では、輸液剤の保護シートが剥離されていない状態では、未使用であると医療従事者は考える。このため、投与時に、保護シートへの針刺しの有無の確認、保護シート剥離後の栓体への針刺しの有無の確認は、行われていない。また、上記の保護シートへの針刺しの有無の確認自体も容易ではない。投与時に、医療従事者が、混注の事実に気付くことは困難である。この点において、特許文献3および特許文献4のものは、医療従事者が、混注の事実に気付くことは容易であり、有効である。しかし、保護シートが貼付されていない輸液剤もあり、保護シートが貼付されていない状態の輸液剤は、慎重な確認が必要となっている。
また、特許文献4のものでは、プラスチックフィルムのラミネート膜が密着結合されており、剥離に不能である。しかし、特許文献4のものでは、異物混入の可能性についての視認は必ずしも容易なものではなかった。
また、輸液容器では、患者への投与前に他の薬剤を注入する作業が行われることがある。このため、輸液容器の排出ポートには、複数回の穿刺が行われることがある。複数回の穿刺が行われる場合、同じ部位の複数回穿刺すると液漏れを生じる可能性がある。
本願発明の目的は、ポートの弾性部材の上面に剥離不能に固着されたシートに医療用具が穿刺された場合、その確認が容易であり、混注された可能性があることを確実に認識すること、また、正規の混注の場合においては、同じ部位へ医療用具の穿刺を避けることができる医療用容器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(1) 容器本体と、前記容器本体内に収容された医療用液体と、前記容器本体に設けられ、医療用具が穿刺可能なポート部とを有する医療用容器であって、
前記ポート部は、上面が第1の色を有する弾性変形性シール部材と、前記弾性変形性シール部材の上面に剥離不能に固着された塑性変形性シートとを備え、
前記塑性変形性シートは、前記弾性変形性シール部材の前記第1の色と異なる色相または異なる色調を有する第2の色を有し、かつ、前記塑性変形性シートは、前記医療用具の穿刺により、穿刺痕が形成され、かつ、前記穿刺痕において、前記弾性変形性シール部材の前記上面の前記第1の色を直接視認可能である医療用容器。
【0006】
(2) 前記塑性変形性シートは、透明性を有し、前記塑性変形性シートを介して、前記弾性変形性シール部材の上面を視認可能である上記(1)に記載の医療用容器。
(3) 前記塑性変形性シートは、透明性を有し、前記弾性変形性シール部材の前記第1の色は、前記弾性変形性シール部材の上面に前記塑性変形性シートが積層された状態における第3の色の色相または色調と相違する上記(1)または(2)に記載の医療用容器。
(4) 前記ポート部は、前記容器本体に設けられた管状開口部と、前記弾性変形性シール部材を収納し、かつ前記管状開口部に固着されたキャップとを備え、前記塑性変形性シートは、前記キャップと接触していない上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の医療用容器。
(5) 前記弾性変形性シール部材の前記第1の色および前記塑性変形性シートの前記第2の色の一方は、白色系または青色系であり、他方は、赤色系または黄色系である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の医療用容器。
(6) 前記弾性変形性シール部材の前記第1の色は、明度が3以上で、彩度が1以下の白色もしくは灰色系であり、前記塑性変形性シートの前記第2の色は、赤色系、青色系、緑色系、黄色系のいずれかである上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の医療用容器。
(7) 前記ポート部は、医療用液体排出ポートである上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の医療用容器。
(8) 前記ポート部は、混注用ポートである上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の医療用容器。
【発明の効果】
【0007】
本発明の医療用容器は、容器本体と、容器本体内に収容された医療用液体と、容器本体に設けられ、医療用具が穿刺可能なポート部とを有する。ポート部は、上面が第1の色を有する弾性変形性シール部材と、弾性変形性シール部材の上面に剥離不能に固着された塑性変形性シートとを備える。塑性変形性シートは、弾性変形性シール部材の第1の色と異なる色相または異なる色調を有する第2の色を有し、かつ、塑性変形性シートは、医療用具の穿刺により、穿刺痕が形成され、かつ、穿刺痕において、弾性変形性シール部材の上面の第1の色を直接視認可能となっている。
【0008】
このため、弾性変形性シール部材の上面の色が穿刺痕において露出すること、さらに、露出した弾性変形性シール部材の上面の色と、その周縁部における塑性変形性シート部分の色との相違により、塑性変形性シートにおける穿刺痕を確実に視認することができ、混注された可能性があることの認識、また、正規の混注の場合においては、同じ部位へ医療用具の穿刺を回避可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、本発明の医療用容器の一実施例の正面図である。
図2は、図1に示した医療用容器の平面図である。
図3は、図1に示した医療用容器の底面図である。
図4は、図1のA-A線断面図である。
図5は、図4に示した医療用容器のポート部の拡大図である。
図6は、図1に示した医療用容器のポート部の拡大平面図である。
図7は、図5の医療用容器のポート部の有色透明塑性変形性シート付近における拡大図である。
図8は、図1に示した医療用容器の作用を説明するための説明図である。
図9は、本発明の他の実施例の医療用容器の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の医療用容器を図面に示す実施例を用いて説明する。
本発明の医療用容器1は、容器本体2と、容器本体2内に収容された医療用液体と、容器本体2に設けられ、医療用具が穿刺可能なポート部3とを有する。ポート部3は、上面が第1の色を有する弾性変形性シール部材6と、弾性変形性シール部材6の上面に剥離不能に固着された塑性変形性シート8とを備える。塑性変形性シート8は、弾性変形性シール部材6の第1の色と異なる色相または異なる色調を有する第2の色を有し、かつ、塑性変形性シート8は、医療用具の穿刺により、穿刺痕83が形成され、かつ、穿刺痕83において、弾性変形性シール部材6の上面の第1の色を直接視認可能となっている。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

テルモ株式会社
表示構造
1日前
テルモ株式会社
止血器具
4日前
テルモ株式会社
カテーテル、カテーテル組立体及び筒状体
5日前
テルモ株式会社
プログラム、情報処理方法及び情報処理装置
18日前
テルモ株式会社
医療用容器
11日前
個人
健康器具
15日前
個人
歯の掃除具
3か月前
個人
鼾防止用具
11日前
個人
歯茎みが品
1か月前
個人
導電香
1か月前
個人
マッサージ機
26日前
個人
身体牽引装置
4か月前
個人
塗り薬塗り具
2か月前
個人
脈波測定方法
18日前
個人
脈波測定方法
11日前
個人
発熱器具
3か月前
個人
片足歩行支援具
1か月前
個人
染毛方法
3か月前
個人
クリップ
1か月前
個人
収納容器
2か月前
個人
健康器具
2か月前
個人
眼科診療車
1か月前
個人
口内洗浄具
18日前
株式会社コーセー
美爪料
1か月前
株式会社コーセー
化粧料
1か月前
株式会社 MTG
浴用剤
1か月前
個人
除菌システム
1か月前
個人
避難困難者救出台車
1か月前
東レ株式会社
吸収制御剤
3か月前
株式会社ニデック
眼科装置
1か月前
株式会社ニデック
眼科装置
1か月前
個人
立位姿勢支持具
3か月前
個人
腰用サポーター
11日前
株式会社ダリヤ
毛髪化粧料
18日前
株式会社ファンケル
化粧料
3か月前
株式会社ファンケル
化粧料
4か月前
続きを見る